『
そして今日は――サクラの強い要望により、俺たちは
昼時の学園庭園は、どこか平和な空気に包まれていた。
木々の隙間から差し込む木漏れ日が柔らかく揺れ、初夏の風が草花の香りを運んでくる。
遠くでは誰かの笑い声が響き、談笑するグループ、静かに本を読む生徒、昼寝をしている者、木陰でセックスを楽しむカップルまでいた。
庭園の中央では、噴水の水音が涼しげに響いている。
制服姿の少女たちが弁当を囲みながら楽しそうに笑い合い、その隣ではダンジョン帰りらしい生徒たちが武器ケースを傍らに置いたまま疲れた顔でジュースを飲んでいた。
ここがダンジョン学園だということを、一瞬忘れてしまいそうになる。
だが、芝生の脇に立てかけられた大剣や槍。包帯を巻いた生徒。
時折聞こえる「次は第五階層に潜るか」という会話が、この学園の日常が普通ではないことを思い出させた。
ここは平和な学園ではない。日常と隣り合わせで死が存在する場所だ。
それでも――こうして笑い合っている光景を見ると、一瞬だけ錯覚してしまう。
まるで普通の青春を送っているみたいに。
「マスター! こっちこっちなんだよー!」
先に走っていたサクラが、大きく手を振っていた。
庭園の中心から少し離れた場所。
人通りが少なく、木々に囲まれた静かな草原。
柔らかな芝生が風に揺れ、木漏れ日がまだら模様を地面へ落としている。
サクラはそこへ大きなレジャーシートを広げ、満足そうに胸を張っていた。
「ここなら誰も来なさそうなんだよ!」
「……サクラ。張り切ってるね」
後ろから歩いてきたマリィが、小さく息を吐く。
カヌは周囲を警戒するように視線を巡らせながらも、どこか安心した表情を浮かべていた。
「このように穏やかな時間を過ごすのは久しぶりです……」
そう呟く彼女の黒髪を、初夏の風が優しく揺らす。
俺は三人の様子を見ながら、小さく息を吐いた。
「マスター、早く座ってなんだよ!」
「はいはい、今行くよ」
レジャーシートへ腰を下ろす。
するとサクラが、待ってましたと言わんばかりに大きな弁当箱を取り出した。
「今日はカヌちゃん特製のお弁当なんだよ!」
「……どうしてお前が自慢げに言うんだよ」
思わずツッコむ。
「えへへー。だって、わたしも味見したんだよ!」
「つまみ食いしただけだろ……」
「……楽しみ」
マリィが珍しく少しだけ目を輝かせていた。
「たくさん、作ったので……いっぱい食べてくださいね」
カヌが少し照れたように微笑む。
その姿は、普段の騎士然とした雰囲気とは違い、どこか年相応の少女みたいだった。
レジャーシートの中央には、カヌが用意した大きな重箱が置かれていた。
蓋を開けた瞬間、ふわりと食欲を刺激する香りが広がる。
食欲を直接刺激してくる暴力みたいな香りだった。
「……すご」
思わず声が漏れる。
最上段には、綺麗に並べられた卵焼き。
ほんのり甘い香りを漂わせ、切り口は艶やかな黄色に輝いている。
隣には照りのある唐揚げが山盛りに詰め込まれており、衣には香辛料の香ばしい匂いが染み込んでいた。
二段目には、色鮮やかな料理が隙間なく並べられている。
赤いウインナー、こんがり焼かれた肉巻き、胡麻の振られたほうれん草のお浸し。
ブロッコリーやプチトマトの鮮やかな緑と赤が彩りを添え、見るだけで楽しくなるような弁当だった。
三段目には、大きなおにぎりがぎっしり詰まっていた。
梅、鮭、昆布、明太子――具材ごとに形が微妙に違っていて、どれを食べるか迷ってしまう。
横には焼き鮭や出汁の染みた煮物まで入っており、どう考えても量がおかしい。
さらに別の籠には、サンドイッチやフルーツまで用意されていた。
ふわふわのパンに分厚い卵とハムを挟んだサンドイッチ。
皮を剥かれたオレンジ、宝石みたいに瑞々しい葡萄、冷えた苺まで並んでいる。
