少年の夢限搾精ダンジョン奮闘記! 搾生死したらリセットされて一階からやり直しの迷宮で犯される毎日! 作:はんぺん助左衛門
長い歴史を見ても古今東西、予想だにしない事、それこそ人生を変えてしまうような出来事と言うものは全く予兆無く突然にして起きるものであり、それ故にまずもって避けられる物ではない
「うー……暗い。9月になればこんなに日が落ちるのも早いのかぁ……」
それは当然、すっかり日も沈んでしまった住宅街の民家通しを区切るブロック塀に挟まれた狭い道、そこを等間隔で設置された街頭の光を頼りに早足気味で歩く学生服姿の眉上できっちり切り揃えた髪と青い縁の眼鏡が特徴的な少年、
「はぁ……夏休みの感覚で何時までも図書館に籠って読書してるんじゃ無かったよ……一応、遅くなるとは事前に連絡はしておいたけど……それでも心配かけちゃうだろうなぁ……」
真也は幼少期から大の読書好きであり、一旦読書に集中してしまうと周りが一切見えなくなってしまう悪癖を持っていた。それが災いして、この日、真也は全く予定に無いほど図書館へと滞在してしまい閉館時間の館内放送を聞いて慌てて図書館を出て、帰路を急いでいたのだ
「今日は父さんの帰りが遅い日だし、ちょっとしんどいけど、このまま走り続けていれば夕食前には家に……」
だから真也は知る由等、全く無かったのだ。この選択が自分の道を大きく変えてしまう事を
「あれ……?」
自宅へと向けて真っ直ぐに足を進めていた真也はふと、違和感に気付いて足を止める
「あそこの街灯……確かこの前、老朽化したからって丸っと新しいのに変えたばっかりだったよね。……なんで明かりが点滅してるんだろう?」
そう真也の進行方向20メートル程先、年季を感じる古い街頭が立ち並ぶ中、1本だけ切り抜かれたように真新しい物に変えられた街頭。それだけが2度3度と繰り返し瞬くように点滅していたのだ
「もう壊れてしまったのかな? 後で……えーと……お父さんにでも話しておこう」
とは言え真也が実際にそれに気をそらしたのは数秒。直ぐにそれが大した事でも無いことと思考を切り替えて再び走り出し、点滅を繰り返す街灯に更に近付いたその瞬間
バチンッッ!
まるで仕掛けたトラバサミが発動したように周囲の街灯が一斉に消灯し、真也の周囲は暗闇に包まれた
「……!? えっ!? えっ……!?」
当然、真也は激しく狼狽え、足をとめると慌てて周囲を見渡す。ブロック塀の向こうから覗く住宅の光で完全な暗闇では無い事と、周囲が何からの電気トラブルで停電している訳では無い事は直ぐに理解出来た。が、だからこそ益々、真也は困惑する
「な、何で街灯だけ急に……とにかく何か明かりを……」
その異様な光景に真也は胸中で不安を感じ始めていたが直ぐに自体に対処出来る手段を自身が持っている事に気付き、手にしていた通学カバンに手を突っ込んで探り始める。予め非常時の時にすぐ使えるのうに分かりやすい場所に入れておいた事もあって真也は数秒程で目的の物を見つける事が出来た
「あった……! これなら……」
それは真也の掌に収まる程度の大きさで鈍い銀色に輝くペンライトだった。真也の両親が防犯の為に持たせた物であり、小型ながらも強いLEDの光を放てる事を謳い文句にしており、真也もこの暗闇を照らしてくれると期待してペンライトのスイッチを取り出すなり直ぐに入れる
だが
「あ、あれっ……!?」
ペンライトはスイッチを入れた瞬間こそ確かに眩い光を放ち、一直線に真也が進む道を照らした。が、3秒と経たないうちにその光は突如として急速に劣化するよう細く、弱くなりだし、焦る真也の声をよそに再びその周囲を黒く染めていく
「な、なんなんだ一体………?」
先程の街頭、そしてこのペンライト。立て続けに起こる異変を前にし、この状況下でそれら全てを『偶然』と思える程に真也は強い精神を持っている少年ではない。湧き上がる不安と恐怖に心が支配されそうになってきたその時だった
「あら、期待しないで仕掛けてみたけど、なかなかにかわいい子じゃない」
唐突に慎也の耳に甘く、恐怖感すら溶解していくような美しい女性の声がかけられた
「……!?」
その声を聞いた瞬間、慎也の身体は意思に反してリモコンで操作させているかのようにぐねりと動き、強制的に声のした方向を向かされる
「あ………」
そして僅かに暗闇に慣れ始めた目で、月明かりに照らされる声の主を見たその瞬間に慎也は思わず声を漏らした
