※この作品はR-18です。

ようこそ実力至上主義の社会へ   作:〇彪

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運命
5-0 運命


 

 5月末の、同窓会が終わった後の自宅。

 数名の同級生を連れて、3次会を行う。

 そして、あまり酔っていない平田と一緒に行動していたら、そろそろ寝ようかという話になった。

 

「せっかくだから、一緒に入ろうか」

 

 何がせっかくなのかは分からないが、流れでそういう感じになった。

 そんなこんなで、俺は平田洋介と風呂に入る。

 

 背中を流してくれるそうだ。

 

「ちょっと腕を上げてもらえる?脇も綺麗にしないとね」

 

「脇くらい、自分でやるが」

 

「その辺はさせてよ。念入りにやるからさ。ホラ」

 

 そういって腕を上げる。

 細かい事で言い合うつもりはないからだ。

 

 男同士のこういったスキンシップは良くあることなのだろうか。

 

「わ、やっぱり清隆くんは毛が少ないんだね」

 

「そういえば薄い方かもしれないな」

 

「剃ってる、とかないの?」

 

「あっちにいる時に脱毛はした方が良いと言われて、顔の脱毛はしたな」

 

「へぇ、そうなんだ。結構痛かった?」

 

 背中を洗う。という行為はそこまで時間がかかるものなのか。

 柔らかいブラシ、柔らかい布で平田は俺の上半身を中心に洗っていく。

 

 そのまま何も言わずにいると、背中だけなく首、脇、腕が泡で包まれていった。

 

 上半身に手を付けて来る。

 

「平田、そろそろ良い。助かった」

 

「うん、分かった」

 

「じゃあ今度は俺が背中を洗う番だな」

 

「よろしくね」

 

 そういって次は平田が座り、俺が持っているスポンジにボディソープをかけ、泡を出していく。

 

「結構ガッチリしてるんだな、サッカーは続けているのか?」

 

「うん、プロには流石になれないから、趣味だけどね」

 

 高校の体育の時、平田はサッカーが相当上手かった。

 その性格からゴールを決めることはせず、コートの真ん中でボールのコントロールをする程度だったが。

 

「サッカー業界も厳しいんだな、大学卒業後の進路は決めているのか?」

 

「まだ決めてないよ、大学2年生だしね。でも先輩たちは商社やコンサル業界に行ったみたい」

 

 平田の進学先は偏差値も相当高い大学。

 部活動やサークル活動で鍛えたコミュニケーション能力で、良い会社に就職出来るだろう。

 

「そうか、高円寺とこの前あった。あいつの会社も、候補の一つに入るんだろうな」

 

「高円寺くんの会社、というより、そのグループ会社かな。流石に中核の、それも持株会社に入社するのは難しいだろうから……」

 

 と話していた時──。

 

 扉が開かれた。

 

 扉の向こうにいるのは焦った様子の櫛田。

 その櫛田が、柔らかい笑みで言った。

 

「綾小路くんも、平田くんも、何してるのかな?」

 

 扉が徐々に開かれていき、後ろに相変わらず表情の柔らかいひより、ドン引きしている恵、ニコニコしている一之瀬がいた。

 

「何って、背中を流し合おうって平田と約束してたから……な」

 

「そうだね、それに皆も、ちょっとひどいんじゃないかな?椎名さんだって、僕たちタオルを巻いてるって言っても裸なんだから」

 

「男同士の友情ってヤツ?」

 

 というのは軽井沢。

 

「綾小路くん、そっちもいけるんだね。ちょっと、残念……かな」

 

 何もしていないのにショックを受けている様子の一之瀬。

 

「それでも誤解だと知って良かったですね、戻りましょうか」

 

 表情の変わらない椎名。

 

 そして誰かが、あー焦って損したー。と言いながらドアを閉める声が聞こえて来た。

 

「……何があったんだ?」

 

「さぁ、どうしたんだろうね」

 

 自宅の、広い、通所シャワー室。

 俺達は話に花を咲かせながら、交互に風呂に入る。

 

 平田は執拗にタオルを取ることなかった。

 タオルの奥は、少し形のある、アレが見えた。

 

 俺は何も言わない事を決めた。

 

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