・空崎 ヒナ
・シャーレの先生
ヒナがブラックマーケットで男に寝取られる?話です。
夜、ネオンの光が街中を照らし、街行く人々は妖しい光の店々へと吸い込まれるように入って行く。
此処はブラックマーケット。連邦生徒会の管理の及んでいない治外法権がまかり通る区画だ。
違法な物品の取引や認可されていない違法娯楽が存在し、闇市であるにも関わらず、その規模は学園自治区の数個分にまで拡大しているといわれている。
目の前を通り過ぎていく住人達は、所謂『はぐれ者』であり、多くが犯罪まがいの商売や仕事を生業としている。
不良生徒やならず者達が闊歩するブラックマーケットの一画、宿泊街とはものの言い様で、その実、売春行為に手を染める生徒達が集まるその区画で、一人の生徒が、周囲の視線を意識しながら、キョロキョロと辺りを見渡している。
簡素なワンピースに女優帽。普段から私服を着る機会の無かった彼女……ゲヘナ学園の風紀委員会に所属する風紀委員長である空崎ヒナは、携帯に届いたメッセージに指定されたホテルの前で、そわそわと行ったり来たりを繰り返していた。
すると、そんな彼女に近付く男性がいた。
「もしかして、君がヒナちゃん?」
名前を呼ばれ、振り返った先には、メッセージに添付されていた写真と同じ男性。
筋肉質で体格の良い、ヒナと並べると倍以上の体躯を持つ男が、ヒナに微笑みかける
「え、えぇ……。あ、あの……貴方が『○○』ですか……?」
「あぁ、そうだよ。写真の通りの見た目で安心した?」
「はい……、その……写真より……ずっと……」
顔を赤らめ、男から視線を逸らすヒナ。
男の方も、ヒナの見た目に満足したのか、それとも、目の前の彼女を格好の餌だと認識したのか、内心でほくそ笑むと、視線をホテルに向けながらヒナに語り掛ける。
「それじゃ、ホテルの中に入ろうか」
「あ、あの……私、こういう所に来るのは初めてで……その……」
「大丈夫、優しく教えてあげるから」
男の手がヒナの肩へと回される。そのまま男は強引にヒナの体を引き寄せ、腰に手を回す。
その手つきにビクリと身体を震わせながらも、抵抗らしい抵抗はせず、ヒナは男の言葉に従いホテルの中へと連れられて行く。
慣れた様子でホテルのフロントに話を通すと、そのままエレベーターに乗り、そのまま最上階へ。
エレベーターの扉が開き、ヒナが男に肩を抱かれながら、落ち着いた雰囲気の廊下を歩んで行く。
「あの……此処って……」
「あぁ、このホテルはね、俺専用の部屋が用意してあるんだ」
「専用の……部屋?」
「そうだよ。ヒナちゃんみたいに彼氏に寝取られプレイを強要された女の子を相手にする為の特別な部屋さ」
「そ、そんな部屋が……本当にあるんだ」
ヒナの声が尻すぼみに小さくなっていく。
「それにしても、ヒナちゃんみたいな可愛い子を他の男に寝取られるのが見てみたいなんて言う男が彼氏だなんて大変だね」
「そ、そんな事ない。これも経験だからって」
「はっはっは。他の男に寝取られる経験って、そんなの自分の性癖を満たしたいだけのド変態じゃないか」
「そ、それは……」
「まぁ、そんなド変態の彼氏のお陰で、俺みたいなやつにも旨みがあるのは確かだ。持ちつ持たれつってやつだな」
「そ、そう……ね」
「さて、着いたよ。この部屋だ。」
男が部屋の扉を開ける。
中は、ホテルの一室とは思えない程に広く、大きなベッドの他にはソファーやテーブルといったシンプルな家具が置かれ、壁沿いに置かれた間接照明が煌びやかな雰囲気を演出している。
そのシンプルさがより部屋の中の妖しい空気を引き立てているように感じられ、ヒナの心臓がドキドキと早鐘を打つ。
「さて、カメラと携帯の準備はっと……。お、あったあった」
「か、カメラ?」
「そう、この部屋は俺専用の部屋だからね。ヒナちゃんがどんなプレイをしているかを撮影して彼氏君がそれを見て楽しむ為のものだよ」
男がヒナの腰を抱きながら部屋の中へと案内する。
