・空崎ヒナ
・シャーレの先生
突然だが、ヒナに猫耳と尻尾が生えた。何を言っているんだと思うだろうけど聞いて欲しい。
少し前、当番でシャーレに訪れたヒナを迎えた後、机の上に置いていた山海経の錬丹術研究部のサヤが調合した栄養ドリンクをヒナが飲んだ後、猫耳と尻尾が生えてきた。
私が飲んでも問題なかった事と、飲んだ後、身体が軽くなった事もあり、日頃から疲れが溜まっているヒナにもどうかと勧めたのが、こうなった経緯だ。
「ヒナ……その、ごめんね」
「問題ないわ。角と羽の所が耳と尻尾に変わっただけだもの。仕事に支障が出る事ないから気にしないで欲しい」
「本当にごめんね。サヤには連絡を入れておいたから、サヤが解毒剤を作ってくれるのを待つしかないね。それまで、ヒナに不自由な思いはさせないよ」
「大袈裟よ。私はこの身体でも問題ないわ。それより、仕事を始めましょう。その為に来たんだもの」
あっけらかんとした態度でヒナはそう言うと、自分の仕事を始める為に席に着いた。
「あ……うん。そうだね……ありがとう。ヒナ」
ヒナの配慮に、私も気を取り直して自分の仕事を始めた。
何時も通り、テキパキと仕事をこなすヒナのお陰で、昼前には粗方の仕事が終わり、一息つく。
私はヒナを労う為に、コーヒーを用意する事にした。砂糖を入れたコーヒーとブラックコーヒー。ヒナには何時ものブラックコーヒー差し出した。
「お疲れ様。ヒナ」
「ありがとう。先生」
そう言ってカップを受け取り口をつけると、ヒナは顔を顰めてカップから口を離した。
「あつつ……成程、舌の方も変化してるみたい」
「猫舌って事か」
「ええ、そうみたいね……フゥ…フゥ…」
コーヒーに息を吹きかけ冷ますヒナ。その仕草が可愛らしくて思わず笑みが溢れてしまう。
「……何?」
「いや、可愛いなと思ってね」
「……そう」
ヒナはプイッと顔を背けるが、その仕草もまた可愛らしい。私は思わずヒナの頭を撫でる。
「もう、子供扱いしないで頂戴」
そう言いつつも満更でもない様子で受け入れてくれるのだから可愛いものだ。暫く撫で続けていると、指先が猫耳の裏側に触れてしまった。
その瞬間、ヒナは『ビクンッ!!』と身体を跳ねさせ、慌てて耳を抑えると私から離れた。
「先生……今、何したの?」
「え? いや、猫耳の裏側に触れただけだけど」
「……そう」
ヒナはそう言うと、今度は膝の上に座り、体重を預けるようにもたれかかってきた。
「ヒナ?」
「……さっきの所、もう一回撫でてくれる?」
そう言いながら、頭を擦り付けてくるヒナ。その仕草にドキッとするが、そんな内心を悟られないように平静を装うと、彼女の頭にそっと手を置く。
「んっ……」
ゆっくりと手を動かし始めると、ヒナの口から甘い吐息が漏れた。そのまま優しく撫で続けるうちに、次第に彼女の身体から力が抜けていくのを感じた。
そう言えば、猫の耳の裏側……付け根の部分は疲れが溜まりやすいと聞いたことがある。
「ヒナ、そこ気持ちいいの?」
そう尋ねると、ヒナは少し恥ずかしそうな声で答えた。
「……えぇ……少し……気持ちいいわ」
「そっか、じゃあもっと気持ちよくなれるように頑張るよ」
強すぎず、そして弱くなりすぎないように。猫耳部分を撫でて揉みほぐす力を調整する。
「ん……ふぁ……」
ヒナの口から甘い吐息が漏れる。どうやら気に入ってもらえたようだ。
暫く続けていると、ヒナは私に向き直り抱きついてきた。
余程リラックス出来たのだろう。此処まで甘えてくる事は、普段なら有り得ない事だ。
『ゴロゴロ』と喉を鳴らし、私の胸に顔を埋めるヒナ。そんな彼女を優しく抱きしめ返すと、気持ちよさそうに吐息を漏らした。
「先生……もっと強く……」
「うん」
要望通り、少しだけ力を籠める。身体が密着し、ヒナの体温と鼓動が伝わってくる。
温かく、そして抱き心地の良い身体に。視界の先にはヒナの猫耳がピクンと動くさまが見てとれ、私は思わずヒナな頭に顔を埋めた。
お日様の香りと、それとは異なる不思議な感覚。猫吸いをするとストレスがなくなり、気持ちがリラックスできると聞いたが、どうやら本当らしい。
「ずっとこうしていたい」
ヒナからの返事はなかった。
その代わり、抱き付く腕から僅かに力が籠るのを感じた。それが、彼女の答えなのだ。
