※この作品はR-18です。

魔法少女★セイントミラー・アリス   作:SIS

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第九話 決意の導く快楽の扉★

 

 

 

 

 要塞に忍び込み、ブラボールに庇われて廊下を歩いていた時の事だ。

 

 気まずい空気に黙りこくりながら、加奈は前を行く彼の背を見つめていた。

 

 分厚く大きな彼の背中。だがそこには、まだ癒えぬ傷が刻まれている。それを見て、彼女は初めて出会った時の事を思い出す。

 

 加奈は、その時の事をきっと未来永劫、忘れることはないだろう。

 

『動くな! 体の下にいろ!』

 

 頭上から落ちてくる巨大なビルの残骸。空が落ちてきたのかと錯覚するような、それは恐ろしい光景だったが、加奈の目に強く焼き付いたのはその手前、自分達を守るように抱きかかえる鉄の塊のような男の存在だった。

 

 油と、鉄の臭いがするヒト。

 

 彼が何者かわからないほど、加奈は世間知らずではない。きっと今世間を騒がせている魔軍とやらの一員なのだと、朧げに理解していた。

 

 だからこそ、彼女はその姿がとても雄々しく、尊いものに見えた。

 

 敵だとか、味方だとか、そういう理屈を越えて、彼はただ命を守ろうとしていたのだ。

 

「(助けたい)」

 

 助けなくては。そんな強い気持ちが加奈の胸に生まれたその時。

 

 光が、視界を覆いつくした。

 

「これ、は……」

 

 落ちてくるビルが、空中で止まっている。加奈と子供を庇うように抱きしめる男も、幼子の泣き声も、空中に落ちる瓦礫の破片も何もかもが、縫い留められたように動きを止めていた。

 

 世界が、停止している。

 

 その中で、一つだけ動くものがあった。

 

「光……」

 

 ふわり、と宙を漂って、加奈の元にやってくる一握りの光。なんとはなしに伸ばした彼女の手の中に、その光が舞い降りる。

 

 その瞬間に、天啓のようなヴィジョンが、加奈の脳裏に煌めいた。

 

 

 

 油にまみれた、黒い鎧の戦士。そのたくましい腕に抱かれた、金髪の少女。二人はともに、天高く輝く星に、手を伸ばしている。

 

 

 

 意味は分からない。意図はわからない。

 

 ただ加奈は、それを予言として受け取った。

 

 この、人の世界を脅かす存在であるはずの黒い男が、それにも関わらず命を投げうって見ず知らずの子供を救おうとしているヒトが、きっと加奈を運命にいざなってくれるのだと。

 

 彼女は、そう信じたのだ。

 

 気が付けば、光は消えて、手の中にコンパクトが一つ。

 

 使い方は、誰に教わるでもなくわかっていた。

 

 

 

「人の夢は世界の未来……セイントミラー・アリス! ここに誕生!」

 

 

 

 あの天啓が、何を伝えたかったのか、何を意味するのかは、まだ加奈にはわからない。

 

 自分の力だって、まだよくわかっていない。時折聞こえてくる“囁き”が、いかなるものかも彼女はまだ理解していない。

 

 だからこそ、本当にブラボールが、世間で言われているような悪しき者なのか、自分で確かめると彼女は決意した。

 

 そして再開を期して事故現場を見張り、なんとか彼の姿を捕まえる事ができた。まあ、その後、彼を逃がしそうになった事に焦って、考えなしにワープゲートに飛び込んでしまったのは、本当に失敗である。

 

 正直、怖くて怖くて泣きそうだった。加奈だって考えなしのお花畑ではない、自分に待ち受ける運命がどのようなものか、想像は容易かった。

 

 だからこそ、ブラボールに庇われた時は、涙が出るほどうれしかった。

 

 故に、どのような展開になっても後悔しない、そう決めて彼の後をついていったのだが……。

 

「(私……何、やってるんだろう……?)」

 

 気が付けば、加奈はブラボールの自室で、彼の一部でもある触手に体を弄られ、甘い声を漏らしながら身を捩っている。

 

「ん……は、……あぁ……あ」

 

『男を誘った割には、経験がないようだな。色気の無い声だ』

 

「そ……んな事、言われ……んぅっ」

 

 魔法少女の可愛らしい衣装。その外側を、内側を、冷たい金属の触手がするすると這いまわっている。冷たいそれが肌に触れるのに感じる違和感も、すぐに体温が馴染んで薄れていく。

