※この作品はR-18です。

再生の日   作:伊駒辰葉

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エロシーンがあります。
BL警報です!


利用価値があるので。 2

「さすがに、最後の純粋な天人だけのことはありますね」

 

 優一郎は微笑みを浮かべてゆっくりと階段を昇った。実鈴がぼんやりと優一郎を見つめて首を傾げる。

 

「いいからー……そこを退いてくださいよおー……」

 

 少し眉を寄せて言いながら実鈴がペニスを両手で弄り回す。

 

「いいえ」

「邪魔なんですよー……」

 

 微笑みを浮かべて近付く優一郎をぼんやりと見つめて実鈴が掠れた声で言う。一体、どれだけ射精したのか、玉座の周りには精液があちこちに飛び散っていた。優一郎は玉座のある最上段まで昇り、実鈴を見下ろした。

 

「実鈴さん」

 

 静かに呼びかけて優一郎はじっと実鈴を見つめた。のろのろと顔を上げた実鈴が疲れたような顔をして自慰の手を止め、優一郎から目を背ける。

 

「邪魔だって言ったでしょう? そんなに私が無様で見て楽しいですか」

 

 弱々しい声で言ってから実鈴が乾いた声で笑う。

 

「違います。これから実鈴さんはどうされるつもりですか?」

「べつにー……。今まで通りですけどー?」

 

 それとも水輝さんと別れるんですか? 実鈴が疲れたような笑みを浮かべて優一郎をちらりと見てから俯く。

 

「天人がなぜ滅んだかご存知ですか?」

 

 優一郎は実鈴をじっと見下ろして訊ねた。実鈴は俯いたまま乾いた声で笑い、再びペニスを弄り始める。

 

「知りませんよー、そんなことー。いいから早くそこを退いてくださいー」

「僕は、あなたに廃人と化してほしくないんですよ」

「うるさいですねー……」

 

 優一郎の言葉に実鈴が笑い混じりに言い返し、身を少し屈めて顔を上げる。あっ、という切ない声を漏らし、実鈴は蕩けそうな顔をして射精した。ペニスから迸った精液が床に滴り落ちる。優一郎は静かな目でその様を見下ろしてから実鈴を見た。

 

「実鈴さん」

 

 そう呼びかけて優一郎は力をこめて実鈴を見つめた。その途端に実鈴がびくりと身体を竦めて自慰の手を止める。

 

「じゃ、じゃま、しないで……」

 

 苦しそうな顔をして実鈴が弱々しく頭を振る。

 

「疲れてらっしゃるのでしょう? お休みください」

 

 微笑みを浮かべて優一郎が言うと、実鈴がか細い声を上げてからがっくりと玉座に沈み込む。力なく玉座にもたれる実鈴を見つめ、優一郎は息を吐いた。実鈴は優一郎の言葉通りにあっけなく眠りに就いている。

 

「さてと」

 

 優一郎は指を鳴らしてその場の汚れを消し去り、スカートの乱れを整えてから実鈴を両腕に抱き上げた。細い実鈴の身体は驚くほど軽い。

 

「天人の肉体が、どうしても必要なんです」

 

 にっこりと笑って優一郎は踵を返して玉座から離れた。透明な箱から伸びていた光の道は実鈴が眠ったと同時に消えてしまっている。恐らくさっきの光の道も、そしてあの透明な小部屋も実鈴の持つ何か、若しくは天人である実鈴そのものに連動しているのだ。

 

 優一郎は実鈴を抱いたまま、あの青い星のある監視用の部屋のある場所に転移した。上に番号の振られたドアの幾つかの前を通り過ぎ、優一郎はとあるドアの前で足を止めた。ドアを開いて中に入ってから明かりを点ける。

 

 優一郎は腕に実鈴を抱いたまま、力で実鈴の服を剥がし取った。目に見えない力が実鈴の服を一枚一枚剥がしていく。やがて実鈴は腕の中で裸になった。股間のペニスはまだそそり立ったままだ。優一郎は部屋の中央にあるカプセルの中に実鈴をそっと横たえた。カプセルの縁にある操作盤に触れると小窓が開く。優一郎は窓から蛇腹のホースのついた吸引器を取り出し、実鈴のペニスに被せた。ずれないようにペニスのサイズに合わせてはめ込んだ器具の口のサイズを調整する。

 

「いい夢を見てください」

 