夜空を流れる流星雨を思わせるような輝きと思わせる腰まで伸びた銀髪。新雪の雪ですら霞んでしまうと感じる様な白く滑らかで『触って欲しい』と思わせるような白い肌。既に三桁の大台に達している事が目視でも分かる豊満な胸とそれに見合う抜群のスタイルと高い身長。その身体を見せ付けるような胸元や背中を惜しげもなくさらけ出しながらも強く美しさを感じさせる黒いナイトドレス
そして何より慎也を惹きつけたのが
「さぁ……いらっしゃい」
この暗闇でも明るく輝く赤い瞳
慎也の目の前にいる女性は恐怖すら感じる程に美しく、明らかに人間の物では無かった
「あ……あぁ………あ………」
しかし、それでも。女性の桃色の口紅で彩られた美しい唇が弧を描くのを見て、歓迎するように両腕を開く女性の赤い瞳の中に自分の姿が捉えられているのを見て、慎也の頭は霞がかかったように警戒する気持ちが薄れ、代わりに蜜に惹かれる虫のように女性の元へと歩き出す
「そう……こっちにおいで………ふふっ、なーんにも痛いことなんてしないから………ね?」
自分に向けて広げられた両腕は聖母をも思わせる神秘まで感じるような美しさもあったが、ぼやける頭の中でその裏に秘めた愛情と言うよりは口を開いたトラバサミやハエトリソウの葉のような危険性をも慎也に感じさせていた。だが、しかし、その僅かな冷静さも鼓膜から侵入し、脳を制圧し、神経を通じて慎也の全身へと染み渡り響き続ける甘い声が許さない。そのまま一歩、また一歩と慎也は足を進め──
「はい、いい子、いい子……」
ふらふらと慎也が腕の中に飛び込んで来た瞬間、女性は慎也を優しく抱きしめると。その頭を2度、3度と撫でる
「あ……」
それは人間相手と言うより何処か子犬にするような仕草であったが、それに全く不快感は感じない。むしろ抱きしめられた事でうっとりするような強い『女』の香りと、心地の良い手の感触は慎也を酔わせ言葉をろくに発する事すら許さない
「あなた、お名前は? あなたの事、詳しく教えてくれるかしら?」
「……蜂屋慎也です。年齢は──」
女性に名前は問われた瞬間、慎也は自然と自分のフルネームを口にする。いや、それだけでは無い。取り憑かれているように年齢、血液型、誕生日、果てには通っている学校や住んでいる住所までもをスラスラと先程出会ったばかりの名も知らぬ女性に向かって語ってしまっていたのだ
「うん、教えてくれてありがとう慎也。おかげで貴方の事がよく分かったわ。口調から人間性も……ね」
慎也の言葉を聞き終えると女性は満足そうに微笑むと慣れた仕草でウィンクを送る。そんな女性の仕草に見とれ、口を半分程開いたまま慎也が見ていると慎也の頭を撫でていた女性の掌がゆっくりと下に下がり、黒いマニキュアが塗られた指がいやらしく頬をなぞる
「……それじゃあ、これはそのご褒美ね♡」
「え……?」
突如、女性が慎也の耳元でそう囁いた瞬間
「……ちゅっ」
女性は躊躇う事も無く桃色に塗られた唇を重ねて来た
「んむっ!? ん……あ………」
瞬間、慎也に襲いかかるのはうっとりするような唇の柔らかさと、電撃のような快感、そして幸福感。その3つが重なり何処か呆けていた慎也の目を限界まで広げさせ、背筋をピーンと伸ばさせる。何を隠そう、これこそが蜂屋慎也と言う少年にとっては人生初となる女性からのキスだったのだ
「んちゅっ……ちゅっ……うふふ……」
そんな慎也の様子を心底、面白そうな物を見る視線を向けつつ女性は目で微笑むと啄むように小刻みに何度も慎也の唇を重ねていく。その度に慎也の精神は溶け、キスの度に快楽に脳は溺れていき僅かに残っていた警戒心は霧散し、気が付けば慎也自身も女性を抱きしめキスを返し始めていた
「あら、抱きしめてくれるの? なら……れろっ………♪」
「………!? あぐっ……れろっ………ちゅっ………」
その瞬間、何度目かも分からぬキスと共に慎也の口の中に女性の舌が侵入すると舌根からゆっくりとだが魂すら引き抜かんとする勢いで激しく舌を絡ませて来た。あまりの突然の事に慎也は見開き動けずにいたが、男としての生物としての本能か、それとも女性の怪しい魅力がそうさせるのか気が付けば慎也もまた覚束ない動きではあるが女性の舌に自らの舌を絡ませいやらしい口付けを交わしはじめていた
「ふふ……んちゅっ……動かし方で分かるわ。あなた、これがファーストキスね?」
「ひゃい……はじめて……れす………」
長くねっとりとしたキスの最中、ふと舌を絡めるのを一旦、止め、互いに舌と舌の間に唾液のブリッジを作りながら問いかける女性。慎也は呆けた表情で答えつつ、その視線は女性の唇から目を離せはい。ついさっきまで舌と舌で情熱的に絡み、愛し合っていたのにも関わらず離れてしまった事を恋しがるように口内から覗く舌がチロチロと切なそうに動いていた
