・各務 チヒロ
・不良生徒
リクエスト作品です。
チヒロが不良生徒に拉致されて酷い目に合う話です。
近代化が進み、情報のやり取りをネットに依存するようになってから、情報セキュリティはより重要な問題になっていた。機密情報が外部に漏れるのを防ぐ為にセキュリティエリアを設け、そのエリアは社員であろうと許可証がないと入れない様になっていた。
しかし、そうした対策を講じていようと、外部からのハッキングや情報の流出は、完全に防げるものではない。特に、機密性が高い情報ほど、その危険度は高まる。
どんなにセキュリティを強化しても、巧みにその網を潜り抜けてくるハッカーは実在し、企業もその対策として専門家から情報セキュリティのコンサルを受けている。
企業の代表者達の前でセキュリティの問題点を指摘する彼女……各務チヒロは、ミレニアムサイエンススクールに所属する非公認のハッカー集団『ヴェリタス』の副部長を務めている。
ハッカーとしての彼女は卓越した技術の持ち主で、その力を私利私欲の為に行使せず、社会の為に役立てている。
「各務さん、お忙しい中、ご足労頂きありがとうございました」
「いえ、これも仕事ですから」
チヒロはそう言うと、代表者の面々と今後の予定を話し合い、セキュリティの見直しを約束して、会議室を後にした。
「……ふぅ」
会社を出たチヒロは、大きく息を吐いた。仕事も無事に終わり、後はセキュリティに対する細かな対策を会社の担当者と話し合っていくだけだ。
キヴォトスはお世辞にも治安が良いとは言い難い。街中を歩けば銃声と爆発音が日常茶飯事の様に聞こえてくる。犯罪に手を染める生徒や生徒を利用する悪質な企業も後を絶たない。
チヒロが所属する『ヴェリタス』の生徒達も倫理観が低く、度々思い付きでトラブルを起こしている。悪戯好きといえば可愛いものだが、その後始末に駆り出されるチヒロの苦労は絶えない。それでも、何だかんだと世話を焼くくらいには、チヒロは彼女達を気に入っていた。
暫く部室に戻ってなかったが、偶には顔を出そう。基本的に外に出る事が少ないから、また部室が散らかっているかもしれない。もしかしたら、また思い付きで何か悪戯を計画しているかもしれない。その時はまた注意してやらなければ。
そんな事を考えながら帰路に着こうとした次の瞬間、後ろから『ドンッ!』と衝撃が走り、口元に布を押し当てられた。
「……っ!?」
チヒロが振り返ると、そこにはキヴォトスではそう珍しくない不良生徒の姿。そして、口元に当てられた布から薬品の香りがするのを感じたチヒロは、身の危険を感じ、拘束を逃れようと抵抗を試みる。
「っ!?」
しかし、自分より力の強かった不良生徒に後ろから腕を掴まれ、そのまま無理矢理裏路地に引き摺り込まれる。
対抗したくとも、薬品の香りを吸ってしまった身体から徐々に力が抜けていく。意識も朦朧とし、チヒロの視界はゆっくりと黒く塗りつぶされていった。
薬で眠りについたチヒロをそのままゆっくりと地面に寝かせた不良生徒は、近くに隠れていた他の仲間と共に彼女の所持品を回収する。
携帯は無論、彼女の痕跡を残す可能性があるものは全て回収し、一纏めにすると、それを何処か遠くに処分するよう仲間の一人に指示する。
そして、不良生徒達はチヒロを車に乗せると、そのまま自分達が所有する倉庫へと連れて行くのであった。
「……んっ」
チヒロが目を覚ますと、そこは薄暗い倉庫の中だった。
「ここは……何処……っ!」
まだぼんやりとする意識の中、身体を起こそうとするも、両手は縄で縛られ、両足にも同様の処置が施されている事に気付いた。
「っ、これは……」
チヒロが自身の身に起きている状況を確認しようとしたその時、倉庫の扉がゆっくりと開き、中に不良生徒達が入ってきた。
「よう、目が覚めたかい?」
「あなた達は……っ!?」
不良生徒の一人に声を掛けられ、チヒロはようやく意識を失う前の出来事を思い出す。
「貴女達、こんな真似をして……っ!」
「ただですむと……ってか? あぁ、見つかったらただじゃあ済まねぇだろうな」
不良生徒は悪びれる様子もなくそう言うと、チヒロに一歩ずつ近付いていく。そして、彼女のすぐ側まで寄ると、その顔をじっくりと見つめながら口を開いた。
「だが、おめぇを此処に連れて来たのも、こうして拘束したのにもちゃんと理由がある」
「……理由?」
「あぁ……おめぇが私等が狙ってた企業のセキュリティを強化したせいでリーダーが捕まってよぉ。その落とし前をつけてもらおうって訳だ」
「っ……待って。それってただの言い掛かりじゃ……っ!」
「あぁ、そうさ。だがな、リーダーはおめぇのせいで捕まった事に変わりはねぇ。今頃は矯正局で不自由な生活してんだ。なら、おめぇに落とし前を付けてもらうのは当たり前だろ?」
「そんな勝手な……そもそも、犯罪を犯す方が悪いな決まっているじゃない。逆恨みもいいところよ」
チヒロは毅然としてそう言い放つが、不良生徒は……彼女達をまとめている副リーダーは全く動じる様子はなかった。
「あぁ、逆恨みで結構。まぁ、そんな強気な台詞が言えるのも今の内だ。これからてめぇには、その身体にたっぷりと教えてやらぁ」
副リーダーはチヒロの胸倉を掴んで無理矢理立ち上がらせると、まともに身動きの取れない彼女の腹部に拳を叩き込む。
「ゔっ!?」
副リーダーの拳はチヒロの鳩尾に入り、その身体を大きく仰け反らせる。衝撃でチヒロの肺から空気が全て吐き出され、彼女はそのまま地面に倒れてしまった。
