※この作品はR-18です。

ブルアカ短編集   作:モノクロさん

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登場人物
・聖園 ミカ
・桐藤 ナギサ
・百合園 セイア
・トリニティモブ生徒

リクエスト作品です。
聖園 ミカや桐藤 ナギサ、百合園 セイアがいじめにあう話です。メインはミカですが、他の2人もいじめられています。


[リクエスト作品]魔女裁判

トリニティ総合学園。

 

 キヴォトスにおいて、三大学園に数えられる一大勢力。

 

 同じく、三大勢力に数えられるゲヘナと並ぶマンモス校であり、『自由と混沌』を校風とするゲヘナと違い、優雅かつ善良な生徒が多く、礼拝堂や古書館といった施設を有し、校舎は宮殿のような佇まいとなっている。

 

 一見、お嬢様学校といった雰囲気のあるトリニティだが、一部の生徒間では陰湿なイジメが横行し、その対象は、時に学校のトップである生徒会―ティーパーティー―も例外なく、その対象となっていた。

 

 

 

 

 普段使われる事のない校舎の奥に設けられた女子トイレ。そこでクスクスと意地の悪い笑みを浮かべる生徒達がいた。その手には使用済みの汚水が溜まっていた空のバケツが握られている。そして、彼女たちの視線の先には、頭から汚水を被り、床にへたり込むトリニティの生徒。天使のような美しい羽に艶やかなピンクの長髪。その頭上に浮かぶヘイローは渦巻く宇宙(銀河)を想起させるような美しさであった。

 

 聖園 ミカ。

 

 トリニティ総合学園の生徒会長の1人。トリニティを形成する三大分派の1つである『パテル派』の首長だった彼女は、エデン条約の最中に起きた事件により、ティーパーティーとしての資格……つまり、生徒会長としての資格を剥奪され、一般生徒となった経緯を持つ。

 

 本来ならば、退学処分を受けてもおかしくない事件であったにも関わらず、退学を免れ、一般生徒として在籍する事が出来たのは、ひとえに同じティーパーティーに所属する桐藤 ナギサや百合園 セイア、そしてシャーレの先生の尽力あっての事だった。

 

 しかし、その事件で起きた出来事の詳細を詳しく知る人物は少なく、末端の生徒達にはその詳細は伏せられていた。その為、ミカを糾弾する生徒が後を絶たず、結果として、権力ある立場から、一般生徒へと身を落としたミカに対する陰湿なイジメが横行する事となっていた。

 

 罪を犯した人物であれば、何をしても正当化される。自分達がしている事はイジメではなく、正義であると。その身勝手な正義の暴走はエスカレートしていき、ミカへの嫌がらせは、イジメの域を超えていた。

 

 ある者は虫の死骸や汚泥といった異物をミカの食事に混ぜ込み。

 

 ある者は、トイレの個室に閉じ込めて水を掛け、下着を盗み出し、それを汚物まみれにし。

 

 ある者は無抵抗をいい事に、服で隠れる箇所を狙って暴力を振るうなど、そのイジメの惨状は凄惨を極め、一般の生徒達は見て見ぬふりをし、黙認する事しか出来なかった。

 

 今回のような女子トイレで行われている件も、その一環なのだが、当のミカはこれまで受けてきた行為に対し、反応を示さず、ただ俯いていた。

 

 そんなミカの様子が癪に障ったのか、1人の生徒が仲間に指示を送ると、ミカの身体を拘束し、制服の上から殴る蹴るといった暴力を行う。それでも、一切の抵抗を見せる様子を見せないミカの態度に対し、腹に据えかねた生徒達も混ざって、顔に唾を吐き、髪を引っ張ったりといよいよ傍若無人な振る舞いに出る。

 

 そして、ボロボロになったミカをトイレに放置して、何事もなかったようにその場から去っていった。

 

 しかし、依然と比べ、反応が薄くなったミカに対する感情は、日に日に鬱憤となって蓄積していく事となるのだった。

 

 

 

 

 トリニティ自治区にある喫茶店にて、イジメの主犯格である生徒達が紅茶と茶菓子を嗜みながら、最近のミカの反応について話し合っていた。酷い目に遭わせても尚、ミカが何の反応も示さない事に対して、彼女達は不満を募らせていた。

 

「最近、ミカの反応薄くない?」

 

「確かに。前はもっと反応してたのに」

 

「なんかつまんないよね」

 

「それ以前にさ。そもそも、ティーパーティーの資格を剥奪されるくらい悪い事をしたのに、なんか被害者ぶってるよね」

 

「トリニティに迷惑かけておいて、いい性格をしているよねぇ」

 

「この際だから身の程ってのをしっかり分からせてあげようよ。それでさ、凄く良いアイデアがあるんだけどさ……」

 

 良いアイデアと聞き、皆がその提案を真剣に聞き入る。

 

 内容は至ってシンプルだった。

 

 そもそもの話、退学処分を受けてもおかしくなかったミカの処遇を減刑させたのはティーパーティーのメンバーとシャーレの先生である。

 

 しかし、そのティーパーティーも、元を正せばゲヘナと和平を結ぼうとしたナギサと、病弱な身体を理由にゲヘナと和平を結ぼうとしていたナギサを止める事もしなかったセイア。

 

 シャーレの先生に関しては……特に理由が浮かばず放置する事となったが、生徒会の立場であるミカ、ナギサ、セイアの3名は犯罪者であり、ゲヘナと和平を結ぼうとした裏切り者であり、何もせずに静観を務めた無責任の集まりであるというのが、彼女の主張だ。

 

 ならば、ミカ以外の2人も、同罪であり、連帯責任を取る必要があるのではないかと。

 

 その提案に彼女達は意見が一致した。

 

 セイアは兎も角、強引にゲヘナと和平を結ぼうとしたナギサに至っては、皆が思う所があった事もあり、ミカと同等、或いはそれ以上の感情を持っていた。

 

 桐藤 ナギサは裏切り者である。

 

 それなら、彼女に対しても、相応の報いを受けるべきだ。

 

 こうして、ミカに続いてナギサやセイアも彼女達が企てた計画により、粛清という名のイジメの標的となったのである。

 

 

 

 

 日を重ねる毎に陰湿なイジメがエスカレートする中、ミカは以前のように暴走し、再び誰かの迷惑にかからないようにと、抵抗する事なく、甘んじてイジメを受け入れていた。迷惑をかけた先生の為にも。そして同じく迷惑をかけたナギサやセイアの為にも。

 

 その態度が、逆に彼女達の神経を逆撫でしている事に気付かぬままに。

 

 学生寮までの道のりが遠く感じる。それでも、寮まで戻れば、周りの目を気にせず、文字通り羽を伸ばせる。

 

 ミカは、そんな事を考えながら、重い足取りで学生寮へと歩みを進めていた。

 

 しかし、ミカの行方を阻むように、イジメの生徒達が道を遮り、ミカの前に立ちはだかった。

 

「……何か用かな?」

 

 無意識に身構えつつ、彼女達に用件を尋ねるミカに対し、主犯格の生徒は携帯を操作し、ある写真の画像をミカに見せた。

 

「これ、何だと思う?」

 

 主犯格の生徒に見せられた写真には、ナギサとセイアがガムテープで口を塞がれ、手足を縛り上げられている様子が写っていた。

 

「ナギちゃん……セイアちゃん……な、なんで……」

 

「なんでって、そんなの決まってるじゃない」

 

「そうそう、魔女を擁護したんだからこうなるのは仕方がない事だよねぇ」

 

「寧ろこれまで何もされなかった事が不思議なくらいだよねぇ」

 

 口々にミカを擁護したナギサとセイアに対する不満を口にする彼女達。

 

 彼女達は、かつての権威を失ったナギサとセイアが1人になった所を襲撃し、抵抗する間もなく2人を拉致。

 

