BL……? TS?
とにかく警報です!
「僕はちょっと考え事があるので整理させてください」
ベッドに目を落とした優一郎が小声で言う。その瞬間、ぶちん、と水輝の頭の中で何かが切れた音がした。
「要するになにか! おれをさんざっぱら待たせた挙げ句に一人でいじけるってことか! ああ、判った! 実鈴てめえもいいかげんにしとけ! 身体中傷だらけじゃねえか!」
一気にまくし立ててから水輝は大股で寝室を横切り、クロゼットを開けて中からバイオリンケースを引っ張り出した。
「おれは旅に出る!」
水輝が喚くと優一郎がベッドの上にがばっと立ち上がり、胸に手を突っ込んだかと思うと、唐突に女性に変質した。
「旅に出るなら、この格好でずっと追いかけてあげるわっ!」
「うきゃああああああああ! やめてくださいもどってください気持ち悪いんですからー!」
ベッドに仁王立ちになった優一郎の後ろで実鈴が素っ頓狂な声を上げる。水輝はバイオリンケースを床に放り、自分の胸に手を突っ込んだ。
「そのくらい、おれにだってできらー!」
怒りに任せて水輝は器の中の宝珠を弄って女性に変質した。その瞬間、実鈴が唖然としたような顔をして水輝を指差す。
「卵子……出せるんじゃん……」
「どうだ、参ったか!」
腕組みをして水輝は胸を張った。そこではたと気付く。別に変身勝負をしていた訳ではないような気がする。
「今よ、美鈴さんっ!」
優一郎が鋭い声を掛けて水輝に飛びかかる。水輝は慌てて元の男性の姿に戻ろうとした。よくは判らないが、大変危険な気がする。だが水輝が胸に手を入れる前に、優一郎が水輝を羽交い締めにする。
「ちょ、ちょっと待てこら! なにするつもりだ!」
「らんしー。らんしよこせー」
不敵に笑いながら実鈴がゆらりと立ち上がり、ベッドを降りて近付いてくる。
「水輝さん、ちょっと痛いかもだけど我慢してね」
水輝を羽交い締めにした優一郎が言う。水輝は慌てて肩越しに振り返った。
「だから、何するんだよ……って、おまえ、しばらく見ないうちに乳でかくなってねえか?」
背中に当たる優一郎の胸の感触を確かめてから水輝は何となくそう言った。その間に実鈴が近付いてきて水輝の服を緩め始める。
「知らないわよ!」
怒ったような声で優一郎が言う。水輝は眉を寄せて優一郎を間近に見つめた。
「なんで怒るんだよ。もしかして佑と浮気してるからか?」
水輝がぼそぼそと話をしている間に、実鈴がさっさと服を剥ぎ取ってしまう。胸にひんやりとした感触を覚えた水輝は思わず身震いした。
「うわあ……思っていたより柔らかいや……」
実鈴が感心したように言いながら水輝の胸をそっと撫でる。こらこら、と言いながら水輝は身を捩ろうとした。だが優一郎が後ろからがっちり押さえていて身動きが出来ない。
「わたしよりも、佑のほうが好きなくせに」
「おまえだって理子のがおれより好きだろうが」
ぼそぼそとした声で言われ、水輝もやっぱりぼそぼそと言い返した。そうしている間に、実鈴がどこからともなく取り出したローターを水輝の乳首に軽く押し当てる。
「あうっ」
急にローターが振動し始め、水輝は思わず声を上げた。
「そうよ! だからいいじゃない」
「な、に、怒ってんだよ……って、実鈴! てめえ、いいかげんに」
「ふふ。水輝さん、かわいい」
いつもと人が違った顔をして実鈴がぺろりと唇を舐め、唐突に水輝の股間に顔を寄せる。
「ちょっ、こら! 変なとこ舐めんな! あっ、やだって!」
慌てて言いながら水輝は足を閉じた。むー、と不服そうな顔をした実鈴が水輝のももの間に手を入れる。
「だめですよーう。開いてくれないと舐められませんからー」