まるで高級旅館の食事を、そのまま庭園に持ち込んだようだった。
「……いや、多すぎないか?」
思わず呟くと、カヌは少しだけ頬を赤らめた。
「はじめてのピクニックでしたので……その、張り切り過ぎてしまいました……」
「ありがとうな、カヌ。こんなに作るの大変だっただろ」
「……いえ。王のためであれば、この程度は何てことありません」
そう言って、カヌは柔らかく微笑む。
綺麗なアメジスト色の瞳が、真っ直ぐこちらを見つめていた。
吸い込まれそうなほど澄んだ瞳。
見つめられているだけで、妙に胸が落ち着かなくなる。
「……お腹空いた。早く食べよう」
「お腹ペコペコなんだよ~!」
「そうだな。せっかくだし冷める前に食べるか」
みんなでレジャーシートの上に座り直す。
そして自然と、手を合わせた。
「「「いただきます」」」
「いただきますなんだよ!」
「いただだきますなのだ!」
……ん?
思い思いに箸がおかずへ伸びていく。
一本。二本。三本。四本。……五本?
俺たち今日、四人で来たよな?
嫌な予感がして、ゆっくり顔を上げる。
そこには――モフモフの犬の着ぐるみを着た少女が、当然のような顔で弁当を食べていた。
「…………」
いや、なんで?ていうか誰かツッコめよ。
普通に混ざって食ってるんだけど。
気配が自然すぎて今まで気づかなかったわ。
いや、カヌあたり絶対気づいてただろ。
そう思ってチラリと視線を向けると、カヌは俺の視線に気づいた瞬間、ハッとしたように頭を下げた。
「申し訳ございません、幹隆様。おかずは私がお取りします。どれにいたしましょうか?」
「いや、そこじゃないんだけどね?」
問題は皿じゃない。一人増えてることなんだが。
だが、カヌの性格を考えると仕方ない。
彼女の優先順位は、ほぼ“俺”だけで構成されている。
サクラやマリィは仲間として認識しているが、それ以外の他人に対しては驚くほど無関心だ。
つまり、俺が何も言わない限り。
知らない奴が隣で飯を食っていても「そういうもの」として流してしまう。
怖いわ。
「はい、幹隆様。あーんでもいたしますか?」
「しなくていいから普通によそってくれ」
「……かしこまりました」
ニコニコしながら弁当を取り分けるカヌ。
俺は皿を受け取りつつ、横目で着ぐるみ少女を観察した。
着ているのは犬型のモフモフ着ぐるみ。
頭部の犬の口は大きく開いており、そこから少女の顔が覗いている。
白髪、オレンジ色の瞳、小柄な体格、そして妙に特徴的な語尾。
着ぐるみの手で器用に箸を扱いながら、猛烈な勢いで唐揚げを食べていた。
(……おいおい、マジかよ)
思わず頭を抱えたくなる。なんでここで遭遇するんだ。
しかもよりにもよって、Aランク俱楽部『
原作でも屈指の問題児――
見た目はゆるキャラみたいだが、中身は完全に災害枠である。
「それはわたしの唐揚げなんだよ!」
「
サクラと
ガチで、めちゃくちゃ真剣な顔で、見ると、弁当箱の唐揚げはすでに壊滅状態だった。
どうやら最後の一個らしい。
「離すんだよ!」
「そっちこそ離すのだー!」
「むぐぐぐぐ……!」
「ぬおおおお……!」
なにやってんだこいつら。しかも着ぐるみ越しなのに妙に迫力がある。
一方その頃、マリィは完全に別世界だった。
レジャーシートの端で、一人黙々と巨大なプリンを食べている。
しかもかなり幸せそうだ。
「……おいしい」
口元にカラメルを付けながら、無表情でスプーンを動かし続けている。
……マリィ、本当に甘いもの好きだな。
周囲では初夏の風が木々を揺らし、芝生の匂いが漂っている。
噴水の水音、遠くで笑い合う生徒たち、どこかのカップルの嬌声。
平和だった。少なくとも、見た目だけなら。
――なのに、なんでこうも厄介ごとに絡まれるんだ。