私はヒナの頭を撫でながら徐々に手を背中に回し、そして、尻尾の付け根を優しく撫で始めた。
「んっ……ふぅ……」
ヒナの息遣いが荒くなる。どうやら此処も、猫と同じく撫でられると気持ちよくなるポイントのようだ。尻尾の付け根を撫でる度に、『ピクンッ!!』と身体を震わせる。
恥ずかしいのか、それとも別の感情か、体温がどんどんと上昇していき、漏れ出る吐息にも熱が籠もっていく。
必死に声を押し殺し、それでも身体は反応してしまうのか、時折『ビクリ』と身体を跳ねさせる。
やがて、ヒナがゆっくりと顔を上げ、潤んだ瞳が私を捉えた。
その瞳には情欲の炎が灯っていた。私はそのまま顔を近づけ、唇を重ねた。
触れるだけの口付けに、その間も手は動かし続ける。
「んっ……ふぅ……んくっ……ぷはぁ……」
息継ぎの為に口を離すと、ヒナの口から艶かしい吐息が漏れる。
その姿は発情した猫のそれであり、ヒナの身体は、先生を受け入れる準備が整っているのか、下着からトロリと蜜が溢れていた。
「ヒナ、ベッドに行こうか」
そう告げると、ヒナは無言で頷いた。私はそのまま彼女を抱きかかえると、仮眠室へと向かった。
ベッドの上に下ろすと同時に、再び唇を重ねる。先程とは違い舌を差し入れ絡め合わせる。猫特有のざらざらとした舌触り。それがまた心地良い。
舌を絡めながら、空いた手で衣服を脱がしていく。ヒナの白い肌が露になる。
そのまま覆い被さると、彼女の首筋に吸い付いた。
「んっ……」
くすぐったそうな声を上げるも、抵抗する素振りはない。雄猫は交尾の際、雌猫の首筋に噛み付くという。
そうする事で抵抗出来なくなり、その間に交尾をすませるのだが、残念ながら、私は猫ではない。
私はヒナを自分の所有物として認識させるように、首筋に痕を残したにすぎない。それでも、ヒナは嬉しそうに微笑んでくれた。
「先生……きて……」
そう言って抱きついてくるヒナを抱き締め返すと、私はゆっくりと、彼女の中に自身の分身を埋め込んでいった。
「んっ……あぁ……」
ヒナの甘い吐息が漏れる。私はそのまま根元まで沈め込むと、腰を動かし始めた。
「あっ……んっ……」
初めはゆっくりと、徐々にスピードを上げていく。ヒナの膣内はとても温かく、それでいてキツく締め付けてくる。まるで別の生き物のようにうねるヒダが絡みつくように吸い付いてくるのだ。
「んっ……くぅ……先生ぇ……」
ヒナは切なげに私を呼ぶと、足を絡めてきた。
私はそれに応えるように、更に激しく腰を動かす。
『パンッ!! パンッ!!』と肌同士がぶつかり合う音が響き渡る。それに伴い、ヒナは身体を揺らしながら甘い嬌声を上げた。
「あっ!! あぁっ!! んぅぅ!!」
白い肌に赤みがかかり、汗の粒が流れ落ちていく。
2人が繋がった部分からは、淫らな水音がと共に愛液が溢れ出ており、シーツに大きな染みを作っていた。
ヒナの瞳には快楽の炎が灯り始め、子宮が私のイチモツの先端に吸い付き、受け入れる準備を整えたようだ。私はラストスパートをかけ、一気に畳みかける。
そして、一際奥へと突き入れると同時に果てた。ヒナの中で、熱い欲望が爆発させた。
その瞬間、ヒナは身体を弓なりに反らし絶頂した。膣内が激しく収縮し、私の男根から精子を絞り出そうとするように脈動を繰り返す。
私は最後の一滴まで出し切ると、ゆっくりと引き抜いた。ヒナの割れ目からは白濁とした精液が溢れ出し、シーツに大きな染みを作った。
「はぁ……はぁ……」
肩で息をしながら、ヒナは私に抱きついてきた。その身体はまだ小さく震えている。私は優しく抱き返すと、そのまま頭を撫でた。
「大丈夫?」
「ええ……ありがとう先生」
ヒナはそう言うと、私の胸に顔を埋めてきた。私はそんな彼女の背中を優しく撫で続ける。
暫くそうしていると、ヒナはゆっくりと身体を起こし、私を見つめ、そしてクスリと笑った。
こうして、先生と過ごす時間。甘える事は苦手だけど、今日という日は、自分に素直になれて凄く良かった。
「どうしたの、ヒナ?」
不思議そうに見つめ返す先生。
ヒナは『なんでもない』と答えると、先生の首筋に顔を埋め、自分のものであると主張するように、彼の首に印を残すのであった。
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