「げほっ! げほ……っ、ごほっ!」
咳き込み、腹部の痛みと息苦しさで身体を丸めるチヒロ。そんな彼女の髪を、副リーダーは鷲掴みにして強引に顔を上げさせた。
「どうだ? おめぇに恨みを持つ奴の気持ち……少しは分かったか?」
「……っ、わから……ないわ」
痛みに顔を歪めながらも、チヒロは気丈に振る舞う。自身の行いが犯罪を防ぎ、その企業に勤める者達を救ったのは事実なのだ。それに対し、犯罪を犯そうとした者達の気持ちなど、理解する必要すらない。
「……そうかよ」
副リーダーはチヒロの言葉にそう呟くと、彼女の髪から手を離した。そして……。
「なら、その身体にたっぷり教えてやるよ!」
倒れたチヒロの身体をボールのように蹴り飛ばした。
「がっ!?」
「おめぇらも、思いっ切りやれ!」
チヒロを蹴り飛ばした副リーダーがそう叫ぶと、周りで見ていた不良生徒達も、うずくまるチヒロに向かって次々と蹴りを入れ始めた。
「ぐっ! あぁっ!」
腹部に走る痛みと息苦しさに、身体を丸めるチヒロの髪を不良生徒達は掴み上げ、無理矢理立たせる。そして、彼女を羽交締めにすると、その身体に次々と拳を打ち付けていく。
「きゃ、あぐっ! あっ、うぅっ!」
「おらっ! おめぇの所為でリーダーは捕まったんだ! もっと反省しやがれ!」
不良生徒の一人がそう言うと、他の不良生徒達もそれに同調する様に声を上げる。
「てめぇのせいで……っ! てめぇのせいで……っ!」
「リーダーが捕まってから、あたしらがどんだけ苦労したかっ!」
「うぐっ! あぐっ! ああっ!」
不良生徒達から受ける執拗な暴力。チヒロの服が乱れ、彼女の白い肌に痛々しい痣が出来ていく。それでも、彼女は歯を食いしばり、必死に耐え続けた。
(こんな……事、で……)
そんなチヒロの態度に、不良生徒達は益々腹を立て、暴力を振るう力が強くなっていった。
チヒロと不良生徒達、どちらに非があるかと問われれば、それは間違いなく不良生徒達の方だ。
しかし、彼女達からすれば、儲け話を不意にされた上に、自分達の頭が捕まり、リーダーの不在により活動が儘ならなくなった。
自分達の思い通りに事が進まなかった事に対する苛立ち。溜まりに溜まった鬱憤を、その捌け口として、チヒロにぶつけているのだ。
数十分に渡る一方的な暴力。不良生徒達の怒りが収まる頃には、チヒロの身体は痣と傷だらけで、服もボロボロになっていた。
そんなチヒロに副リーダーは近付き、彼女の髪を掴む。
「おい」
「う……っ、ぁ……っ……」
髪を掴まれ、無理矢理顔を上げさせられたチヒロの眼は、焦点が定まっていなかった。
「まさか、これで終わっただなんて思ってるわけじゃぁねぇよなぁ?」
「っ……ぁ……?」
「こんなのはまだ序の口だ。おめぇにはこれからたっぷりとその身体に教え込んでやるよ」
そう言って、仲間に指示を送ると、倉庫の端からバッテリーと焼印の入った段ボールを持ってこさせると、バッテリーに焼印のコードを繋げた。
「ぃ、ぃゃ……まって…っ!」
これから何をされるかを察したチヒロは身体を震わせるが、既にボロボロ身体では満足に抵抗する事も出来なかった。
焼印の先端に熱が灯り始める。その熱がチヒロの肌に触れると、彼女は大きく身体を震わせた。
「い……や……っ」
「おら、いくぞ!」
副リーダーがそう言って、焼印をチヒロに近付ける。そして、それがチヒロの肌に触れると、激しい音を立てて肌を焼いた。
「〜〜〜〜っ! あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!?!!」
皮膚を焼かれる激痛に、チヒロは悲鳴を上げた。ビリビリとした鋭い痛みと共に、彼女の白い肌が真っ赤に染まっていく。
肉が焦げる臭い。そして肌を焼く音にチヒロの絶叫が倉庫の中に響き渡る。
「あ゛っ、いぎぃ……っ! あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁああああ!?!!」
焼印が肌から離れると、そこには痛々しい火傷の跡が残っていた。
「はぁ……っ、はぁ……」
焼印が離れた事で、ようやく苦痛から解放されたチヒロだが、その身体は小刻みに震えていた。
彼女達は理性のタガが外れている。リーダーという上から指示を送っていた人材が欠けた事で抑制が効かなくなっているのだ。
ブレーキが壊れた車……いや、それ以上に質が悪い。一度走り出してしまった彼女達を止める事は誰にも出来ないだろう。
「おい、まだ終わってねぇぞ!」
「あぎっ!?!?」
再び焼印がチヒロの肌に押し付けられる。そして、また激しい音を立てて肌を焼いていく。
「い……っ、ひぎぃ……っ! あ゛あ゛ぁぁぁああ!?!!」
どんなに悲鳴を上げようと、誰も止めようとしない。寧ろ、自分も仲間に加わろうと、タバコに火を付け、チヒロの腕や足に押し付ける始末。
「あ゛っ! あ゛っ、あ゛っ、あ゛ぁぁぁあぁぁぁぁああ!?!!」
チヒロは身体を大きく仰け反らせながら絶叫した。身体中、至る所に火傷の痕が刻まれる。
しかし、彼女達は止まらない。粗方、チヒロの身体に焼印を付けた後、最後の仕上げと言わんばかりに、彼女の顔に焼印を近付けた。
「もう……っやめ……っ」
「あぁ? 何言ってんだおめぇ?」
涙ながらにチヒロが訴えるが、副リーダーはそれを鼻で笑う。そして、彼女の顔を焼印に押し付けた。
「あ゛あ゛ぁ゛ぁあぁぁああ!?!!」
焼印の熱がチヒロの顔に広がる。皮膚が焼かれ、その痛みに彼女は悲鳴を上げた。
