イスタール年代記-快楽の修練者と藍色に染まる少女たち- 作:錫鹿とらちよ
「ポーターに夜伽を勧めたって?」
ルーアンの豊かな尻を大きな手で容赦なく掴み、背後から猛烈な勢いで突き込みながらデリーが低く愉しげな声をかける。
「はっ、……はいっ!……あの子っ……フェリオ様とのっ……その、関係に……深く、悩んでいたのでっ……!」
デリーの剛直な怒張によって柔らかな腟内を隅々まで乱暴に蹂躙され、艶やかな黒髪をベッドに振り乱しながらルーアンは激しくあえいだ。
今宵もデリーの夜伽に召し上げられたルーアンは広いベッドの上で幾度となく極上の絶頂を味わわされていた。
すでに身体の芯まで蕩けきり力なく弛緩した肉体を、主の望むまま、好きなように突き貫けるようベッドに無防備に突っ伏し、尻だけを高く突き出すような情けない体勢で最後の責めを受け止めている。
これは彼女に課せられた夜の義務であり、至福の儀式でもあった。
いつものように直近の修練の内容を隠さず隅々まで報告し、主への秘め事を全て告白することで羞恥にまみれ、情欲にまみれた身体を徹底的にデリーの色へと上書きされていく。
その密やかな会話の最中、彼女は親友であるポーターと先日交わした何気ない会話を口にしていた。
自分が主であるデリーの夜伽を任され、いかに愛されているかということ。
そして、あの寡黙でどこか掴みどころのない主、フェリオとの埋まらない距離感に少なからぬ悩みを抱いていたポーターに対し、半ば冗談交じりに「夜伽をしてしまえばいいのよ」と勧めたことをあえぎ声の合間に白状していたのだ。
「ふーん……それはまた……ずいぶんと残酷なことをするな、お前は」
デリーは彼女の腰をさらに強く引き寄せながら、どこか呆れたような、しかし底意地の悪い笑みを漏らす。
「ざ、残酷……!?……んぐっ…ぅうっ!!!…」
彼の言葉の意味を問い返そうとしたルーアンの口から、悲鳴に似た艶っぽい声が漏れた。
通常、8割ほども埋めれば彼女の最奥である肉の壁へと到達するデリーの巨躯。
だが彼は、そこから残りの2割をさらに無理やり奥へと詰め込もうと腰を深く押し込んできたのだ。
硬く張り詰めた亀頭は子宮の入り口をぐりぐりと押し退け、その下、ポルチオのさらに裏側にある普段は決して触れられることのない未知の隙間にまで深く潜り込んでいく。
「あっ……!! あぁっ……!!…そ、そこっ……だめっ…そこは……!!」
先程まで快楽の波に抗うように激しく身体を跳ねさせていた褐色の少女は、一転してピタリと動きを止め言葉にならない絶叫を上げながら細くしなやかな全身をビクビクと細かく痙攣させ始めた。
逃げ場のない最奥の、さらにその裏側に獰猛な亀頭を執拗に擦り付け、彼女の脳を揺らしながらデリーは淡々と話を続けた。
「フェリオはな、俺と同期だったんだ。だがあいつの修行者時代を知る人間からすれば、あいつの存在は一言で言って『怪物』だったぞ」
「ふーっ……!……ふーっ…!!……」
身の毛もよだつほどの狂おしい感触を生み出す奥の隠れ家に侵入され、わずかな刺激でイかされそうになるのを息を殺すようにして必死に耐えながら、ルーアンは耳元で響く主の言葉を聞く。
「あいつは何事においても真面目すぎ、完璧主義が服を着て歩いているような男だ。その狂いの一切ない完璧な技術と、鋭すぎる読心によって骨抜きにされた受け手の子は数知れず、さ」
(ほ、骨抜き……?)