思わず心の中で頭を抱える。
これならまだ、以前サクラと出かけた時に絡んできたエンジョイ系の先輩たちの方がマシだった。
今の俺なら、学園に気づかれず処理することだってできる。
だが、目の前の少女は、そういう次元の相手じゃない。
犬の着ぐるみを被りながら唐揚げを奪い合っているこの少女――
彼女は、『
『
その力と
その中でも『
もっとも、原作主人公の叶馬により、その欲は抑えられるようになるのだが、この時期はまだほとんど関わりがないと思うので、いつ暴走するのか内心ヒヤヒヤしている。
もし今、暴れられたとしても止めれる気がしない。
先日、
周囲への被害を気にせず戦えたからだ。
だが、今は、学園の庭園ということもあり、力を発揮してしまうと実力がばれてしまうので争いごとになることだけは避けたい。
はぁ、仕方ないか……
「
「ありがとうなのだー!」
犬の着ぐるみが勢いよくこちらへ飛びつく。
その直後。
「それはわたしのなんだよ!?」
「早い者勝ちなのだー!」
サクラが涙目で抗議する。
いや、正確には俺の唐揚げなんだけどね……
仕方なく、俺は自分の皿に残っていたエビフライをサクラへ差し出した。
「ほら、サクラ。これやるから落ち着け」
「やったー!マスター大好きなんだよ!」
現金なやつである。
サクラは即座に機嫌を直し、エビフライへ齧りついた。
一方で、
「はぐぅ……おいしいのだぁ……」
もきゅもきゅと頬を動かす着ぐるみ姿は、見た目だけなら小動物みたいだった。
……見た目だけなら。
「それで、
俺が尋ねると、彼女はオレンジ色の瞳をぱちぱち瞬かせた。
「歩いてたら、すっごく美味しそうな匂いがしたのだ。そしたら気づいたらここにいたのだ!」
犬耳フードがぴこぴこ揺れる。完全に野生動物である。
「それより――」
「これを作ったの、誰なのだ?」
その瞬間、空気が、少しだけ変わった。
視線、圧、飢え、さっきまでの緩い雰囲気とは違う。
獣が、“餌”を見つけた時の目。……やっぱり、この人危険だ。
俺がそう感じた直後だった。
「…………」
カヌは完全に無視していた。いや、無視というか。
存在を認識していないレベルで興味がない。
視線はずっと俺に固定されたまま。
まるで、“幹隆様以外に答える必要などありません”と言わんばかりだった。
いや、ほんとブレねぇな。
「カヌ?」
俺が声を掛けると、
「はい、幹隆様。お飲み物はいかがなさいますか?」
即座に水筒を差し出してくる。
違う。今聞きたいのそこじゃない。
「……いや、その前に質問に答えてやってくれ」
するとカヌは、ほんの少しだけ嫌そうに
「……こちらのお弁当は、私が作りました」
「!!」
着ぐるみの口から覗くオレンジ色の瞳が、獲物を見つけた肉食獣みたいに輝く。
「すごいのだー!ぜひうちに来て欲しいのだ!」
ぐいっ、と身を乗り出してくる。
犬の着ぐるみ越しでも分かるほどテンションが上がっていた。
「…………」
カヌは無言だった。
ただし、僅かに眉が寄っている。たぶん困っている。
そもそもカヌは、“俺以外”への興味が極端に薄い。
他人に褒められても嬉しそうな反応をするタイプじゃない。
「ダメなんだよ!カヌちゃんはマスターの奴隷なんだよ!」
周囲の空気が一瞬だけ凍る。
サクラが、とんでもない爆弾を投下した。俺は思わず額を押さえた。
このポンコツ兵器の発言に俺は、もうどうしたらいいのかお手上げだ。
頼むからこれ以上、話をややこしくしないでくれ。
「むむっ!それは困ったのだ」
う~んと唸りながらも箸は、止まらず弁当のおかずは消えていく。
「
落ち着いた声が聞こえた。視線を向ける。
そこに立っていたのは、長身のナイスガイの男の先輩だった。
男なのに、どこか妖艶で中性的な雰囲気を纏っている。
「おお~!
