ピクニックから異空間に帰ってきた俺たちは、各々のやりたいことをして過ごしていた。
異空間の時間は停止してある。
外界では一瞬でも、ここではいくらでも休める。
サクラは裏庭で日課のひなたぼっこをしている。
木漏れ日の差し込む庭には柔らかな風が吹いていて、お気に入りのハンモックに揺られながら、気持ちよさそうにぼうっと空を眺めていた。
あいつは本当に、ああいう平和な光景が似合う。
カヌは書斎で本を読んでいる。
この世界について、まだ知りたいことが多いらしい。
机の上には何冊もの本が積み上がり、真剣な表情でページをめくっていた。
時折、難しい顔をしてはメモを取り、また静かに読み進めていく。
ちなみに、その本の入手経路は割と終わっている。
購買部で購入したものもあるが、多くは図書館の本を俺の能力――“
冷静に考えると完全にアウトである。
だが、この倫理観が崩壊した学園で今さら細かいことを気にしても仕方がない。
セックスアンドバイオレンスな世界で図書館の本を複製した程度のことでは、罪悪感すら抱かなくなってしまった。
俺もそれなりにこの世界に馴染んできているのかもしれない。
そのことを軽く口にしたら、カヌは当然のように、「でしたら、私が現地で調達して参りましょうか?」などと言い出した。
さらっと学園の外へ出ようとするな。
いや、カヌなら実際できてしまうのだろうが……問題は、何が起こるかわからないことだ。
この世界は、俺が知っている原作と似ていて、しかし決定的に違う。
想定外が起こることを前提に動かなければならない。
だから、その提案は即座に却下した。
マリィはというと、食べ疲れたのか寝室で眠っていた。
ベッドの上で小さく丸まり、すぅすぅと穏やかな寝息を立てている。
……まあ、あれだけ大量のスイーツを食べれば当然か。
甘いものを大量に摂取すると血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンが大量に分泌される。
その反動で血糖値が急降下し、強烈な眠気を引き起こす。
たぶん、そんな感じだろう。
いや、そもそも
……疲れてるな、俺。
こんなときに変な雑学が頭をよぎる辺り、脳が完全に現実逃避している。
本当なら、今日はただのんびりした休日になるはずだった。
ピクニックをして、美味いものを食べて、ゆっくり休む。
それだけの予定だったのに。
結果として、妙に騒がしく、妙に疲れる一日になってしまった。
俺は小さく息を吐きながら、濡れた髪をかき上げる。
先ほど軽くシャワーを浴びてきたところだ。
火照っていた身体も落ち着き、頭の中も多少は整理された。
ふと、窓の外へ視線を向ける。
裏庭では、サクラがハンモックの上でだらしなく伸びていた。
異空間の日差しを浴びながら、完全に気が抜け切っている。
幸せそうに揺られる姿は、まるで警戒心という概念を捨てた猫みたいだった。
その姿を見ていると、自然とさっきのことを思い出す。
――そう言えば、まだ“お仕置き”が終わってなかったな。
ピクニック中、サクラは調子に乗ってかなり好き放題していた。
いや、普段から割と自由だが、今日は特に酷かった気がする。
俺は苦笑しながら立ち上がる。
静かな廊下を抜け、裏庭へ続く扉を開いた。
暖かな風が頬を撫でる。
その先では、サクラがこちらに気づく様子もなく、ハンモックの上で蕩けるようにくつろいでいた。
……さて、どうやって仕返ししてやろうか。
俺が裏庭へ出ると、サクラはまだハンモックの上で揺られていた。
柔らかな陽射しを浴びながら、目を細めてうとうとしている。
完全に無防備なサクラに、俺は気配を殺したまま近づき、そのままハンモックの横へ立つ。
ハンモックの上で伸び切っていたサクラの耳がぴくりと動いた。
「……んぁ?」
眠たげに薄く目を開ける。だが、俺の姿を確認した瞬間。
「っ……マ、マスター!?」
ガバッと飛び起きた。
遅い。俺はそのままハンモックの縁へ腰を下ろし、逃げようとしたサクラの額を軽く小突く。
「いたっ!?」
「今日は随分好き放題してくれたよな?」
「な、何のことなんだよ~?」
視線が露骨に泳いでいる。完全に自覚ありだ。
「ピクニックで余計なこと言ったり、唐揚げ全部食ったり、人のことぼっち扱いしたり」
「そ、それは……」
「しかも最後には俺を可哀想な目で見てただろ」
「だ、だって本当に友達いないって言うから……」
サクラがしゅん、と耳を垂らす。
その姿が妙に小動物っぽくて、思わず笑いそうになる。
だが、ここで甘やかすとまた調子に乗る。
「だから、お仕置き」
「ひぃっ」
サクラの身体がぴくりと震えた。
俺はそのまま彼女の頬を指で軽く摘まむ。
「むにぃ……」
「今日は反省するまで逃がさないからな」
「や、優しくしてほしいんだよ……?」
上目遣いでそんなことを言ってくる。
まったく、こういうところだけ妙にずるい。
俺は小さく息を吐きながら、サクラの頭を撫でた。
柔らかな桜色の髪が指の間をさらりと抜けていく。
サクラは気持ち良さそうに目を細め、そのまま俺の胸元へ擦り寄ってきた。
「……マスターの匂い、落ち着くんだよ」
甘えるような声。
さっきまで騒いでいたのに、今はやけに大人しい。
ハンモックがゆらゆらと揺れる。
夕暮れに染まり始めた異空間の空は静かで、聞こえるのは風の音だけだった。
「反省したか?」
「……ちょっとだけなんだよ」
「全然してないじゃないか」
「でも、マスターが構ってくれたから満足なんだよ」
悪戯っぽく笑ったサクラの額を、軽く指で弾く。
「いたっ」
「それで誤魔化せると思うなよ」
「むぅ……」
唇を尖らせながらも、サクラは逃げようとはしなかった。
むしろ、甘えるように俺の肩へ頭を預けてくる。
ハンモックがゆっくり揺れる。異空間の空気は静かだった。
その穏やかな空気の中で、サクラは細めた瞳でこちらを見上げる。
「……マスター」
「ん?」
「もっと撫でてほしいんだよ」
随分素直だな。
そう思いながら髪へ指を通すと、サクラは気持ち良さそうに喉を鳴らした。
さらさらとした桜色の髪。
撫でるたび、彼女の身体から力が抜けていく。
「……えへへ」
その笑顔は、本当に安心しきっていた。俺は小さく息を吐く。
さっきまでのお仕置きのつもりが、結局いつものように甘やかしてしまっている。
だが、こうして穏やかな時間を過ごすのも悪くなかった。
「マスター」
「なんだ?」
「今日、楽しかったんだよ」
サクラはぽつりと呟く。
「みんなでお弁当食べて、笑って……こういうの、好きなんだよ」
その言葉に、少しだけ胸が熱くなる。
危険なダンジョン、死と隣り合わせの学園。
そんな世界だからこそ――こういう時間が、妙に大切に思えた。
サクラは俺の服の裾をきゅっと掴む。
うるんだ瞳が目に入る。
学園の紺の制服を着こなしているが、さっきまで、ハンモックに寝転がっていたこともあり、白いワイシャツからはちらりと胸の谷間が見えた。
「……そっか。俺も楽しかったよ」
素直な胸の内を明かしてくれたサクラが愛おしくて、掴まれた手を優しく握り返す。
だが、視線はどうしても、はだけたワイシャツの隙間に吸い寄せられていた。
ハンモックの揺れに合わせて、紺色の制服の奥で、サクラの豊かな果実がぷるぷると微かに震える。
夕暮れの光に照らされた胸の谷間は、呆れるほど白く、そして眩しかった。
ゴクリ、と喉が鳴る。
一度意識してしまうと、もう駄目だった。
脳裏に、かつて何度も貪った彼女の柔らかい肉体の感触が、鮮烈に蘇ってくる。
「マスター……?」
俺の視線に気づいたのか、サクラの頬がぽっと赤く染まる。
けれど、彼女は胸元を隠そうとはしなかった。
むしろ、潤んだ瞳で俺をじっと見つめ、誘うように小さく唇を開く。
「……また、身体が熱くなってきちゃったんだよ」
その一言が引き金だった。
俺はハンモックからサクラを引き寄せるようにして、2人で芝生の上へと降り立つ。
「んむっ……!?」
驚きに目を見開くサクラの唇を、強引に奪った。
「ん、……んん……っ、ちゅ……ちゅぷ……ん、は……」
何度も角度を変え、深く、貪るように唇を重ねる。
サクラの小さな手が俺の背中に回され、しがみついてくる。
お互いの舌が絡み合うたび、じゅるじゅると淫らな音が夕暮れの異空間に響いた。
息が続く限り互いの唾液を貪り合い、唇を引き剥がすと、きらきらとした銀の糸が夕闇に優艶に伸びる。
「はぁっ、ふぁ……マ、マスターぁ……♡」
ようやく唇を離すと、サクラは完全に蕩けた表情で、俺の胸に体重を預けてきた。
激しい口づけだけで完全にスイッチが入ってしまったらしい。
俺は立ったままの状態で、サクラの紺色の制服スカートを乱暴に捲り上げた。
現れたのは、白い太ももと、肉感的なお尻を包む薄いショーツ。
その中央はすでに、溢れ出た愛液でぐっしょりと色を変え、メスの甘い匂いを放っている。
「もうこんなに濡れてる……」
「だって、マスターが強引だから……っ、サクラのここ、お漏らししちゃうんだよぉ……っ♡」
ショーツのクロッチを無理やり横にずらし、溢れ出る愛液ごと指先で秘所に触れる。
「あふんッ!? あ、ああんッ♡」
それだけで、サクラの身体がびくんと跳ねた。
指先を窄みへと滑り込ませると、溢れんばかりの熱い蜜がじゅちゅ、と音を立てて指を包み込む。
内部はすでに吸いつくような熱を帯び、俺の指をきゅうきゅうとしめつけてくる。
「サクラ、立ったまま入れるぞ。俺にしっかり捕まってろ」
「うん、うんっ……! 早く、マスターの、ちょーだいぃ……っ!」
俺は自分のズボンを引き下げ、すでに怒張してはち切れんばかりの質量を解放する。
サクラの片脚を持ち上げ、俺の腰にしがみつかせるようにして、濡れそぼる最奥の入り口へと、へそまで反り返った熱い先端を押し当てた。
「あ、あ……入ってくる、んだよ……っ♡」
グチュリ、と制服の擦れる音に混じって、肉が割り入る生々しい音が響く。
立ったままだからこそ、重力も相まって、サクラのきつい窄みが俺のペニスを容赦なく締め付ける。
半分ほど埋まったところで、あまりの極上の肉の圧に息が詰まりそうになった。
制服という障害物があるからこそ、その隙間から強引に繋がっている背徳感が、ちんぽをさらに一回り大きく膨張させる。
「くそ、きつすぎる……っ!」
「んあァッ! 苦しい、けど……っ、すっごく、……気持ちいいんだよぉおおッ♡」
覚悟を決めて、一気に最奥まで腰を突き出す。
――ドスッ!!!
「ひゃああああああんッッ♡♡♡」
サクラが可愛らしい悲鳴を上げて、俺の首筋にきつく抱きついてきた。
マホウの契約を通じて、頭が破裂しそうなほどの快感がダイレクトに脳内をループする。
言葉を介さずとも、サクラの脳内が俺のちんぽの形に押し広げられ、悦びに狂っているのがリアルタイムで伝わってくるのだ。
繋がったまま、サクラの身体をガシッと抱き上げるようにして、激しく腰を突き上げ始めた。
――グチュ、パンパンパンパンッ!
――ジュク、グチュ、パンッ、アンッ!!
「あ、あっ、あ、あーーーっ♡ ……激しい、マスター、……すごいのっ、……動くたびに、頭の中おバカになっちゃうぅぅッ♡」
紺色の制服スカートが、激しいピストンに合わせてパタパタと虚しく揺れる。
立ったままの体勢は、突くたびにサクラの最奥、一番敏感な子宮口をダイレクトに抉る形になっていた。
亀頭が奥を突くたびに、サクラの身体がびくんと跳ね上がり、膣壁がこれ以上ないほど強烈にちんぽを締め上げる。
サクラは俺の肩に顔を埋め、わんわんと泣き叫ぶように声を漏らす。
「サクラ、最高だ……っ、制服のまま、こんなに激しく突かせてくれるなんて……っ!」
「は、はうぅっ♡ サクラは、マスターのモノ、なんだよっ……! もっと、もっと、奥まで壊してぇッ!!」
限界まで高まった2人のレベルが、肉体の強度と感度をさらに跳ね上げていく。
突くたびにお互いの背筋を電流のような快楽が駆け抜け、足がガクガクと震える。
いつバランスを崩して倒れてもおかしくないスリルが、さらに脳内物質を分泌させ、快感を加速させた。
「サクラ、出すッ……! 中に、いっぱい注ぎ込んでやる……ッ!!」
「あ、あぁっ、いいよ、いいよぉっ! サクラのナカに、マスターのドロドロ、いっぱーい出してぇッ!!」
最後の一突きを、これ以上ないほど深く、愛液でぐちょぐちょになった子宮の入り口へと叩きつける。
「う、出すぞッ!!」
「ひゃァァあああああーーーーっ♡♡♡」
ドクドクドクッ!!!と、凄まじい勢いで、熱い精液がサクラの窄みの奥へと噴射された。
サクラの身体が弓なりに硬直を始め、お互いの脳内が真っ白な絶頂の光で埋め尽くされる。
マホウのリンクを通じて、白濁が子宮を叩く衝撃が2人の意識を同時にぶっ飛ばした。
「はぁ、はぁ、はぁ……っ」
出し切った後、ゆっくりとペニスを引き抜くと、結合部から行き場を失った白濁が、じょぼじょぼと音を立ててサクラの太ももを伝い、緑の芝生へと溢れ落ちていった。
「うぅ……っ、すごかった、んだよ……」
サクラは力なく笑いながら、今度こそ俺と一緒に、ふかふかの芝生の上へと倒れ込むのだった。
初めて出会った頃の、あの初々しくてどこか初心らしかった彼女の姿は、もうそこにはない。
今や俺が少し触れただけで身体を熱くし、立ったままでも激しく求めてくるような、エロに貪欲なエッチな精霊になってしまったのだ。
いや、隷属の影響だけでなく、俺自身が彼女をここまで変えてしまったのかもしれないが……。
「……まあ、可愛いからいいか」
――――
俺はサクラとのひと時を終えたあと、一人で異空間の武器倉庫へ来ていた。
静かな空間だった。外界の時間は停止している。
だが、この異空間の時間だけは確かに流れ続けていた。
最初はただの真っ白な何もない畳に過ぎなかったはずだ。
それなのに、レベルアップを重ねるたび、この場所は少しずつ“世界”としての形を持ち始めている。
外の時間は停止しているが、異空間での時間は動いている。
朝、昼、夕暮れ、夜、気づけば、そんな概念まで生まれていた。
実際に何度も測定した結果、この異空間は二十四時間で一周期を形成している。
今は、その中でも夕暮れに当たる時間帯だった。
武器倉庫の巨大な窓から、橙色の光が差し込んでいる。
棚へ並べられた剣や槍、魔導具の輪郭が、長い影となって床へ伸びていた。
どこか神殿にも似た空気感が、この異空間にはある。
俺は小さく息を吐きながら、窓の外へ視線を向けた。
空には、“太陽”が浮かんでいる。
それは、本物の恒星とは明らかに違っていた。
巨大な光球。
ただ静かに空中へ浮遊し、この異空間全体を照らしている。
初めて発見したときは流石に驚いた。
試しに近づいて調べてもみたが、熱は存在しなかった。
触れられそうな距離まで接近しても燃えることはなく、ただ眩い光だけを放っていた。
まるで“太陽という概念”だけを模倣した人工物。
