※この作品はR-18です。

ブルアカ短編集   作:モノクロさん

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登場人物
・空崎 ヒナ(水着)
・シャーレの先生


水着とヒナ

 久方振りの休日。私とヒナは海に来ていた。

 

『久し振りの休暇、先生と一緒なら』と、そう言ってついてきたヒナと共に砂浜を歩く。

 

 照り付ける太陽。熱を帯びた砂浜は、サンダルで踏み締めるごとに足の裏に熱を伝えてくる。

 

 ヒナは『暑いわね』と呟きながら、額の汗を拭った。

 

 透き通るような白い肌をつたう汗の雫、そして少し上気した肌はどこか艶かしく、彼女の魅力をより一層引き立てている。

 

 身に纏う水着は、以前の夏合宿で着用していたスクール水着。あの時と変わらずのヒナに、私は思わず笑みを浮かべた。

 

「何?」

 

 私の視線に気づいたのか、ヒナが首を傾げる。私は『何でもないよ』と誤魔化すように答えると、彼女の手を引き、波打ち際を歩いていく。

 

「冷たくて気持ち良いわね」

 

 足首まで海に浸かると、ヒナはその心地良さに目を細める。繋いだ手の温もりが、海水の冷たさと相まって気持ちいい。

 

 そのまま暫く波打ち際を歩いていると、大きな岩陰を発見した。

 

「あそこで休憩しようか」

 

 私はそう言うと、ヒナの手を引き岩陰へと移動する。

 

 そこは、ちょうど2人で並んで座れるスペースがあり、私はそこに腰掛けるとヒナも隣に座った。

 

 一息つくと、ヒナの方を見る。

 

 彼女は私の肩に頭を乗せるように寄りかかっており、その表情は穏やかだった。なにものにも縛られず、二人だけの時間を堪能する。

 

 波の音と、ヒナの息遣いだけが聞こえてくる。こんな穏やかな時間がずっと続けばいいのに、と私は思った。

 

 お互い、水着とラフな服装のせいか、何時もより開放的で、それでいて、より身近にヒナを感じることが出来る。

 

 私はそっと彼女の腰に手を回し抱き寄せると、ヒナは嬉しそうに微笑み、私の腕に自分の腕を絡ませてきた。

 

 水着の生地越しに、ヒナの体温が伝わる。そして、控え目に主張する胸の感触。

 

 ヒナは恥ずかしげに頬を染め、視線を逸らす。それでも離れようとはしないのが嬉しかった。

 

「少し、海の中に入らない?」

 

 その言葉の意図を察し、私はヒナの手を取り、ゆっくりと、海の中へと入っていく。

 

 私からすれば、まだ足がつく位置だが、ヒナからすれば水底に足がつかない位置まで来ている。

 

 だが、これにより、ヒナと私の目線は同じになり、身長差を補う形となった。

 

「不思議な感じ。私は何時も、先生を見上げていた。でも、此処なら、先生と同じ目線でいられる」

 

 ヒナはそう言うと、私の首に手を回し、唇を重ねてきた。

 

「んっ……」

 

 触れる程度のキス。ヒナの柔らかい唇が、私の唇を優しく包み込む。

 

 触れ合うだけの軽いキス。それだけで、私の身体の芯に火が灯るのを感じた。

 

 ヒナは唇を離すと、少し困った顔をしながらクスクスと笑った。

 

「でも、残念。此処だと少し塩っぱくて、先生の味がよく分からなかったわ」

 

 そう言って悪戯っぽく笑う彼女に、私は背中と頭に手を回し、抱き寄せると今度は深く口付けをした。

 

 ヒナは一瞬驚いた表情をするも、すぐに受け入れてくれた。呼吸すら忘れるほどの、長く、濃厚な口付け。

 

 やがてどちらからともなく唇を離すと、銀色の橋がかかった。

 

「先生……」

 

「本当だ。此処だとヒナの味が海水でよくわからないね」

 

 私はそう言うと、再びヒナを抱き締める。

 

「でも、こうして同じ目線でヒナを感じる事が出来るのは役得かな?」

 

「そうね。私も、先生の体温を全身で感じられるわ」

 

 ヒナはそう言うと、私に身体を預けてきた。

 

 寝室のような閉鎖的な空間ではなく、開放的な空間での逢瀬を、私達は暫く堪能するのであった。

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