そして、キングサイズのベッドの上にヒナを腰掛けさせ、撮影の準備を始める。携帯のカメラのレンズがヒナへと向けられ、その横には三脚で固定されたビデオカメラがヒナを映す為に準備されている。
「さ、準備も出来たし始めよっか」
「始めるって……私は何をすれば?」
「まぁ、先ずはカメラの前で自己紹介かな? 名前を言って、彼氏君に今から俺に抱かれるって報告をする。そして、後は俺に任せてくればそれでいいよ」
「え……そ、それは……」
ヒナが口ごもる。
「あれ? もしかして出来ないの?」
男がヒナに顔を近づけ、目と目を合わせる様にして問い掛けてくる。
その眼光の鋭さに、ヒナはたじろぐ事しか出来ず、仕方なしに男の要求に従う。
「えっと……先生……見てる? 私よ……今からこの人と、その……え、えっちな事をするから、最後まで見ていて欲しい」
ヒナの口上に、男がうんうんと感心しながら頷くと、ヒナの横に立ち、服を脱ぎ始めた。
「それじゃ、次は服を脱いでいこうか」
「え?」
「ほら、早く脱いで」
「え、えぇ……」
男に促され、ヒナがゆっくりとワンピースのファスナーを下ろしていく。その指が僅かに震えている。衣擦れの音と共に、ワンピースが床に落ちると、下着姿のヒナがカメラの前にその裸体を晒す。
「へぇ……、良い身体してるね。彼氏君にいっぱい愛されてるの?」
「……え、えぇ。先生はいつも私を気遣ってくれるから……」
男がヒナににじり寄る。そして、そのままヒナの胸を下着越しに揉みしだき始めた。
「ん……っ、や……」
男の指が、ブラジャーの上からヒナの乳首を摘み上げ、そのままコリコリと刺激していく。
「あ……んっ……っ、だ……め」
「何が駄目なの?」
「……だって……、今、先生が……」
「でもさ、その彼氏君のお願いでこうして此処にいるんでしょ? だったら問題ないよね?」
「そう……だけど……」
「それじゃ、続けても良いよね」
男がヒナの背中に手を回し、ブラジャーのホックを外す。そして、控えめな胸を外気に晒し、頬を赤らめるヒナの乳房を、見せつけるように揉みし抱く男。小ぶりながらも弾力性のある胸を堪能する様に、手の中で形を変え、時に激しく、そして優しく揉みしだいて行く。
「あ……っん♡……やぁ……」
「ヒナちゃんのおっぱい柔らかいねぇ」
「そ、そんな事……言わないで」
「どうして? 本当の事でしょ? 彼氏君も羨ましいねぇ。ヒナちゃんみたいな可愛い子を毎日好きにできるんだから」
「そんな事……ない……」
「ん?」
「先生は私を大事にしてくれるから。それに、先生は忙しいからこういう事も少なくて……」
「ふーん……」
男が、ヒナの乳首を指先でカリカリと引っ掻く様に刺激する。
「んっ! あぅ……っ、や……」
「勿体ないねぇ。ヒナちゃんよりも優先する事があるなんて俺には信じられないよ」
「そう……なの?」
「あぁ、だってそうだろ? 彼氏君はヒナちゃんよりも仕事の方が大事なんでしょ?」
「それは……」
ヒナが言いよどむ。その隙を突く様に男がヒナの唇を奪う。そのまま、舌を差し込みヒナの口内を蹂躙する。
「ん……っ♡ ちゅ……んむ……ん♡」
二人の舌が絡み合い、粘着質な水音を響かせる。男の舌がヒナの歯茎をなぞり、上顎を舐め上げる度に、ヒナの身体がビクビクと震える。
「ぷは……っ♡ あ……ふわぁ♡」
唇が離れると、二人の口に銀色の橋がかかる。ヒナが蕩けた表情を浮かべながら、肩で息をする。
「はぁ……っ♡ はぁ……っ♡」
「キスだけでこんなになってたら先が思いやられるな」
カメラを意識しながら、男がヒナの下着の中に手を入れる。
「あっ♡ だめぇ♡」
「駄目じゃないだろ? ほら、ここもこんなに濡れてる」
男の指が割れ目をなぞる。そしてそのままゆっくりと中へ挿入される。
「ん……っ♡ あ、あぁっ♡」
ヒナの身体が弓なりにしなる。足がガクガクと震え、立っているのも辛そうだ。
「あぁ……可愛いなぁ」
男がヒナを抱き寄せ、柔い唇を蹂躙しながら、膣内をほぐすように指を動かしていく。
