・空崎 ヒナ
・聖園 ミカ
※注意
本作はヒナ率いるゲヘナとミカ率いるトリニティによる戦術対抗戦です。
尚、既に選抜されたメンバーは殆ど戦闘不能となりヒナとミカのみとなっています。
ミカのセリフはありません。
それでは、本編どうぞ。
それは、一瞬の油断だった。
戦術対抗戦として催されたゲヘナとトリニティの模擬戦に無理やり参加させられたヒナは、訓練も兼ねて風紀委員会のメンバーから代表を選別し、今回の模擬戦に挑んだ。
対して、トリニティはティーパーティーに所属するミカをリーダーとし、ツルギやハスミを除く正義実現委員会の子達で構成されたメンバーで、此方もミカを除き、訓練の一環として今回の模擬戦に参加したようだ。
対抗戦が始まった後、互いに布陣を敷きながらの銃撃戦。1人、また1人と脱落する中、トリニティはミカを除く正義実現委員会のメンバー全てが脱落。此方も、自身と風紀委員会のメンバー1人を除いて脱落し、2対1と数でいえば優位な状況に立っていた。
とはいえ、相手はトリニティにおいてもツルギと並ぶ最強格の一角。訓練を目的に参加させた子では荷が勝ちすぎると判断し、後方に下がるよう指示を送った。
ヒナの指示に従い、風紀委員の子は急ぎ足で下がっていく。後は、この戦闘を無事に終わらせるのみだった。
しかし、ミカから一瞬目を離した瞬間、ミカは撤退する風紀委員会の子へと向けて駆けていた。その行動に、ヒナは判断が遅れた。迎撃は間に合わない。ヒナは咄嗟にミカと風紀委員会の子の間に割って入り、自らを盾にした。
その瞬間、自らの腹部に強い衝撃が走る。それがミカの拳で、そのまま自身が壁まで殴り飛ばされた事を認識したのは、背中の衝撃と共に肺の中の空気が全て吐き出された後だった。
「っ……ゲホッ!!」
ヒナの意識が一瞬飛びかけたが、何とか持ち堪えた。しかし、苦痛を堪えて前を向くも、既に肉薄したミカが眼前に迫り、ガードをする間もなく、そのまま脇腹に拳が深々と突き刺さった。
「がっ、ア゛ッ!!」
肋骨が数本砕ける感覚。砕けた骨が肺を傷つけたのか、呼吸する事すらままならない。体制を立て直したくとも、壁際まで追い詰められ、銃撃戦から肉弾戦に切り替えたミカの猛攻を防ぐには、負傷したヒナには、あまりにも分が悪すぎた。
鼻先目掛けて拳が飛び、衝撃と共に意識が飛びそうになる。
「ブフッ!!」
次に、腹部に膝が突き刺さる。
「おごっ……!!」
身体がくの字に曲がり、胃液を吐きそうになりながら嗚咽を漏らす。
「あぶっ……うげぇ……」
腕から力が抜け、地面に手をついた。
「ヒナ委員長!!」
此方に駆け寄ろうとするのは、先に退いた筈の風紀委員の子だった。しかしミカの手が、その子の頭部を鷲掴みにして、そのまま地面へと叩き付ける。
「がはっ!!」
その衝撃で、その子は意識を失った。
これで残ったのはヒナとミカのみ。
しかし、ヒナは重傷を負い、抵抗する事すらままならない。
そのまま仰向けに倒れたヒナの上に、ミカが馬乗りになった。
「……っ!!」
身動きが取れない。内臓や肋骨のダメージもあるが、それでも、ヒナの膂力をもってしても、ミカを退かすことは出来ず、ミカを見上げる事しか出来なかった。
そして、まともに防ぐことすらできないヒナの顔面目掛けて、ミカは拳を振り下ろした。
「ブァッ!! ガァッ!! アガッ!! グブッ!!」
何度も、何度も、拳を振り下ろした。振り下ろすたびに返り血がミカを紅く染め上げ、拳が振り下ろされるたびにヒナの身体がビクンと跳ねあがる。それでもミカは攻撃を止める事はしない。
「あ、がっ、や、め……!!」
ヒナは必死に声を絞り出す。しかし、ミカは攻撃の手を緩めるどころか、より強い力で拳を叩きつけた。
「あ゛っ゛!! ゴッ!! ゲボッ!!」
もう何度目かも分からない攻撃に、ヒナの頭は何度も地面に叩き付けられ、もはや声すらまともに上げられない。顔の原形が分からない程に顔が潰れ、意識すら朦朧とする中、ミカは再度拳を振り下ろした。
「ゥ……ッ……」
地面に罅が入る程の一撃。ヒナの四肢が数度痙攣し、そしてパタリと動かなくなった。
ヒナの股間からは小水が溢れ、地面に水溜まりを作る。
「あ……ぅ……ぁ……」
もう、ヒナに意識はないのだろう。
ミカはヒナの意識がなくなった事を確認し、ゆっくりと立ち上がった。
そして……。
ヒナの股間に足を乗せ、そのまま、全体重を乗せて踏み抜いた。
骨盤が砕け、内臓が押し潰れ、子宮が裂ける。
「っぎぃ!!!?」
気絶していたヒナの意識が一瞬で覚醒し、肺に残っていた空気が全て吐き出される。
「がっ、あ……えぶっ……」
口からは赤い泡を吹きながら、そのまま苦痛にもがく事すら出来ずに、ヒナは再び意識を手放した。
ヒナの戦闘不能により、戦術対抗戦はトリニティ側の勝利となった。
この模擬戦でヒナは重傷を負い、数か月の間、病院のベットでの療養を余儀なくされたのだった。
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