ブラボールの研究室。
そこで彼と加奈は、最後の夜を過ごしていた。
椅子に座って寛ぐブラボール。アリスはその足元に跪いて、彼の股間に顔を寄せて、屹立した逸物を優しく愛撫していた。
上目遣いで主人のようにブラボールを見上げる碧眼のその奥に、赤い光が点のように小さく灯っている。
『いいぞ。大分上手になってきた』
「~~♪……」
さすさす、と大きな掌が頭を撫で、うさ耳カチューシャを指先が弄ぶのを、嬉しそうに眦を緩ませて受け入れるアリス。その間も彼女は手を、舌を休ませる事無く、鋼の逸物に舌を押し付けるようにして丹念に嘗めしゃぶり、指先でさすさすと撫でまわす。まんべんなく涎と先走りの混合物で逸物全体がぬかるむと、一度手を離し、くちくちと指でしごき上げる。
「ん……どうかな、おじさん……気持ちいい……?」
『ああ』
正直言うとまだまだ拙い指使いというのがブラボールの本音だが、魔法少女が足元に傅き、丹念に愛情をこめて奉仕してくれているというシチュエーションだけで射精に至りそうだ。
満足気に目を細める彼の反応に小さく微笑み、アリスはちゅ、と先走りを浮かべる鈴口にキスをした。
そして、先端を小さく咥えながら、しゅ、しゅと手淫を続ける。
「あむ、むぅ……ん、ぺろぺろ……んちゅ……んぅ」
『ふぅ……ああ、いいぞ。股座に熱いものが込み上がってくる……』
満足気な反応を見て、アリスは目を伏せるとぐぷぷ……と鋼の逸物を口いっぱいに咥え込んだ。そして、ゆっくりと口内をすぼめながら前後させる。ぐちぐち、と口の中で舌を動かしてなめしゃぶるのも忘れない。
「んっ、んっ、んぅ……」
『ふぅ……もう少しだ、備えろ』
その健気で熱心な奉仕に、ブラボールも限界が近い。合図を受けたアリスは口を離すどころか、より一層熱心に逸物を咥え込む。
『く……出るっ』
最後に一際深く咥え込んだ瞬間、ビクビクッ、と逸物が痙攣し、粘ついた特濃の精液が噴き出される。耐久セックスで一度空になるまで出しつくしたからか、多少薄まってはいたものの、それでも平均的な人間男性のそれとは比べものにならない程濃く、粘度の高い精液。文字通り口の中に張り付くようなそれを受け入れたアリスは目を白黒させずとも咳き込むのだけは避けて、ゆっくりと口から逸物を吐き出した。
根本からずるずるとしごきあげるようにして、尿道に残った精液を吸い出していく。最後に鈴口から唇に白くチーズのように伸びる糸を引いて、彼女は顔を離した。
そのまましかめっつらで、口の中をもごもごさせて……ごくん。
「……えほっ、げほっ。おじさんの、げほっ、濃すぎ……。喉に引っかかる……うぇえー……」
『ほれ、水だ』
「あ、ありがと……」
水の入ったコップを手渡され、ぐびぐびと飲み干すアリス。空になったコップを抱えて、なおも彼女はげーげーと舌を出して呻いた。
「に、苦いしべとつくし変な臭いする……うげえ……」
『別に飲み干せとは言ってないぞ?』
「だって……そうした方が、おじさんは嬉しいでしょ?」
ブラボールの正論に、口元の残滓を拭いつつ、アリスはしれっとそんな事を言う。
嬉しい事を言ってくれるものだ、と思いつつ、ブラボールは好色に眦をゆがめつつアリスを見下ろした。
『人のせいにするもんじゃないな。立って、スカートをめくれ』
「……っ。は、はい……」
強い語気で命令され、アリスはふらふらと立ち上がった。そして、白いエプロンドレス、その下の青いドレスの裾に手をかけると、ブラボールに見えるように大きく捲り上げた。
その下にある彼女の下半身は、下着もなく肌がむき出しのまま。
露になった秘所の周りは分泌液でしとどに潤い、今も太ももにどろりと白濁した愛液を滴らせている。