「あ……っ♡ あぅ……♡」
指が動く度にヒナの口から甘い吐息が漏れる。その反応を楽しむように男が執拗に責め立てると、次第に水音が大きくなっていく。愛液が太腿を伝い、床に滴る。
「それじゃ、そろそろいいかな」
男がヒナのショーツに手をかけ、ゆっくりと脱がせていく。そして自身の下着も脱ぐと、ヒナの眼前に勃起した陰茎を晒した。
「…………ぁ♡」
メッセージのやり取りの中で写真で見たそれと同じく、ヒナの腕ほどの太さのある陰茎が、ヒナの眼前でゆらゆらと揺れる。
「そんなにマジマジと見ちゃって。もしかして彼氏君と比べてるのかな?」
「べ、別に……」
「まぁいいさ。すぐにそんなのどうでもよくしてやるよ」
これまで多くの生徒を堕とした自慢の陰茎に避妊用のゴムを着け、ヒナの割れ目にあてがう。
「あっ……ふぁ……♡」
「それじゃあ、彼氏君。今からヒナちゃんを頂くね。ヒナちゃんからも何か言ってやりなよ」
「あ……、その……」
ヒナの視線が男の陰茎に注がれる。そして、意を決したように口を開く。
「先生……ごめんなさい。私、今からこの人に犯されちゃうから」
「うんうん、それで?」
「……だから、その……お願い。いっぱい見てて」
ヒナの言葉を待っていたように、男が腰を進める。にゅるりと先端が入り込み、そのまま押し広げるようにして根元まで突き入れた。
「……ふわぁぁっ♡」
子宮を突き上げられて、ヒナが甘い声を上げる。
「あ……、あぁ……♡」
ヒナの膣内は狭く、男の陰茎をきつく締め付ける。男はゆっくりと腰を動かし始めた。最初は浅く、そして徐々に深く。子宮口をノックするように何度も突き入れると、その度にヒナの口から嬌声が漏れる。
「あ……んっ♡ やぁ……ぁ♡」
「どう? 彼氏君以外の男に犯される感想は?」
「……ん、きもちいぃ♡」
ヒナの蕩けた表情に、男が満足そうに笑う。そのまま、ヒナの膣内を堪能するように、ゆっくりと腰を動かす。
「あ……ん♡ あぅ……♡」
肉と肉のぶつかり合う音が響き渡り、愛液が溢れ出て水溜りを作る。徐々に腰の動きが激しくなり、肌と肌がぶつかる音が大きくなる。
「あっ♡ あ、あ……っ♡ やぁ……♡」
「ヒナちゃんの膣内凄いよ。キツキツなのにトロトロで。俺のを離そうとしない」
「そ、そんな事ない……」
「いやいや、嘘は良くないな」
「あ、あぁ♡ あぅ……っ♡」
男がヒナの子宮の入り口をグリグリと刺激し、ヒナの身体がビクビクと震える。
「ほら、彼氏君の前ではしたない顔晒して」
「やぁ……っ♡ あぅ……♡ やだぁ♡」
「嫌じゃないでしょ? それとも何? まだ余裕あるの?」
男はそう言うと、腰を思い切り打ち込み、子宮口を突き破らんばかりの勢いで責め立てる。その衝撃にヒナの身体が大きく仰け反った。
「あ……っ♡ あ、あ……ぁ♡」
「ほーら、彼氏君に見てもらおっか」
カメラに結合部がよく見えるような角度でヒナの身体を起こさせると、男はさらに激しく動き始めた。パンパンと肉と肉のぶつかり合う音が大きくなり、水音が激しさを増す。
「や……らぁ……♡ せんせぇ……見ちゃ、やぁ♡」
ヒナの膣壁がきゅうと締まり、男の陰茎を締め付ける。感度の良い膣内はうねうねと男の陰茎を扱きながら、奥へ奥へと誘うように収縮を繰り返す。
それに気をよくした男はテーブルに設置したカメラの前にヒナを誘導し、テーブルに手をつかせた状態で後ろから力いっぱいに子宮を突き上げた。
「ぅぐぅぅ♡ あっぁっ♡ やぁ……ィ……く♡ イ………んぅぅぅ♡」
ヒナの身体がビクビクと痙攣する。膣内が収縮を繰り返し、男の精を搾り取ろうと蠢いている。
「はっ、イったのか?」
ちょっと本気になっただけで直ぐに達したヒナに、男は彼女が堕ちたと確信する。だが、これで終わりではないとばかりに、再び抽送を始める。
「あ……っ♡ だめ……今、イった……ばっかりだからぁ♡」
ヒナの制止の声は聞き入れられず、男は欲望のままに腰を振り続ける。
