※この作品はR-18です。

再生の日   作:伊駒辰葉

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エロシーンがあります。
TS……? BL……?
とにかく警報です!


旅に出るぞ!(脅し 3

「わたしが貰うわよ! 後で返せって言っても返品利かないわよ!」

「むー。今日の吉良博士は怒りっぽいですー」

 

 唇を尖らせて言ってから実鈴が自分のスカートをまくり上げる。実鈴の股間にはペニスがしっかりそそり立っていた。

 

「せっかくー、勃起したのになー」

「そう、わたしは、優一郎、わたしは優一郎。佑じゃない、佑じゃないのよ」

 

 そう呟いて優一郎が何度も深呼吸する。水輝はのろのろと肩越しに振り返り、腕を伸ばして優一郎の首筋に抱きついた。自然に顔を寄せて優一郎の唇を塞ぐ。

 

「あー。欲情してますー。と、いうことはー、やっていいんですかー?」

「水輝さん、どうしますか?」

 

 唇が離れてからにっこりと優一郎が笑う。水輝は身体を優一郎に押しつけた。

 

「優一郎、抱いて」

「むー!」

 

 スカートをめくっていた実鈴がめいっぱいに頬を膨らませて二人を睨む。

 

「駄目です。理子にコロされますから」

「じゃあ、男に戻るから、だから」

 

 甘えた声で言って水輝は自分の胸に手を突っ込もうとした。だがその前に実鈴が水輝の身体を優一郎から乱暴にひったくる。

 

「水輝さんはあげません」

「実鈴さん……?」

「私、水輝さんが一番好きですから」

 

 そう言ってから実鈴がぷい、とそっぽを向き、水輝の身体をずるずると引きずってベッドに寄る。

 

「ちょ、痛いって」

 

 床を強引に引きずられて水輝は小声で文句を言った。うるさいです、と言った実鈴がベッドに水輝の身体を乗せる。

 

「やっと白状し……くっ」

 

 顔をしかめ、優一郎が床に片膝をついて佑じゃない、佑じゃないと呟く。その間に実鈴はベッドに乗り、水輝の足を左右に開かせた。

 

「ちょっ、と、待てってば、おい、優一郎も止めろよ!」

 

 次第に正気に戻った水輝は慌てて実鈴を押し退けようとした。実鈴が怒った顔をして水輝の足の間に腰を止せ、乳房を乱暴につかむ。そんな二人を余所に、優一郎がぶつぶつと何かを口の中で呟く。

 

「はーい、おちんちん入れましょうねー。水輝さん、いっぱーい妊娠させてあげますねー」

「うわ、待て! 実鈴、おまえ目がいってる! やべえって!」

 

 水輝は必死で抵抗しようと身体を捩った。むー、と唇を尖らせた実鈴が水輝の股間を手で弄る。水輝は目を見張って仰け反った。

 

「ちょっとー、ほんとにやっちゃいますよー?」

 

 床に膝をついて一人、別世界に旅立っているらしい優一郎に実鈴が不機嫌な声を掛ける。

 

「あんた誰?」

 

 すっと立ち上がった優一郎が低い声で言う。うあー、と水輝は思わず呻いた。ほえ? と実鈴が不思議そうな顔をする。

 

「もしかしてー、奥さんですかー? ……意外と根性ないな……」

 

 途中まで愛想良く言ってから、実鈴があっさりと水輝を解放してベッドを降りる。

 

「だーれが、根性無しよ! 誰がっ!」

「えー。吉良博士がですよー。やだなー、奥さん目が怖いですよー」

 

 あははは、と笑って実鈴が手早く水輝の服の中を探り、ポケットに何かを突っ込んでから立ち上がる。

 

「吉良博士って……総一郎さん、だっけ?」

「はー? 吉良優一郎博士に決まってるでしょー?」

 

 驚いたように目を丸くした優一郎に、実鈴が言う。水輝は混乱した頭を押さえて呻いた。よく判らないが、別世界に旅立った優一郎は妙なことになっているらしい。

 

「優一郎が博士? そんな柄じゃないような」

「水輝さーん……。私、何が何だかよく判らないんですがー」

 