「あいつの繰り出す性技は精密かつ徹底した快楽の拷問だ。自己の欲求などを完璧にコントロールして完全に排し、ひたすら目の前の女性を狂わせ快感の奴隷にするためだけに特化した手練だった。あいつの虜にされて脳を灼かれた子を、あいつの後に俺たちが相手しなきゃいけなかった時は、本当に大変だったんだからな。」
「そっ……そんなに…、そんなに凄いのですか……? フェリオ様は……」
奥をじっくりと抉る侵入者の容赦ない容積に少しずつ肉体が慣れてきたのか、彼女は疼く身体を震わせながら必死に聞き返した。
「あぁ、その圧倒的な腕前ゆえに随分と早い段階で修行者の期間を切り上げさせられたほどさ。あいつに修練を任せると、受け手の女たちがみんな使い物にならなくなるか、私生活に至るまでフェリオにのめり込んでしまうからな。修行を終えた今の実戦の仕事においてもあいつに性的な技術を必要とする任務を任せる際は、上も非常に慎重になるレベルだ」
(そこまで……そこまで凄まじいというの?…あのお方が……)
ルーアンの脳裏に、先日ポーターのいる屋敷を訪れた際に書斎で初めて相まみえたフェリオという男の印象が鮮烈に蘇っていた。
美しい髪を隙なくオールバックに整え、いかにも知的で利発そうな印象を与える色男。
気品と高潔さに溢れる佇まいは、初対面のルーアンであっても思わず惚れ惚れとしてしまうほどに魅力的だった。
そんな、どこまでも冷静で絵に描いたような高貴な男性が。
その中身には女性を完全に狂わせ、肉体も精神も蹂躙し尽くすような凄絶で卓越したテクニックを秘めているのだとしたら――。
(ゴクリ……)
ルーアンは思わず生唾を飲み込んだ。
あの冷静かつ精悍な顔立ちの青年が、いざ修練や仕事の場に立てばまるで血も涙もない鬼のように女性を冷酷に、そしてどこまでも精密に責め立て、快楽の底へ突き落とすのかと思うと……
彼女の不謹慎で淫らな欲求が、下腹部を中心にドロドロとした熱い渦となって身体中に広がっていく。
「さらに、あいつは修行を終えて実戦の任務に入ってから、もう随分と久しい。そんな、化け物じみた手練の夜伽なんかをガトンから救い出されて受け手になったばかりの未熟なポーターが、まともに相手してみろ……。あの子、本当に壊れてしまうかもしれんぞ?」
デリーは、彼女の好む妄想をわざと激しく掻き立てるような冷ややかなトーンで囁きながら、彼女の最も敏感な秘所を内側からいたぶるように小突き回した。
「はあっ……はあっっ……!…はあっ、んぐっ…!!」
内側からの執拗で細かい刺激の積み重ね。
そして何より、彼女自身の大好物とも言える、主以外の男性に対する卑猥で背徳的な妄想を限界まで膨らませるような対話。
それらが完璧に噛み合い、ルーアンの興奮は文字通り限界へと達し、荒い息遣いは室内の熱気をさらに引き上げていく。
(こ、壊れてしまうって…。その、完璧すぎる性技で、頭の中が真っ白になって……女性としての本能だけでしか動けなくなるということ……?)
ルーアンは不意に、いま自分の身体を激しく貫いているデリーの怒張と、あの日見たあの冷徹で上品なフェリオの美しい顔を頭の中で淫らに重ね合わせてしまっていた。
「こら、俺に抱かれながら、他の男のことを考えているな?」
ゴリィッッ……!!!
読心を使うまでもない。
デリーは彼女の身体の反応の変化を敏感に察知し、意地悪く腰を捻りながら音を立てるかのように最奥を突き上げた。
「あぉっっ……ぐっ……!! あ、あぁっっ!!」
裏側から強引に持ち上げるようにして、最も脆いポルチオを裏から潰され、ルーアンは白目を剥くようにして大きくのけぞった。
彼に抱かれながら、未知の男性の恐るべき性技に興味をそそられ、下腹部を濡らしていたことはその過敏すぎる肉体が何より雄弁に証明していた。
「も、申し訳……ございま……あ…っ……ぁあ、あっ…」
ポルチオを容赦なく強く圧迫された状態のまま彼女はもはや言い訳を紡ぐこともできず、ただ天を仰いで全身をガタガタと震わせる。
「全く、お前は相変わらず性欲に貪欲な奴だな…。よし、そのまま一気にイけ」
子宮の下を潜り込んだ先にある、ルーアンだけの秘密の隠れ家。
そこに未だ居座り続ける圧倒的な存在感によって、最大の急所を完全に掌握されルーアンは狂おしいほどの絶頂を目前にしていた。
彼女はその溢れ出す快感を余すところなく貪り尽くそうと、全身の肉壁で彼のモノを締め上げ受け入れの体勢に入る。
「はっ……はいっ……い、イきますっ……あっ……、あぁっ、い、イクゥッッ……!!!」
ビクンッッ!!! と大きく身体が跳ね上がり、続けて断続的に、そして暴力的に襲い来る快感の激しい波を褐色の肌の隅々まで余す所なく受け止めるルーアン。
その性に対してどこまでも貪欲で忠実な雌としての姿に満足げな征服感に満ちた笑みを浮かべ、デリーはその体勢のままおびただしい量の熱い精を彼女の胎内の最深部へと一気にぶちまけた。
ドビュゥッッ!!……ブビュゥッッ……!!……ドクッッ! ドクッッ!!!
「んあっ……!!!……あ、ああああっっっっ……いやぁあああっっっ!!!……」
ポルチオを極限まで圧迫された状態での強烈なアクメに、絶え間なく注ぎ込まれる大量の熱い精液の感触が重なり、脳が灼き切れるほどの絶頂感が彼女を襲う。
自らの身体を骨の髄まで知り尽くした男による完膚なきまでの責めに屈服し、彼女は極上の快楽の海へと溺れていった。
混濁し、次第に薄れゆく意識の淵で彼女の脳裏にあの愛くるしい桃色の髪をした親友の顔がふっと浮かび上がる。
(ポーター……次に会った時、絶対に言わなきゃ…。もし、もう手遅れだったら、ごめんね……)
親友をその恐るべき快楽の怪物から救いたいという純粋な想い。
それと同時に、あの純潔で愛くるしいポーターがとてつもない手練によって徹底的に開発され、狂わされてしまうかもしれないというどうしようもなく卑猥で邪悪な期待。
それら二つの感情がドロドロに混ざり合った、実に恍惚とした淫らな表情を浮かべたまま――彼女は完全に力尽きベッドのシーツへと深く突っ伏したのだった。