何度も絶頂を繰り返し、はしたなく涙と涎を垂れ流しながら、ヒナは快楽に身を委ねるしかなかった。そして、ついにその時が訪れる。
「っ……出すぞっ!!」
「あっ♡ あぅ……♡ あ、あついのがぁ……っ♡」
膣内で男の陰茎が大きく膨れ上がり、脈動する。大量の精液が注ぎ込まれ、ゴムの中を精液で満たしていく。
そしてヒナの膣内から陰茎が引き抜かれると、精液で満たされたゴムがボトリと揺れた。
「ふーっ……いっぱい出たね」
男がそう言いながら、使用済みのコンドームをカメラに見せつけるように振ると、その先端には大量の白濁液がタプタプと揺れていた。
「はぁ……♡ はぁ……♡」
「どう? ヒナちゃんもイけたし、彼氏君も満足したかな?」
「あ……ぅ……」
ヒナの目に生気が戻る。そして、自分の置かれている状況に気付き、顔を真っ赤に染めた。
そんな様子に男は笑いながらヒナの耳元で囁いた。
「それじゃあ、今度はゴムなしでやってみようか?」
「……え?」
ヒナが驚きに目を見開いた瞬間。男は再び陰茎を挿入した。
突然の衝撃に、ヒナの口から嬌声が上がる。
「あ、や……っ♡ あ、あ……っ♡ ま、まって……んぅ♡」
男はそのまま激しく抽送を始める。ヒナがテーブルの上に上半身を突っ伏し、その背後に立った男が彼女の両手首を掴むと腰を振り始めた。
パンパンパンと肉同士がぶつかり合う音が響き渡り、男の腰が叩きつけられる度に結合部から泡立った愛液が飛び散り、ヒナの太腿を伝い床に落ちる。
「あ……っ♡ あぅ……♡ はげし……ぃ♡」
「ごめんねぇ彼氏君。ヒナちゃん可愛すぎだからさ。このまま本番いっちゃうね」
「や……だめ……♡ 先生……たすけて……」
ヒナの懇願は届かず、男はさらに激しく腰を動かす。そして、そのまま子宮口を突き上げると、先端から勢いよく精液が発射され、ゴムの中に溜まった時とは比べ物にならない程の量と勢いで子宮を白く染め上げていく。
「あ……っ♡ あ、あぁ……♡」
ヒナの膣内が収縮し、その刺激で男も射精した。ドクンドクンと脈打ちながら、大量の精液を放出する。
「はぁ……♡ あ……ぅ♡」
膣内で陰茎が震え、精液を吐き出している。子宮口にぴったりと先端を押し当てながら射精される感覚に、ヒナの身体がピクンピクンと跳ね上がる。
長い吐精が終わり、男が陰茎を引き抜くと、膣内からゴポリと音を立てて精液が溢れ出した。
「あーあ、いっぱい出されちゃったね」
男の言葉にも反応せず、ヒナはテーブルに突っ伏したまま荒い息を吐いていた。だがしかし、それで終わりではないとばかりにカメラの傍の床にヒナを寝かせ、そのまま正常位で挿入した。
「や……ぁ……♡ だめぇ……」
弱々しく抵抗の言葉を口にするが、男は構わず腰を動かし始める。
「ダメって言いながら。こっちの方は全然正直だねぇ。本当は俺に抱かれてる方が気持ちいいんだろ? 素直になれよ」
「ちが……っ、違うのぉ……♡」
ヒナは目に涙を浮かべながら否定の言葉を口にし続ける。だが、その言葉とは裏腹に、膣内は男根を離すまいときつく締め付けていた。
男はヒナの腰を掴み、激しくピストン運動を行う。その度に結合部から愛液が飛び散り、ヒナの口からは甘い吐息と喘ぎ声が上がる。
「あ……っ♡ あぅ……♡ あ、あ、あっ♡ あっ♡」
「どう? 彼氏君より気持ちいい?」
「あ……うぅ……ぐぅ♡ んんっ!!」
必死に口を押え、言葉を吐き出さないように堪えるヒナだったが、その反応は男にとって肯定の意に他ならなかった。
「ほら、素直になりなよ」
男がヒナの耳元に口を近づけ囁くと、膣内がきゅうっと収縮し男の陰茎を締め付ける。
「あ……っ♡ だめ……っ、イ……クぅ♡」
ヒナの身体が大きく仰け反り絶頂を迎えると同時に、膣内が痙攣し男の陰茎から精液を搾り取る。
「あ……ぁ……♡」
放心状態のヒナの顔を持ち上げ、カメラに映すと、男は意地の悪い笑みを浮かべながら言った。
「それじゃ、最後に彼氏君へメッセージをどうぞ」
