BL警報です!
「了解しました」
微笑みを浮かべた優一郎が水輝のジーンズの中にするりと手を入れる。下着越しに肛門を撫でられた水輝はびくんと腰を震わせて掠れた声を上げた。
「う、あ、それ、いい」
ぞくぞくとした快感が腰から背中を通って頭まで駆け抜ける。水輝は痛みに叫ぶ久弥をそっちのけで、優一郎に弄り回される感覚に意識を集中した。
「もう、出していいですよ」
水輝の肛門を弄りながら優一郎が囁く。耳許に囁かれた瞬間、水輝は掠れた声を上げて射精した。腰に溜まった熱が一気に抜けてペニスから精液が迸る。
「っと! あぶね!」
射精感に酔いかけていた水輝は慌てて腰を引いた。叫びを途切れさせた男の身体が薄暗い闇色のもやに包まれる。水輝は乱れた息を整えながら服を直した。ベッドに俯せになっていた久弥は身を縮こまらせてがくがくと震えている。
「いよいよ、これまでの水輝さんの研究成果が実証されます」
好奇心に満ちた目で優一郎が久弥を見つめる。水輝はベッドの縁に腰掛けて久弥の様を伺った。周囲を漂っていたもやがやがて集束し、久弥の下腹部に飛び込む。びくりと身を竦めた久弥の姿が一瞬で砕け散り、その場に再構成される。再び現れた久弥の容姿は元のそれより随分と整っていた。闇色に染まった久弥のペニスから透明な露が伝い落ちる。乱れた息を吐きながら久弥はぼんやりと周囲を見回した。
「ふうーん。力もそこそこあるみたいだし、悪くねえんじゃねえの?」
水輝はにやにやと笑いながら優一郎を見上げた。
「それでは、後は彼女たちに任せましょう」
そう言って優一郎が実験室の入り口を振り返る。そこには数人のスタッフが控えていた。医療局の女性スタッフはどれもが機械化人化している。
「そだな。んじゃ、口直し」
水輝はベッドを飛び降りて優一郎の首筋に腕を回した。優一郎が返答する前に唇を塞ぎ、舌を伸ばす。じっくりと優一郎の口の中を舐ってから水輝は顔を離した。
「もう、水輝さんってば。彼女たちが興奮してしまいますよ」
くすくすと笑いつつも優一郎が水輝の背中に手を回す。水輝はちらりと女性局員たちに目をやった。久弥を連れようとしていた女性たちが目を潤ませてこちらを注視している。水輝は口許に嗤いを浮かべ、片手で優一郎の股間を弄った。
「いいじゃねえか。もう隠すこともねえんだろ?」
「それは、そうですけど……んふっ」
「ほら。そこの奴も昂奮してるぜ」
服越しに優一郎のペニスを撫で回しながら水輝は久弥に目をやった。久弥はだらしなく口許を緩め、荒い息を吐きながら水輝と優一郎を凝視している。
「性欲処理専用の玩具型Mタイプをあてがって」
目を潤ませながら優一郎が女性たちに指示をする。すると慌てたように頷いた女性の一人が部屋を急ぎ足で出て行く。水輝はそれを目で見送りつつ、優一郎の股間を撫で回した。勃起しきったペニスを服越しに擦る。
「なあ、いいだろ? このまましようぜ」
昂奮に目を潤ませて水輝は熱い息を吐いた。
「すみません。これから外せない仕事がありますので」
困ったような顔をして優一郎が言う。水輝は眉を寄せてため息を吐き、仕方なく優一郎を放した。慌ただしく実験室に二人の女性が駆け込んでくる。一人はさっき出て行った女性局員だ。もう一人は優一郎の研究室でよく見かける女性だった。実験室に入るなり、その女性が驚いた顔をして久弥を見る。
不意に久弥が駆け出して実験室の入り口で固まっていた女性の腕をつかみ、その場に引き倒す。水輝はその光景を眺めて肩を竦めた。
「えらく反応早かったな」
「そうですね」
そう答えて優一郎がふふ、と笑う。
「それでは水輝さん、申し訳ありませんけど、失礼します。今晩、また」
名残惜しそうな顔をして優一郎がその場から転移する。水輝はしかめ面をして頭をかいた。用が済んだならここにいても仕方がない。水輝はやれやれと呟いて実験室からドームの外に向かって転移した。
水輝はぼんやりとした目で景色を眺めながら、開きっぱなしになっていたシャツのボタンを留めた。優一郎とドーム外に作ろうとした自然は今はまだ残っている。砂の含まれた風の向こうに見える景色に目を細め、水輝はドームの上に座った。
たった一ヶ月の間に随分とこの世界は変わってしまった。今はもうドームの外にも豊かな自然はない。あるのは急場しのぎでこしらえた間に合わせの自然だけだ。水輝はぼんやりと遠くにかすむ森を見つめてシャツのポケットを探った。煙草を咥えて火を点けたところで深々とため息を吐く。
こんな風に四六時中、優一郎が欲しいと感じるようになるとは思わなかった。ふと気を抜くと欲しくて堪らなくなり、我満出来ずに優一郎を求めてしまう。交わると言いようがないほど心地よく、快楽の深い淵に落ちていくような感覚がある。だがそれを優一郎は普通なのだという。
新しい種として生まれた久弥はこれから淫気を啜って生きていくようになるだろう。腹を満たすために精気を啜り、欲望を啜り、力を揮っていくことになる。水輝は煙草を咥えた唇を嗤いの形に歪めた。
久弥は前に出てきた澄の兄です。