 拘束された姿をミカに見せる事で、反応を楽しもうという魂胆だった。

 

「……2人を離して」

 

「は? なんで私達がお前の言う事を聞かなきゃいけない訳?」

 

「……私なら、何をされても文句は言わないから。2人には何もしないで」

 

「文句は言わない……ねぇ。魔女の言葉なんて信用出来ないなぁ〜」

 

「そうそう、そういうのってさ、先ずは誠意を見せるのが筋なんじゃないの?」

 

 ミカの言葉に対し、彼女達はニヤニヤと笑みを浮かべていた。

 

 何をもって誠意となるのか。彼女達は、自分達の行いが正しいと思っている。

 

 いや、この場合は、こう言い換えるべきだろう。

 

 ミカは罪を犯した。それなら、彼女に何をしても許される。彼女を擁護する者も同罪だ。

 

 そして、その意見や行動に同調して加担する生徒もいる。

 

 主犯格の生徒が1歩前に出ると、ミカに詰め寄り、その頬を煽るようにペチペチと軽く叩くと、覗き込むように ミカの顔を見上げた。

 

「分かってるよね? 誠意。見せてよ」

 

「………………っ」

 

 その言葉に、ミカが息を呑む。そして、これ以上時間をかけても、事態は悪化するだけだと悟ったミカは、地面に膝をつき、両手を地面につけると、そのままゆっくりと頭を地面スレスレまで下げていく。

 

「お願いします……ナギちゃんとセイアちゃんを解放して下さい」

 

 かつてはティーパーティに所属していたミカが、一般生徒である彼女達に土下座をしている。

 

 それは、イジメを是とする彼女達に屈したという証でもあった。

 

 額を地面に擦りつけるミカの姿を見て、主犯格の生徒は満足そうに微笑むと、ミカの頭に足を乗せ、グリグリと押し付けた。

 

「あははっ!! いい気味!!」

 

「ほら、もっとしっかり謝りなよ」

 

「もっと誠意を見せてくれないと。私達が納得しないんだからさぁ。ちゃんと頑張りなよ」

 

 ミカの頭を踏み付け、その姿を写メで撮影する生徒達。無論、それだけでは満足する筈もなく、ミカの頭から足を退けると、今度は靴底で背中を蹴りつけた。

 

「ほら、立てよ」

 

「大事な大事なお友達の所まで案内してあげるからさ」

 

「あ、でも暴れられたら面倒だから拘束させてもらうね」

 

 そう言うと、生徒の1人が鞄から重量感のある手枷を取り出し、ミカの両手を後ろ手に拘束した。

 

「噂で聞いたんだけど、壁を壊して脱走したみたいだからねぇ」

 

「うっそ何それ。ゴリラか特撮物の怪人みたい」

 

「ゴリラに暴れられたら困るからねぇ。それならこれも飲んでもらおうかな?」

 

 主犯格の生徒がミカに錠剤を取り出し、それを飲めと促す。

 

「これは……?」

 

「クジラですらこれを飲んだら身体の自由が奪われる強力な薬だよ。2人に会った途端、噛み付かれたら嫌だし」

 

「だから、これを飲んで大人しくしてね」

 

「別に拒否してもいいけど、その時は2人に飲ませて遊ぶのもいいかもね」

 

 拒否すれば2人に危害を加える。そんな脅しにミカは抵抗出来る筈もなく、彼女達が差し出した錠剤を口で受け取ると、そのまま飲み込んだ。

 

「よしよし、いい子だね。それじゃ行こっか」

 

「薬の効果はすぐに来るから、向こうに着く前に動けなくなるかもねぇ」

 

「まぁ、その時はその時で楽しませてもらうからいいけどね」

 

 生徒達はミカを拘束した状態でナギサとセイアが拘束されている場所までミカを引きずって行く。

 

 その様子を、遠目に見ていた生徒もいたが、それを誰かに通報する者は誰もいなかった。

 

 巻き込まれたくない。

 

 自分達とは関係ない。

 

 中立の立場である彼女達は、見て見ぬふりをするのであった。

 

 

 

 

 ミカが連れてこられたのは、学園から少し離れた自治区内の公衆トイレだった。

 

 普段から清掃が行き届いていないのか、中に入っただけで悪臭が鼻をつき、思わず顔を顰めてしまう。

 

 主犯格の生徒に先導され、公衆トイレ内に足を踏み入れるミカだったが、この時すでに、薬の効果が全身を巡り、身体を動かす事すら困難な状態。常人ならば、身動き一つとれない状況に陥っていただろう。

 

 踏み出す一歩が、途方もなく重い。

 

 一歩、また一歩と歩みを進める度、全身の感覚が麻痺していくような感覚を覚えながらも、ミカは一歩ずつ歩みを進めていた。

 

「ほら、着いたよ」

 

 ミカの目の前には、2人が拘束されていた個室が見える。その周りには主犯格の生徒の仲間達の姿。

 

 その手には銃が握られており、引き金に指が掛けられていた。

 

「暴れたら……分かってるよね?」

 

「……うん」

 

 主犯格の生徒の言葉に、ミカは素直に頷く。抵抗すれば2人に危害が及ぶ。それだけは、何としても避けたかった。

 

「ナギちゃ……」

 

 ミカは個室の中にいるであろうナギサに声をかけようとした。

 

 しかし、その言葉は最後まで紡がれることなく、ミカの視界は暗転した。

 

 後頭部に感じた強い衝撃。薬の影響で受け身も取れぬまま個室内にあるトイレの便器に顔を突っ込んでいた。

 

「あははっ!! 何その格好!!」

 

「いい気味だわぁ」

 

「これ、後で写真撮っておかなきゃね」

 

 彼女達はケラケラと笑い声をあげながら、ミカを嘲笑う。

 

「うっわ、顔ビショビショじゃん」

 

「勝手な私語は慎みましょ〜ねぇ」

 

「そうそう、これから楽しいショーが始まるんだからさ」

 

 そう言うと、彼女達はミカを便器から引きずり出すと、仰向けの状態でスカートを脱がし、制服を捲り上げる。

 

 純白な下着と色白な肌が露わとなり、スカートを脱がせた彼女達は携帯でミカの姿を写真に収めた。

 

「可愛い下着付けてるじゃん。後で拡散してやろ」

 

「あ、そうだ。折角だし、他の2人も同じようにして撮ろうよ」

 

「いいねそれ。ナギサ様はショーツ、セイア様はブラやパンツの中身でも撮って送ろうか?」

 

「っ!! ま、待って……2人には手を出さないって約束は……っ」

 

「え〜そんな約束したかなぁ。みんな覚えてる?」

 

「あははっ、記憶にございませ〜ん」

 

 ミカの言葉に耳を貸す様子もなく、彼女達は仲間にナギサとセイアの写真を撮るよう指示を送る。

 

 初めから2人に無事に帰すつもりはなかったのだと気付いた時には既に遅かったのだ。

 

 2人のいる個室から写真を撮る音が聞こえると共に、呻き声が響き渡る。

 

 特にセイアは必死に抵抗しているのか、個室の扉をガタガタと揺らし、床を這いずる音まで聞こえてくる。

 

 その音を聞く度に、ミカの心臓は締め付けられるような痛みを感じた。身体を拘束され、口をガムテープで塞がれている以上、どれだけ叫び声を上げたくても外には届かない。

 

 ミカの脳裏には、2人の無惨な姿が過っていた。

 

 そして、その最悪のシナリオは現実となる。

 

「あぁもうっ!! 暴れんじゃねぇよ!!」

 

「んぐぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ゔっ゛!!」

 

 鈍い音と共に、セイアのくぐもった悲鳴が個室内から聞こえてくる。

 

 更に二度、三度と鈍器で殴るような音が鳴り響き、その度にセイアの呻き声が大きくなった。

 

