※この作品はR-18です。

ようこそ実力至上主義の社会へ   作:〇彪

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2-2 女子会

 

 ───時間は金曜日の夕方に巻き戻る。

 

 綾小路と一之瀬が飛行機に乗っている間、日本では大きな変化が起こっていた。

 

 綾小路の家は珍しく国営放送が流している。

 軽井沢が住み始めてからは軽井沢と櫛田で映画を見るために使っていたそれは、仕事中にも関わらずリビングにいる櫛田からのストップもなく、逆に軽井沢と櫛田は常にニュースに目を見張る。

 

「…あいつ…やったわ…」

 

 一人ダイニングで仕事をする櫛田が呟いた声に、最近同僚になった軽井沢が反応した。

 

「なになに?櫛田さん、どうしたの?清隆の事?」

 

「…あなたの元カレが狙っていたことが、やっと分かった。なんかきな臭いと思っていたんだよね…」

 

「それって今話題の自動運転の事?」

 

「私のアルバイト先でも日本の自動運転の導入はまだまだ先だって言われていたけど…」

 

 軽井沢と佐藤、そして松下は同じソファでテレビを見ていた。

 

 綾小路が書斎に籠っている間でも時折姿を見せる二人は、自分の家の様に寛いでいた。

 

「国際サミットが行われるタイミングに合わせてバタバタととんでもない事になっているなって思ったけど、それが綾小路くんとどんな関係があるのさ?」

 

 なんの事か分からない親友二人に対して、松下は何か思うところがあるのだろうか。

 スマホでニュースを調べながら口にする。

 

「…自動運転が日本での導入がまだまだ先だと言われていたのは、事故処理の問題があるけど、先月末に議会でおおまかな法整備が決まっていたみたい。後は導入する会社のシステムをどうするか?が課題だったようだけど」

 

「今回輸入された車は、アメリカで普及しているものよりも一回り小さかった」

 

「そう、それに、メーカーはアメリカの会社だけど、車のコンパクト化とナビゲーションシステムはアメリカにある日本の会社が設計したものだわ」

 

「利益の大部分を日本が取りつつ、外側をアメリカにカモフラージュして総理大臣を抑え、日本の大企業のお墨付きもあるから民衆の不安を取り除いた」

 

「久しぶりの清隆…って感じね。緻密な戦略で後から紐解かれている感じ」

 

「書斎で何してるかなーなんて思ってたけど…。そんな事してたんだね~。でもさでもさ、なんでそんな事したんだろうね?目的は?」

 

「清隆がやる事にあたしの納得する目的は今までなかったかなー」

 

「私も分からないけど、段階がある気がする…。3年生に上がったばかりの時に、私は綾小路君と接してみてそう思った」

 

「そんなこともあったね」

 

 松下が理解していて、軽井沢が理解していない事がある。

 そして逆もそうだ。

 佐藤は佐藤で綾小路が最終的に目的にしている事を考える。

 

「…何がしたいんだろう…」

 

「それでも日本にインパクトを与えたのは間違いないかな。これでバタバタと陸送や配達、と言った仕事が自動化されてしまったら、それこそ何百万人と路頭に迷ってしまう」

 

 松下が悲壮な声を上げる。

 

「話は変わるんだけど、櫛田さん、堀北さんは?今日いないの?」

 

「堀北はちょっとしたお使いに行ったよ。そろそろ帰ってくるんじゃないかな?」

 

 ◇

 

 駐車場でポツンと人を待つ少女がいた。

 

「なんで私がこんなことを…」

 

 まだ正式にアルバイトの契約すら結んでいないのに、堀北は朝一度アルバイト先の法律事務所に顔を出したあとに、綾小路の仕事の手伝いで東京都小平市にお使いに出されていた。

 

 不動産会社のみが閲覧することを許されるサイトに、医療法人所有の土地を販売するというものだ。

 

 病院に寄って事務局長を呼び出し、書類に捺印をしてもらい、写真撮影をする。

 

