機械です!
百合警報。
「あっ! んっ!」
触れられた瞬間、桂は強い快楽を覚えて思わず声を上げた。抑揚のない一号の声が股間から響く。
『プログラムの書き換えが完了しました』
「よし。それで、桂ちゃん、記憶は戻ったの?」
そう言いながら佑が心配顔で桂の顔を覗き込む。桂は言われるままにつらつらと思い出してみた。作戦のために佑とパートナーを組み、ここに来た。状態をより把握してもらうため、佑に身体を見て貰った。標準モードの観察を終えた佑が、次にセックスモードと自慰モードの観察を要求し、解説の途中で佑がクリトリスを抜いていいかと訊ね、それに桂は頷いた。そこまでを思い出して桂は佑に頷いてみせた。
「はい、佑。ここまでの状況は、把握できてると思います」
「一号、桂ちゃんの言ってることは本当?」
佑が股間に向かってそう訊ねる。するとすぐに一号が答えた。
『記憶の不整合は解消しています。二号の発言は事実です』
二号。そう言い表された桂は思わず引きつった。もしかして一号は密かに自分が一号であると自己主張しているのだろうか。いや、そんなはずはない。一号には感情はないのだ。桂は難しい顔でぐるぐると考えを巡らせた。
「それじゃあ一号、リカバリ処理の次のステップに進んで大丈夫ね?」
『はい。リカバリ処理を継続します』
佑の答えに一号が抑揚のない声で応じる。
『二号のストレス状態をチェックしています』
どうやっても二号と呼ぶつもりらしい。一号が言うのを聞いて桂は小さなため息を吐いた。いけない。相手は感情はないのだ。嫌がらせのためにわざと言っているわけではない。一号にだって人権は存在する。
そこまで考えて桂は自分の考えが少し妙な方向に転がっているように感じた。一号に人権はあるのだろうか。真面目な顔でつらつらと考える桂の股間では小陰唇がぱくぱくと開閉を繰り返している。
「でも良かった。桂ちゃんが目覚めるまで、大変だったんだから……」
佑が桂の傍に座って心配顔をして言う。はっと我に返った桂は慌てて佑を見つめた。
「あ、あの、ごめんなさい」
消え入りそうな声で桂は詫びた。きっと佑は不慣れなために機械化人である桂の再起動をするだけでも大変だったのだろう。そう思いを巡らせて桂は申し訳なさで胸がいっぱいになった。
「ううん大丈夫よ。再起動してからは、一号がきちんと手順教えてくれたし。たまに、トンチンカンな答えが帰ってきたけど、そういう時は質問の仕方もまずかったし」
優しい笑みを浮かべて佑が言う。それを聞いて桂は納得した。やっぱり一号は必要な存在なのだ。変に勘ぐった自分はどうかしていたのだ。桂は心の底でそう呟いて深く反省した。
『チェックが完了しました。二号の現在の状態を解説します』
抑揚のない一号の声が股間から響く。そう、一号は居なければならないのだ。佑にも判るように解説してくれたのは一号だ。一号もきっと桂のことを思いやってくれているに違いない。桂は勝手に想像した一号の心意気に深く感動していた。
『二号は、完成時から性的欲求不満状態がずっと継続しています。また、昨日から性的興奮状態が持続しています』
股間から響く一号の声を聞いた桂は恥ずかしさに真っ赤になった。もしかしたらやっぱり一号は自分に何か恨みでもあるのだろうか。あけすけに状態を語られた桂は反射的にそう考えた。が、よく考えると一号の言うことは間違っていない。確かにその通りなのだ。
『また、昨日から自慰を行っていません。自慰は二号に取って必要不可欠な標準動作です。定期的に自慰の実行状態をチェックすることを推奨します』
昨日から今日にかけては慌ただしく、確かに自慰を怠っていた。桂は恥ずかしさに赤くなりながら反省した。もしかしたら佑には呆れられてしまっただろうか。恥ずかしさを堪えて桂はちらりと佑の方を伺った。
「桂ちゃん。マニュアルを作ったり大変だったのでしょう? 仕方ないわよ」
そう言いながら佑が何度も頷く。桂はぽっと頬を染めて恥ずかしさにもじもじした。すると桂の足がくるくると回る。
「桂ちゃんって関節の構造も人と違うのね……」