「お願い……やめて……やめてよ……っ」

 

 ミカは、これ以上セイアを傷付けないようにと必死に懇願した。しかし、その願いが聞き届けられる事もなく、主犯格の少女はセイアのいる個室の様子を見ながらゲラゲラと笑っていた。

 

 そして、暫く鈍い音が響いた後、携帯のシャッター音が鳴り響く。

 

「顔は傷付けてないでしょうね?」

 

「大丈夫大丈夫。服に隠れる所しか殴ってないよ」

 

「そっか。それなら良かった。でもまぁ、反省の意味も込めて、気を失うまで便器に顔を突っ込ませておこっか」

 

「おっけ〜それじゃあセイア様。良い機会ですのでバブリングの練習をしましょうか」

 

「〜〜〜〜っ!!!! 〜〜っ!! 〜〜〜〜っ!!」

 

 悲鳴にならない悲鳴をあげ、セイアは必死に抵抗を試みるが、主犯格の生徒に頭を掴まれると、そのまま便器の中に顔を押し込まれる。

 

 そして、主犯格の生徒はセイアの頭を便器に突っ込んだまま、ゆっくりと水を流していく。

 

 ゴボゴボと音を奏でながら、水飛沫が上がり、セイアのくぐもった悲鳴がトイレに木霊する。

 

 それを聞いたナギサも、恐怖のあまり抵抗する気力を失い、為すがままに制服を脱がされ、下着姿を写真に収められる。

 

 抵抗しなければセイアのように危害を加えられる心配はない。

 

 ナギサからすれば、早くこの悪夢のような時間が終われと願う事しか出来なかった。

 

 シャッター音が鳴り響く個室と、ゴボゴボと排水の音が響く個室。共に地獄のような惨状の中、メインディッシュとなるミカへの制裁が始まろうとしていた。

 

 

 

 

「それじゃあ、魔女裁判を始めよっか」

 

 主犯格の生徒はそう言うと、ミカの下着に手を掛け、それを脱がしていくと、他のメンバーにも前もって準備していた道具を持ってくるように指示を出した。

 

 そして、ミカの眼前に差し出された道具を見た時、ミカは目を見開きながら絶句した。

 

 主犯格の生徒の手に握られていたのは、高音で赤く熱せられた焼鏝。それも、先端には『豚』や『馬鹿』、『便所』といった文字が彫られていた。

 

「これ、文字入りの焼き印を捺す為にわざわざ作ったんだって。特注品だよ。凄いよね」

 

 そう言うと、主犯格の生徒は『豚』と彫られた焼鏝を手に取り、ミカの腹部へと押し当てた。

 

「あぐぅ゛ぅ゛っ゛!!」

 

 腹部に焼けるような痛みが走り、ミカは苦悶の声を上げる。焼印を捺される痛みでミカは顔を左右に振って抵抗するが、主犯格の生徒はお構いなしに『豚』と彫られた焼印を捺し終えると、その出来栄えに、満足気に頷いた。

 

「うんうん、しっかり捺せた。それじゃあ、次は下腹部に『便所』って文字を捺してあげるね」

 

 主犯格の生徒はそう言って焼印を握る手に力を込める。熱気が下腹部に近付き、その熱にミカは身体を仰け反らせ、悲鳴を上げるが、それも虚しく終わった。

 

「うぐっ……あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!!」

 

 銃弾を受けても平気ではあるが、高温で熱せられた焼鏝を押し付けられた経験はない。

 

 皮膚が焼ける音と臭い。そして、焼印を捺された痛み。その全てがミカに襲い掛かり、ミカは絶叫した。

 

「あははっ!! いい気味!! ねぇ、どんな気分? ちゃんと反省してるのかなぁ?」

 

「あ……うぁ……」

 

「あれぇ、返事がないって事は反省してないって事かなぁ?」

 

「それじゃあさ、『豚』の横に『ー』文字で『正』の字を彫ろうよ」

 

「あははっ、良いねそれ。豚との経験人数みたいで」

 

「流石は魔女。人では満足出来ないから畜生に手を出しちゃったか」

 

 彼女達はゲラゲラと笑いながら、ミカの身体へ『ー』の文字を刻んでいく。

 

「ほら、後ちょっとで完成だよ。何か言い残す事とかある?」

 

「良い機会だし、実際に豚と経験した回数を入れてあげるよ」

 

「それやったら身体中に入れてもたりなちんじゃない?」

 

「それもそっか。それじゃあ最後に……」

 

 『豚』の文字を中心に、左右に『正』の字を入れ終えた主犯格の生徒は、仕上げと言わんばかりに、仲間にミカの足を広げるよう命令すると。露わとなった秘部の上、陰核にあたる箇所に『ー』の焼鏝を押し付けた。

 

「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!! や゛め゛でや゛め゛でや゛め゛でや゛め゛で!! も゛ゔや゛だぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」

 

「あははっ、すっごい叫んでる。そんなに痛かった?」

 

「お漏らしまでして、汚いなぁ」

 

 焼ける痛みと、敏感な箇所に焼印を捺された衝撃で、ミカは失禁し、尿が吹き出して床を濡らす。

 

 その水溜まりが主犯格の少女の靴を濡らした。

 

「あ゛ぁ゛ぁ゛!! あ゛ぁ゛っ!!」

 

 泣き叫ぶミカ。しかし、靴を汚された主犯格の少女は怒りを顕にすると、靴が汚れた原因であるミカの腹部を蹴り上げた。

 

「汚ぇなぁ!! 何私の靴汚してくれてんだよ!!」

 

「うわっ、本当だ。酷い事するねぇ」

 

「これはもぉ、連帯責任かなぁ」

 

「そうだね。連帯責任だね」

 

 靴を汚された主犯格の仲間が呑気にそういうと、余っていた焼鏝を手に取り、隣の個室に入り、ナギサの口を塞いでいたガムテープを無理矢理引き千切ると、『馬鹿』と彫られた焼鏝を押し当てた。

 

「い゛や゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!! や゛だあ゛ぁ゛ぁ゛!!」

 

 ナギサの悲鳴が響き渡り、肉が焼けた匂いが立ち込める。

 

「ごめんねぇナギサ様。ミカが粗相をしたからその連帯責任ね」

 

「や゛め゛でぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!! ゆるじでぐだざいぃぃぃ!!」

 

 泣き叫ぶナギサ。それでも焼鏝をグリグリと押し付け続けると、隣でセイアを便器の水で溺れさせていた仲間が口を開いた。

 

「ねぇ、連帯責任って事はさ、セイア様にも焼印を捺すって事だよねぇ?」

 

「そうだよぉ。ティーパーティーのメンバーはミカの責任を取らなきゃだからねぇ」

 

「おっけ〜丁度気を失ってるみたいだし、根性焼きしちゃおっか」

 

 そう言うと、主犯格の生徒はナギサに焼印を捺した仲間と交代し、セイアのいる個室に入ると、他に用意していた『済』の字が彫られた焼鏝を、セイアの背中に押し当てた。

 

「〜〜〜〜っ!!!? 〜〜っ!! 〜〜〜〜

!!!?」

 

 消失していたヘイローが復活し、セイアは声にならない悲鳴を上げる。

 

 しかし、ナギサと違い、口はガムテープで塞がれている為、セイアはくぐもった悲鳴をあげる事しか出来なかった。

 

「あははっ!! 凄いね、焼印の痕がくっきり残ってるよ」

 

「普段から背中がガラ空きだから文字映えするんじゃないかな?」

 

「え、という事は、私達いい事しちゃったわけじゃん。これじゃあ連帯責任にならないね」

 

「じゃあ、仕方ないからミカにも『済』の字を入れるしかないかぁ」

 

 セイアの背中にくっきりと『済』の字が残った事を確認しつつ、主犯格の生徒は、ミカの腹部に彫られた焼印とは別に、うつ伏せにさせると、『済』の字を腰の付け根に刻んだ。

 

