・槌永 ヒヨリ
リクエスト作品です。ヒヨリとアリウス男子生徒が海に行ってイチャイチャする話です。
この物語は【リクエスト作品】破滅的共依存・破滅的共依存2の続きとなっております。
燦燦と輝く太陽の下、紫外線降り注ぐ砂浜の上。サンダル越しに感じる砂の熱さは、熱の有る無しに関係なく、踏む度にパラパラと崩れていく。海で泳ぐ人々の声と笑顔。パラソルの下で談笑する者たちの声は、明るい空気を助長させる。
私にとって無縁の世界……の筈だった。
事の発端はヒヨリがスクワッドのメンバーと海に遊びに行った話をしていた時のことだ。その際の出来事を楽しそうに語る彼女を見て、私は微笑ましく思っていたのだが『えへへ、〇〇さんとも一緒にいけたら…』と、ポツリと零したその一言に私の思考は停止した。まさかそんなことを言われるとは思っていなかったからだ。そんな私の様子に気付く事もなくヒヨリは話を続ける。
海には美味しい食事があった。水着を着て海に入って遊んだ。シャーレの先生とも少しだけお話することができた。そんな日常を楽しそうに語る彼女を見て、私は複雑な心境になった。彼女とは同じ境遇でありながらも、外の世界を満喫するという感情が芽生えない。依頼をこなし、時に危険に晒されながら生活する日々。そんな毎日に慣れてしまっているためか、楽しいと思える瞬間というのが中々訪れない。
唯一、心が安らぐ時間はヒヨリとこうして他愛のない話に花を咲かせたり、身体を重ねる時くらいなものだ。そんな事を考えて居ると、自然と表情が険しくなったのだろう。そんな私の様子に気づいたのかヒヨリは心配そうな表情を浮かべる。
「だ、大丈夫ですか?」
そう尋ねてくる彼女に対し、私は首を横に振ることで応えたのだが、それでも尚不安げな表情を浮かべていた。そんな彼女に心配かけまいと言葉を濁す。
「いや、私もヒヨリと海に行けたらきっと楽しいんだろうなって思ってただけだ」
彼女の言葉の肯定。その上で、ほんの少しだけの本音を混ぜた言葉。
その言葉に、ヒヨリの表情がぱぁっと明るく花開く。思わず見蕩れてしまうほどに、美しい笑みを浮かべたヒヨリの言葉が私の心に突き刺さった。
「じ、じゃあ、一緒に行きましょう!」
キラキラと目を輝かせながら、手を握って誘ってくれる彼女を見ると断る事ができなかった。
そもそも断る理由なんて無かったし、何よりも私自身も興味があった。
(水着か……まずはそれを買いに行かないとな)
そんな事を考えながら、○○はヒヨリとの一時を過ごすのであった。
数日後、海に向かうバスの窓から見える景色を眺めながら、隣で寝息を立てるヒヨリを横目に見る。昨晩、余程楽しみにしていたのだろう。定期的に連絡が届き、早く明日にならないかと言う旨が書かれていた。結果的に睡眠不足となったようだが、楽しさを抑えきれなかった彼女に自然と口元が緩んでしまう。
バスの中で小舟を漕ぐ彼女に目的地までゆっくりするといいと言った時には、申し訳なさそうな表情を浮かべてはいたが、数分としない内に穏やかな寝息を立てながら眠りについてしまった。幸せそうな顔をして眠っている彼女を見ると、こちらも自然と口元が緩んでしまう。そんな穏やかな時間が過ぎていく。
暫くして、バスは目的地に到着した。
ドアが開き、潮風が流れ込んでくる。独特な磯臭い香りが肺に入り込み、どこか新鮮な気持ちになる。
バスに揺られて到着したのは、青い海と白い砂浜。そして、真夏の太陽が照りつけるビーチだ。道行く人は海水浴場に繋がる道路に集まっており、様々な種類の水着姿の人が行き交っていた。皆が皆、思い思いの方法で楽しんでいる様子が見て取れる。
楽しそうな声、笑い声。様々な声が入り乱れる。私にとって無縁だった世界。そして、これからこの空間の一部となる。そう考えるだけで緊張してしまいそうになる。
隣で寝ぼけ眼のまま歩いていたヒヨリが、私の袖を軽く引っ張って耳元で囁く。
「えへへ。凄く楽しみですね。○○さん」
「ああ、そうだな」
ヒヨリは嬉しそうに微笑む。そんな彼女に釣られるように、私自身も笑顔を浮かべていた。
海岸沿いを進むと、賑わいのあるエリアに辿り着く。大きな看板にデカデカと書かれている文字は海の家の宣伝だろう。木造建築の店舗からは食欲を唆る香りが鼻腔を擽った。隣に居るヒヨリも同じなのか、目を輝かせながらその店を見つめていた。
「着替えが終わったら寄ってみるか?」
「は、はい!」