そして、ようやく焼印が顔から離れると、そこには痛々しい火傷の痕が残されていた。
「あ……ぅ、ぁ……」
焼印を押されたチヒロは涙を流しながら呻き声を上げる。そんな彼女を、不良生徒達はニヤニヤとした笑みを浮かべながら見下ろしていた。
「これで少しは私らの気持ちってのが理解できたよな?」
「まぁ、理解出来たとしても、まだまだこれからなんだけどねぇ」
「おめぇには他の奴らの分含めて、たっぷりとその身体に教えてやるよ」
彼女達にとって、これらはほんの序の口に過ぎないのだろう。チヒロは、この後、自分達がどんな仕打ちを受けるかを察してしまい、身体を震わせる事しか出来なかった。
不良生徒達の拠点として使われている倉庫。その奥まった一角には雨水が溜まった大きな貯水槽があった。
昔はこの倉庫を利用していた誰かの所持品で、処分される事なく、そのまま倉庫の中に放置されていたものだ。
貯水槽の蓋が開け放たれると、中には放置されて濁った雨水が貯水槽いっぱいに溜まっており、彼女達はその貯水槽の雨水に、チヒロの顔を沈めた。
「むぐっ!? ごぼっ!? がぼ……っ!」
貯水槽の冷たい水に顔を沈められたチヒロは、目を見開いて息をしようと必死に水から顔を上げる。しかし、周りの不良生徒達に押さえられ、それは叶わなかった。
「ごっ、ぼ……っ! あがっ!? ごぼっ!」
水から顔を上げようにも上げられず、チヒロは貯水槽の水を飲み込み始める。口の中に、つんとした臭いが広がり、チヒロは必死にもがく。
「ごっ、ぼ……っ! あ゛っ!? ごほっ!」
「ギャハハハッ!! こいつ汚ねぇ雨水飲んでやがるぜ!!」
「いい気味だ! そのまま溺れちまいなぁ!」
不良生徒達はチヒロの苦しむ姿を嘲笑いながら、彼女の身体を押さえつける力を強めていく。そして、遂に……。
「ごぼっ!? げほっ! げほげほっ!!」
チヒロの肺に貯水槽の水が侵入し、彼女は大きく咳込んだ。そして……。
「ごっぼぉ!? がはっ! あ゛あ゛ぁ゛ぁあぁぁああ!?!!」
水を飲み、息を詰まらせたチヒロの口から絶叫が漏れ出した。
「かはっ! あ゛っ! ぎぃ……っ!」
苦しげに悶えるチヒロ。しかし、不良生徒達は力を緩めない。寧ろ、その腕により力を入れ、チヒロの頭を水の中に押し込んでいく。
「あがっ!? ごぼっ! あ゛っ、あ゛っ……おごぉ!?」
不良生徒達に身体を押さえつけられながらも必死にもがくチヒロだが、やがてその動きは徐々に弱くなり始める。そして……。
「ごぼぉ!? がはっ! あ゛ぁ……っ、ごぼっ……!」
チヒロは水の中で大きく目を見開いて身体を硬直させたかと思うと、その口から空気が吐き出される。彼女の身体が完全に動かなくなると、ようやく不良生徒達は彼女の身体を水の中から引き上げた。
「かはっ、げほっ! あ……っ」
チヒロが咳き込む度に口から水が吐き出される。しかし、彼女達はそんな彼女の髪を無造作に掴むと、仰向けの状態のまま、貯水槽の中に彼女の顔を押し込んだ。
「ごぼぉ!? がっ! おぶっ!? あ゛っ!?」
先程と違い、鼻から水が体内に流れ込み、ツンとした感覚がチヒロの鼻を刺激する。
「かはっ!? ごぼっ! お゛え゛ぇっ!」
ろくに酸素も取り込めなかった身体では、鼻から流れ込む水を吐き出す事が出来ない。チヒロは大量の水を飲み、飲み込んでしまった水を吐き出しながら身体を痙攣させた。
「かはっ! あ゛っ! ぎぃ……っ! ぐぅ…………っ」
そして、身体を何度も震わせながら、チヒロの下着が濡れていく。
「おいおい、こいつお漏らししてやがるぜ!」
「ぎゃはは、だっせ〜!」
不良生徒達の笑い声が倉庫に響き渡る。チヒロはそんな彼女達の声を聞きながら、抵抗する意志を失った。
下着で吸収しきれなかった小水が太腿を伝い、足元を濡らしていく。不良生徒達はひとしきり笑うと、貯水槽に顔を沈められたまま反応が薄くなったチヒロを解放し、倉庫の床に転がした。
だらんと四肢を投げ出し、水浸しの床に横たわる。大量の水を飲んだ事で呼吸も出来ず、身体を痙攣させながらゴボッと大きく水を吐く。
「はひゅっ、ごぼ……っ」
焦点の定まらない瞳で虚空を見つめ、垂れ流しになった小水を滴らせながら悶えるその姿は、まさしく滑稽であった。そんなチヒロの無様な姿を、不良生徒達は携帯のカメラで撮影していく。
「あ〜こりゃいい写真が撮れたぜ」
「お漏らしするバカの姿……これは高く売れそうだねぇ」
「ぎゃははっ! こいつを撮影した動画をサイトに上げたら、アクセス数伸びそうじゃねぇ?」
「いいね〜! コイツの無様な姿を皆に見てもらおうぜ!」
そんな彼女達の話を虚ろな表情で聞きながら、チヒロは考えを巡らせる。
(……もう、ダメ……だ)
この不良生徒達に捕まった時点で自分の運命は決まっていたのだろう。チヒロがどんなに抵抗しようとも、彼女達を相手にする事は不可能だ。
それなら、タイミングを見計らい、逃げ出すしかない。必ずチャンスは来る筈だ。それまでの間、何とか耐えるしかない。そんな事を考えながら、チヒロは遠退く意識に身を委ねた。
不良生徒達の暴力は日を増す毎に激しくなる一方だった。肉体に対する暴力は無論の事、彼女達は精神的にもチヒロを追い詰める。
夜遅くまで続いた殴る蹴るの暴行の後、漸く解放されると安堵したチヒロの耳にヘッドフォンを装着させると、暴れても外れないようロープで固定し、頭には麻布袋を被せ、その口元にはガムテープを貼り、話せないようにした。
「っ!?」
不良生徒達の行動の意図がわからず困惑するチヒロだが、それを気に止める事なく、今度はチヒロを椅子に座らせて身動きが取れないように拘束すると、ヘッドフォンのコネクタをパソコンに接続させ、音量を最大にした状態で音楽を流した。
「〜〜〜〜〜〜っ!!」
ヘッドフォンの内側から、鼓膜が破れるのではないかと思う程の大音量の騒音が鳴り響き、チヒロは声にならない悲鳴を上げた。
ヘッドフォンを外したくとも、椅子に縛られて拘束された状態ではどうする事も出来ない。不良生徒達は、そんなチヒロの無様な姿をニヤニヤと笑いながら見学していた。
「ん゛ぐぅっ! んんっ! んんんんんんんんぅぅぅゔぅぅゔゔぅぅぅ!?!」
ヘッドフォンから流れる音楽に耳を塞ぎたくとも塞げない。チヒロは涙を流しながら絶叫し、身体を激しく痙攣させた。
「あははははっ!! 良いねぇ、その反応! それじゃ、次はこれを試してみようかぁ」
「んぐぅっ!? お゛ぉ……ッ! ごぁっ!!」
パソコンを操作し、様々な音を流し続ける。チヒロは悲鳴を上げながら悶絶し、大量の涙と鼻水を垂れ流して泣き叫んだ。
不快な音はチヒロの精神をガリガリと削り、彼女の神経をすり減らす。拷問とも呼べる苦行に、チヒロの精神は限界に近付いていた。
「さて、それじゃあ私等は帰るとしますか」
「最後に何聞かせてく?」
「あ〜ちょっと待ってて。今携帯で調べてるとこ」
「お、いいのあった?」
「あぁ、なんかこれが良いらしいよ」
そう言って、携帯で調べていた不良生徒がパソコンを弄り、とある音を流した。
「ん゛おぉぉぉおおおおぉぉお!?!!」
その音がチヒロの脳を激しく揺さぶる。不良生徒が流したのは、歯医者で歯を削られる時の音だった。
文字通り、ガリガリと削られる音が鳴り、チヒロは絶叫した。
「お〜良い反応」
不良生徒達は大喜びでその音量を最大にして流し続けた。
「ん゛おぉぉぉおぉぉおぉお!?!!」
ガリガリという音が脳を揺さぶる。まるで脳細胞が削られているかのような感覚に、チヒロは激しく身悶えた。
「お゛っ! お゛ぁっ! お゛ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「あはっ! あはははははははははっ!」
不良生徒達はチヒロの絶叫を聞いて、手を叩いて大笑いする。そして、その姿を写メに収めた後、帰宅の準備をする。
「じゃあね〜また明日も来るから、それまでその調子で楽しんでてよ〜」
そう言って、不良生徒達は倉庫を出て行った。一人残されたチヒロは、彼女達が倉庫に戻るまでの間、延々と拷問を受け続ける事になる。
翌朝、不良生徒達が戻ってきた時にはパソコンの充電が切れ、音は止んでいたが、チヒロの鼓膜には、まだガリガリという音がこびり付き、心を掻き乱している。
麻布袋から解放されたチヒロは涙と鼻水で顔を汚し、大量の汗で服はビチョビチョに濡れ、下着からも小水が流れ出し、彼女の足元を濡らしていた。身体は完全に弛緩しきっていた。
不眠不休。それがチヒロの日課になっていた。彼女達はチヒロを倉庫に監禁し、朝も昼も夜もなく、彼女の身体を痛め付ける。
昼夜の感覚がないチヒロは意識が混濁し、反応も薄くなり始めた。そんな彼女に不良生徒達は毎日暴力を振るい、自らのストレスを発散させる。
「あ……ぅ……っ」
チヒロの呻き声が弱々しく倉庫の中に響く。顔が腫れ上がり、至る所に青痣が出来ており、身体も傷だらけだ。
不良生徒達の容赦のない暴行によって、チヒロは心身共にぼろぼろになっていた。それでも不良生徒達の暴力が止まる事はなかった。
「あ〜もう反応鈍くてつまんねぇな!」
不良生徒の一人がそう声を荒げる。すると、彼女はチヒロの髪を掴んで顔を上げさせると、乱暴に殴り飛ばした。
「ごほっ!」
チヒロの身体が吹き飛び、倉庫の床に倒れ込む。その衝撃で身体に痛みが走るが、今の彼女にはそれに反応する余裕もなかった。
そんな彼女の腹を、不良生徒達が蹴り上げる。
「げほっ! おえ゛っ!」
胃液を吐き、咳込むチヒロ。しかし、そんな彼女の髪を再び掴むと、今度は顔を殴り付けた。
何度も殴られる内に、チヒロの意識が遠退き始める。そんな彼女を見て、不良生徒の一人が仲間に耳打ちした。
「あのさっ、私に良い考えがあるんだけど……」
その話を聞いた他の不良生徒はニヤリと笑みを浮かべ、内容を仲間の間で共有する。
そして、暫くチヒロに暴力を振るった後、何時もの様に帰宅の準備を始めた。
「今日は此処までにしてやるよ。ま、精々無駄な抵抗頑張ってね」
「逃げようだなんて考えちゃ駄目だからねぇ〜」
「おい、早く縛って帰ろうぜ」
「はいは〜い。ちょ〜っと待ってねぇ」
何時もの様に椅子に縛り上げ、倉庫を後にする不良生徒達。
痛みに顔を顰め、息を整える最中、チヒロは拘束されたロープが僅かに緩んでいる事に気付いた。
「っ!?」
結び目が甘かったのだろう。それとも、監禁するという環境に慣れた事で気が緩んでいたのか、無理をすれば拘束が解けそうだ。
(今、しか……ない)
不良生徒達の足音と声が遠ざかり、倉庫に静寂が訪れる。チヒロは必死に身体を動かし、拘束を解こうと試みるが、中々上手くいかない。
「くっ……っ!」
だが、チヒロは諦めない。このチャンスを逃せば次はない。摩擦で皮膚が擦り切れるのも構わず、チヒロは必死にもがいた。そして、数分後。遂に拘束が解ける。
「っ! はぁ……っ!」
自由になった両腕に血が通うのを感じながら、チヒロは急いで立ち上がる。しかし、長く暴力に晒された身体は思うように動かず、床を踏み締めようとした瞬間、足元が滑ってしまった。
「あぐぅっ!」
転倒した拍子に床に身体を強く打ち付けてしまうチヒロ。だが、今は痛みに悶えている時間はない。早く此処から脱出しなければ。
身体を引き摺りながら前へ前へと前進する。此処が何処か分からない。此処を出たからとて、この身体を休ませる場所はないかもしれない。それでも、少しでも遠くへ逃げる為、チヒロは進むしかなかった。
「げほっ! あ゛あ……っ!」
咳込む度に痛みが走り、体力を消耗させる。荒い呼吸を繰り返しながら、ゆっくり、ゆっくりと前へと進む。
前へ……前へ……前へ……前へ。
そして、倉庫の出入り口まで辿り着いたチヒロは、久方振りに見る外の景色に目を輝かせた次の瞬間……。
「おっ、やっと来た。おっつかれぇ〜」
帰宅した筈の不良生徒達が、チヒロの目の前に現れた。
「…………ぇ? ぁ……ぁぁっ」
不良生徒達の態度に、自分が嵌められたのだと気付いたチヒロは、その場にへたり込んだ。
「あはっ! 何その顔! まさか私達が本当に帰ったとでも思ったの?」
「馬鹿だねぇ〜あんたを此処から出すわけないじゃん」
「でも、良い顔してるねぇ〜逃げられると思った? 助かると思った?」
「でもさぁ、私はガッカリだなぁ。逃げちゃダメって言ったのに」
「そうそう。悲しいよねぇ。こんな事されたらさぁ。これってさぁ、もう仕方ないよねぇ」
「あぁ、これは仕方がない」
「『再教育』けって〜い!!」
不良生徒達がチヒロの両脇に立って腕を拘束する。
「い……いやっ……やめて……」
「あはっ、今更遅いよ〜」
チヒロの懇願も虚しく、不良生徒達はチヒロを引き摺り倉庫へと戻っていった。皆が皆、笑っていた。これから彼女に行う『再教育』が楽しみで仕方がないといった様子で笑っていた。
そして、チヒロは彼女達の『再教育』により、これまでの人生で最も過酷な責め苦を受ける事になるのだった。
夜、静まり返った倉庫から麻布袋を被せられたチヒロが不良生徒達に連れられ、移動する。
目的地が分からぬまま連れて来られた場所はブラックマーケット内の区画にある多目的トイレ。
中に入ると、そこそこの広さの個室があり、その内の一つにチヒロは麻布袋を外され入れられた。
「じゃ、再教育開始ね」
不良生徒達がそう言うと、無理矢理便座に座らされ、両腕両足を手すりに手錠で繋がれ、大の字に近い形で拘束されてしまう。
少し離れてみれば、チヒロの下着がよく見える構図に、不良生徒達は満足気に笑みを浮かべると、困惑するチヒロに、ある事を告げた。
「此処ってさぁ、実はブラックマーケット内でもかなり治安が悪いんだよねぇ」
「そうそう、そんな所で女子生徒がこんな形で拘束されてたらどうなるか……分かるよねぇ」
不良生徒達がニヤニヤと笑いながら、チヒロにそう問いかける。
これから何が行われるか察したチヒロは、恐怖から身体を震わせる。そんな彼女に不良生徒達はケラケラと笑いながら首に『ご自由にご利用下さい』と書かれたプレートをかけられると、不良生徒達が多目的トイレから出て行った。
「あ……っ、待って……っ」
一人取り残されたチヒロの懇願も虚しく、無情にもトイレの扉は閉められ、足音が遠ざかっていく。チヒロは必死に身体を揺すり、拘束を解こうとするが、頑丈な手錠と手すりに繋がれた鎖はビクともしない。
「いや……っ! いやぁぁあっ!」
これから行われるであろう『再教育』を想像してしまい、チヒロは恐怖に顔を歪め、悲鳴を上げた。
しかし、どれだけ叫んでも、その声が誰かに届く事はなかった。
それから数分後、チヒロは便座の上で小刻みに震えながら時間が過ぎるのを只管に待ち続けた。
「はぁ……っ! はぁっ……! はっ……」
次第にチヒロの呼吸が荒くなっていき、胸の動悸が激しくなる。僅かな物音でさえビクリと身体を震わせ、今にも泣き出しそうな程にその顔は恐怖で引き攣りつつあった。
「っ……」
そんな状態が続く中、チヒロは何かを感じ取り、顔を横に向けて視線をある一点に集中させる。
「あ……ぁ……」
そして、彼女の視線の先にあるのはトイレの入り口の扉だ。その扉から、足音が聞こえて来た。
(誰か……来た……)
誰かがトイレにやって来たのだ。チヒロは恐怖から身体を震わせるが、その身体の動きも、手錠によって封じられてしまう。
「っ!」
足音が一歩ずつ、ゆっくりと近付いてくる。そして……。
ガチャッ! と扉が開かれ、ブラックマーケットを拠点とする犬市民の浮浪者が中へと入ってきた。
「あ……っ」
「……え?」
互いに目が合い、固まってしまう二人。浮浪者にとっては本来の目的の為に利用しようとしたに過ぎなかったのだ。
暫しの沈黙、しかし、チヒロの首にかけられていたプレートを目にした浮浪者は、拘束された彼女の身体を凝視し、そしてニヤリと笑みを浮かべた。
「へへっ、お、おめぇさんが誰かは知らねぇけど、災難だったな」
チヒロに近付き、太腿を撫でる。
「だ、だめ……やめてっ」
震える声で制止するチヒロ。しかし、浮浪者の耳には届かず、彼はその手を太腿から腰へ這わせる。
「だめ……お願いだから……」
怯えながらもチヒロは浮浪者に向かって懇願する。しかし、彼は聞く耳を持たず、服越しに彼女の胸に顔を埋める。
荒い息が服越しに伝わってくる。チヒロはゾクリと鳥肌を立て、必死に抵抗した。
だが、どれだけ身を捩らせようが、腕や足を暴れさせようが拘束を解く事はおろか、浮浪者を振り解く事も出来ない。
生暖かい息が吐き出され、チヒロの恐怖心が煽られる。
「お、お願い……だから……」
「わりぃな……俺も、久し振りに女にありつけるんだ。こんな機会、滅多にねぇからよぉ」
柔らかな胸の感触を味わい、顔を離すと、制服のボタンを一つずつ外していく。そして、チヒロが身に付けている下着が露わになると、そのブラジャーのホックをいとも容易く外し、彼女の胸を露出させた。
痣だらけではあるが、それでも極上の乳房が露わとなり、浮浪者は生唾を飲み込むと、チヒロの胸をねぶるように舌を這わせ、その味を堪能する。
「っ! いやぁぁあっ!! やめてぇぇええっ!!」
涙を流し、泣き叫ぶチヒロ。浮浪者はそんな彼女を無視し、ひたすら彼女の胸を唾液で濡らした。
先端を吸い、甘噛みし、舌で転がして、チヒロの反応を楽しむ。無論、彼女からすれば、嫌悪感以外に感じるものはない。しかし、浮浪者はそれを知る由もなく、胸を堪能した後、首筋に舌を這わせる。
そして、チヒロと正面から向かい合うと、涙に濡れた顔を見つめたまま、唇同士を合わせた。
「ん……っ!? んん〜〜〜〜っ!!」
目を見開き、くぐもった悲鳴を上げるチヒロ。そんな彼女の口内に浮浪者の舌が侵入し、暴れまわる。歯茎や上顎をなぞられ、舌を絡められながら唾液を吸われ、呼吸もままならない。
生臭い吐息が口の中に広がり、鼻腔を抜けてる感覚に吐き気を催す。しかし、唇を塞がれているため、吐き出す事も出来ずに浮浪者の唾液を飲み込んでしまう。
「んぶぅ……っ! ぐっ、お゛え゛っ……!」
浮浪者の口から流し込まれた唾液が喉を伝い、胃の中へと落ちていく。胃液が込み上げ、嗚咽を漏らすチヒロ。そんな彼女の反応を楽しむように浮浪者は腰を落とし、チヒロのスカートの中に手を突っ込んだ。
「んぶっ!? お゛っ! んんんんん〜〜!!」
その手がショーツ越しに秘部に触れ、チヒロの身体が大きく跳ね上がる。そして、浮浪者はチヒロのショーツの中に手を突っ込み、彼女の秘部を直に触り始めた。
「ん゛っ!? お゛ぉっ! んぶぅっ!!」
陰核を指で摘まれ、扱かれる。誰にも触れられた事のない大事な場所を、浮浪者は無遠慮に弄ぶ。その感覚に、チヒロは目を剥いた。
「ん゛〜っ! んぶっ! おごぉっ!!」
浮浪者の指使いに、身体がビクビクと震える。そして、秘部を弄っていた指が膣内に侵入してきた瞬間、チヒロは全身を仰け反らせた。
「ん゛〜〜〜〜〜っ!!」
誰にも侵入された事のない秘部に異物が入り込んでくる感覚にチヒロが呻く。
必死に抵抗するものの、やはり拘束を解く事は出来ず、浮浪者の指は膣内で動き回った。
「お゛っ! おぉっ! んぶっ!? んん〜〜〜〜っ!!」
(いや、やめて……こんなの……)
浮浪者の指が膣内で動き回り、膣壁を撫で回す度に身体が震える。そして、ある一点に触れた瞬間、チヒロの反応が変わった。
「ん゛っ!?」
(な……何? 今の……)
今まで感じた事のない感覚に、チヒロは困惑するが、そんな彼女の疑問を余所に、浮浪者はそこばかりを責め立てる。
「んぶっ! おごっ! お゛ぉっ! んん〜〜〜〜〜っ!!」
浮浪者が集中的に弄り始めると、チヒロは今まで以上に激しく身体を悶えさせた。そんな彼女の反応に気を良くしたのか、浮浪者は指の速度を上げていく。
「ん゛っ! んん〜〜〜〜っ!!」
全身をガクガクと震わせながら果てるチヒロ。秘部から溢れ出した愛液がショーツを濡らす。
ようやく指による愛撫が終わるも、余韻が残っているのか痙攣が治らない。
「げほっ! おえ……っ!」
そんなチヒロの事など気にも留めず、浮浪者はズボンのチャックを下ろすと、怒張したモノを彼女の下腹部に押し当てた。
「はぁ…… はぁ……お、お願い……だから……それは……」
これから浮浪者がやろうとしている事は理解している。チヒロもその辺りは大人だ。しかし、理解はしていても、それを許容できるかは別だ。
特に誰かに捧げたいといった願望はない。だが、こんな所で、知らない誰かに奪われたくない。
しかし、浮浪者はチヒロの願いを聞き入れる筈もなく、亀頭を秘部に押し込むと、ゆっくりと膣内へと侵入させていった。
「いや……ダメっ……おねが………お願い……っ」
自分の体内に異物が入り込む感覚。押し広げられ、穢されていく感覚に、チヒロは涙を流して懇願する。
しかし、そんな彼女の願いを余所に、浮浪者は腰を推し進め、チヒロの純潔を奪っていった。
「あ……あ……ぁ……っ」
自分の初めてがこんな形で失われていく事に、チヒロは呆然とするしかなかった。
ブツッ!と純潔が失われる。そして、その痛みから立ち直る間もなく浮浪者は抽挿を始め、チヒロは痛みと悔しさで歯を食いしばった。
逃げたい。逃げ出したい。しかし、腰を掴まれ、身動きが取れない状態ではどうする事も出来ない。
やがて、浮浪者の陰茎はチヒロの子宮の入り口へと到達した。
「はっ……ははっ…すっげ。おめぇさんの中、めっちゃ締まってて、気持ちいいぜ」
「い……いや……抜いて……おねが……っ!?」
チヒロの願いは聞き入られる事なく、浮浪者は彼女の腰を掴み直すと、激しく腰を振り出した。
「はっ! はっ!」
「や、やめ……あぐっ! あ゛っ!」
チヒロは涙を流しながら痛みに耐える。そんな彼女の心情などお構いなしに浮浪者は腰を振るい続けた。
自身の快楽の為だけの身勝手な行為に、チヒロの心が傷付いていく。
「あ゛……っ、う゛……っ、や、やめ……て……おねが……」
「あぁ? うるせぇな」
浮浪者がそう言うとチヒロの胸に噛み付き、歯を立てた。
「い゛ぎぃ!?」
チヒロの悲鳴が上がるが、浮浪者は気にせず、彼女の胸を噛み続けた。そして、その痛みに耐えている間にも彼は腰を振り続け、やがて限界が近付いてきた。
「やべぇ、久し振りなのにもう出そうだ」
「え……っ、ま、待って! 中はダメ! お願いだから外に……せめて外に…あぐっ!」
浮浪者はラストスパートをかけ、彼女の子宮口へと亀頭を叩き付ける。そして、そのまま彼女の膣内へと精液を放出した。
「い、いやぁ……あ、熱いのが……中に……」
ドクドクと脈打つ陰茎と共に、チヒロの体内に熱い液体が注ぎ込まれる。浮浪者はチヒロの胸をしゃぶりながら、最後の一滴まで出し切ろうと小刻みに腰を動かし続けた。
「あ……あ……」
あまりのショックに呆然とするチヒロ。そんな彼女の胸から口を離すと、浮浪者は満足げな表情を浮かべた。
偶々立ち寄っただけのトイレで、上玉の獲物と出会えるとは。今日は運が良いと思いながら、浮浪者は陰茎を引き抜こうとしたその時、本来の目的を思い出した。
そうだ。自分は此処で小便をしに来たのだった。
今は射精した後で尿意は感じないが、それでも時間が経てばまた催してくるだろう。
そして、目の前には良い『便女』があるじゃないか。浮浪者はニヤリと笑みを浮かべると、チヒロの腰に腕を回した。
「あ……? え……?」
困惑しきった声を出すチヒロを無視し、陰茎を奥まで差し込むと、自身の精液で満ちた子宮に向けて、放尿を始めた。
子宮に注ぎ込まれる浮浪者の小便。その感覚にチヒロは身体をのたうたせ、悲鳴を上げるが、浮浪者は構わずに放尿を続けた。
「いやっ! いやぁっ!! やめてぇぇええええっ!!!」
子宮を小水で満たされていく感覚。そして、その小水が子宮に収まりきらず溢れてくる感覚にチヒロは涙を流した。
この男は、純潔を穢しただけでなく、人としての尊厳すらも穢し、壊そうとしているのだ。
「う、うぅ……ぐすっ……」
チヒロは嗚咽を漏らす。そんな様子を浮浪者は楽しげに見つめながら、最後の一滴まで出し切った後、ようやく陰茎を彼女の秘部から引き摺り出した。
水風船の様に、子宮に溜まった精液と小水が、秘部の穴から流れ出る。
アンモニア臭とカルキ臭漂うトイレの中で、浮浪者は満足したのか、身支度を整えてトイレを後にするのであった。
そして、外に出た浮浪者は周りの住民達に触れ込みをして回った。
『あそこの多目的トイレに、上玉がいる。好きにして良いそうだ』……と。
その触れ込みに半信半疑ながらも興味本位で集まる住民達。そして、暫くした後、チヒロの悲鳴が木霊するのであった。
チヒロを多目的トイレに拘束してから二日が経過した。
不良生徒達は、周囲の住民達の様子から、随分と『使われた』事を察し、チヒロが『壊れて』いないか確認しに行く事にした。
多目的トイレの前に立った不良生徒達だが、ドアを開ける前から饐えた臭いが漂ってきており、思わず顔を顰める。
一体どれだけの時間弄ばれたのだろうと考えながらドアを開けると、そこには想像を絶する光景が広がっていた。
口や股からは変色した精液が溢れ、服はボロ布同然の有様。首や胸、身体中の至る所に噛み跡を残され、全身くまなく『使い古された』姿のチヒロが、虚ろな目をして便座の上で横たわっていた。
チヒロは不良生徒達が入って来た事にも気付かず、ただ虚空を見つめているだけだった。そんな彼女に、不良生徒達は顔を見合わせる。
「……おぉ、すっげ」
「うっわぁ、めっちゃヤられてんじゃん」
「……これ、もう使い物にならねぇな」
不良生徒達は口々に感想を述べる。そんな彼らの声すら聞こえていないチヒロに、一人の不良生徒が、トイレ内に設置されていた手洗い場の下にあるバケツに水を溜めると、チヒロの顔に向かって水をかけた。
「う……あ……?」
意識が朦朧としている状態だったチヒロだが、水をかけられた事により徐々に覚醒していき、虚ろな目で不良生徒達を見つめた。
「よう、気分はどうよ? お便器さん」
不良生徒の一人がそう言いながら、チヒロの頬を指で突く。その行為に、彼女はビクリと身体を震わせた。
「あ……う……」
チヒロは弱々しく呻くと、再び涙を流す。そんな彼女を嘲笑いながら不良生徒達は何度もバケツの水をチヒロに浴びせた。
「はっ、泣き顔まで便器仕様かよ」
「ひゃっはは! おもしれぇ!」
不良生徒達の笑い声が多目的トイレ内に響き渡る。無様な姿と成り果てたチヒロを写メで撮影し、笑い合う不良生徒達。
しかし、そんな浮かれ具合も次第に冷めていき、最終的に彼女をどうするかで話し合いが始まった。
「で、これ、どうするよ?」
「どうって……持ち帰んのも汚くね?」
「確かに。じゃあ、処分する?」
「だねぇ、折角此処の人達に気に入られてんだから、このまま放置で良いっしょ」
「それでいっか。じゃ、最後の仕上げに……」
と、不良生徒がポケットからターボライターを取り出すと、それをチヒロの目に向けて近付けた。
「ぁ……ゃ、ゃめ……」
チヒロが掠れた声で静止を求める。しかし、それは不良生徒達の加虐心を煽る結果となり、数人の不良生徒達が顔を抑えつけると、ターボライターから放たれた火はチヒロの眼球を焼いた。
「ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛〜〜〜〜〜〜〜っ!!?!!!?!」
肉が焼ける臭いと絶叫が多目的トイレ内に響き渡る。チヒロは必死に暴れようとするが、四肢を拘束されているので抵抗する事すら叶わない。
「あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁっ!!!! あづぃぃぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛っ! いだいぃぃいいぃいっ!!! 目ぇぇええっ!! あづぅぅゔゔゔゔゔっ!!!」
眼球が焼ける激痛に悶え苦しむチヒロ。そんな彼女を不良生徒達は笑い、撮影し、その様子を嬉々として眺め続けた。
そして、火を消すと同時にチヒロの四肢がだらんと力無く垂れる。
「お、気絶したか?」
チヒロの意識が飛んだ事を確認し、 撮影した動画の写り映えをチェックし終えた不良生徒達は、拘束を解かないまま、トイレを後にした。
数日に渡る暴行も、マンネリ化すれば飽きてくる。リーダーが逮捕された事に対する報復を十分に済ませた不良生徒達は、チヒロへの興味を完全に失っていた。
チヒロが行方不明になってから数週間が経過した。
彼女がいなくなった事に気付いたのが企業からの連絡が発端となり、初動が遅れてしまった。
事の重大さに気付いたミレニアムは、シャーレの先生に助言を求め、そしてヴェリタスのメンバーによる情報収集により、とあるSNSにチヒロらしき人物が多目的トイレで拘束されている画像がアップされている事を突き止めた。
そして、画像の情報を頼りに、先生とヴァルキューレ警察学校の生徒達が現場を訪れた時には、チヒロは酷い有様だった。
ヴェリタスのメンバーもチヒロの安否を確認しようとしたが、先生はそれを制止すると、チヒロを拘束から解放し、病院へと搬送した。
結果、医師からは彼女の詳細を聞かされる事となる。
連日に次ぐ暴行、栄養失調と脱水症状で、命の危険すらあったが、幸いな事に一命は取り留めたとの事。
そして、検査の結果、性的暴行による病気や妊娠はなかったものの、チヒロの心的外傷は酷いものだった。
身も心も深く傷付けられ、薬を投薬しても回復に向かうかどうか……。
「ただ、不幸中の幸い…と言っては語弊となりますが、各務さんが一命を取り留めるきっかけとなったのが、性的暴行の際に摂取した……いいえ、摂取させられた体液だったそうです。もし、それがなかったら彼女は死んでいたかもしれないとの事です」
そう話を締め括り、医師は黙り込む。
※此処で医師の言う体液は精液ではなく、小水の方です。
チヒロからしても、性的暴行の中で得た体液が自身の命を救ったなどと思いたくもないだろうし、何より他の生徒が聞いて面白い話ではないだろう。
この事は先生と医師の間でのみ共有される事となった。
そして、チヒロからすれば、最も深刻なのが目の傷だ。火で炙られた左目は完全に光を失い、二度と元に戻らない。
加えて、全身に裂傷や打撲、内出血の痕が幾つもあり、火傷や骨折まで複数箇所に渡っているという状態だった。
その傷の殆ども、痕が完全に消えるわけではなく、特に火傷の痕は消えない可能性が高いとの事。
「後は彼女の回復を待つ以外にありません。私達で尽くせる手は尽くしました。後は本人次第です」
医師はそう締め括ると、病室を後にした。
その後、先生はチヒロを拉致した不良生徒達の身柄を拘束した。
今回の件はミレニアムが総出で調査を行い、犯人の身柄を抑える際はC&Cが協力してくれた為、彼女達は抵抗らしい抵抗すら出来ず、最終的には矯正局送りとなった。
彼女達がチヒロを拉致した時に使用した薬はブラックマーケットで出回っていた強力な麻酔薬であり、それらと携帯やパソコン、記録媒体の全てを押収し、彼女達のグループを壊滅させる事に成功した。
それでも、チヒロが受けた傷が癒えるわけではない。救助されてから数日後、意識不明だったチヒロが目覚めた時、先生が彼女の頭を撫でようとした時、彼女は表情を引き攣らせながらその手を跳ね除けたのだ。
「ぁ…せん……せ…ちがっ……ご、ごめ……ごめんな……さ………ぃ……っ」
怯えた声で謝罪の言葉を紡ぐチヒロ。迂闊な事をしてしまったと、先生は彼女に謝った後、少しずつ慣れる様に、毎日病室に通い詰めた。
その甲斐あって、チヒロの回復は順調だった。だが、それでも彼女の心に刻まれた傷は深い。
医師や見舞いに来た知り合いに対しても以前の様に振る舞う事は出来ず、残された右目の奥には恐怖の色が常に見え隠れしていた。
特に、扉が開く音……あの『ガチャリ』という音に対しては過敏に反応してしまい、先生がいる前でも、その音にだけは無意識に身構えてしまう。
「あっ……ぁ……ひっ、うぅ……」
身体を震わせながら蹲るチヒロに、先生は優しく語りかける。
「大丈夫、大丈夫だよ。此処には私しかいないから」
そう言って、先生はチヒロの身体を抱きしめた。やはり、触れただけで身体が硬直するが、それでも先生の暖かさに安心したのか、彼女は徐々に落ち着きを取り戻すと、やがて眠りについた。
本当は、誰かに触れられる事すら恐ろしいのだろう。しかし、彼女はそれを表に出さないように必死に取り繕っている。
その健気な姿に、先生は胸が張り裂けそうな思いだった。しかし、同時に、そんなチヒロを救いたいという思いもあった。
退院後、先生は医師と相談し、暫くは休学期間を設けさせ、その間はシャーレでの業務を手伝って貰うよう手配した。
今のチヒロには時間が必要だ。先生としても、この選択が正しいかはわからなかったが、それでも今の彼女を放っておく事は出来なかったのだ。
チヒロがまた、普段と変わらない生活に戻る日を夢見て、先生は彼女の手を取った。
感想などいただけると幸いです。