 考え込んだ優一郎から目を逸らし、実鈴が水輝に目をやる。水輝はため息を吐いてベッドの上で身を起こした。

 

「おれもよく判らん」

「うわー! ダメダメですー! って、あなたは水輝さんの奥さんですよね?」

 

 頭をかきむしってから、実鈴が優一郎を指差す。

 

「そうよっ! って、水輝さん、なんで女になってるのよ? このオカマは何?」

「おかまってー……女装とボーイズに熱中するー、かわゆい男の子をつかまえてー、それはないとおもうんですけどー」

 

 優一郎の言ったことに不満そうに返してから、実鈴が頭をかく。水輝はため息を吐いて肩を落とした。

 

「えーと色々と事情があるんだが、そもそも何でこんなことになったのかおれにはさっぱり判らんが、おれが優一郎に犯されたかったからだな」

 

 水輝はそう言ってまじまじと優一郎を見た。

 

「やっぱり、わたしじゃだめなのね」

 

 にっこりと笑った優一郎が唐突に身体の力を抜く。床に崩れそうになった優一郎を、あわわわ、と言いながら実鈴が抱きとめる。

 

「水輝さーん。どうなってるんですかー」

 

 いじめですか? そう言いながら実鈴が恨めしそうに水輝を見る。水輝はしかめ面をしてため息を吐いた。

 

「元はと言えばおまえが腐れ女の振りしてるのが悪いんだろ? しかし……優一郎もよくわからんなー……」

 

 難しい顔をして言ってから水輝は深々とため息を吐いた。腹は減る一方だし、訳が判らないし、本当は週末でのんびりいちゃいちゃする予定だったのに、何故かこんなことになってしまっている。

 

「あーもー、まじで旅に出ようかな、おれ」

「えっ」

 

 うーんうーん、とうなされている優一郎を床に放り出し、実鈴が水輝に駆け寄る。

 

「じゃあ! 私と一緒に行きましょう! 大丈夫、いっぱいえっちなことしてあげますからっ」

「おまえもその開き直り方はどうよ?」

 

 胸を叩いてみせた実鈴を見つめ、水輝は呆れた顔をした。ふふふふ、と笑いながら実鈴がベッドによじ登る。

 

「いいじゃないですかー。どうせ吉良博士は女の水輝さんは抱かないんですしー。空いてますよね?」

「いや、遊びなら付き合ってもいいが、本気なら付き合わないぞ?」

 

 水輝はきっぱりと実鈴に言い返した。すると実鈴がむー、と唇を尖らせる。床に転がっている優一郎が、うーんうーんと呻きながら、水輝さん……行かないでください。と言う。

 

「……ずるいですよねー。自覚ないくせに、ああやって水輝さん縛るの」

 

 ちっ、と舌打ちをしてから実鈴が水輝に抱きつく。水輝はため息を吐いて実鈴の額に軽く口づけした。

 

「ほれ。おまえもいいかげん、帰れ。卵子摘出したんなら、用は済んだろ?」

「えー。せっかく吉良博士が失神してるんですからー。浮気しましょうよー」

 

 優一郎とするのも浮気なんだが。そう思いながら水輝は仕方なく目を閉じた。ぱっと明るい顔をした実鈴が尖らせた唇を水輝の唇にくっつける。そのままじっとした実鈴を訝り、水輝は何となく自分から唇を開いた。

 

「んー?」

 

 閉じていた目をぱちりと開いた実鈴の唇を舌で割り開き、水輝は貪るように実鈴の舌を舌で絡め取った。

 

 うーんうーん、と呻いていた優一郎が急に難しい顔をして言う。駄目です! 水輝さん! そっちには凶暴なももんががっ! そう言ったかと思うと、優一郎はまたうーんうーんとうなされ始めた。

 

「……むー。微妙に邪魔をされてますー」

 

 唇を離した実鈴が不機嫌そうな顔をして優一郎を振り返る。水輝は実鈴の耳朶に舌を這わせ、首筋をゆっくりと舌先で撫でた。

 