即座に返事を返すヒヨリを見て苦笑しながらも、まずは簡易更衣室の方へ向かう。男女別で区切られているその場所で、それぞれが着替える為に二手に分かれる。ヒヨリに別れを告げると、私は自身用にと買ってきた水着に着替え始めた。
用意していたのはシンプルな水着だ。先程の海の家の店員と同じく、ハーフパンツにシャツといった組み合わせだ。
鏡の前に立ち全身を確認すると、若干の違和感を覚える。やはり慣れていない服装というのは落ち着かないものがあるようだ。気を取り直して更衣室を後にしようと扉を開け、靴の代わりのビーチサンダルに履き直し、扉を閉める。
ヒヨリはまだ着替えている最中なのだろう。
なので外に出て待つ事にした。
「……暑い」
周囲の人々の話し声や足音などをBGMに、額に滲んだ汗を拭いながらそう呟いた。初夏とはいえ太陽が容赦なく照りつけ、全身から水分が抜け落ちていく感覚を覚える。日陰に避難すれば多少マシにはなるのかもしれないが、ここから移動するのも億劫だし、第一ヒヨリを置いて行く訳にもいかない。
不意に、肩をポンッと叩かれた。振り返ると、そこには同じく水着に着替え終わったヒヨリの姿があった。
「お待たせしました。えへへ。ど、どうですか?」
そう言って照れたように微笑むヒヨリ。彼女が身に纏う水着は、オレンジ色を基調とした生地に花柄があしらわれたデザインだった。水着どころかファッションというものに疎い身であるが、それでも今のヒヨリは、凄く輝いて見えた。
(いや……水着の有無は関係ないな)
今も昔も、○○にとって、ヒヨリはどんな状況にあっても輝いている。出会った頃からずっとだ。
「あぁ、凄く似合っているぞ」
「っ! えへへ……あ、ありがとうございます」
感謝の言葉を述べると同時に彼女は嬉しそうに笑った。そんな様子を見ると此方も嬉しくなるものだ。
「それじゃあそろそろ行こうか」
「はいっ!」
返事を聞くと同時に腕に抱き着くヒヨリ。柔らかい胸が押しつけられる形となる。
そこで気付いてしまった。
普段、薄暗い環境でしかヒヨリと接する機会がなかった○○にとって、明るい日の下で見るヒヨリは、とても眩しく、そして何より、魅力的だった。
先程までは直視できた筈の彼女を、直視できない程に。そんな○○の葛藤など知らずに、ヒヨリは歩き出す。そんな彼女に手を引かれながら、海の家に向かった。
更衣室から海の家に戻る道中、男達の視線がヒヨリに向けられているのを煩わしく感じながらも、○○は彼女と共に海の家へと入店した。
海の家に足を踏み入れると、木造建築特有の暖かい匂いが鼻をくすぐった。木材の温もりを感じながら店内を見渡すと、開放的な空間が広がっていた。天井からは太陽の光が差し込み、昼間だというのに明るい。そんな明るい店内は多くの人で賑わっていた。家族連れや様々な自治区から訪れた生徒等で席は殆ど埋まっている状態だ。
適当な席に座りメニュー表を開く。並んでいる商品はどれも美味しそうだった。料理の写真と共に値段が記載されており、どれも魅力的な内容だ。そんな中でも特に目を引いたのが焼きそばだろう。たっぷりの野菜が入っていて美味しそうに見える。ただ、値段はそれなりに高く、少し迷ってしまう所ではあったが、ヒヨリと一緒に食べるのなら安いものだろうと思い購入する事に決めた。
「そ、それでは注文しましょうか」
ヒヨリに促され、店員を呼んで注文する。水着のハーフパンツにタンクトップ。紫外線で焼けたであろう健康的な小麦色の肌。海の家という空間によく合う格好をしている男の店員が注文を取ると厨房に戻っていく。その背中を見送った後、テーブルの上に置かれたお冷やで乾いた喉を潤しながらヒヨリに尋ねる。
「楽しみか? ヒヨリ」
「は、はい。とっても。○○さんと海に来る事が出来て嬉しいです」
満面の笑みを浮かべながら答える彼女に釣られる形で私も笑顔を浮かべた。それから暫く、他愛の無い話に興じていると料理が運ばれてきた。大皿に乗せられたそれは湯気を上げており、非常に食欲を刺激する見た目であった。早速割り箸を手に取り一口食べてみると、濃いめのソースが絡まった麺と具材の相性が良く非常に美味しい代物だった。
「ん〜〜〜美味しい! 美味しいですよ、○○さん!」
感動した様子で絶賛するヒヨリ。幸せそうに食べている様子を見ていると此方まで幸せな気持ちになってしまう。そんな彼女と共に食事を進めているとあっという間に完食してしまった。まだ物足りないといった表情を浮かべていたヒヨリだったが、他の出店も見て回ろうと提案すれば、満面の笑みで了承してくれた。それから会計を済ませると、二人は海の家を後にした。