「大丈夫、そんなに必死にならなくても直ぐにまたしてあげるわよ。でも、今は大人しく私の話を聞きなさい」
そんな慎也の頬をつんと人差し指でついてからかいつつ、女性は妖艶に微笑む
「喜びなさい慎也。あなたは格段に美味しいから私の迷宮の中に招待してあげる」
「めい………きゅう………?」
「えぇ、そう。私が身体の中に作り出した男の子をエッチに虐めちゃう迷宮よ。ダンジョンとも言うわね」
女性の言葉に夢うつつのまま問い返すと女性は黒いマニキュアが塗られた指で慎也の顎を撫で、ぐっと顔を近付ける。瞬間、甘い香りが慎也に鼻腔を満たし更に陶酔させる
「慎也、貴方はそのダンジョンに行きなさい。そして……貴方の精の全てをこの私、ノワール・シャドウウォーカーに捧げなさい?」
女性、ノワールの言葉こそ慎也に選択を委ねるようにも思えたが、その口調はまるで真逆。女王が配下に指示を告げるように最初から答えなど決められてる。否の言葉を許さない絶対的な命令の口調だった
「ひゃい……のわー………るん……しゃま……ぼく………いきます………」
当然、ノワールに魂まで魅了されていた慎也がそれを断る事なの出来うる筈も無い。命じられるままノワールの言葉に頷いて答えた
「うん、やっぱり貴方はいい子ね慎也。それじゃあ額を私の顔に向けなさい。貴方に迷宮への入場資格を刻んであげるわ」
「はい……どうぞ………」
ノワールの命令に慎也は全く迷う事なく従うと、少しだけ足を動かして屈むとノワールが触りやすい位置に移動する
「それじゃあこれが入場資格よ。ん〜……ちゅっ♡」
「ひゃあぁぁっっ!! あひぃぃっっ!!」
その額にノワールは判を押すようにキスをした。その瞬間、慎也に電撃のような快楽が額を通して脳へと伝わり慎也は思わず悲鳴のような喘ぎ声をあげ、身体を痙攣しているかのように激しく動かした。しかしノワールはしっかりと慎也の身体を押さえ込み、口付けの快楽から逃れる事を許さずしっかりと自身の唇の感覚に酔わせ続ける
「ふふふ……いい、いいわよ慎也。ほら……支えてあげるからあそこの鏡で今の貴方の姿、自分で見てご覧なさい。凄くかわいい姿になってるわよ?」
「あ……はえ………?」
そう言いながらノワールはチークダンスでも教えているような優雅な仕草で慎也の身体を動かすと近くにあったカーブミラーへと視線を誘導させる。正にそのタイミングで狙ったように空をカーテンのように覆っていた雲が散り、月が顔を出す
全ては偶然なのかそれともノワールが慎也には考えられぬ力で細工をしたのか
空にはノワールの目のように、鮮やかに紅く、美しい円を描いた月が浮かんでいた
「あ………」
そして赤い月の光により慎也はカーブミラーに映し出される己の姿を目指する
自身と殆ど身長の変わらぬノワールに支えて貰わねば自力では立てない程にふらついた身体。焦点が定まっておらず酒に酔ったかのような目、頬、鼻、唇といたる所に付けられたノワールの桃色の唇と同じキスマーク跡。そしてその中でも何より一番目立ったのが慎也の額にノワールの唇の皺まではっきりと分かる形で刻まれ、暗闇で自ら怪しげな赤い光を放つキスマーク
どこからどうみても快楽に飲まれた『哀れなオス』の姿がそこに映し出されていたのだ
「あ……あへっ………♪」
しかし、それを見ても最早、今の慎也に動揺や嫌悪感は一切無い。寧ろ自身がノワールの所有物に変えられたかのような自身の姿は慎也を益々興奮させていた
「そしてお待ちどう様………これが貴方が待っていたご褒美よ…♡ あーんっ……」
そんな慎也の顔を自身の方向に向かせると再びノワールはその唇を強引に奪い、即座に口内に舌を入れるとわざと音が出るように激しく舌を絡ませ、吸い付き水音を慎也の耳にひびかせる
「んぐううううぅっっ……!! んううううっっっ!! んぐっ!!
んんんんっっ!!」
ノワールのキスの快感についに堪えきれず、悲鳴をすら唇をしっかりと塞がれて録に出すことも出来ないまま下着の中で慎也は盛大に射精する
「う……あ………うぐっ………」
「今は、おやすみなさい慎也……頑張って私の迷宮の最奥まで辿りついてみなさい。そうしたら………」
興奮の中で放った大量の射精による反動か慎也の意識が眠気と共に急速に薄れていく。慎吾が最後に見たのは空の浮かぶ月よりも更に赤く輝くノワールの目、そして聞いたのは心の奥底にまで染み入り侵食していくような声
その2つに包まれ、慎也の意識はついに暗闇へと落ちていくのであった