「舐めるな! つーか、おまえら一体、どうしたいんだよ!?」
ひっくり返った声で言ってから水輝は懸命に身を捩った。だが優一郎はがっちりと水輝の身体を捕まえている。
「水輝さんも大きくなってる」
そう言いながら優一郎が水輝の乳房を両手で揉み始める。水輝はその感触に仰け反って思わず足から力を抜いた。その隙に実鈴が水輝の足を開かせる。
「ふあっ、だ、駄目、ちょ、優一郎! おまえに弄られたら、気持ちよくて、わかんなくなるだろー!?」
「じゃあ、これは?」
そう言ってから優一郎が水輝の乳首を指で弄る。水輝は悲鳴のような声を上げて頭を振った。
「だめだってば! わかった、おれが悪かった! 後で抱くからそれで勘弁しろ!」
荒い息を吐きながら水輝は懸命に訴えた。だがそんなことを言っている間に、実鈴が水輝の股間に何かをあてがう。
「はーい、いきますよー」
「え?」
なんのことか判らず、水輝は思わず身体の動きをぴたりと止めた。その瞬間、激痛が下腹部に走る。声も出せない痛みに水輝は目を見張って身体を硬直させた。
「できるだけー、身体の力を抜いたほうがー、楽だって話ですよー」
「むちゃ、いうなっ」
痛みを堪えながら水輝は実鈴に苦しい声で言い返した。硬い物が身体の中に食い込んでくる。じりじりと身体の中を這いのぼる痛みに水輝は歯を食いしばって耐えた。無意識に身体に力が入り、足ががくがくと震える。
「処女じゃ無いんだし、こんなに緊張しないでも」
「いた、くて」
笑い混じりに優一郎に言われ、水輝は思わず呻いた。腹の奥まで這い昇ったところで、それが急に動きを止める。
「なんかー、これってばー、けっこう痛いって話ですからー」
けろりとした顔で言いながら実鈴が水輝の股間を覗き込む。優一郎に身を預け、実鈴にされるがままに足を開いた水輝は痛みを堪えて荒い息を吐いた。
「って、あなた、何を入れているの?」
「卵子をえぐり出す専用器具ですよー」
優一郎の質問に実鈴がにこりと笑って言う。水輝は痛みに涙の浮かんだ目で実鈴を睨みつけた。
「おーまーえーなー」
「はにゃ? そろそろだと思うんですけどー」
水輝を見上げて首を傾げてから、実鈴が指先で股間を撫で回す。その感触に思わず身を竦めた水輝は、次の瞬間に走った激痛に悲鳴を上げた。身を捩ろうとした水輝を慌てたように優一郎が両腕に支える。
「水輝さん、可哀想……」
「いてええええええええ!」
くすりと笑った優一郎の言葉も聞くゆとりがなかった。水輝は痛みに喚いて目をかたく閉じ、全身を強ばらせた。腹の中で何かが動くたびに酷い痛みが走る。
「はーい、でてきましたー。お疲れ様でーす」
実鈴の手の中にころんと何かが落ちる。それと同時に水輝の身体からがくんと力が抜けた。
「別に精液でもかわんないのに……」
不満そうに言って優一郎が実鈴を睨む。すると実鈴はにこりと笑って手に握ったものをポケットにしまいこんだ。
「あれー? 水輝さんのここにー、私の精液を入れて欲しいんですかー?」
首を傾げて実鈴が水輝の股間をつつく。水輝はぼんやりとした顔をして、思わず息を詰めた。痛みで頭の中がぼやけて考えがまとまらない。
「そういう意味じゃ無くて! あの子はどうするのよっ!」
声を尖らせて優一郎が床に散らかった水輝の服を指差す。すると実鈴はそうですねー、と考えるような顔をしてみせた。
「あれはー、とりあえず実験ですしー、あのままだとー、進行しませんしー、放置しても別にー?」
にやにやと笑って実鈴が水輝の股間を手で弄る。敏感な部分を指先で撫でられて水輝は掠れた声を上げた。びくん、と竦めた水輝の身体を優一郎がしっかりと両腕で抱きかかえる。