女尊男卑な異世界で成り上がるためにはわからセックスが必要らしい 作:ベリーナイスメル/靴下香
「ん、ちゅっ、ちゅ♡ んれぇ……ぷぁ。す、ごいね♡ すごくて、すごい熱い、よぉ♡」
唇と唇で触れ合えない代わりにとばかりに、キュリオはカツオの肉棒へとキスの雨を降らせた。
キスする度に小さく振るえる先端は可愛らしいを通り越して、既に愛おしい。
上手くできないかもしれないとは何の謙遜だったのか、あるいはこれもキュリオの妄想の一つだったのだろう、男の性器へと奉仕するなどと、間違いなく現実に起こりえないことだったのだから。
「キュリオさん、気持ちいい、ですよ」
「ん……♡ 良かった♡ もっと、気持ちよく、なってぇ♡ はぁ、ん……♡」
そうとも、この男根への奉仕とはアブノーマルプレイである。
すなわち普通ではない、現実に起こりえないということがキュリオの頭と子宮を焼いた。
(お、美味しい、よぅ♡ ミーナの、お汁と同じ、くらぃ♡ もっと、もっと♡ のみ、たいぃ♡)
次第に口淫の激しさも増していく。
ペロペロと先っぽを舐めて味わっていたと思えば、次は根本から舐りあげ、垂れる我慢汁を吸い上げる。
「んんぅっ♡ はