いつもより早く着いたためか、研究室にはまだ誰も来ていなかった。少し早めに理子に通信を入れると、やっぱりまだ寝ていた。少し怒っていたようだが、理子は話すうちにいつもの元気を取り戻した。
パパ、チキンレースって知ってる!? 崖っぷちギリギリで止まるのー!
よく判らないが、理子は何かゲームでもしているのだろう。そんな風に思いながら優一郎は通信を切った。机について桂の足跡を探る。桂は巧みに時空の歪みを避けている。少しずつ足跡を追いながら優一郎は苛立ちを感じていた。
水輝さんの見た夢……。佑の何かの仕掛けだろうか? 水輝から聞いた夢のことを思い出しながら優一郎は眉をひそめた。森と虹となると、どうしても佑のことを連想してしまう。水輝は佑のことはなにも言っていなかったが、変な夢と言っていたからなにも感じなかったわけではないだろう。
「昨晩から、ここに留まっているのか……」
そう呟いて優一郎は思案した。桂の足跡は辿れた。どうやら桂はある一点で留まっているらしいのだ。休みなく動いていたはずの桂がこんなに長く足を止めていることも気になる。
本来なら、二十四時間態勢で見張りたいんだけど……。心の中で呟いて優一郎は頭をかいた。優一郎は意識を集中してさらに詳しい情報が探れないか調べてみた。が、どうやら桂のいる辺りには特殊な力場があるらしく、力を使って探るのがやけに困難だ。辛うじて判るのは、桂がじっと一箇所に留まっているということだけだ。
このまま、同調監視を続けるしかないか……。諦めのため息を吐いて優一郎は僅かな変化も見逃さないように意識を集中した。そうしているうちに研究員たちが出勤してくる。優一郎は表面的には愛想良く挨拶を返したが、集中だけは途切れさせないよう心がけた。
意識の糸を桂に向けたまま、端末を操作して電信をチェックする。どうやら韮山から返事が来ているようだ。返信された電文には実鈴のプロフィールが書かれていた。それによるとどうやら実鈴は澄の兄である久弥と関係しているようだ。詳しい経緯は調べて連絡すると書かれている。優一郎は韮山にとりあえずの礼を記した電文を送った。引き続いて調査を頼むと言葉を添えたから、有用な情報が出ればまた報せてくれるだろう。
念のため、第一級戦闘態勢の発令準備だけでもしておこう。優一郎は端末を操作して準備を進めていった。
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1,000字に届かなかったので、追加というか近況報告です。
今年の夏もきつかったです!
でも去年よりはマシだったかも?
皆さまはどうでしょうか。
どうかお身体にはお気をつけて。
1,000字に満たないと投稿出来ないというね!w
あとちょいだったので近況ぽいのを追加しました。