 優一郎はカプセルに横たわる実鈴を見下ろしてくすくすと笑った。それまで眠っていた実鈴がびくんと背を反らして微かな声を漏らす。実鈴のペニスから迸った精液が吸引器に吸われてホースの中に流れ込む。優一郎は細いホースを目で辿り、カプセルの横に設えられた台にセットされた硝子の容器を見て嗤った。容器の中にはビーズ大の透明に光る球が浮いている。実鈴の放った精液が徐々に容器の底に溜まり、やがてビーズの浮いたところにまで届く。すると精液に触れたビーズは弾けて消えてしまった。

 

「あなたの愛が、水輝さんの想いを溶かしましたよ」

 

 優一郎はくすくすと嗤って容器の中を覗き込んだ。ビーズ大の透明な塊を消したためか、容器に溜まった精液はごく僅かに減っている。青藍が水輝から無意識に吸収していた想いの欠片が、実鈴の精液に犯されて消えてしまったのだ。

 

 優一郎は容器から伸びたチューブを絞り、容器から取り外した。あらかじめ用意しておいた機器にチューブを繋ぐ。機器にはアンプルが仕掛けられている。優一郎はチューブの絞りを緩めて次々にアンプルに実鈴の精液を詰めていった。

 

 それから優一郎はさっきの硝子の容器を覗き込んだ。

 

「中和完了」

 

 容器を見つめて笑い混じりに言ってから、優一郎は残っていた精液を力で燃やした。あっという間に容器の中で精液が火に巻かれて綺麗さっぱり消えてしまう。優一郎はそのことを確認してから実鈴を残して部屋を出た。隣室の扉を開けて中に入る。

 

 その部屋には鏡で出来た球状の結界があった。優一郎は結界から静かに透明な珠を十数個取り出した。透明な珠はさっきと同じ程度のビーズ大から、直径五センチほどの大きさのものまで様々だ。優一郎は険しい表情で中でも大きな珠の四つを眺めた。大きいものの中でも一つだけが他のものより一回りサイズが大きい。

 

「佑……」

 

 優一郎は一番大きな透明な珠を憎しみをこめて睨んだ。水輝の想いの中で最も大きかったのは優一郎に向けられたものだった。が、その次に大きかったのがこの珠だ。

 

 いつの間にここまで水輝さんを! 優一郎は怒りを込めてその珠を睨みつけた。その佑も討伐される予定だったはずが、ドーム外の自然を巻き込んで別の世界に逃げてしまっている。

 

 優一郎は一番大きな珠を握って力をこめた。

 

「つっ!」

 

 痛みに顔をしかめ、優一郎は珠から手を放した。他の珠と同様にその珠も優一郎の手を離れて宙に浮く。優一郎は痛む手を押さえてその珠を憎々しげに睨みつけ、結界の中にそれだけを戻した。

 

 優一郎は深い息を吐いて宙に浮く珠の中で二番目に大きいものをみた。その珠はごくごく薄く翠色に色づいて来ている。それを見て優一郎は安堵の息を吐いた。優一郎はうんうんと頷いて、じっとその珠を見つめた。これの行く先は決まっている。優一郎は嗤ってその珠を結界の中に戻した。

 

 宙に浮く珠に目を戻し、中でも三番目に大きなものを見つめて優一郎は思案した。これの引取先が存在するうちに放り込んでおいたほうがいいか。ある意味、賭けになるけど。そう考えながら優一郎は宙に浮いた他の珠を見回した。

 

 これまで水輝が関わり、何らかの感情を抱いていた相手は多い。その中でも特に危険と優一郎が感じていたのは先の四つの大きな珠の元だった。優一郎は宙に浮いた透明な珠を抱えて部屋を移動した。

 

 青い球の浮いた部屋に足を踏み入れる。優一郎は部屋の明かりを点け、透明な壁の向こうに見える青い球をじっと見つめた。球は雲を纏ってゆっくりと自転している。

 

「間に合った。危ない」

 

 優一郎はため息を吐いて腕の中の珠を見下ろした。

 

「立城さん、感謝してくださいね。これで延命になるはずです」

 

 そう言って嗤ってから優一郎は三番目に大きな珠を青い球に向かって送り込んだ。続けて腕の中の珠を次々と青い球に送り込む。透明な壁を越えた珠は次々に青い球に吸い込まれていった。

 

「さて。そろそろ、通達が公知されたころかな」

 

 パニックになっているだろうな。くすくすと嗤って優一郎は『塔』に転移した。




優一郎が容赦なくなってきましたw
まあ、元から容赦がないといえばないのですが。
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