「い、いいつけ通り、下着は履いてません……」
『それはいいが、なんだその濡れ方は。私に奉仕しながら、自分も昂っていたのか?』
「は、はい……。このあと、どんな風に滅茶苦茶に犯されるのかな、って、そう考えたら、子宮がずきずき疼いて……」
しおらしくうさ耳を伏せて、哀れっぽい口調で答えるアリス。だがその実、そう言わされることで彼女自身も強く興奮しているのは明白だ。今も、こぽり、と愛液の滴が膣口から押し出されるようにして秘所からこぼれ、床に滴って銀色の糸を引いている。
『滅茶苦茶に犯される、か。……どんな風にされるのを想像した? 言ってみろ』
「……っ、えと、その……このまま、立ったまま、反り返った逸物で引っ掛けられるように挿入されて、おじさんの……ブラボールさんの腰の上に持ち上げられて……っ、ふぅ……んぅ……腰を掴まれて、物みたいにぐりぐり、膣をかき混ぜられて、何度も、何度もイっても許してもらえなくて……っ! ふぅ、はぁ……また、お腹が膨らむぐらい、いっぱい、射精……っ」
自分で口にしていて昂ったのだろう、ぶるり、とアリスが肩を震わせる。
その瞳がどろりと淫蕩に濁るのを目の当たりにして、ブラボールは深く精神的な充足を覚えつつ、肉体的な快楽の期待に逸物をますます昂らせた。
もう、無垢で正義感に満ちた魔法少女セイントミラー・アリスはここにはいない。
居るのは、上位の雄に組み伏せられ、犯され、散々に快楽に泣き叫ぶ悦びをしってしまった、一匹の哀れな雌である。たかだか17年前後で培われた独特や倫理観など、体の奥底から噴き出してくる本能の前では薄紙のようなものでしかない。
それでも、彼女にはまだ一粒の矜持が残っている。輝ける宝石のようなそれを、ブラボールはあえて踏みつぶさなかった。
……アリスに入れ込んでいる自覚はある。だが、あくまで彼女は魔軍の為に引き込んだという前提を忘れてはいけない。
『くくく……まあ、待て。その前に、お前に話がある』
「え……」
『そうお預けにショックを受けたような顔をするな。そもそも、お前を何故、手元に引き入れようとしたか、その話をそろそろしようと思ってな』
ギッ、と椅子に身を預けるブラボールに、空気が変わったのを見て取り、アリスはそっとスカートを降ろした。火照った体を持て余すように、もじもじと肩をゆする。
「えっと……私が可愛いから愛人にしようと思った、とかじゃなくて……?」
『それは後付けの理由だな。私は最初から、ある理由で魔法少女を味方に引き入れるつもりだった。人間界に言っていたのは、その下準備のための偵察だ。まずは状況を把握しようと思ってな。……まあ、結果的にはこんな事になったが』
そのまま流れで、魔法少女を要塞に連れ帰ってしまう事になるとは思わなかったが。
そう言いたげなブラボールの含ませに、そっとアリスは気恥ずかしそうに視線を逸らした。
「え、えっと、なんででしょうね、あはは……」
『……まあいい、結果オーライという奴だ。それで、何故魔法少女を引き入れようとしたか、という事だが……』
びく、とアリスの肩が小さく跳ねる。
硬く身を寄せる彼女の反応に、ブラボールは何を考えているのか見て取り、小さく笑った。
これだけ堕ちても人道に反する事は拒む気概がある、なんだかんだで芯がある女だ。そういう娘を、ブラボールは嫌いではない。
勿論、あと数か月も時間があればどのような残虐非道な命令をも受け入れる従順な奴隷に仕立て上げる自信はあるが、そこまでいくと只の壊れた人形だ。それは望ましくない。
『安心しろ、お前に仲間の魔法少女を殺せとか、人間界で破壊工作をしろ、とか命じるつもりは毛頭ない。私がお前に望んでいるのは、探し物だ……そもそも、お前達は何故、我々魔軍が人間界に攻め入ったか、どう認識している?」