どうやら回収役が来たらしい。
助かった。心の底からそう思った。
「あの~」
俺が声を掛けると、
僅かに目が細まり観察されている感覚が背筋を撫でた。
まあ、当然か。
『
加えて、俺の周囲には、美少女が三人。
しかも全員、明らかに只者じゃない雰囲気を纏っている。
「
柔らかい笑み。
だが、その奥では鋭くこちらを観察している。
「貴方、一年生で合ってるかしら?」
やっぱりそこは分かるか。この学園では、強者ほど有名になる。
特にAランク俱楽部の幹部ともなれば、生徒を見る目も肥えている。
そして何より“恐怖”がない点でで普通じゃないと分かるのだろう。
「ええ、一年の幹隆です」
「……そう」
それだけ言うと、
妙な沈黙が落ちる。風が吹き、木々が揺れる音だけが聞こえた。異質な空気だった。
とりあえず、この着ぐるみを早く引き取ってほしいところだ。
せっかくの休日なんだぞ。
なんでダンジョンダイブを休んだ日に限ってネームドキャラと遭遇するんだよ。
嫌がらせか?俺の平穏な日常生活どこ行った。
すると、
「お迎えが来たのだ!」
そして口いっぱいに食べ物を頬張ったまま、満面の笑みを浮かべた。
「お弁当、とっても美味しかったのだ!」
「……ありがとうございます」
カヌは一応返事をした。ただし声音は平坦で感情ゼロである。
「今度、うちの俱楽部にも来るのだー!」
「そうね」
「幹隆君。今度ぜひ、お礼をさせてちょうだい」
「あ、はい。機会があれば」
内心では、勝手にお弁当を食っといて何を言ってんだ?こいつらと思いつつ、表には決して出さないようにする。
この学園は強者が絶対正義なので、勝手に弁当を食べられても文句は言っちゃいけない世界だ。
つまり今のこれは、ただのカツアゲである……理不尽にもほどがある。
……というか。この流れ、どこかで見たことあるな。デジャブを感じる。
既知かな?あまり好きじゃないんだけどな。
「それじゃあ、またなのだー!」
犬の着ぐるみがぶんぶん手を振る。
そのまま
ようやく静けさが戻る。俺は深く息を吐いた。
――あと多分、俱楽部には行かないです。(二回目)
――――
風が吹き抜ける。
さっきまで騒がしかった空間が、一気に静かになった。
俺は念のため周囲を見渡す。近くに人影はいない。
木陰のカップルもいつの間にか消えていた。
そこでようやく、俺は口を開く。
「おい……なんで誰も、あの人が途中から混ざってたことにツッコまなかったんだよ」
するとサクラが、不思議そうに首を傾げた。
「え?マスターが何も言わなかったから、クラスメイトのお友達を連れてきたのかと思ったんだよ?」
「クラスに俺の友達はいない。ぼっちだからな……」
自分で話してて悲しくなってきた。
……いや待て、俺、こっちの世界に転生してから友達できたことなくない?
