タイラズマ+1(元カノ→妹) ~3人の愛と欲~ 分割版 作:eronosuke
第1話 接触 ☆(東×平 強制キス)
午後三時。マンション七階の東宅。夕暮れに染まり始めた陽光がフローリングに溜まっている。ノック音とともに現れた平は、学校帰りのままのバッグを肩から提げていた。
「急にゴメンね」
「いや。俺も問題集でわからない所あったし……」
ソファ前のローテーブルに教材を広げ始める平の横に座る。肘が触れ合う程度の間隔を保ちながら、東はあえて背筋を伸ばさずに重心を傾けた。鎖骨の谷間が見え隠れする角度だ。
「疲れた? 肩凝りするなら揉んであげるよっか?」
「えっ……いや大丈夫、勉強しに来ただけだから」
否定しながらも平は僅かに息を詰まらせた。シャープペンを持つ右手が微かに震えている。東の計算通りだった。
三十分が経過した頃、東は唐突に席を立つ。
「ちょっと休憩しよ。コーヒー淹れてくる」
キッチンへ向かう間際、棚から取り出したカップは一つだけ。砂糖もミルクも入れず注ぎ切る。
平にそれを手渡した直後、自分用のグラスに氷水を注ぐフリをして視線を逸らす。
「あのさ、東」
怪しげな空気を感じた平が東を見ながら問う。
「俺、何か変なことしたか?」
「……」
沈黙。東はゆっくり歩み寄り、平の膝の間に割り込むようにしゃがみ込んだ。制服のスカートが床に広がり、下着の裾が覗く。
「ねえ、平。元カノさんと、こういう雰囲気になったことある?」
平の頬が朱に染まる。逃げようとする肩を掴んで押し止めた瞬間──彼の身体は硬直した。まるで捕食者に見据えられた草食動物のように。
「怖がらなくていいよ。嫌なら止めればいい。でも止めないで」
東の瞳孔が開く。猫科の獣のような虹彩が平の顔を映す。
「お願い。私のものになって」
吐息混じりの懇願が平の鼓膜を溶かした刹那。
東は身体を跳ね上げるように立ち上がり、そのまま勢いでベッドへ彼を押し倒した。シーツに広がる栗色の髪と、逆光で艶めく白い肌。床に転がるテキストブックが乾いた音を立てた。
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馬乗りになった東は平の両手首を抑え込む。抵抗しようと爪先を立てる平だったが、東の巧みなボディコントロールに完全に封じ込まれる。呼吸が荒い。互いの胸板越しに心拍が共鳴する。
「やめ──」
平が言いかけた時。
東は右手で彼の顎を掬い、唇を塞いだ。
初めは押し付けるだけの軟らかな接触。だが次の瞬間には舌が捩じ込まれる。粘膜と粘膜がぶつかる淫靡な音。平の口腔内を犯す舌先が歯列を舐め、上顎を撫で、喉奥へ滑り込む。酸欠と快楽の狭間で平の脳が痺れた。
唾液が糸を引く。唇が離れた瞬間、透明な橋がかかり、滴り落ちる。
「……っふ。最後のチャンス。これ以上進んだらもう戻れない」
平の焦点は揺らいでいた。涙腺から溢れた水分が睫毛を濡らし、頬を伝う。それは恐怖なのか悦びなのか──東には判別不能だ。しかし彼の下腹部が膨張していることだけは確かだった。
東の指がジーンズのベルトを外しにかかる。金属の擦れる甲高い音が響く。
「平の全部、私のものにするから」
「……なに言って」
「黙って。もう決めたから」
冷や汗で額に張り付く前髪を払いながら、東は微笑む。かつて誰かのために泣いたことなど忘れるほど冷酷な笑みだった。膣口が熱く疼き、太腿を伝う液体がシーツを濡らしている。
(もっと深く。もっと密に。こんな“ふわふわ”じゃない。――平を根本から犯さなきゃ)
舌舐めずりすると唇に血が滲んだ。鉄錆の味。それさえも今の東にとっては媚薬だ。
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これから平の人生を“破壊”する計画の第一歩が始まる。東は自らを守る殻を剥がし、かつてない獰猛さで牙を突き立てた。欲望と嫉妬と愛情の境界線などとうに失せている。
彼女が欲しているのは“平秀司という存在全て”。
それは元カノへの報復よりも遥かに根源的な渇きだ。
窓の外では、遠雷が空気を震わせた。雨雲がビルの隙間を這い、雷光がカーテン越しに室内を赤く染める。嵐の予兆。東はその轟音を胎内で震わせながら、第二幕へと滑り込む準備を整えた。