「よ〜し。これで連帯責任はばっちりだね」

 

「そうだねぇ。それに、ミカの『済』の字って、あっちの方も開発済みみたいで良い感じじゃない?」

 

「確かに。畜生の相手じゃ飽き足らず、そっちの方も開発済みって、やっぱり魔女って淫乱なんだねぇ」

 

 主犯格の生徒がミカに刻まれていた焼印を指でなぞると、ミカはビクンと身体を震わせた。

 

「さて、先ずは自分が何者か分かってもらうために態々文字を刻んであげたんだけど、分かってくれたかな?」

 

 主犯格の生徒の言葉に、ミカは涙を流しながら何度も頷く。

 

「うんうん。分かってもらえて私も嬉しいよ」

 

「それじゃあ、記念に一緒に遊ぼっか」

 

「嫌と言うほど可愛がってあげるから、せいぜい壊れないように頑張ってねぇ」

 

 ミカの返答を待たずに、彼女達は銃火器を手に取り、銃口をミカへと向ける。

 

 そして、何の躊躇もなく、彼女達は至近距離からミカに向けて銃弾を放った。

 

「あ゛ぁ゛ぁ゛っ!! あ゛ぁ゛っ!! あ゛ぁ゛ぁ゛っ!!」

 

 彼女達が所持している銃の種類はSG。それも、通常のSGではなく、違法改造された物だ。

 

 その威力は通常のSGの比ではなく、放たれた散弾はミカの腹部に被弾し、内臓にまで衝撃を与えた。

 

「あははっ!! 凄いねこれ。流石はブラックマーケットで流通していただけはあるわ」

 

「痛い? 痛いよねぇ。でも大丈夫。まだまだ終わらないよ」

 

 彼女達はは容赦なく引き金を引き続け、ミカの身体を蜂の巣にしていく。

 

「あ゛ぁ゛っ!! あ゛ぁ゛っ!! いだいっ、いだいよぉ……!!」

 

 ミカの悲鳴が轟く。しかし、彼女達はミカの悲鳴など意にも介さず、尚も銃弾を浴びせ続ける。

 

「あ゛ぁ゛っ!! あ゛ぁ゛っ!! あ゛ぁ゛っ!!」

 

 ミカの悲鳴は、彼女達が満足するまで止む事はなかった。

 

「あ〜楽しかった」

 

「良いストレス発散になったわ」

 

 違法改造されたSGによる至近距離からの腹パン。焼鏝で刻まれた文字からは出血がみられ、被弾した箇所は青痣となり、所々血が滲んでいた。

 

「死んでないよね?」

 

「息はあるし、問題ないでしょ」

 

「お〜いミカちゃ〜ん。生きてますかぁ?」

 

 主犯格の生徒がミカの頬をペチペチと叩く。それに対して、ミカは辛うじて意識を取り戻したものの、その瞳からは既に光が失われていた。

 

「あちゃ〜伸びちゃったかぁ」

 

「折角遊び相手になってくれると思ったのに、これじゃあねぇ」

 

「そうだねぇ……」

 

 と、弾切れとなったSGを持ち直し、ゴルフのフルスイングのように振りかぶると、主犯格の生徒は、項垂れたミカの顔面目掛けてフルスイングをかました。

 

「っ!! ブフッ!!? ア゛…が…ぇ……ぁ……」

 

 銃床で鼻を強かに打たれ、ミカはポタポタ鼻血を流しながら悶絶する。

 

「お、起きた?」

 

「あ……ぁ……ぇ……ぁ……血…ぇ……ぁ……?」

 

 朦朧とする意識の中、ミカは辺りを見回す。そして、床に付着した血の跡と鼻から垂れる鼻血を見て状況を理解し始めるが、それよりも早く、主犯格の生徒がミカの腹部を蹴り上げた。

 

 何度も、何度も、何度も。何十発と蹴るうちに主犯格の生徒は楽しくなってきたのか、ミカの腹部に踵落としを喰らわせると、ミカは口から嘔吐物を吐き出して床へと倒れ込んだ。

 

 吐瀉物を撒き散らした床で悶絶するミカ。そんなミカを見下ろし、主犯格の生徒は楽しそうに口を開いた。

 

「あははっ、丁度良かった。これからお腹いっぱいに飲み物をあげようと思ってたからさぁ」

 

 そう言うと、主犯格の生徒はミカを無理矢理起こすと、便器の蓋を開け、そこにミカを座らせる。

 

 当然、便座も開けた状態の為、ミカのお尻は便器に突っ込まれた状態となり、身動きが取れずにいる。

 

 そもそも、薬の影響でまともに動けない事もあるが、ティーパーティーに所属していたミカが無様に便器にはまった姿はあまりにも滑稽だった。

 

 そして、携帯を取り出し、何処かへと連絡する。すると、少しして公衆トイレの外から人の気配が近付いてくるのをミカは感じた。

 

「あぁ、もう来たんだぁ」

 

 主犯格の生徒が携帯をポケットに仕舞いつつそう言うと、この日の為に募集をかけていたミカの『遊び相手』が公衆トイレに入ってきた。

 

「あ……ぁ……あぁ……」

 

 便器に嵌り、身動きが取れずにいるミカを見て、『遊び相手』……獣市民達は主犯格の生徒と挨拶を交えると、ミカを指差しながら口を開いた。

 

「本当にいいのかい?」

 

「この子って、確かティーパーティーの子でしょ?」

 

「うん。でも、好きにしていいよ。この子は今、トイレだからたっぷり飲ませてあげてね」

 

 主犯格の生徒の言葉に獣市民達は頷くとズボンのチャックを下ろし、ミカが嵌る便器の前に立つ。

 

「ひ……ひぃっ!! やだっ、やだよぉ!!」

 

 獣市民達が何をしようとしているのか察したミカがそう叫ぶと、主犯格の生徒により便器に嵌められたミカの顔を掴み、男性器をミカの口へと突っ込んだ。

 

「おごっ!!? おごぉっ!! んぶぅっ!!」

 

「ほら、しっかり咥えてよ。じゃないと窒息しちゃうよ」

 

 ミカは必死に抵抗するが、それも無意味に終わった。

 

 獣市民は暫く男性器を前後させた後、ぶるりと身体を震わせ、ミカの口内に小便を放出した。

 

「うぶぅっ!! おぼぉっ……!!」

 

 口に小便を注がれ、ミカは咽せ返る。吐き出したくとも、頭を押さえつけられ、根元まで咥えさせられた男性器が蓋をして、吐き出す事すら出来なかった。

 

「ほ〜ら頑張ってねぇ。ミカさんが頑張れば頑張るほど、ナギサさんとセイアさんに回る人数が減るかもしれないし、何もされないかもしれないよぉ」

 

 自分達の名前を出され、ナギサとセイアは見えない個室の中で何が起きているのか想像し、恐怖する。

 

 ミカもまた、自分が頑張ればこれ以上ナギサとセイアに危害が加えられないと知ると、必死に口内の流し込まれる小便を飲み干そうと喉を鳴らして飲み込んだ。

 

「んぶっ……ごぼっ……ぶぷっ……」

 

「あははっ!! 飲んでる飲んでる!!」

 

「流石はミカさん。下の方も散々だけど、お口の方もお上手だねぇ」

 

「ほらほら、まだまだおかわりはあるから頑張ってねぇ」

 

「ぶぶっ!! おぼぉっ!!」

 

 小便を出し終えた獣市民が男性器をミカの口から引き抜くと、すかさず別の獣市民が男性器をミカの口に押し込んだ。

 

 そして、またも小便を注ぎ込むと、獣市民達は我先にと言わんばかりに男性器を露出させてはミカの口に押し込み、小便を流し込んでいく。

 