 一連の流れはスムーズに終えたが、昼過ぎまでかかってしまった。

 

 家に帰ろうかと思ったが、サイトに掲載して1時間もしない内に問い合わせの電話が掛かってきてしまったため、申込書の作成を急かされる。

 

「何時間で出来ますか?」と聞かれる先方の不動産担当者にイラっとし、30分で仕上げる。

 これで終わりかと思いきや、その1時間後に正式な売買契約書の捺印が成されたために、入金を確認するために病院に戻る羽目になった。

 

「時給3,000円くらい貰わないと割に合わないわね…。いえ、もっと貰わないと」

 

 入金を確認した後は流石にもう終わりかと思われたが、さっそく買主が土地を見に来るから、現地で集合して欲しいと不動産会社に言われてしまう。

 堀北の頭には無表情のイケメンが思い浮かんでは消え、先日部屋で起きた出来事が思い出され頭をブンブンと振った。

 

「くっ…早く帰ってシャワーを浴びたいわ…」

 

 既に病院の受付は終わっている時間帯。

 先方がこちらに到着するのは後15分程だろうか。

 そして30分ぐらいで土地の案内を終わらせて…。

 と、考えていると、静かなエンジン音をさせたセンチュリーが目の前に停まる。

 

 事前に聞いていた買主だ。

 堀北はすぐに車を降りて歓迎の意を示す。

 しかし、降りて来た人物が顔見知りの存在だったため、怪訝な目を向けた。

 

「…あなたは…」

 

「やはりあなたでしたか…。そうだとは思っておりました。お久しぶりですね、堀北さん」

 

「坂柳さん?えっと、あなたが土地の買主で良かったかしら??」

 

「なんで?という顔をしておりますね」

 

「ええ…。もしかして、綾小路くんから何か言われたの??」

 

「直接指示があったわけではありません。たまたまです」

 

 そういいながら、後部座席から神室が姿を現した。

 

「あなた達、今も繋がっているのね」

 

「真澄さんには私の仕事を手伝ってもらっています。可哀想な堀北さんに、少し種明かししましょうか。私は今大学生ですが、社会人になりましたので父の仕事を代理で行う事があります。父は政府と繋がり、民間で処理しきれない案件を対応する事があるのです」

 

「話が読めないのだけど…今回の土地購入と関係があるのかしら??」

 

「土地を購入したのは不祥事故、経営者の病気、粉飾決済と、どうしようもならなくなった会社。運よく会社の売り先は決まりましたが、買主が清算人の指定を断ったんですね」

 

「土地の買主は貴方ではないの?…?」

 

「決定権が今私にあって、決定した事は確かです。しかし私の仕事は実際には計画を立てた前決定権者の尻拭いをする事。なぜ私になったのか、ですが、その会社が総務省のデータ管理を行う会社だったので、父が請け負う事になり、父の指名で私が清算人になりました。全く…面倒な仕事を押し付けられたものです」

 

「巡り巡って、成り行きで貴方が動いている事は理解したけれど、清算人の役割は倒産を速やかに行うことのはず。なんで土地の購入をする事になったの??」

 

 話に繋がりが見えない堀北は、自身の知識も踏まえてそう質問する。

 

「倒産するはずでしたが、寸前で会社を買いたいという人が現れた事と同時に、前経営者と買主の間である計画が進んでいた事が判明しました。今日、私はその計画の元行動を遂行する第一歩として、会社名を変更するはずでした」

 

「…会社が買収されると社名変更がされる事はよくある事だから、当然そうなるわよね」

 

「はい。しかしながら、変更するはずだった会社名ではなく、審査がもし通ればという前提の元、別の会社名に変更するようにと、前経営者から最後に言われた言葉だからいと買主から打診がありました。前経営者の計画書の原本は私が持っておりますので、再度確認をした後、整合性をチェックし、指示に従う事にしました。審査は無事に通過しましたが、同時に別の問題が発生。たまたま本日輸入する車の所有者と社名が一致していることが分かってしまったのです」