「え? それは……」
ブラボールの質問に、アリスはちょっと虚空を仰ぎ見て、言葉を選ぶように沈黙する。
「……人間界を征服しにきた、とかじゃ?」
『違う。むしろその逆だ。我々は、故郷である魔界の破滅を食い止めるために人間界に来たのだ』
「はえ……?」
きょとんとするアリスに、ブラボールは彼らの事情を語って聞かせた。
魔界からどこかにエネルギーが吸い出されており、このままでは不毛の地になってしまう事。そのエネルギーが吸い出された先が、人間界である事。
その為方法は分からないものの、人間界が魔界のエネルギーを吸い上げていると推測し、それを停めに来たのだと。
初めて聞くであろう魔界の事情に、アリスは目を白黒させる。
「え……そうなの? 私てっきり、人間を奴隷にしにきたのだとかとばっかり……」
『……一応聞くが、その理由は……』
「いやだって最初にきたビーストマン一族って人達、無節操に暴れたり魔法少女を襲ったりとかばっかりだったから……」
アリスの言葉に、そりゃそうなるよなあ、とブラボールは困ったように頭に手を当てた。
一方、理解が追いついてきたのか、アリスの方は訝し気に眉をひそめる。
「え、まって。それ……暴れる必要どこにもなくない? むしろなんで暴れたの?」
『こっちが聞きたい。いや、魔族は力こそ全て、の考えが強いからな。最初は魔法少女の存在もわかってなかったし、暴れて人間達を屈服させた上で目的を達成しようとしたのだろうが……』
その目論見はある程度魔法少女が強くなった段階でご破算だった。
そこから方針転換できればよかったのだが、結果はご覧のとおりである。
「いやでも新しく来た人達もなんか暴れてるばっかりじゃなかった?」
『……力任せに話を進める事しかしらん馬鹿ばかりなんだ、魔軍は』
「え、でもおじさんはスマートに話進めようとしたじゃん。私達を助けようとしてくれたし……ええ?」
混乱してきたのか、頭を抱えて首を振るアリス。
ブラボールは諦めの境地で平たい目をした。
『私達魔人族は肉体が弱いせいで、魔軍の中でもほとんどの連中にパシリみたいな扱いをされてる。他を差し置いて人間界侵攻なんぞしたら、どんな嫌がらせを受けるか分かったものではない。故に、周囲にも極秘で単独行動をしていたのだ、魔王様の命令でな』
「魔王……あっ、そういうのも居るんだ。ちゃんと」
『魔王様は聡明なお方だ。機会があればお前とも話をさせたいが、今は無理だな』
しかし、状況を考えると頭が痛いな、と彼は改めて思う。
考えるまでもなく最初にビーストマン一族が暴れ散らかしたのが話をややこしくしているのは間違いない。
一方、アリスは状況を理解した事で、どうやら己に何を求められているのかを理解したようだった。
「そっか……じゃあ、おじさんが私に求めている事って……」
『魔軍の目として、魔界からエネルギーを吸い上げているのが何か……それを調べて欲しい。我々が直接出向いて調べるのは難しいからな』
「なるほど。人間にも被害を出さずに、むしろ魔軍の侵略を終わらせられるっていうなら、大歓迎! あ、でも、暴れてる魔軍の人達、どうしよう。放っておくのは、難しいかも……」
もし目の前で被害が出ていたら、見過ごす訳にはいかない、したくない。そう目で訴えてくるアリスに、ブラボールは小さく首を振った。
『構わん。むしろぶちのめしてしまえ』
「い、いいの?」
『同じ魔軍でも連中は実質敵みたいなもんだ。むしろそうやってお前が魔法少女として活躍し、人間達の中枢に近づけばそれだけ真相も探りやすくなる。一石二鳥だ。お前も、暴れて人間達に迷惑をかけるような連中にかける手心はないだろう?』