お腹が多少満たされて満足だったのだろう。頬が緩んだヒヨリが満足そうにしていた。彼女が満足した様子に嬉しく思うが、水着とはいえ、殆ど下着に近しい恰好の姿に少し落ち着かない様子の自分に辟易とする。
見慣れている。という言い方は好きではない。正確には、何度も体を重ねた際にヒヨリの裸を目にしているという意味では、その通りなのだが、明るい日の下で見る彼女の身体は、あまりにも魅力的すぎた。
童顔な印象を持つヒヨリ。その一方で、女性の身体つきになっているヒヨリ。そして、それを引き立てる水着姿。そんな彼女の姿は、どうしようもなく胸の内がざわついてしまう。
「…… ○○さん?」
不思議そうに首を傾げるヒヨリの声で我に返る。少し不審がられてしまったかもしれないが、誤魔化しておく事にした。
「……いや、なんでもないよ。折角此処まで来たんだ。色々と見て回ろうか」
そう言ってヒヨリの手を握って歩き出す。ヒヨリも戸惑った様子だったがすぐに笑顔になって歩調を合わせてくれた。繋いだ手から伝わる体温を感じながら、二人は砂浜を歩く。
道中、立ち並ぶ出店に目を向けては、気になる商品があれば購入して食べ歩く。イカ焼きや焼きトウモロコシ。かき氷やわたあめ等々。どれもこれも普段買う事がないものばかりで、自然と気分が高揚していくのを感じる。ヒヨリも目を輝かせて喜んでいた。
美味しそうに食べる姿は小動物のような愛嬌がある。しかし、歩くたびに揺れる二つの果実は、彼女が女性である事を強く意識してしまう。すれ違う男達の視線も、その先を追えば彼女の身体に向けられている事から、否が応でも意識させられる。
(あぁ……この感情は間違いなく独占欲だ)
胸の奥底から湧き上がる醜い感情に自己嫌悪してしまう。こんな醜い部分を見せたくないと思っているのに、どうしても抑える事が出来ずにいる自分が情けない。そして何より、薄暗い環境の中でしか彼女を見る事が出来なかった自身が、明るい世界の中で彼女を直視できないというのが酷く滑稽だと思う。
こんな自分を見て幻滅されないだろうか?
そんな不安が脳裏に過り、表情が曇ってしまう。
「あ、あの……○○さん?」
不意に名前を呼ばれて顔を上げると、ヒヨリが心配そうな表情で此方を見つめていた。一番見られたくない表情を彼女に見せてしまった。内心焦りつつ平静を装いながら、質問の答えを返す。
「あぁ、悪い。ちょっと考え事をしていてな」
そう言って誤魔化すと、ヒヨリは納得していない様子だったがそれ以上追求してくることはなかった。代わりに、ヒヨリはギュッと強く私の腕にしがみつく。先程より強い圧迫感と柔らかさを感じて、心臓が跳ね上がってしまう。バクバクと脈打つ音がヒヨリに聞こえていないか心配になる。横眼にはにかむような笑みを浮かべているヒヨリが映り、何とか平常心を保とうと努力をするが難しい。真っ直ぐに見つめ返したいというのに、思わず目を逸らしてしまう。
そんな私の挙動に、ヒヨリが寂しそうな表情を浮かべているとは知らずに。
出店巡りを終えて休憩を挟んでいる間も、ヒヨリの事が頭から離れない。気を紛らわせる為に色々と考えてみるも、結局彼女の事ばかり考えてしまい、その度に目を逸らしてしまう。
海水に入り、彼女と一緒に泳いだり、イベントステージで行われるライブを遠目に鑑賞をしたりと、充実した時間を過ごす。それでも、どうも落ち着かない感覚がぬぐい切れなかった。
これまでにない幸福を噛み締める○○。故にこそ、今の充実した日々を望みながらも目の前の幸福に直視できずにいる。そんな内心を悟られないように取り繕いながら、休憩として椅子に腰掛けて彼女と過ごす。時折ヒヨリに視線を向ければ、彼女はこちらをジッと見つめてきており、視線が重なってしまう。慌てて目を逸らすと、取り繕うように話題を変える。そうしてやり過ごしていく内に、ふと、ヒヨリの手が私の手を握りしめた。ハッとして彼女の方を見ると、彼女は真剣な表情で此方を見据えていた。
「ヒヨリ?」
名前を呼ぶと彼女は握った手を少し強く握り、それからゆっくりと口を開く。
「あ、あの……少し、疲れちゃいましたので……涼みませんか?」
そう言って海沿いに隣接する森を指差すヒヨリ。確かに炎天下の環境で身体も体力も消耗している。彼女の提案に乗って休憩するのもいいかもしれないと判断し、頷いて立ち上がった。ヒヨリの手を取って歩き出すと、彼女は黙って着いて来てくれた。
木々で日の光が遮られ、所々に日陰が出来ている。気温そのものはそこまで変化はないが、体感的にはかなり違う。涼しい風が草木を揺らし、心地よい音が耳朶を打つ。砂浜の喧騒が嘘のように静まり返った空間を、言葉を交わす事なく歩いていく。繋いだ手からは確かな温度が伝わってきて、彼女がそこに居る事を実感できる。その事実に安堵していると、不意に彼女が足を止めた。
不意に手を引かれてバランスを崩すと、そのまま地面に背中を打ち付け、倒れ込む。痛みを感じる暇もなく、下腹部に重みを感じた。見れば、自分の身体を跨ぐようにしてヒヨリが乗っかっていた。
自分がヒヨリに押し倒されたと認識するよりも先に、ヒヨリの唇が重なり合う。唐突の出来事に脳の処理が追い付かず混乱するが、ヒヨリは私を逃がすまいと唇を強く押しつけてくる。
「んむっ……ちゅぷ……はぁ……」
吐息がかかる距離にある彼女の顔は紅潮しており、普段の童顔とは打って変わり、どこか妖艶さを感じさせるものだった。貪るように唇を重ねてきたヒヨリは、拙い動きで舌を捩じ込んできて、必死に舌を絡めてくる。逃れようと抵抗しようとしても、既に主導権を握られている状態のため叶わない。むしろ、ヒヨリは更に積極的に攻めてきて、口内を蹂躙される。酸欠で意識が朦朧とする中、漸く解放された時には、二人の間に銀糸が伸びていた。
「ヒ、ヒヨリ……急にどうしたんだ?」
肩で息をしながら私に抱き着いてくるヒヨリに対して疑問を投げかけると、彼女は瞳を潤ませて此方を見上げた後、再び唇を重ねてきて、ゆっくりと体重をかけて押し倒される。水着越しの胸の膨らみが顔に当たり、息苦しさを感じるものの、抵抗する力が出せず成すが儘となってしまった。先程までの妖艶さが嘘のように、怯えた様子で瞳を震わせている彼女を見ていると、罪悪感が沸き上がってくるのを感じた。そんな私の心情を知ってか知らずか、ヒヨリは縋るように抱き着いてきた。
「ご、ごめんなさい……○○さん。こ、此処に来てからずっと、私を避けているように感じてしまって……それで、怖くて……不安で……っ。も、もしかしたら、私の事なんか飽きてしまったって思って……そ、そうなったら私……っ」
と、ポロポロと涙が零れ落ち、遂には決壊する勢いで泣き出した。
「うわぁぁぁぁぁぁあああん!!?! そんなの嫌です!? もっと○○さんと一緒にいたいですし、もっと一緒に美味しいものも食べたいです!? 一緒に沢山おしゃべりしたいですし、沢山、たっくさん思い出を作りたいんです!? 私のこと嫌いになっちゃったんですかっ!? もう一緒にいてくれないんですか!? 私、一生懸命頑張りますからみ゙ずでな゙い゙でぐだざい゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙!!?!」
「ちょ、ま、落ち着けって!?」
大声を上げて泣き出すヒヨリに慌てて宥めるも収まる気配が全く無い。寧ろどんどん酷くなっているように感じる。しかし、原因は明らかだ。ヒヨリの水着姿に直視できず、余所余所しい態度を取ってしまった事も事実だ。その上、ヒヨリが近くにいるにも拘わらず目を逸らしたり、言葉少なになってしまったりと露骨な対応を取っていたのだ。その結果がコレなのだから当然といえば当然の話である。
「本当にごめん。ヒヨリの事を避けてたわけじゃないんだ。ただその……」
そこまで言ったところで一旦言葉を区切る。続きを言うべきかどうか悩んだが、ここまで来たら正直に話すしかないだろう。そう結論付け、言葉を紡ぐ事にした。
「……ヒヨリの魅力が凄すぎて直視できなかっただけなんだ」
正直に白状すると、ヒヨリはポカンとした表情を浮かべて固まってしまった。
「うわぁぁぁぁあぁぁあああああん!!?! やっぱり、お臍の形が変な女なんて…………へ?」
「だから、ヒヨリの水着姿が眩しくて直視できなかったんだ」
そう言い直すと、徐々に状況を理解し始めたのか、みるみると顔全体を赤く染め上げていき、最終的には茹蛸のように真っ赤になったヒヨリは俯いてしまった。しばらく沈黙が続いたが、やがて蚊の鳴くような小さな声で呟いた。
「よ……よかったですぅ……私……○○さんに嫌われたんじゃないかと思って……本当の本当に安心しました……」
