BL警報です!
優一郎の研究室を出て、水輝はその足でふらりと食堂に入った。いつもの通りにカウンターに寄ったところで調理人の一人がこっそりと寄ってくる。
「あ?」
「預かりもんだ」
小声で言って中年の調理人がこっそりとカウンターに小さなコイン型のチップを載せる。水輝は周囲を注意深く伺い、さりげなくチップをさらってポケットにしまい込んだ。
「今日はー。げ、ろくなもんねえなあ……」
カウンターの上に表示されたメニューを見て水輝は頭をかいた。すると調理人が困ったような顔をして笑う。
「あんちゃん、たまにはこっちの食い物食ったらどうだね?」
「え、口にあわねんだよ」
渋い顔をして水輝が言うと、調理人が困った奴だと笑う。いつものやり取りをしてから水輝は無難に茶とケーキだけを頼んだ。運ばれてきたそれをトレイに載せ、手近なテーブルにつく。
今日はどのくらい稼いだっけ。そんなことを言いながら水輝はジーンズのポケットから端末を取り出した。薄型の携帯端末を手早く操作しつつ、ケーキをフォークで切り分ける。
「おい、ちょっと顔貸せよ」
不機嫌そうな声が背後から聞こえてくる。水輝はのんびりとケーキを口に運びながら端末画面を覗き込んだ。
「あー、これ食ってからなー」
水輝の背後にはいつの間にか若い男連中が集まっていた。水輝はケーキを口に運び、茶を啜りながら肩越しに彼らを見返った。見覚えのある顔が幾つか中に混ざっている。
「今日はまた大漁で……」
「いいから面貸せっつってんだろ!?」
中の一人が声高に喚く。水輝は食堂の天井を仰いでから男たちに目を戻した。
「ここで騒ぐとペナルティつくぞ? いいから食うまで待てよ」
呆れた顔で言ってから水輝はテーブルに向き直った。食事時を過ぎた食堂は閑散とはしているが、人がいないわけではない。食堂の中にまばらにいた人々が何事かと水輝のいる方を見る。水輝は視線には気付いていたが、知らん顔をしてケーキを切り分けた。
「一人、二本な。残金確認の上、計画的なご利用をよろしく」
背後の男たちを見もせずに水輝は低い声で言った。すると水輝の背後にいた男たちが慌てたように服のポケットに手を突っ込み、チップの残金を確認し始める。気配でそのことを読んだ水輝は心の底でなんだかなー、と呟いた。
ケーキとお茶をゆっくりと片付け、空になった食器をテーブルの窓に落としたところで水輝はゆらりと立ち上がった。待ってましたとばかりに男たちのうちの二人が水輝の右と左の腕をそれぞれつかむ。
「いてえっての。ペナルティついてんだから跳ばねえよ。って、引きずるな、こら」
文句を余所に男たちが水輝を引きずるようにして食堂を出る。水輝は引かれるままに歩きながら男たちの数を数えた。研究員風な男が五人、それ以外の私服が二人、後は恐らく総管理局の所属だろう。やれやれと呟きながら水輝は男たちに従って情報局の棟に逆戻りした。
出来れば今日は鉢合わせは勘弁して欲しいなあ。そんなことを思いながら水輝は引きずられるままにあの倉庫に向かった。どうも都賀という親子はここで致すのが好きらしい。そんなことを考えつつ、水輝は深々とため息を吐いた。
連中の一人が注意深く周囲を伺い、倉庫の鍵を開ける。水輝は男たちに急かされて倉庫の中二階のはしごを身軽に昇った。奥の一角に辿り着いたところで一斉に男たちが襲いかかってくる。飢えた獣のように目を輝かせた連中に服を剥ぎ取られ、水輝はあのなあ、と呟いた。
「日に日に乱暴になってねえか!? おまえらは! って、噛むな!」
腕に噛みついてきた一人を振り払い、水輝はもがいた。以前に学んだからなのか、真っ先に水輝の口にタオルが突っ込まれ、早々に喋ることが出来なくなる。
「んう!」
手足を縛り上げられ、ろくに愛撫もされないうちにペニスを突っ込まれた水輝は目を見張って喉の奥で呻いた。だが挿入した男はやっぱり早々に射精してしまう。水輝は床に頭を押さえ込まれ、立て続けに犯された。待ちきれなかったらしい男の一人が水輝の口に押し込まれていたタオルを引っこ抜き、自分のペニスを代わりに突っ込もうとする。
「ちょ、待て! 息くらいさせ、んっ!」
水輝は口いっぱいに押し込まれたペニスの感触に思わず息を詰めた。ほどなく口いっぱいに精液が飛び込んでくる。息を吐く間もなく、今度は別の男が水輝の口にペニスを突っ込む。
「ああ、こっち縛るの忘れてたな」
にやにやと笑った男が水輝のペニスをつかみ、かたい金属の線でくくりつけてしまう。SMかよ、と内心で呟いて水輝は痛みを堪えた。
「そういえば、おまえ、なかなか死なないんだってな」
不意に誰かがそんなことを言う。水輝ははっとして声のした方を見た。慌てて文句をつけようとした水輝の口にペニスが押し込まれる。
若い都賀という男の手には包丁が握られていた。にやにやと笑いながら都賀が水輝の肩に包丁の刃を乗せ、一気に引く。水輝は目を見張って息を殺し、傷つけられる痛みに耐えた。反射的にびくんと身を竦めた水輝を犯していた男が声を上げて射精する。危険を感じて身を捩ろうとした水輝を今度は別の誰かが後ろから抱え込む。
「ちょっと、待て!」
血に濡れた包丁を腿に押し当てられ、水輝は思わず制止の声を掛けた。ペナルティがない時ならいい。多少の傷はすぐに癒えるし、意識すれば深い傷もある程度は治療することが出来る。だが今はそれらの能力は封じられているのだ。
「大丈夫だろ、これくらい!」
愉悦の笑みを浮かべて都賀が包丁を勢いよく引く。斬りつけられた水輝の足から真っ赤な血が飛び散る。水輝は声を殺して痛みを堪え、都賀を睨みつけた。
「おいおい、まだ仕事中だろ」
別の男がそう言って笑い、水輝の頭をつかんで口にペニスを突っ込む。発作的に噛んでしまいそうになるのを堪え、水輝はペニスに舌を這わせた。痛みに震える水輝の肛門にまた誰かがペニスを突っ込む。乱暴に揺すられるうちに水輝の意識は朦朧としはじめた。
くそー……出血はさすがにきついな。のろのろと考えながら水輝は視線を泳がせた。血だらけになった包丁の刃が見える。それを確認した直後、水輝は腹に激痛を覚えて硬直した。無意識に喉の奥から呻きが漏れ、全身に汗が噴き出す。水輝の腹に包丁を突き立てた都賀が楽しげに笑う。だがその声も次第に遠くなる。
「ん、あ」
掠れた声を漏らして水輝はぐったりと床に横たわった。最後に残っていた都賀が水輝を乱暴に犯し、他の男たちと同様に目を回して床に倒れる。水輝はぼんやりとした目で刺された腹を見つめた。身を捩って何とか包丁の柄を足の間に挟み、強引に刃を腹から引き抜く。
からん、と音を立てて包丁が床に転がる。水輝は身体のあちこちから血を流しながら、かすんだ目で周囲を見回した。どうやら男たちは満足はしたらしい。そのことを見て取ってから、水輝は舌打ちをした。また金を取り損ねた。小声でそう呟いて水輝は意識を手放した。
さすがの水輝も刺されるとヤバいw
普段なら問題ないんですけどね……。