 

「…え?そんなことあるの???」

 

「はい、既に前経営者が、中期計画に盛り込んでいたようです。その前経営者は、だいぶ前から会社を売ることを考え行動していたようでしたから…」

 

「想定していなかったことが次々に起こるわね…」

 

「そのため急ぎ土地を購入しなければならなくなり、たまたま条件の合うこちらの土地を購入しました。もう少ししたらコンクリートの整備と、充電器、電力システムが配置されます。あぁ、もう着いた様ですね」

 

 坂柳が淡々と話していると、ちょうど何十台ものトラックが駐車場に入っていくのが見えた。

 

「腑に落ちない点がたくさんあるけど、第三者であるあなたが決めたことならなんの因果関係も確かめようがないわね」

 

「はい、強いて問題があったとすれば、スムーズに社名変更が通ってしまった事。くらいでしょうか」

 

「…??」

 

 流石にそこまではピンと来ない堀北が、訝し気な表情をする。そんな堀北を見てか、他のことを思い浮かべてかは分からないが、坂柳は嬉しそうに笑った。

 

「…まだ整理がつかないけど、とりあえず。あなたがここに来た理由は、土地を見るためなのかしら?」

 

「いいえ、私も、綾小路くんの家に連れてってもらおうかと思いまして」

 

「…マジだったんだ…」

 

 今まで一言も発しなかった神室が口にする。

 予想外の返答に堀北は頭が追いつかないが、すぐに切り替える。

 

「…なぜ、私が綾小路くんの家を知っていると?」

 

「あなたが私の目の前にいるからです。あなたが出てくる事は、直感で感じていましたから」

 

「……」

 

 堀北は考える。

 勝手に判断して良いものか。話の全容は一部しか理解していない。

 だが、今の所、坂柳は敵ではないだろう。

 綾小路がどこまで糸を引いていたのかは、彼が帰ってから問い詰めれば良い。

 それに綾小路の思惑と全く関係がなく、坂柳が本当にたまたま目の前に現れた事も否定は出来ない。

 

「…分かったわ。ちょっと確認だけさせて」

 

 そして堀北は軽井沢に電話をかける。

 綾小路の連絡先は知らないからだ。

 本来なら櫛田に話を通すべきだと思うが、櫛田は電話に出ない事が多い。

 ここは最近『仲間入り』を果たした軽井沢にお伺いを立てるべきだろう。

 

『堀北さんどうしたの?まだ帰ってこないの?既読も付かないし。』

 

「トラブル…と言うか、思ったよりも仕事がとんとん拍子で進んでしまって。今から帰るのだけど。一つ確認を取っても良いかしら?」

 

『そうなの?お願いしたのは確か土地の販売手続きだけだったよね。でも話が進んだのなら良かった。お疲れさま。確認って?』

 

「いえ…とんでもないわ。ええと…説明が長くなっちゃうから省くけど、今から坂柳さんを連れて家に戻っても良いかしら?」

 

『さかやなぎさんって……あの坂柳さん?』

 

「そう、あの」

 

『ん~~~????まぁ…良いんじゃない?清隆ならOKするんじゃないかな?後で言っておくよ』

 

「ありがとう。それじゃ、後1時間で着くと思うわ」

 

 分かった~!と間延びする軽井沢の声を耳に残し、電話を切る。

 

「確認取ったけど、問題ないわ」

 

「では真澄さん、私と一緒に堀北さんの車に乗りましょう。運転手さんは仕事が終わりましたので、帰ってもらってください」

 

「はぁっ…。分かったわよ。全く、あんた仕事とプライベートくらいちゃんと別けなさいよね…」

 

 そうして神室は半ば強制的に堀北の車の後部座席を開け、坂柳を乗せた。

 

「やっぱり堀北の車に乗ったのは間違いだったんじゃない?」

 

 神室が口にする。堀北は慣れない運転で、ブレーキをするたびに身体が前方に押し出されてしまう。

 

「神室さんね、高校の時にほとんど絡みはないはずだけど、あなたとは仲良く出来なさそうね」

 

「私も堀北と仲良くするつもりはないけど?」

 

「まぁまぁ。久しぶりに会えた同級生なんです。世間話くらいいいじゃありませんか」

 

「…あなた、当時は…怖かったわ。何を考えているか全く分からなかったし。兄さん…二つ上の生徒会長とも繋がっていたと思っていたし」

 

「あなたはお兄様と同じ大学へ進学したとか?」

 

「ええ、学部も学科も同じよ。あなたは?」

 

「櫛田さんと同じ大学に所属しております。とは言え、学部も学科も異なりますので、ほとんど顔を合わせた事はありませんが」

 

「有栖はほとんど学校に行ってないけどね」

 

「…それは真澄さんも同じでは?」

 

「いや私はちゃんと行っているから。今日も行ったし、ちゃんと就職活動もするし」

 

「見た目と違って真面目なのですね」

 

 坂柳が愉快そうに笑う。

 

「…いや、まぁあんたのような私立と比べて、私は国立だし…。ところで今どこ向かってんの?綾小路に会いに行くんでしょ?」

 

「彼が家にいるかは分からないわ。でも彼の家には連れていく。そもそもこの車自体も彼のものなのよ。あなたとの約束は家に連れていくだけよ。そうでしょ?」

 

「ええ」

 

「え?綾小路がいないのに家に行くのに意味があるの?って、いうか本当にあいつは日本にいるの??有栖の情報網で捕まらない人間が、今になって現れたって信じられないんだけど…」

 

「彼は日本に帰ってきました」

 

「へぇ~。アイツが今、何をやっているのか分からないけど、有栖は相変わらず綾小路に熱心だね」

 

「彼は特別ですので…。真澄さん、すみませんが、駐車場の完成状況を確認して貰えますか??」

 

「あーハイハイそうだね。今担当者に電話して確認する」

 

 そう言って神室はスマホを出し、イヤホンをしながら電話を掛ける。Bluetooth通話という奴だ。小声でも通話をすることが出来る。

 

「もしかして、堀北さんは綾小路くんの連絡先を知らないんですか?」

 

「…さぁ?どうかしら?」

 

「ふふふ…先ほどの電話、彼に掛けた感じじゃなかったですね。もしかして綾小路くんは今連絡が取れない状況なんじゃないですか?綾小路くんの家にいる、同級生か、彼のビジネスパートナーだったのでは?もしくはその両方…とか」

 

「…あなたが何を考えているのか分からない以上は、これ以上詮索されたくはないわね」

 

「そうですか。何も問題はありません。ちなみに…私は綾小路くんの連絡先を知っています」

 

「まさか!そんな訳ないわ。彼が日本に戻ってきてまだ2週間しか立っていない…の…」

 

 やってしまったという堀北の顔を見て、しめしめという顔の坂柳がいた。

 

「そうですか、彼が帰ってきたのは2週間前なのですね」

 

「…私もまだまだね」

 

「いえいえ、実は私も今朝連絡を受けたばかりです。まだ声も聞けておりません。綾小路くんの家に着き次第、一度電話を掛けてみようかと思っております」

 

 神室が電話を切り、駐車場の整備は問題なさそうだと報告を受ける。そして堀北一行は堀北の危なげな運転で綾小路の家に到着した。

 

 ◇

 

「お邪魔させて頂きます」

 

「なによココ…。ヤバすぎる…。億万長者か…。車が勝手に車庫に入っていくなんて…」

 

「こっちよ、着いてきて」

 

 堀北に連れられ車で最上階のオフィス兼自宅に到着する。

 車庫直結の自動ドアを少しあるき、大きなマホガニーのドアを開くとホテルのラウンジを丸々乗せ換えたような空間に到着する。堀北は先行し、櫛田と軽井沢、松下、佐藤に声を掛ける。

 

「帰ったわ」

 

「おかえり堀北さん、坂柳さんと神室さん?だよね。ごめんね、既に始めちゃってるんだ」

 

「さっ、坂柳さん!?おひ、お久しぶりです!」

 

「こんばんは~…」

 

 軽井沢、佐藤、松下の順で挨拶をする。来客のためテレビは消されており、3人はご飯の後にお酒を飲んでいた。

 

「いえいえ、私が無理に頼んだことです。一度綾小路くんの家を見ておこうかと思いまして。逆にお邪魔して大丈夫でしたか?」

 

「完璧にアウェーだっつの…。っていうか何?なんで櫛田もいるの?軽井沢はアイツと仲良かったから分かるし、あなた達は軽井沢のツレなんでしょ?堀北も…。ってあなた達その服装。もしかしてここに住んでんの??」

 

「大丈夫!清隆には誰を呼んでも良いって言われているからね!んー。まぁ…ここに住んじゃってるかなー、あはははは」

 

「坂柳さん、お久しぶりだね!!大学では全然合わないから…」

 

「櫛田さん、ご無沙汰しております」

 

「櫛田…あんたが一番意外な人選かも…」

 

「えっとね、訳あって、ここの管理を綾小路くんに任されてる管理人みたいなものだよ。夕食は食べた?来客はもてなすように言われているから、歓迎するよ!」

 

「食べてないけど…何があるの?」

 

「食べたいもの教えてもらえたら大体あるよ!堀北さんが料理得意だから作ってもらえるし!」

 

「心遣いありがとうございます。真澄さん、せっかくなので頂きましょう」

 

「すぐ帰る感じかと思ったのに…」

 

「見ての通りオフだからさ!替えの洋服も、私の貸せるし、せっかくだったら綾小路くんの家を楽しんでいってよ!部屋も空いてるから、まずはシャワーでもどうかな?…あ、堀北さんの予約が入ってるから、30分後位になるけど」

 

「ええぇええ…予想外の歓迎モードだな…」

 

「良いですね。是非、そうしましょう。真澄さんは明日の予定は?」

 

「いや明日土曜だから。土日はあんたのお世話だけど」

 

「そうでしたね、でしたら、私に付き合ってくださいますよね??」

 

「仕事だし…そりゃ付き合うけど…」

 

 有無を言わせない坂柳に気圧される神室を見て、櫛田は問題なさそうだと判断する。

 櫛田は一度坂柳と喋ってみたかった。

 きっと堀北だってそう思っている。

 今回の事も、過去のことも。

 それに今後の計画に必要な人材なのは間違いないし、雇い主が今回の出会いを想定しているのなら、受け入れないという選択肢はなかった。

 

「じゃあ!部屋案内するね。下着と部屋着なんだけど、いくつか用意しておくから、好きなの選んでね。シャワーは堀北さんの後の20時30分から使って良いよ!綾小路くんがいないから、綾小路くん専用のシャワールームも使えるけど、ウチらが使うシャンプーのストックは堀北さんのシャワールームにあるから、ちょっと待っててね!」

 

「シャワールームが二つ…まぁこれだけ広いとそうだよな…」

 

「うん!!二人は同じ部屋で良いかな?ご飯はどうする?」

 

「そうですね。せっかくですし、堀北さんと同じものを頂きましょうか」

 

「至れり尽くせりだな…。こんな事になるとは思いもしなかった…」

 

 部屋を案内され、坂柳は神室に再度駐車場の完成状況の確認を促し、自身は別の相手に電話を掛けた。

 

「あ!!清隆から返信来たよ!『麻耶ちゃんの先輩によろしく言っておいてくれ。』だって。なんの事だろ?」

 

「へー。そういえば夕方に私も先輩から綾小路君にお礼を言っておくように言われたな~」

 

 堀北が疲れ切った顔で3人分の夕食を作り、食べた後に櫛田、堀北、軽井沢、松下、佐藤、坂柳、神室の7人は堀北の作るカクテルを飲む。

 

 ───戦略的女子会が始まり、日付を跨ぐまで終わらなかった。

 

 

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