「あ……ぅ……」
ヒナは震える声で言葉を紡ぎ始める。そしてカメラに向かって語り掛けた。
「……せ……せんせ……ごめ……ごめんな……さ……」
「はーい、それじゃあ、ヒナちゃんを満足させられない彼氏君の相手はこれで終了。後は俺達で楽しもっか?」
カメラの録音モードを音声モードに切り替え、うつ伏せに突っ伏したヒナを組み伏せながら、男はヒナの膣内に挿入し、抽送を開始した。容赦ない打ち込みに、ヒナも『ゔっ!! お゛っ゛!! お゛ぉ゛……』と、獣のような声を漏らしながらピストンの衝撃に背中を跳ねさせる。
休み休みではあるが男とヒナの声は朝まで続き、男の寝息が聞こえた頃には充電が切れ、カメラは停止した。
―シャーレ―
「……お帰り、ヒナ」
「……ただいま、先生」
早朝、男との行為を終えたヒナは、皺だらけになったワンピース姿で先生の元に帰ってきた。
帰る前にシャワーを浴びたのか、ヒナの身体からはシャンプーの香りが漂い、その頬は上気してほんのりと赤く染まっている。
「ちゃんと……撮れたよ」
「そっか……お疲れ様」
ヒナが先生にカメラを手渡す。そしてそのまま先生の胸元に顔を埋めると、小さく呟いた。
「……先生、お願いがあるの」
「何? 私にできることなら、何でもするよ」
「……うん。じゃあ……ぎゅってして……」
先生は優しくヒナを抱き寄せると、その小さな体に手を回し、ぎゅっと抱きしめた。そしてそのまま暫くの間、二人は抱き合った。
「先生……その……」
ヒナが何か言いたげに口をモゴモゴさせていると、先生はそれを察して言った。
「……そっか。やっぱりダメだった?」
「……………………うん」
ヒナがこくりと頷く。
「先生以外の相手なんて、考えられない」
元々、今回の件は二人で話し合った上で決めた事だった。
先生以外の男を知らないヒナに、別の相手との経験を積ませる。
いや、もっと正確に言えば、先生との行為の際、常にリードされ続けている事に、自分では先生を満足させられていないのではないかという心配から、ヒナから先生に相談を持ち掛けたのだ。
先生は『そんな事ない』とヒナを宥めたが、不安が積み重なり、落ち込むヒナに、それならと提案したのが今回の話だった。
「あの人、先生の事ずっと悪く言ってた」
ヒナを組み伏せながら、男は何度も『俺に乗り換えないか』と話を持ち掛けてきたのだ。何度も断ったが、男はその返事に不満を感じたのか、荒々しい口調になりながらお尻や口に無理やり陰茎を突っ込み、ヒナがえずいてもお構いなしに腰を振り続けたのだ。
そして行為が終わった後も『彼氏と別れろ』や『俺の女になれ』などとしつこく迫ってきたのだ。
「私……先生の事悪く言う人なんて嫌い」
力任せに、相手を屈服させるような行為に、そしてなにより、相手の事を考えず、自分の快楽に身を任せた行為に、ヒナは激しい嫌悪感を覚えていた。
「あんなの……私を使った唯の自慰行為よ」
そして今なお残っている記憶を振り払うかのように首を横に振る。
先生に提案された時もそうだったが、それでも経験を積めるならと話にはのったが、相手が最悪過ぎたのだ。
「だから、先生……お願いがあるの」
「……うん、何?」
ヒナは先生に抱き着いたまま、その顔を先生の胸元から離すと、上目遣いで先生を見つめながら口を開いた。
「……私を抱いて欲しいの。今日一日、休みを取ってるから……その……」
ヒナが言い淀みながら、先生から視線を逸らす。その頬は羞恥で真っ赤に染まっていた。
「うん、分かった」
先生がそう答えると、ヒナはぱっと笑顔になり、先生の首に手を回すとキスをせがむように顔を近づける。それを先生は優しく抱き留めると、そっと唇を重ねた。
そのまま暫くの間、先生とヒナの唇が重なり合う。
男と違い、ヒナを気遣う優しい口付け。ヒナは、その心地良さに思わず目を細める。
そして、そのままゆっくりと唇同士が離れた後、二人は仮眠室へと向かうのであった。
感想などいただけると幸いです。