まじまじと桂の足を見下ろした佑が呟くように言う。それを聞いた桂は慌てて足を閉じようとした。だがV字型に開かれた桂の足はコンピュータ側からロックされていて閉じることができない。
「一号、お疲れさま。とりあえず、これでリカバリ処理は完了?」
佑が少し身を乗り出して桂の股間に向かって話しかける。すると抑揚のない一号の声が応えた。
『はい。佑。完了いたしました。また、必要な時はお呼びください』
そう言って一号が沈黙する。桂は何となく恥ずかしさから抜け出せたような気がしてほっと息を吐いた。
「さあ、桂ちゃん。お待ちかねのオナニータイムよ。思う存分、アソコをいじりまして構わないから!」
佑が明るい顔をして声高らかに宣言する。桂はほっとしたのもつかの間、恥ずかしさにかっと頬を染めた。にこにこと機嫌良さそうに笑いながら佑が桂の足許に回り込む。
「あの、佑。その……」
恥ずかしがる桂を余所に、佑がじいっと桂の股間を覗き込む。間近に機械仕掛けの女性器を覗きこまれ、桂はますます顔を赤くした。
「そういえば、桂ちゃんのここって濡れないの?」
不思議そうに言って佑が桂の陰部を指先で軽くつつく。その途端に桂は痺れるような快感を覚えて仰け反った。
「ああっ! んふっ! あああんっ!」
声を上げた桂の身体がびくびくと震える。その反応に驚いたのか、佑が目を丸くして桂を見つめる。桂は荒い息を吐きながら佑を見つめ返した。
「すごく、過敏になってるみたいです……」
昂奮に目を潤ませて桂は小声で告げた。
「あっ、乳首が勃ってきた」
桂をじっと見つめていた佑が嬉しそうに笑みながら言う。それを聞いた桂は自分の胸元に目をやって恥ずかしさに顔を歪めた。性的に昂奮した桂の乳首に仕込まれたバネが自動的に伸び、乳首がぴょこんと立ち上がる。
「桂ちゃんの乳首やクリって、めいっぱい勃ってるか、ひっこんでるかの二段階なのね。デジタルな感じだわ」
感心したように言って佑が頷く。桂は恥じらいながら自分の乳首をそっとつまんでみた。中にバネの入った乳首は手触りが少し硬い。
「んふっ! ……どうして、こんなっ! ああんっ! 佑!」
軽く触れただけなのに強烈な快感を覚えて桂は切ない声を上げた。身体がびくびくと震え、腰が独りでにくねる。
「桂ちゃん、大丈夫!?」
慌てたように言って佑が桂の顔を覗き込む。その途端にまた強い快感を覚えて桂は声を上げて仰け反った。無意識に手が動いて乳房をつかみ、乳首を指の間で擦ってしまう。
「あっ! んふうんっ! もう、止まらない! 佑!」
切ない声で佑を呼びながら桂は自慰を続けた。片手が自然と股間に伸び、クリトリスの丸い突起を擦り始める。乳首とクリトリスの両方を愛撫しながら桂は快感のままによがった。
「だめっ! 潤滑液を、分泌させなきゃ、擦り切れてああんっ!」
切羽詰まった声で言いながら桂は堪えきれずに陰部を擦った。渇き切った人工の女性器が桂の指が動くたびに少しずつ表面が擦り取られていく。
「あっ、でも、気持ちいいっ! あっ! ああんっ!」
快楽に囚われ、桂はしきりに女性器を指で擦りながら甘えた声を上げた。間近に佑の気配を感じると余計に快感が強くなる。
「佑に見られて、恥ずかしいのにっ! あっ、あああんっ!」
そう言いながら桂は熱心に自慰を続けた。桂の指に擦られた女性器の花びらのような小陰唇がどんどんちびていく。桂はもう一方の手で乳首の頭を何度も押した。指先で乳首をノックするたびに言いようのない快感がこみ上げる。
「佑! 気持ちいいのっ! すごく恥ずかしいのに!」
昂奮に涙を浮かべた目で桂は佑を見つめた。佑が目を潤ませて頷く。
「桂ちゃん、可愛い」
それを聞いた瞬間、強烈な快感に襲われて桂は一気に絶頂に達した。桂の身体がしなり、腰ががくがくと震え、V字型に開いた足の先がぴんと伸びる。
「ああああんっ! 佑! わたし、もしかしたら……。んふぅ!」
これまでにない快感を得た桂は長い絶頂に至った後、唐突に意識を闇に飲まれた。
1号が誕生しました。
ついでに2号(桂)の爆誕ですw
ちなみに桂はたびたび2号と呼ばれるようになります。