心底ホッとしたのか深々と溜め息を漏らす。すると、落ち着いたのかいつも通りの調子に戻ったようで、改めて正面から向き合ってくれた。お互い向き合ったまま暫く無言の状態が続く。先程までの重苦しい空気ではなく、和やかなムードの中、どちらともなく笑みが零れた。
「……本当にすまない。本音を直接言っていれば、ヒヨリを悲しませる事なんてなかったのに」
「い、いえ……私の方こそ、勝手に勘違いしてしまったばかりに、迷惑を掛けてしまいましたし……っ」
そう言って申し訳なさそうに俯くヒヨリ。そんな彼女に優しく抱擁をすると、驚きつつも受け入れてくれた。肌と肌が直接触れ合う感触。押し付けられた胸ごしに感じる鼓動。何もかもが心地よく感じる。
このまま永遠に時間が止まってしまえばいいと思う程だった。
暫くの間そうしていたのだが、不意にヒヨリがモゾモゾと動き始めた。何事かと思い腕を離すと、彼女はスッと立ち上がり此方に手を伸ばした。
「……その、これからはちゃんと言ってほしいです。あと……もう一度だけ、やり直させて下さい」
そう言って手を伸ばしてくるヒヨリに応えるように握り返すと、勢いよく引っ張られて立ち上がる。そして改めて彼女と向かい合うと、自然と笑みが溢れた。互いに見つめ合い、そしてどちらともなく唇を重ねる。
先程よりも長い時間、しっかりと唇を重ね合うと、ゆっくりと顔を離した。見つめ合う距離は近い。いつでもすぐに唇を奪える位置だ。
「んっ……さっきはごめんなさい。あんな風に急に襲ってしまって」
「いや、あれに関しては私の責任もあるし、気にしないで欲しい。本音としてはヒヨリから求められたのが嬉しかった」
そう返すと、彼女は恥ずかしそうにしながらも嬉しそうにはにかんでいた。
「……っ」
不意に風が吹き、木々の間から太陽の光が差し込んでくる。光に照らされたヒヨリは、やはり魅力的だった。素直な思いを伝えられるようになったからこそ、改めて彼女に告げる事が出来る。
「……本当に綺麗だな。ヒヨリ」
その言葉を聞いた瞬間、ヒヨリは顔を真っ赤に染め上げた。
慌てて顔を隠そうとするヒヨリを制するように手を握る。そしてそのまま逃げられないように抱き寄せた。
「ひゃっ!?」
突然の事に驚いている様子のヒヨリだったが構わず抱き寄せる。
「○、○○さん……あの……その……っ」
「どうした?」
「あ、あの……お、お臍の辺りに……当たって……ます……っ」
羞恥に塗れ、消え入りそうな声で訴えてくる彼女。彼女の言葉に自身の下半身を見遣れば、勃起した陰茎がハーフパンツ越しに存在を主張していた。
不甲斐ない。安心した途端に欲情してしまうとは、我ながら情けない限りである。そう思いながらも、自身の意思ではどうする事もできない現状に焦燥感が募るばかりだった。
「あ、あの……っ」
頬を赤らめながら、ヒヨリが何かを言いたげに此方を見上げる。
「せ、折角、海に来たので……その……っ」
彼女は恐る恐るといった様子で言葉を紡ぎ始めた。そしてその内容は予想外のものであった。
「た、たまにはそういうのも……いいですよね?」
海岸に戻った私とヒヨリは、人気のない岩場に座って身体を寄せ合う。周囲を岩盤で覆われており、覗き穴などもない為、他人に覗かれる心配もない絶好のスポットだ。周囲に人の気配が無いのを確認すると、彼女はゆっくりとこちらに凭れ掛かって来る。腰に手を回して抱き寄せると、彼女もそれに応えるように擦り寄ってきた。互いの体温を感じられるこの感覚が堪らない。こうやって身体を密着させていると、次第に心臓の鼓動が激しくなり、体温が上がってゆくのが分かる。それと同時に彼女の匂いが強くなり、脳を刺激し始めた。
ヒヨリの柔らかい肌の感触。温もり。呼吸音。心音。そして、鼻腔を掠める甘い匂い。これらすべてが、私を昂らせる材料となり、理性を溶かしていく。
「ん……っ」
首筋に唇を這わせると、ピクッと肩を震わせるヒヨリ。そのまま何度も繰り返し、時折歯を立てれば、敏感に反応してくれる。
「ぁ……ん…っ」
そして、鎖骨付近に強く吸い付くと、ピクッと肩を震わせた。
「んん……っ」
唇を離すと、鬱血痕が残った。ヒヨリの身体に刻まれた所有印。その印を見た瞬間、独占欲が満たされていく。何とも度し難い感覚だが、ヒヨリがこうして自分を受け入れてくれている事が、幸せなのだ。思わず頬が緩むのを感じつつ、そのまま彼女を押し倒した。