「もごっ!! おごぉっ!! んぶぅっ!!」

 

 最初は頑張って飲み干そうとしていたミカも、回数を増す毎に胃の中が小便で満たされ、呼吸もままならなくなっていった。

 

 そして、10人目の小便を飲み干した頃、ミカのお腹は獣市民の小水膨れていた。

 

 それを見計らうように、一旦獣市民達を遠ざけさせると、主犯格の生徒がミカに近付き、苦しむミカの様子を眺める。

 

「うぇ……げほっ……ごぼっ……」

 

 ミカからすれば、小休止と思ったのだろう。しかし、主犯格の生徒は、ニタニタと笑みを浮かべながら、新たな条件を提示した。

 

「頑張ったねぇ、ミカさん。それじゃあ、吐き出さないように気を付けてね。吐き出したら勿論……」

 

 銃弾を装填し直したSGをそっとミカの腹部に押し当て、引き金に指をかける。

 

「連帯責任だからねぇ」

 

「っ!! いや……いやだ……!! お願い、やめてよぉ!!」

 

 ミカの懇願も虚しく、主犯格の生徒は引き金を引き、放たれた散弾はミカの鳩尾に直撃した。

 

「がっ……は……ぁ……」

 

 ミカの腹部に散弾がめり込み、血が滲む。そして、胃の中を満たしていた小水がその衝撃で逆流し、ミカの鼻や口から吐き出された。

 

「うぶっ!! おげぇぇぇぇぇぇっ!!?」

 

 小水と嘔吐物、そして胃液が濁流のように吐き出され、個室の床を、そしてミカの身体を汚していく。

 

 そして、暫く吐き出された小水が落ち着きを取り戻した頃、主犯格の生徒は、最後の仕上げと言わんばかりに、SGで狙った鳩尾に、踵落としを喰らわせた。

 

「ぐぶっ!!」

 

 ミカの身体がくの字に曲がり、口から胃の中に残っていた僅かな小水と胃液が吐き出される。そして、ミカの身体が便器に嵌った状態のままぐったりと力が抜け、ヘイローが消失するのを確認すると、主犯格の生徒は、ナギサとセイアが閉じ込められている個室を指差しながら笑みを浮かべた。

 

「は〜い、連帯責任けって〜い」

 

「ミカさんがちょっと故障したみたいだからナギサさんとセイアさんを好きに使っていいよぉ」

 

 主犯格の生徒の言葉に、ミカの『遊び相手』となっていた獣市民達が歓喜し、ナギサとセイアがいる個室に殺到する。

 

 そして、個室のドアが乱雑に開かれ、獣市民達によってトイレに閉じこめられた二人の悲鳴が響き渡った。

 

「あ゛ぁ゙ぁ゛っ!! あ゛ぁ゛っ!! い゛や゛あ゛ぁ゛ぁ゛っ!!」

 

 悲鳴を上げるナギサ。しかし、抵抗も虚しく、身動きを封じられた状態で獣市民達の男性器を口に突っ込まれ、小水を注ぎ込まれていく。

 

「んぶぅっ!! おごぉっ!! げぼっ、がほっ!!」

 

「あ〜……ナギサさんのお口気持ちいいなぁ」

 

「んぐっ!! おぼぉっ!!」

 

 ナギサが苦しむ間、セイアもまた、口を塞いでいたガムテープを無理矢理剥がされ、ナギサと同じく男性器を口の中に突っ込まれそうになる。

 

 しかし、セイアは獣市民達を睨みつけながら、イジメの主犯格の生徒に噛み付いた。

 

「……こんな…こんなくだらない事をして優越感に浸って、君達は本当に愚かだね」

 

「はぁ? 何言ってんの?」

 

「君達のやっている事は、ただの私刑だ。自分達に力がないから弱い立場になった他者をいたぶって優越感に浸る。自分より立場が上の者には媚び諂い、自分より立場が下だと分かった途端、これ見よがしに強気に出る。君達がやっている行為はチンピラ以下の下劣な行為だ」

 

 セイアのその言葉に、主犯格の生徒が額に青筋を浮かべながらセイアの口にガムテープを巻き付けると、スカートを無理矢理引き千切り、ストッキングの股の部分を破くと、息を荒げながら獣市民に命令した。

 

「ごめーん、この子の口も故障中みたい。代わりにこっちを使ってよ」

 

 主犯格の生徒の言葉に、獣市民はセイアのいる個室に入ると、指示された場所……セイアの秘部へと男性器を捩じ込んだ。

 

「〜〜〜〜!!? 〜〜〜〜〜〜!!!? 〜〜!! 〜〜〜〜!!!?」

 

 声にならない悲鳴とガタガタと揺れる個室。中で何が起きているかは火を見るよりも明らかだった。

 

 隣の個室で起きている惨状に、ナギサはカタカタと震わせながら、主犯格の生徒の怒りの矛先が自身に向けられないよう、必死に獣市民達の小水を飲み込み続けた。

 

 

 

 

 地獄のような時間がどれくらい続いただろうか。個室から獣市民達が出ていくと、そこには変わり果てたセイアの姿があった。

 

 噛み跡や青痣、そして、濡れてもない秘部に無理矢理男性器を捩じ込まれ、そして様々な体液を注ぎ込まれたセイアは、ガタガタと身体を震わせながら、己の失言を呪った。

 

 主犯格の生徒に罪の意識はない。あるのは犯罪を犯したものには何をしてもいいのだという私刑の正当化だけ。

 

 その逆鱗に触れてしまった。その結果がこれである。

 

「あ……あぁ……セイアさん……」

 

 ナギサは隣で起こっていた出来事を音を頼りに想像し、恐怖に震えながらセイアの名を呟く事しか出来なかった。

 

 ナギサもセイアも、度を超えた暴力に心が折れ、抵抗する気力すら残されていない。

 

 主犯格の生徒は、そんな2人の様子を察し、最後の仕上げを催すのだった。

 

 先ずはセイアだ。

 

 思わぬ反論に憤りを覚えたが、その鬱憤は十分に晴らした。後は折れた心に付け込み、誘導するだけである。言葉ではなく、身体に覚え込ませるのだ。

 

 主犯格の生徒は未だに熱を保つ焼鏝を手に、セイアのいる個室に入ると、文字が彫られた先端を、セイアの顔に近付けた。

 

「今からコレで額に印をつけるから、声上げないでねぇ」

 

「ひ……ぁ……や、やめ……」

 

 恐怖に顔を歪ませ、涙と汗、そして鼻水で顔をぐちゃぐちゃにするセイアに、主犯格の生徒は恍惚とした表情を浮かべながら、焼鏝を額に触れるか触れないかのギリギリのラインで維持する。

 

 髪の毛が焼鏝に触れて、チリチリと音を立てながら焼ける臭いが立ち込める。

 

「や……ぁ……」

 

 熱さと恐怖によって声が漏れるセイアだったが、それでも尚、主犯格の生徒は焼印を眼前にチラつかせ、反応を楽しむ。

 

 その視線が下に向けられると、セイアの秘部から小水がチョロチョロと流れ出ている事に気がついた。

 

「あれぇ、セイアさん。漏らしちゃったのぉ?」

 

「あ……ぁ……」

 

「あははっ……公共施設を汚しちゃうなんていけない子だなぁ。これはもう、ミカさんと同じく有罪かなぁ?」

 

 焼印をチラつかせながらそう言うと、セイアは身体をガタガタと震わせながら慈悲を乞う。

 

「ごめ……ごめん……なさぃ……」

 

 しかし、その恐怖に満ちた顔が見たかった主犯格の生徒は、懇願するセイアの秘部に焼印をグリグリと押し当てた。

 

「ゔぁ゛っ゛!! あ゛っ゛!! あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁっっ!!!!」

 

 じゅぅぅ……と肉が焼け、独特な臭いが立ち込める。そして、焼印がセイアの秘部から離れると、そこは痛々しい焼け跡が出来上がっていた。

 

「謝って許されると思った? セイアさんはミカさんと同じく悪い事をしたんだよ。だからこうなった。言ってる事、分かるかな?」

 

「ごめ…な……さぃ……」

 

 セイアの瞳から涙がポロポロと零れていく。そんな彼女に、主犯格の生徒は告げた。

 

「それじゃあ、証明してよ。セイアさんがミカさんと違う所……でないと、また教育しないといけなくなるからね」

 

「わ……たしは……わたし、は……」

 

 主犯格の生徒がそう言うと、セイアの表情が青褪めていく。そして、力無く項垂れる彼女を見て、主犯格の生徒は満足そうに頷いた。

 

「うん、いいねぇ。セイアさんは物分りがいいねぇ」

 

 セイアの額に近付けた焼鏝を遠ざけ、隣の個室で怯えた表情を浮かべるナギサへと視線を向ける。ナギサは目が合った瞬間にビクリと身体を震わせ、恐怖に染まった瞳から涙を零し始めた。

 

「や……やだ……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」

 

 恐怖と暴力に心が折れ、壊れたように謝罪の言葉を口にするナギサ。そんなナギサを見て、主犯格の生徒は満面の笑みを浮かべた。そして、焼鏝を手放し、SGに持ち直してからナギサに近付くと、彼女の前髪を掴んで持ち上げた。

 

「あぐぅっ……!!」

 

「ナギサさんはセイアさんと違って物分かりが凄く良いですからねぇ。ちゃ~んと、自分が何をすればいいか、分かっていますよねぇ?」

 

 抗わず、獣市民を受け入れたナギサと、抗ったが故に心を折られたセイア。

 

 結果としては十分以上の結果だ。

 

 しかし、それでは足りない。

 

 ナギサはゲヘナとエデン条約を結ぼうとした張本人だ。その行いは、トリニティに対する裏切りでもある。故に、本当の意味で屈服させる為の、最後の仕上げが必要だ。

 

 前髪を掴んで持ち上げた後、ナギサの目と鼻の先でSGの銃口を突き付ける。

 

「まぁ、分かっていたなら、ゲヘナなんかと条約を結ぼうだなんて考え事態、起こさない筈なんですけどね」

 

 冷たく言い放たれた言葉と共に、ナギサを床に投げ捨てる。

 

「あがぁっ!!」

 

 受け身もとれず、身体を強かに打ち付け、痛みに悶えるナギサに、主犯格の生徒は無防備となった彼女の秘部に、銃口をねじ込んだ。

 

「っ!! 〜〜〜〜っ!!!?」

 

 声にならない叫び声をあげ、ガタガタと震えるナギサ。下着越しに秘部へとねじ込まれた銃口がぐりぐりと回され、ナギサに痛みと異物感を伝えてくる。

 

「あんな野蛮な猿共と条約を結ぼうとした時点で有罪です。その罪に対する罰は、しっかりと受けてもらいますね」

 

「や……やだ……やめて……っ」

 

「やめません」

 

「お、お願いですから!!」

 

「だから、やめません」

 

「な……なんでもしますから!!」

 

「それなら罰を受けてください」

 

「い……いや……いやぁ……」

 

 SGの引き金に指がかけられる。如何にキヴォトスの住人の身体が頑丈とはいえ、ミカですら悶絶する威力を誇る違法改造されたSGを至近距離で……それも、女性の大事な箇所へ打ち込まれたらどうなるか、結果は火を見るよりも明らかだ。

 

 無慈悲に、SGの引き金にかけられた指に力が入るのを見て、ナギサは普段の彼女からは想像もつかない声量で悲鳴を上げた。

 

「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」

 

 そして、カチリと引き金が引かれ、銃声が響く。ナギサの秘部に激痛が走り、下着を焼き焦がし、彼女の大事な箇所に銃槍跡が刻み込まれた。

 

 ……筈だった。

 

 しかし、何時まで経っても銃声は個室には響かず、秘部に焼けつく痛みは訪れなかった。

 

「おっと残念。弾切れでしたか」

 

 ミカに使用した銃弾が最後の一発だったらしく、引き金を引いても弾が出る事はなかった。

 

 しかし、極度の恐怖に追い詰められていたナギサには、十分すぎる結果となった。

 

「ぁ……………………ぁ……っ」

 

 セイアと同じく、恐怖に染まった顔で涙を流し、秘部から小水を漏らすナギサ。そんな彼女の姿を見て、主犯格の生徒、満足そうに頷いた。

 

「良かったですねぇ、ナギサさん。どうやら神様は、貴女の行いを許してくれたみたいですね」

 

「ひぐっ……ぐすっ……」

 

 SGを投げ捨て、まるで神に祈るように両手を合わせる主犯格の生徒。しかし、その表情は、神に祈る敬虔な信徒とは程遠い、悪魔のような笑みだった。

 

「ですが、神とて二度目を許すかどうかですね。この言葉の意味、賢いナギサさんであれば、ちゃんと……ちゃ~んと分かってくれますよね?」

 

「ひっ……ひぐっ……ぐすっ……うぅ……」

 

 泣きじゃくる童のように、涙を溢れさせて嗚咽するナギサ。これで完全に堕ちたと確信した主犯格の生徒は、公共トイレ内に常設されていたバケツに水を汲むと、失神したミカのいる個室に入り、バケツ内の水をミカの顔面にぶちまけた。

 

「うぶっ!! あがっ……げほっ……げほっ……」

 

 冷たい水を顔にかけられ、ミカが意識を取り戻す。そして、空になったバケツを持つ主犯格の生徒と目が合い、自身が気を失っていた事に気付いた。

 

「おっはよ〜ミカさん。折角、楽しく遊んでいたのに寝ちゃうなんてひっどいなぁ」

 

「あ……あぁ……」

 

「まぁ、貴女が寝ていた分、他の2人に責任を取って貰いましたけどね。連帯責任ってやつですよ」

 

 その言葉と共に、隣の個室からはナギサの啜り泣く声が聞こえてくる。

 

 気を失っている間に、ナギサとセイアが獣市民達に自分と同じ事をされた。

 

 その事を理解したミカは、再び恐怖と絶望に心を折られた。

 

「う……あ……あぁ……」

 

「さて、それじゃあ最後のお遊びはこれだよ」

 

 そう言って、主犯格の生徒がミカの前に置いた物は白と黄色が入り混じった液体でいっぱいとなったペットボトルだった。

 

「な、なに……それ……?」

 

「これはねぇ、今日、予定があって集合する事が出来なかった善良な市民達のおしっこと精液だよ」

 

 これを今から、一気飲みして貰います。そう告げた後、主犯格の生徒はミカの口にペットボトルを無理矢理捩じ込み、傾けた。

 

「もごっ!? も゛ごっ!! んぐぐっ!! お゛ごぉ゛っ!?」

 

「あははっ、何言ってるか分かんないや。でも、ミカさんが休んでいる間、ナギサさんとセイアさんは頑張ってくれたんだよ。これくらいして当然だよね?」

 

 ……それとも、と、ペットボトルを握る手に力を込め、中身を無理矢理流し込みながら、主犯格の生徒は冷たい視線でミカを見下ろした。

 

「これも2人に飲んでもらう? 連帯責任ってやつで」

 

「も゛ごぉ゛っ!? お゛ごっ、お゛ごぉ゛ぉ゛ぉ゛っ!?」

 

 ミカは首をぶんぶんと振り、懸命に嫌がる。だが、口を塞がれた状態では抵抗らしい抵抗など出来る筈もなく、口内にブチ撒けられた液体を吐き出す事も許されず、無理矢理飲まされ続ける。

 

 そして、ミカの胃に入りきらなかった液体が口元から溢れ、鼻から逆流し、悪臭が鼻腔を刺激する。

 

「む゛ごぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ!! お゛お゛ぉっ!! ん゛お゛お゛お゛ぉ゛っ!!?」

 

「あははっ!! いい飲みっぷりですねぇ!! 偉いですねぇ!! それじゃあ、全部飲めるかな? 頑張ってね〜」

 

 主犯格の生徒はケタケタと下品に嗤いながら、ミカの口へペットボトルを更に捩じ込む。そして、ミカの胃が限界を迎え、喉元を逆流してきた液体が溢れる頃、漸く主犯格の生徒はミカの口内からペットボトルを抜いた。

 

「んぼぉ゛っ!? お゛え゛え゛え゛ぇっ!? げっほぉっ!! げぇふっ!! おげぇっ!!」

 

 堰き止めていたモノを吐き出すと同時に、飲み込み切れなかった液体が口から溢れ出る。

 

 口の周りには獣市民達の陰毛がこびりつき、ドロドロと垂れ落ちる黄色や白や透明の液体が、ミカを恥辱に貶める。

 

 そして、胃の中に溜め込まれた悪臭が胃の中でガスのように溜まり、咽せ返りながらも、ミカは無様にも盛大にゲップした。

 

「げぇふっ!! げほっ!! ごほっ……ゲェェェェッフ!! ゲェッフゥゥゥゥ!!」

 

「うわ〜……品のないゲップ。そんな下品な事、元とはいえ、ティーパーティーのメンバーだったミカさんがするなんて……幻滅ですねぇ」

 

「げほっ!! ごほっ!! お゛ぇ゛っ!? あ゛ぁ゛ぁ゛っ……お゛っ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇっ……!!」

 

「はいはい、ゲロ吐いてる暇あったらさっさと全部飲み干しましょうねぇ」

 

 吐き出したペットボトルの中身に顔を押し付け、無理矢理飲まされるミカ。

 

 清掃の行き届いていない汚れた床と胃液の混じった獣市民達の小水も精液。その水溜まりの上に浮かぶ陰毛すらも、ミカは胃の中に収める事を強いられた。

 

「臭いゲップをした上に、汚い床まで舐めるなんて、ミカさんって本当に変態さんですねぇ」

 

「寧ろ、普段からこういったものを嗜んでいるから、全然気にしてないんじゃない?」

 

「あははっ、言えてる。ねぇねぇミカさん。普段飲み慣れてる精液って、何処のブランドなんですかぁ?」

 

「やっぱり、下々のものでは満足出来ないからゲップが漏れちゃうのかなぁ?」

 

 口々に言われなき罵倒を浴びせられながらも、ミカは必死になって床を這いずり、汚水に顔を付けるようにして全て飲み干していく。

 

 此処でまた自分が失敗すれば、その責任はナギサとセイアに降り掛かる。

 

 身体が拒絶反応を示し、何度もゲップを繰り返しながら、それでも床に溢した精液も、小水の水溜まりも全て舐め取っていく。

 

 ……そして、全てを飲み干し終わると、ミカは憔悴しきった身体を床に横たえ、ゲップと嗚咽を繰り返した。

 

 終わった……これで彼女達のお遊びが全部。

 

 そう思い、この地獄のような時間が終わりを迎えたのだと安堵したその時、主犯格の生徒の口から、驚愕の言葉が出てきた。

 

「それじゃあ、お遊びは此処まで。最後にミカさんに魔女裁判の判決を下したいと思いま〜す!!」

 

「…………………………ぇ?」

 

 魔女裁判。その単語を聞いて、ミカは顔を青くした。彼女達のこれまでの行為はお遊び。本当の意味での始まりはこれからだったのだ。

 

「まぁ、やる事っていっても、もうこれだけしかないんだけどねぇ」

 

 と、鞄の中から尿道カテーテルと液体が入った瓶を取り出す。

 

「この瓶の中身はただの強酸なんだけど、判決の結果次第で、これをミカさんの膀胱に入れたいと思いま〜す」

 

「や……やめ……て……」

 

「あ、ちなみに拒否権はないよ。これからやるのは公平な裁判なんだから」

 

「や……やだ……」

 

 恐怖に顔を染め、尻を床に擦り付けながら後退るミカ。そんなミカに対して、主犯格の生徒は軽い口調で告げた。

 

「大丈夫大丈夫。判決を下すのは私達じゃないよ。だって、私達がやったら友罪確定だからねぇ」

 

「そぉそぉ、判決は公平に、ティーパーティーのナギサさんとセイアさんにして貰いま〜す」

 

 彼女達の言葉に、判決を下すのがナギサとセイアという事に、ミカは希望の光を見出した。

 

 2人ならきっと助けてくれる。

 

 そう信じていた。

 

「それじゃあ先ずはセイアさん。判決をどうぞ〜」

 

 主犯格の生徒の言葉に、セイアは歯をカチカチと震わせながら息を飲む。分かっている。これは私刑以外のなにものでもない。

 

 あの事件を、ミカは後悔し、そして反省している。そんな彼女を裁くだなんて、本来なら有り得ない事だ。

 

 しかし、恐怖に染まったセイアの視線の先には、主犯格の生徒が、意味深な笑みを浮かべていた。

 

 その笑みに、その笑みの理由に、セイアは気付いた。気付いてしまったのだ。

 

 これは、証明する場なのだと。私はミカと違うという、悪魔の証明の場。自分の身を守る為に、ミカを裏切るという証明の場なのだと。

 

「わ、私は……わた…し……は……っ」

 

ー聖園 ミカを断罪するー

 

「セイア……ちゃん?」

 

 セイアの下した判決に、ミカは目を見開いた。ナギサが涙目で項垂れる。

 

「そ……そんな……嘘……嘘でしょ? セイアちゃん…セイアちゃん!!」

 

「君がっ!!」

 

「っ!!」

 

「君が……そもそも……アリウスと手を結んで、その結果が…これだ。君が、あんな事をしたせいで……っ!! 私は……っ!!」

 

 セイアは涙を流しながら叫び声を上げる。そうしなければ、ミカを裏切った自分が許せず、壊れて無くなってしまうから。

 

 そんなセイアの心情など、ミカは知るよしもない。裏切られた。その事だけがミカの心を支配する。そして、その心に追い討ちをかけるように、ナギサの判決も下される。

 

「じゃあ、次はナギサさん。お願いしま〜す」

 

「……っ、わた……私……は……」

 

「ナギちゃん……お願いナギちゃん!!お願いだからっ!!」

 

 恐怖に涙しながら縋り付くミカに、ナギサは過呼吸をおこしながらも、セイア同様に歯をカチカチと鳴らせて告げた。

 

「ミカ…さ……を………処し……す……」

 

「ち、違うでしょ!! そんなの!! 嘘だよね……嘘だと言ってよ!! ナギちゃん!! ナギちゃん!!?」

 

 ミカが取り乱しながら叫ぶも、ナギサは嗚咽を漏らしながら頭を抱える事しか出来なかった。友を裏切った。守りたいと思っていた友を、我が身可愛さに裏切ったのだ。その事がナギサの心を深く、深く傷付ける。

 

 泣きじゃくるナギサ。そんな事などおかまいなしに、主犯格の生徒は両手を叩き、判決は下ったと満面の笑みを浮かべた。

 

「は〜い。それでは」

 

「待って…待ってよ!!」

 

「公平な裁判の結果」

 

「待ってって!! お願い待って!!」

 

 ミカの必死の訴えも虚しく、主犯格の生徒は、まるで舞台役者のように大袈裟な身振り手振りで、判決を言い渡した。

 

「聖園 ミカさんは……有罪に〜けって〜〜い!!?」

 

 そう言い終えると同時に、尿道カテーテルを一気に中へと滑り込ませる。

 

「ぁ゛っ゛っ゛!? お゛こ゛ぉ゛おぉぉぉっ!?」

 

 入りやすく調整しているものの、経験のないミカからすれば、カテーテルを尿道に挿入する事も激痛を伴う。

 

 目尻に涙を浮かべ、悲鳴をあげるミカを見て、彼女達は悪魔のような笑みを浮かべた。

 

「ねぇ、どんなきぶ〜ん? 友達だと思っていたナギサさんとセイアさんに裏切られた気分は……あっはっは!! ねぇねぇどんな気分?」

 

「ふぃがぁ゛ぁ゛っ!?!? だずげ……あ゛ぇ゛ぇ゛っ!! んぎぃぃぃっ!?」

 

 無理矢理押し込み、膀胱へと届いたカテーテルに、今度は強酸が入った瓶の口を近付ける。そして、瓶をゆっくりと傾け、カテーテルを通して膀胱内へと強酸を注ぎ込んだ。

 

 ゆっくりと、ゆっくりと。尿が溜まっている膀胱へ、強酸が流れ込んでいく。

 

「や゛だや゛だや゛だ!!? だずげでだずげでだずげで!! ナ゛ギぢゃ゛!!? ゼイ゛ヤ゛ぢゃ゛!!?」

 

「はいざんね〜ん。そのナギサさんとセイアさんが下した判決で〜す」

 

「や゛め゛でぇ゛っ!!!? お゛ねがぃじまず!! だじゅげでぐだじゃい!!」

 

 恥も外聞もない。ミカは鼻水と涙で顔をぐしょぐしょにして泣き叫ぶ。

 

 しかし、その願いが聞き入れられる事はなく、瓶の中の強酸は、全てミカの膀胱へと注ぎ込まれた。

 

 それを皮切りに、これまで溜め込んでいた不満が……裏切られたという不満が爆発し、ミカは大声を張り上げ、慟哭した。

 

「っ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛〜〜〜〜っ!! な゛ん゛でな゛ん゛でな゛ん゛で!! ナ゛ギぢゃん゛はゲヘナとむずぼうどじだのに゛!! セイア゛ぢゃ゛んはいづもわだじをバガに゛じで……な゛の゛に゛な゛ん゛でな゛ん゛でな゛ん゛で!!? な゛んでわ゛だじだげぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛え゛!!?」

 

 ミカの叫びに、ナギサもセイアもびくりと震える。 

 

 セイアの場合、アリウスの襲撃を受け、被害に遭った立場だ。そして、ナギサもまた、セイアが襲撃された事で自身の命が危ういと感じ、疑心暗鬼の中で、せめてミカだけでも守ろうとした。

 

 しかし、事の真相は、ミカがアリウスを手引きし、様々な要因が重なった結果、エデン条約での悲劇が起きたといえるだろう。

 

 ミカもまた、詳細を知らない人達から見れば加害者なのだが、真相を知る者からすれば被害者でもある。

 

 それでも、自分の浅慮な行動で、トリニティやゲヘナ、そして、シャーレの先生にすら被害を齎した事に対する罪悪感から、自身の罪を甘んじて受け入れていた。

 

 ナギサとセイア。主犯格の生徒から脅されていた事を知らず、裏切られたと錯覚するまでは。

 

「な゛ん゛でわ゛だじだげぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛!?!? ナ゛ギぢゃんだずげで!!? だずげでよ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!?」

 

 膀胱内に、強酸が染み込んでいく感覚。内側から徐々に感じる痛みに、ミカは半狂乱になりながら、彼女達に懇願した。

 

「ふぇ゛ぇ゛っ!? お゛ねがいじまず!! なんでもじまずがらぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!! だじゅげで、だじゅげでぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛え゛!?!?」

 

「あははっ!! 助けるわけないじゃんば〜か!!」

 

「や゛だや゛だや゛だぁ!? ごわ゛い゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!? ごんなごどじにだぐないよ゛ぉ゛ぉ゛っ!? おねがい!! な゛ん゛でもしますがらだずげでぇ゛ぇ゛え゛え゛え!?!?」

 

「何でもする? それじゃあお願いしよっかなぁ……うん、罪を償えば〜〜〜〜か」

 

 無慈悲な言葉を最後に、膀胱内に溜まった強酸が、内側から膀胱を溶かし始め、焼けるような激痛と共に、ミカの膀胱を破壊した。

 

「い゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!! い゛だい゛い゛だい゛い゛だ゛い゛ぃ゛ぃ゛っ!? じんじゃゔじんじゃゔじんじゃゔゔゔっ!? だずげでっ!! お゛ね゛がぃだがらぁっ!? だじゅげでぇぇぇぇっ!!!?」

 

 泣きじゃくり、痛みと恐怖に発狂したように悶えるミカ。そんなミカを眺めながら、主犯格の生徒は無慈悲に最後の仕上げに入った。

 

「仕方がないなぁ。私達は優しいからねぇ、助けてあげるよ」

 

 そう言って、ミカをトイレの個室から引き摺り出すと、ナギサとセイアに見える位置に転がし、ミカの周りに集まってきた。

 

 その手には改造されたスタンガンが握られ、のたうち回るミカの身体に押し当てると、最大出力で電流を流した。

 

「がぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!? あ゛ぇ゛……ゔぐぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!?」

 

 身体を痙攣させ、ブスブスと焦げ臭いにおいと黒煙を上げるミカの身体。それに愉悦混じりの笑い声をあげながら、主犯格の生徒はミカの胸に再びスタンガンを当てると、最大出力で電流を流した。

 

「ーーーーっ!!!?!! ーーーー!!?!! ーー!! ー!! っ!!?!!」

 

 声にならない悲鳴と共に、壊れた玩具のようにガクガクと震え、時折ブルリと身体を大きく痙攣させ、やがてミカは動かなくなった。

 

 それでも暫くの間、電流を流し続けた後、主犯格の生徒はスタンガンを止めると、ミカの身体は煙を上げ、所々がブスブスと焼け焦げていた。

 

「うっわ〜……くっさいねぇ」

 

 主犯格の生徒が靴の底でミカの身体を踏み躙る。靴底に、グジュゥリと、卵を潰したような感覚を覚えた。

 

「あっちゃ〜……靴が汚れちゃったよ〜」

 

 ボロボロの状態で横たわるミカの横にしゃがむと、主犯格の生徒は口元に手を当て、まだ呼吸しているか確認する。

 

「うん、まだ呼吸してるね。安心安心」

 

 そう言って、主犯格の生徒はミカの髪を鷲掴みにして引き摺ると、再びトイレの個室に投げ捨てた。

 

「ご苦労様、セイアさん、ナギサさん。それじゃあ帰ろっか」

 

 主犯格の生徒はそれだけ言うと、未だに放心状態のナギサとセイアはフラフラの状態で立ち上がると、トイレの個室から解放され、ミカのいる個室へと目を向けた。見るも無惨な姿のミカを見て、2人はボロボロと涙を流しながら呟いた。

 

「ミカさん……ごめんなさい……」

 

「すまない……ミカ……本当に……すまない」

 

「な〜に言ってるの? ミカさんは大丈夫だよ。身体とか丈夫だし、放置しててもその内通報されて回収されるんだから。まぁ、その間、何されるかわからないけどねぇ」

 

 その言葉に、2人は主犯格の生徒からどうしようもない恐怖が湧き上がり、身体を震わせた。

 

「それじゃあ、2人共、帰ろっか」

 

 2人の肩を抱き、公共トイレから出て、そのまま帰宅する。

 

 後日……正確にはこの件から一週間後に、トイレの個室から、使い込まれたミカが発見され、救急病院へと搬送された。

 

 そして、長時間にわたる手術の結果、奇跡的に意識は取り戻したが、彼女が元の生活を送る事は二度となかった事は言うまでもない。




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