 

 衣装をしわくちゃにしながらそれが動く度に、鼻にかかったような声が、意図せずに加奈の口から零れた。

 

 その、本当に自分の口から零れたとは思えない、甘ったるく媚びるような声に、一番びっくりしているのは加奈自身だ。

 

 自分がどうなってしまったのか、さっぱりわからない。

 

 ただ一ついえるのは、多分。

 

 加奈も、ブラボールも、きっとまともではない。

 

『ふむ。ただ弄るだけというのも芸がないな。趣向を変えてみようか』

 

「え……んんぅっ!? あっ、こ、これって……んぅっ!?」

 

『どうだ? 私の触手はこのような事もできる』

 

 ヴぃいいい、と肌を震わせる細やかな振動。触手の丸まった先端が、細かくバイブレーションしながら、加奈の肌を弄っている。ぐ、と肌に震える先端が押し付けられると、柔らかな肌、その下の脂肪を震わせて、振動が骨や内臓に響く。

 

 しかしその先端が、意図して胸や腹部に押し当てられると、加奈の声が一段跳ね上がった。

 

「あ……ぁあっ!? あっ?! ふ、震え……んんぅっ!?」

 

『くくく。おぼこでも少しは感じるか。その生ぬるい性感を楽しめるのも今のうちだけだ、精々味わっておけ』

 

「は……あっ、んぅ……あ、あ……っ」

 

 巻き付き、絡みつくようにして、触手の震える先端が加奈の体を調べるように通り過ぎていく。途中、途中で“良い”ところに押し当てながらも、そこに執着する事もなくあっさりと次に向かう触手。

 

 安堵と落胆が入り混じる反応を見せる加奈の体を、触手達は好き放題に這いまわり、今やすっかりその衣装はくしゃくしゃになっていた。ドレスはめくれあがってその下のショーツを晒し、エプロンドレスは外れかけて体にひっかかっているだけ。襟元は大きくはだけられて胸の谷間まで露になっている。その谷間には、びっしりと汗が浮いていた。

 

『さて、少し趣向を変えようか』

 

 そういってブラボールは触手を伸ばして部屋の隅から一つのビンを取った。その中身を、逆さに振ってだばりと片手に振りかける。

 

 透明な粘液。ぬちゃぬちゃと糸を引いてきらきら輝くそれを、茫とした視線で加奈は見つめた。

 

『魔力を変質させて作った、摩擦を軽減する粘液だ。人間界にも似たようなものがあるらしいな』

 

「あ……そ、それ……」

 

『くく。人体には無害だが、私の魔力が込められたこの粘液、お前の肌にはなじむかな?』

 

 ぬちぬち、と音を立てて触手に粘液を塗りたくる。

 

 そして加奈の体を弄る触手と交代する形で、粘液でテカテカする触手がドレスの裾から潜り込んだ。

 

「つめた……あ……っ! は、あ……っ!?」

 

『どうだ? 全然違うだろう?』

 

「あ……や……っ! これ、んぅ……っ!」

 

 最初こそ冷たさに声が上がったものの、肌に薄く粘液が塗りたくられるとすぐに違和感も消える。そしてあとは、僅かな引っかかりもなく、ぬめぬめと這いまわる密着した触手の感覚。どこかもどかしさがあった隙間が埋められて、これまで以上に触手の存在を強く感じる。

 

 そしてそれだけではない。

 

「(これ、おじさんの匂い……感じる……っ)」

 

 ブラボール自身の魔力で作り出された、と聞いたからだろうか。肌に纏わりついてくる、べとべとしてぬめついた粘液……それに彼自身の存在をどうしても感じてしまう。普通に考えれば快いとはいえない、少しすえたような油混じりの香り……それを一息吸い込むと、ぐらっ、と体の奥が熱くなる。

 

 一方、触手は粘液を一通り加奈の体に塗りたくると、先のように振動しながら蠢き始めた。

 

「ん、あぁ……さっきと、ぁ……あっ!? あぁっ!」

 

 違う。

 

 先のように、ではない。

 

 触手は明らかに、振動が響く場所を選んで触れている。乳房、へその下、背中、太もも……そして、それまで触れていなかった内股を、ずるりと触手が這いまわり、ショーツの上に震えるその先端を軽く近づけた。

 

 

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