自分の上着を下に敷き、彼女に痛い思いをさせないようにする。そんな私の行動に対してヒヨリは目を丸くしている。が、次の瞬間には笑みを浮かべていた。
「えへへ……う、嬉しいです。○○さんはいつも私の事を気に掛けてくれますよね」
そう言って嬉しそうに微笑む彼女。両手が優しく私の頬を撫でる。その掌の温もりが心地良い。自然と瞼が閉じていき、意識が夢心地となっていった。柔らかな感触が唇に触れる。目を開ければ、至近距離で見つめ合う形となっていた。彼女の吐息さえ感じる距離。鼓動が大きく脈打つ。
再び唇を重ねる。触れるだけの口付け。それでも十分に幸福感を得られる行為だった。
啄む様な口付けを何度か繰り返す。角度を変えながら何度も繰り返していくうちに、互いの吐息が混ざりあっていく。舌先を出して唇を舐めれば、彼女も応じて舌を差し出し、絡めていく。粘膜同士が擦れ合う感覚が脳天に突き抜けるような快楽を与えてくれる。
「んんっ……はぁ……っ」
唾液を交換するように混ぜ合わせる。ドロリと糸を引く様が淫靡さを感じさせてくれる。
ヒヨリは酸素を求めてもがくように呼吸していた。それをみて愛おしく思ってしまうあたり重症だ。その姿を見ているだけで興奮してしまう。彼女の口腔内を犯しながら、片手で胸を揉みしだく。柔らかいのに張りがあり、片手では収まりきらないほど豊満な乳房。その先端にある蕾をなぞれば、可愛らしい喘ぎ声が聴こえた。
その声に、その姿に、身体の芯が熱くなる。我慢が利かなくなった私は彼女の胸元に顔を近づけると、水着越しに乳首に吸い付いた。
「ひゃっ!?」
驚いたような声を上げるヒヨリ。だがそれも一瞬の事であり、すぐに甘い声に変わった。そのまま歯で軽く挟み込んで舌先で弾いてやると面白いように反応を示す。
「やっ……あっ……だめ……です……っ…んんっ!」
水着越しから感じる突起に齧り付く。甘噛みする度に小さく悲鳴をあげるヒヨリが愛おしい。此処が外で、しかも人気がないとはいえ多くの人が海水浴に訪れている場所だ。何時人が来てもおかしくない。にも関わらず、私は彼女への愛撫を止められない。止めたくなかった。
「ぁっ……や…ん……っ…! そ、そんな……ところ……っ」
ヒヨリが悶える姿にますます嗜虐心が刺激される。もっともっと乱れて欲しい。そんな感情が爆発し、さらに強く攻め立てる。水着の上からでも分かるほど硬くなった頂きを執拗に弄り続ける。すると我慢の限界を迎えたのか、私の腕を掴んで制止した。
「ヒヨリ?」
どうしたのかと問いかけるように名前を呼ぶ。ヒヨリは潤んだ瞳でこちらを見上げながら口を開いた。
「そ、そっちではなくて……その……こ、こちらの方が……良くて……っ」
そう言うと、自分の秘部を水着越しに撫でる。濡れそぼった布地は海水ではなく彼女の蜜壺から溢れた液体によって湿っていた。その中心部には縦筋が走っており、そこを指先で軽く擦ってあげると、ビクリと反応する。
布越しに指を押し当てれば、ゆっくりと沈みこみ、粘性の高い甘露な蜜が指にまとわりつく。更に奥へと進めば、今度は肉壁に阻まれてしまう。ヒクヒクと別の生物のように蠢く感触が伝わってくる。そして、膣口へと到達した瞬間、一際大きな声を上げた。
「んんんっ!?!?!」
同時に肉壺から大量の淫水が噴き出し、私の手を汚す。荒い呼吸を繰り返しながら、惚けた表情を浮かべている。初めて見る痴態に思わず見惚れてしまった。受け入れる準備が整っている。ならばもう遠慮は不要だろう。
「ヒヨリ……そろそろ……っ」
そう呟くと彼女は黙って頷いてくれた。私はヒヨリの水着をずらして秘裂を露わにすると、自身のハーフパンツを降ろし、露出させたイチモツを宛がう。ヒクヒクと卑猥に動くそこは亀頭が触れた瞬間に、待ち侘びた様子で吸い付き、先走り汁を飲み込んだ。完全に臨戦体制に入った私の剛直を見たヒヨリは、ゴクリと生唾を飲む。期待に満ちた眼差しを向けてくる彼女に応えるべく、ゆっくりと沈め込んだ。柔らかい媚肉に包まれる感覚は何度経験しても堪らないものがある。蕩けるような温かさに包まれながら最奥を目指して進む。
「あ、あぁっ! 来てます……奥に……奥にっ!」
徐々に飲み込まれるイチモツ。受け入れ態勢の整ったヒヨリの膣道は、侵入者を拒むどころか歓迎するかのように絡みついてくる。それはまるで、一つになれる事を喜ぶように。そして、これからの行為への期待かのように。
長く、長く、時間をかけてゆっくりと味わいたい。日の光の下で見るヒヨリは、普段見慣れた夜の暗闇の中の情景とは違い、また違った一面を見せてくる。結合部がハッキリと見える。肉棒を根本まで咥え込む下腹部。ヒクついて快楽を享受する柔肌。全てが美しく見える。肉厚な陰裂がイチモツを飲み込もうと蠢いている様子や、泡立ちながら溢れていく愛液。一つの肉塊のように思えるそれは、とても淫靡で、美しく感じた。
徐々に、徐々に、やがてイチモツを根元まで飲み込んだそれは、亀頭の先に子宮口がキスをしているのを感じ取れる。
「全部……入りましたね」
ヒヨリが小さく微笑む。彼女もこの光景を見ているのか、結合部に手を添えながら恍惚とした表情を浮かべていた。肉欲を満たす悦びと快感。それが、ヒヨリの表情から滲み出ているのを、今、改めて実感した。今までにも見た事があった筈なのに、こうして日の下で見ると新鮮に感じてしまう。
「んっ……○○さんの、凄いです……お臍に届いて……お腹いっぱいです……」
ポツリと呟いたヒヨリの言葉に、子宮を押し上げられている影響で、彼女のお腹が僅かに膨らんでいるのが分かる。私の中に潜む獣欲はその様を見て益々増幅されていく。
全て納まった筈なのに、更に奥へと誘い込もうと蠕動運動を繰り返す。その動きに合わせて腰を引けば、膣襞が捲れて外へと引き摺り出されていく。そして再び押し込めば逆再生のように中へと収まっていった。抽挿の度に結合部から漏れる液体は白く濁っており、彼女が感じてくれている事実を物語る。
ゆっくりと、味わうようにピストン運動を開始する。最初は浅く、その後徐々に深くしていく。丁寧に、念入りに、丹念に。その度に膣内の感触を確かめるように腰を動かし続けた。
奥を何度も突かれる感覚。鈍く響く衝撃と、それに伴う強い痺れ。それが連続して訪れ、絶頂の波が押し寄せてくるのを感じる。子宮口が何度もノックし、その度にヒヨリの身体が歓喜に震えていた。
「あっ……あっ……あぁっ……!!」
ヒヨリが小さく声を上げ始める。だがまだまだ物足りないといった様子だったので、ペースを上げていった。
子宮口を押し潰し、カリ首でGスポットを抉り取る。その度にビクビクッと反応する様が愛おしい。更に強く抱き締めてやると、嬉しそうに声を上げて悶える。そんな彼女の姿がまた可愛くて仕方ない。もっと、もっとその先を求めていく。
「んっ……あっ……ダメです……そ、そこ……弱いですから……ぁ…っ!!」
膣道の最も深い場所を貫くようにイチモツを突き入れれば、ヒヨリはビクンと仰け反って反応を見せる。子宮口をグリッと押し潰せば、一際大きく震えた後、ガクガクと痙攣し始める。どうやら軽く達してしまったらしい。膣内が締まる度に搾り取ろうとしてくるようで、意識を持っていかれそうになる。
もう限界だった。
「ヒヨリ……もう……っ!」
最後の一突きを放つ為、力を込めた瞬間だった。不意に彼女が脚を絡めてきたのだ。体位に変えられ、結合部はより深く繋がり合い、隙間なく密着する。その状態から更にグイッと押し付けられた事で、イチモツがより深く刺さった気がした。
最後の最後は、彼女の最奥で。それはヒヨリも望んでいた。言葉に出さずとも分かる意思の一致。お互いの望みが叶えられた時、それは最高の瞬間となる。
射精寸前まで高まった精子達が出口を探して暴れ回っているのを感じ取る。それを解き放つ瞬間が待ち遠しくて堪らない。今か今かと放出の時を待つばかりである。
「来てください……中に……っ!!」
その言葉と共に膣壁がきつく締まる。それを合図にして堰を切ったように欲望を解放した。ドクンドクンと脈打ちながら大量の精液を流し込んでいく。あまりの量の多さに結合部から溢れ出し、白い濁流となって流れ出ていく光景はなんとも扇情的であった。
長い吐精を終えても尚、硬度を失わない剛直は未だヒヨリの中で存在感を放っている。ヒヨリもそれを感じ取っているのか、まだ離れたくないと言わんばかりに、脚で強くホールドされている。
「凄いです……○○さんの……私の中でドクンッて脈打ってます……っ」
恍惚とした表情で呟くヒヨリ。そんな彼女に応えるように強く抱き締めると、彼女もまた強く抱き返してきた。お互いの鼓動を感じながら、しばし余韻に浸る。この心地よい感覚を噛み締めるように。名残惜しくはあるが、このまま留まっているわけにはいかない。徐々に冷静になってくる思考回路が状況を整理していく。今は海水浴シーズン真っ只中の海で、周りには人がいるのだ。誰かに見つかって大事になった場合、目も当てられない。