俺のことを”友”と呼ぶ自称友達の叶馬は、カウントしていません。俺が認めてないので……
「マスター、可愛そうなんだよ……」
サクラが、憐れむような目を向けてきた。
おい、やめろ。俺のことをそんな目で見るんじゃない。
さらに追撃が飛んでくる。
「……幹隆様。お気に召した生徒がおりましたら、お申し付けください」
カヌが静かに言った。
「攫って参りますので」
「犯罪だからやめなさい」
即答だった。カヌ、本当に俺絡みだと倫理観が消えるな……。
あと、無理やり俺のために友達作らせようとしなくていいからね。いや、本当に
わざと作ってないだけだからね。本気出したら俺、友達100人余裕で作っちゃうからね。
「……幹隆」
隣から、静かな声。マリィだった。
プリンを食べ終えた彼女は、スプーンを置き、こちらを見つめている。
綺麗な翡翠の瞳。穏やかで、どこか切なげな表情。
「友達がいなくても……私がずっとそばにいてあげるからね」
「……マリィ」
その言葉が、妙に胸へ沁みた。優しい声だった。
何も飾っていない。ただ、当たり前みたいに言ってくれる。
もう俺、友達いらねぇわ。黄昏の女神様がずっといるからね。
「ありがとうな、マリィ」
俺がそう言うと、マリィはほんの少しだけ嬉しそうに目を細めた。
……うん。やっぱ持つべきものは己のハーレムだな。
あと、サクラは後でお仕置きだな。今日何回やらかしたんだ。
====
「久しぶりにお腹いっぱいで満足したのだー! また食べたいのだー!」
犬の着ぐるみが、ぴょこぴょこと跳ねる。
夕暮れに染まり始めた学園の石畳を、私たちは俱楽部棟へ向かって歩いていた。
『
オレンジ色の夕陽が校舎を照らし、長い影を伸ばしている。
どうやら今日は機嫌がいいみたい。
学生たちの笑い声が遠くに聞こえる中、
ふわふわの犬の着ぐるみを揺らしながら、鼻歌まで歌っている。
……本当に珍しい。
『
だから普段の
機嫌が悪い日には周囲の生徒たちが近寄るだけで怯え、呼吸すら乱れる。
本来なら、ただ隣にいるだけで普通の生徒は恐怖に呑まれる。
にもかかわらず、あの子たちは平気そうな顔をしていたわね。
桜色の髪の女の子、金色の髪の女の子、そして黒色の髪の女の子も全員が普通じゃないことは一目見ただけで分かった。
誰一人として怯えていなかった。それどころか自然体だった。
まるで、
私は小さく目を細める。
曲がりなりにもAランク俱楽部の幹部を務めている。
修羅場だって潜ってきた。人を見る目も、それなりにある自信はあった。
そして、特に異質だったのが、あの男の子ね。たしか、幹隆君って言ってたかしら。
穏やかそうに笑っていた。普通の男子生徒みたいに振る舞っていた。
もしかしたら、
「ねぇ、
私は歩きながら隣の着ぐるみの
「さっきの子たち、
「そうなのだー」
「もしかして……同類だったりするのかしら?」
すると、さっきまで上機嫌だった
着ぐるみの奥。オレンジ色の瞳が細まる。
「うーん……よく分からないのだ」
珍しく曖昧な返答だった。
「でも、みんな普通じゃないのは確かなのだ」
そして。
「特に、あの幹隆君は――私より壊れてるのだ」
その言葉に、私は思わず足を止めた。
「それって『勇者』系の
学園には稀に存在する。
周囲を惹きつける天性のカリスマや、特異な魂を持つ者。
だが、
「それは違うのだ。例えが難しいのだ。イリーガルクラスを何個も持ってるように感じたのだ」
ぞくり、と背筋が震えた。
規格外の保有者は、どこか人間的に壊れている。
同じイリーガルホルダーの場合、同類かどうか見分けることができたりする。
本来であれば、一つであってもその
彼には、そんな様子が一切感じられなかった。あまりにも異常である。
まだ、一年生ということもあり、私は、久しぶりの恐怖と同時に好奇心を抱いていた。
(一体、あの子たちは何者なのかしら……今度俱楽部に来た時が楽しみね)
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