・空崎 ヒナ
シロモップこと空崎ヒナがつよつよな概念。
困った事になった……。
久し振りのシャーレの当番で先生に会いに来たんだけど、先生が熟睡している。
寝てる…と言うよりも、気絶していると言った方がいいのかもしれない。
意識を手放す前に三日間徹夜しているって話してたから、相当疲れてたんだと思う。
ほとんど呂律が回ってなかったし、私を呼び寄せ、膝の上に座らせた後、そのまま頭に顔を埋めたまま動かなくなって今に至る。
先生に招き寄せられるがままに膝に座った私にも責任はあるけど、あれから1時間もずっとこのままでちょっと恥ずかしいし、さっきからずっと…うん、髪の毛を吸われている感じがして、ちょっとむずかゆい。
そのくせ、お腹に回した手でしっかりと私をホールドしているから、抜け出すことも出来ない。
………………ちょっと力を入れただけで直ぐに解放されるんだろうけど、それはそれで先生がちょっと可哀想で…でも、このままだと仕事が終わらない。
仕方がないから目の前の書類だけでも終わらせて、後は先生が目覚めてから考えよう。そう思って書類に目を通して、10分も経たずに終わってしまった。
やる事がなくなってしまった。
仕方がないから、ちょっとだけ身体を動かそう。いつまでも同じ姿勢だと身体がきついから、これは仕方のない事。
先生と向かい合う形で座り直した。
先生の胸元に顔を埋めてみる。
うん、すごく落ち着く。身体がもっと密着するように力を入れると、すごくゆっくりだけど一定のペースで深呼吸をしている先生につられて眠くなってきた。
こうしていると少しだけ普段の疲れが嘘のように和らぐ。
……これは先生だからそう思えるんだとおもう。他の人が相手なら絶対にこんな事は思わないし、こんな事はしない。
足の置き場に困ったから、先生の腰に足を絡める形になったけど仕方のない事だ。
タイトスカートを履いてるせいで先生の視線が下に向けられれば見えてしまうかもしれないけど、先生は眠っているし、起きる前に姿勢を正せばいいだけの事。足を絡めて抱きつくように体重を預けると、先ほどの何倍もの心地よさが私を包みこむ。 こうして抱きついてると心地が良くて、いつまでもこうしていたくなるような安心感に包まれていて幸せな気持ちになる。
でも、そのうち先生が目を覚ましたら、この幸せな時間は終わってしまう。名残惜しいけど仕方がない。
そう、仕方がないから、せめてもの記念に、それくらいならバチは当たらないと思う。
そして、ヒナの唇が先生の首筋に伸びて……。
目が覚めた先生は、ヒナと一緒に残っていた書類の整理に追われていた。
徹夜がたたり、少しばかり眠ってしまっていたが、その間にヒナが書類の一部を終わらせてくれたおかげでなんとか今日中には終わりそうである。
それと、不思議な事に短い睡眠時間ではあったが寝起きが最高に良かった。
それでも顔だけは洗ったほうがいいかなと、顔を洗いに行ったら首筋に赤い痕があったが、虫にでも噛まれたのだろうか?
特に痒みがあるわけではないがそっと触れてみる。
……特に異常はなさそうだ。
まあ、虫に刺されたのだとしたらそのうち治るだろうと、あまり気にすることもなく身支度を整えてヒナの待つ執務室へと戻るのであった。
感想などいただけると幸いです。