サクラの『日光の精霊』が影響しているのか、あるいは、異空間生成そのものが変質しているのか。
理由は分からない。
ただ確かなのは、この空間が既に単なる生活空間の域を超えているということだった。
ちなみ、月や他の星々は今のところ確認できていない。
夜になっても空は黒く染まるだけで、宇宙らしきものは確認できない。
ただ、あの人工的な疑似太陽だけが、決まった周期で空を巡っている。
さて、この武器庫に来た目的はいくつかあるんだが、主な理由はカヌの新しい武器になりそうなものを見繕うためだった。
先日の『
剣自体は“
もちろん、壊れた剣自体は“
だが、それとこれとは話が別だ。これから相手にする敵は、さらに上位の魔物。
そんな連中を相手にするのに、いつまでもゴブリンソードでは流石に不安が残る。
武器性能の差が、そのまま生存率に直結する。
だからこそこうして、異空間の武器倉庫まで足を運んでいるのである。
巨大な倉庫内を歩きながら、俺は棚へ積み上げられた武器へ視線を向ける。
剣、槍、斧、大盾、見たこともない形状の異国武器。
武器庫の規模は、もはや小さな軍事基地レベルだった。
もっとも、その大半は使い道がない。
俺とサクラは基本的に防具不要。マリィは聖遺物そのもの。
俺自身も融合戦闘主体だから、普通の武器を必要としない。
結果として、ダンジョンで拾った装備品だけが延々と溜まり続けるのである。
俺は近くの木箱を開け、中身を確認する。
中には、オーク系統の魔物が使用していたらしい大型武器が大量に詰め込まれていた。
黒鉄の槍、刃こぼれした戦斧、魔力を帯びた片刃剣、その中から比較的状態の良い物を手に取っていく。
カヌの戦闘スタイル的に、重量武器は合わない。
あいつの強みは、圧倒的な機動力と神速の踏み込みだ。
となると――
「やっぱり細身の剣か槍系統かな……」
ぽつりと呟く。
『
俺たちのパーティーには、致命的な問題があった。
アイテムを鑑定したりする『
本来であれば、こういった専門職を抱える俱楽部へ依頼する必要がある。
何度か『
装備の鑑定や修復も、あそこなら信用できる。
……ただ、今は近づきたくない。
理由は簡単だった。
現在、原作主人公――叶馬が、『
正確には、“パートナー解消を賭けた決闘”を片っ端から申し込んでいる。
建前は決闘。実態は、ほぼ恐喝である。
原作知識がある俺からすれば、今のあいつの周囲は完全にイベント発生地帯だった。
下手に近づけば巻き込まれる。なるべく目立ちたくないから関わらずに過ごすのが一番である。
俺は拾い集めた武器を床へ並べながら、小さく息を吐いた。
しかし、金だけは妙に貯まっていた。
装備を売却していないにもかかわらず、クリスタルの売買だけで現在の貯金額は二千万を超えている。
食費と消耗品にしか使わないので銭がたまる一方だ。卒業した時には億万長者も余裕だろう。
その前に俺の5年後の姿がどうなっているのか、全くイメージがつかないんだけどな。
……いや、その前に世界が崩壊するかもな。原作展開を思い出しながら苦笑する。
とりあえず、次の合同ダンジョンダイブの時に相談するか。
『
その時には、この異空間についてもある程度説明する予定だった。
現状、俺だけ赤点を取って
そして、先輩たちを異空間へ招待し、この空間を拠点にレイド攻略を行うつもりだ。
本来なら全員まとめて赤点をとってレイドにダイブする方法もある。
だが、それは流石に申し訳ない。
巻き込む理由が、完全に俺都合だからだ。だから、赤点役は俺一人でいい。
もっとも、異空間を見せた時点で、絶対に根掘り葉掘り聞かれるだろう。
特に波留先輩あたりは、絶対楽しそうに詰めてくる。
「……まあ、今さら隠し通せるとも思ってないけどな」
誰もいない武器倉庫で呟く。
夕暮れ色の疑似太陽が、静かに棚の武器群を照らしていた。