「ヒヨリ……そろそろ、抜くぞ」
そう言うと彼女は名残惜しそうな表情を浮かべたが、大人しく従ってくれた。ゆっくりと引き抜いていく。栓をしていたものが取り除かれた事により、一気に逆流が始まる。堰を切ったように溢れ出てくる白濁液は地面に大きな水溜りを作る程の量だ。ヒヨリ自身も信じられない量を胎内に注がれた事に驚愕していた。
「これ、全部私が……?」
呆然とした様子で己の腹部を摩るヒヨリ。まだ注がれた白濁液の感触が残っているのか、時折ぴくりと身体を震わせている。その姿は妙に蠱惑的で、つい見蕩れてしまった。そんな私の視線に気付いたヒヨリは恥ずかしそうに微笑みかけると、悪戯っぽく呟いた。
「また、こうしてみたいですね」
私はヒヨリの言葉に同意するように笑みを浮かべると、彼女に手を差し伸べる。彼女はその手を取ると立ち上がり、名残惜しくもその場を後にした。
行為の後は満ち潮による波が流してくれる。自分達の身体に残ったそれらは、海水で洗い流し、海水浴の利用者が大勢いる人込みの中に溶け込んでいく。そして、この後は何事もなく海水浴を楽しむ事にした。
激しく動いて空腹になったのだろう。出店を回っては食事に舌鼓を打ち、海水に浸かり火照った身体を冷やす。そしてまた食べ物を買い求めたりと忙しなく行動を繰り返した。傍から見れば異常と思われるくらいに食べるヒヨリだったが、○○も負けじと平らげていく。お互いにお腹一杯になるまで食べた後は、海の家に設置された大型スピーカーから流れる音楽に合わせ、周りの人々に合わせて踊ったりした。
そして、太陽が沈み、夜の帳が訪れる頃、二人はシャワーで海水を洗い流し、制服に着替え直してから帰路に着いた。
客の少ないバスの中。うつらうつらと小舟を漕ぐヒヨリの横顔を見詰めながら、改めて幸せを実感する。行きと同じように彼女に肩を貸し、寝息を立てながら眠る彼女を起こさないように注意しながら窓の外を眺めた。バスから見える景色は徐々に街灯の明かりが少なくなり、星明かりのみが煌々と輝いていた。
「ん……○○さん……っ」
ふと隣から聞こえた寝言で現実に引き戻される。起こしてしまったのではないかと焦るも、特に反応は見られない事から単純な寝言だと分かり安堵の息を吐いた。その後も、ヒヨリはずっと寝続けていたが、目的の停留所に着く前に起きてくれたのは幸いだった。バスが停車した時、未だ寝ぼけ眼の彼女と共に降りると、駅まで徒歩で移動を始めた。
暗い夜道を歩く。互いの吐息と、夜風に揺れる草木の音。街灯の光が二人の影を路面に写し、やがて小さくなっていく。灼熱の太陽の下で過ごした海と違い、夜は少し肌寒く感じられた。火照った身体には丁度良いだろう。
静かな時間、静かな時。隣にはヒヨリがいる。それだけで十分だ。アリウスの自治区の外は、決して幸福ばかりとは限らないが、彼女が隣にいるだけで、それだけで居心地が良かった。言葉にする必要なんて無い。こうして一緒にいる事が一番重要なのだと思った。
ヒヨリは何も言わない。ただ、時折此方の顔を覗き込んで来るだけで。その表情はとても穏やかだ。きっと彼女も同じ気持ちなのだと確信している。何も言わずとも、想いは通じているから。だからこそ、今はこの時間を大切にしようと思う。これから先もずっと……っ。
(いや……違うな)
これだけは言葉にしなければいけない。
何も言わずとも、思いは通じていようとも、これだけはハッキリと言うべきだ。
「……ヒヨリ」
私の声に、ヒヨリは不思議そうに首を傾げる。そんな彼女に向けて、改めて感謝の言葉を述べる事にした。
「ありがとう……今日は本当に楽しかった」
そう伝えると、彼女はパァッと表情を明るくさせた。そして、嬉しそうな様子で腕に抱き着いてくる。突然の事に驚いたが、彼女の温もりを感じられること自体は嫌ではない。むしろ嬉しい位だ。
「○○さん……っ! わ、私も……凄く楽しかったです! だから、ありがとうございました!」
満面の笑みを浮かべて喜ぶヒヨリを見ていると、こっちまで幸せな気持ちになる。
あぁ、言葉にして良かった。この気持ちを伝える事ができたのだ。これ以上の幸福はないだろう。そう思いながら、彼女と共に仮拠点に戻るのであった。
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