正直な話、魔軍は幹部達が好き勝手しすぎてまとまりがない。敵である魔法少女を利用して間引きしてしまうというのも一つの手だ。
ブラボールの忠誠は魔軍、魔界、そして魔王様にこそあり、他の有象無象などどうでもいいのである。むしろこの期に及んで暴れるだけの連中など、敵も同然だ。
「わ、わかった……頑張る……」
『よし。いい子だ……お前を人間界に戻した後は、定期的にこちらへのゲートを開く。このゲートにも色々都合があってな……詳細は省くが、自由にゲートを開く装置は一個しかなくて、それは外と共同で使っている。魔人族が独自に使えるゲートは、展開に準備が居る……こちらとの出入りは、日時をしっかり決めて行わなければならない』
実際は外にも、魔力の高い存在を送り込むには同じく大量の魔力を消費する為時間がかかる、などの多くの制限がある。時間の流れの違いがあるにも関わらず、人間界の時間基準でもそう頻繁に襲撃がある訳ではないのはそのせいである。
そこまではまだ、アリスに聞かせられる情報ではないが。
それはともかく、魔法少女はブラボールの言葉に真剣に聞き入り、コクコクと頷いた。そこには、そのまま逃げ出そう、なんていう考えは微塵もないように見える。
「だ、大体わかったよ。……えと、首輪はどうするの?」
『一応念のため、形を変えてお前に監視装置はつける。くくく、今更お前が裏切る、だなんて思ってはいない。むしろ、私と手切れしたら困るのはお前の方だものな、セイントミラー・アリス?』
揶揄するようにフルネームで名前を呼ばれて、彼女は頬を赤くして視線をそらした。もじもじ、とその腰が所在なさげに揺れる。
『人間界のどんな男に抱かれても、お前がここで味わった快感は決して味わえない。永遠に疼く体を抱えたまま、欲求不満を抱えて生きていくというなら、それでもいいが……』
「や、やだ……っ、裏切らないから、それだけは……っ」
ブラボールの言葉に、アリスが血相を変えて縋り付いてくる。その瞳は動揺に揺れており、眦に涙が浮かんでいた。2週間前は雄の性欲を前に恐怖で浮いていた雫が、今やその喪失を恐れて流れている。
変わり果てた魔法少女の動揺は、ブラボールを満足させるのに十分だった。
「な、なんでも、なんでもしますからっ! ブラボールさんの言いつけ通りにします、だから、だから……」
『わかってる、わかってる。……何も心配する事はない、私の命令を聞いている限り、お前に望むだけ、いや、望む以上の歓びを与えてやる』
そっと指先で彼女の眦に浮かぶ涙をぬぐいさると、ブラボールはそのまま彼女の顎に手をやった。
くい、と顎を引き上げて、正面からその瞳を覗き込む。
その瞳の奥に灯る赤い光……彼女の体に染み込んだ魔族の魔力が可視化されたもの。アリスの体に染み込んだ魔力は、少しずつ還元され、その分だけ今も彼女の芯を淫欲の炎で炙り続けている。
『お前を人間界に戻す前に、快楽の先払いと行こう。次はお前の主体時間で1週間後だ。それまでに主人の事を忘れないよう、しっかりと覚え込ませてやろう』
「あ……は、はい……お願いします、ブラボールさん……っ」
四肢に絡みついてくる機械触手。ドレスの下に潜り込み、胸や腰に絡みついてくる冷たい金属の感触を、アリスはうっとりと笑みを浮かべて受け入れる。
くちゅり、と触手が潜り込んだ女陰が、粘ついた音を立てた。
その夜、ブラボールの研究室からは嬌声は途絶える事はなく。
翌日。
セイントミラー・アリスこと天谷加奈は、魔人族達に見守られながら、人間界に帰還した。
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