「あ……。水輝さーん……」

 

 とろんとした顔をして実鈴が甘えた声を出す。その背後で優一郎が難しい顔をしてきりきりきり、と歯軋りをする。うーんうーん、ももんがを侮ってはいけませんっ。優一郎のそんなせりふを聞いて、水輝は我慢できずに吹き出した。

 

「もー! 邪魔くさいですー!」

 

 怒りの顔で叫んだ実鈴がベッドを飛び降り、優一郎に蹴りを入れる。水輝は胸に手を突っ込んでさっさと男に戻り、優一郎を蹴り飛ばしていた実鈴を退けた。

 

「あっ! 水輝さんてばー! 男に戻ったら出来ないじゃないですかー!」

「おまえは散々、どこぞの男にされてるんだろ? って、おれに隠しておくために我満してたんだっけ。悪かったな」

 

 そう言いながら水輝は軽々と優一郎を抱え上げた。腕に抱いたところで優一郎に静かに唇を寄せる。

 

「別にー……そのくらいはー……慣れてますしー」

「嫌なのに黙ってやられてるこたあねえだろ。何なら代わりに殴ってやろうか?」

 

 優一郎の身体を静かにベッドに横たえてから水輝は振り返った。実鈴は困ったような顔をして苦笑を浮かべている。

 

 みずきさん、旅も悪くないですね。聞き取りにくい声で言った優一郎を振り返り、水輝はため息を吐いた。優一郎はいつの間にか穏やかな寝息を立てている。これは今日はいちゃいちゃするのは無理そうだ。それでなくても性別を強引に変えたから、きっと負担も掛かっているだろう。

 

「あーあ。もー、あつあつカップルなんだからー」

 

 しばしの間、黙っていた実鈴がいつもの間延びした口調で言う。それから実鈴はてきぱきと水輝の服をまとめ、ベッドに乗せてから踵を返した。

 

「じゃあ、また休み明けにー、『塔』でお会いしましょうー」

「へーい。またなー」

 

 実鈴の背中に声を投げかけて水輝は片手をあげた。背中を向けたまま、ばいばいと手を振った実鈴が部屋を出て行く。それを見送ってから水輝はベッドの縁に腰掛け、優一郎の額を軽く指で小突いた。

 

「……起きてんだろ?」

「ばれてました?」

 

 笑いを浮かべて目を開けた優一郎が小声で言う。ばーか、と笑って水輝は優一郎の頭を撫でた。

 

「判るに決まってんだろ。あんなわざとらしい寝言」

 

 そう言ってから水輝は優一郎の隣にごろんと横になった。細い身体を抱いた感触は佑とはどこか違う。手でゆっくりと優一郎の身体をなぞってから水輝は苦笑した。

 

「佑って呼んでもなんか妙だしなあ……」

「佑では、ありませんよ。僕は僕です」

 

 生真面目な顔をして優一郎が言う。水輝はやれやれと笑って足許の毛布を引っ張り上げた。

 

「一番じゃないって言ったから拗ねてんのか? 後で抱いてやるって言ったのに」

 

 まあいいか、と呟いて水輝は欠伸をした。

 

「戻りますね」

 

 そう言ってから優一郎が自分の胸に手を突っ込む。しばし眉間に皺を寄せて身体の動きを止めていた優一郎が、あれ、と呟いて顔をしかめる。

 

「あっ、くっ……」

「色っぽい声出すなよ。犯すぞ」

 

 苦笑を浮かべて水輝は優一郎の唇をそっと塞いだ。片手で細い身体を抱き、もう片方の手で優一郎の手を退けて乳房を弄る。

 

「僕は佑にはなれませんから……」

 

 囁くように言ってから優一郎が水輝の胸を押し退ける。

 

「今日は帰ります。ごめんなさい」

 

 そう言った直後、優一郎の姿がその場からかき消える。水輝は深々とため息を吐き、苛々と頭をかいた。




実鈴が白状しましたw
今までの態度で優一郎は判ってたらしいです。
水輝は判ってなかったぽいですね。
(そういう興味の対象じゃなかったともいう)
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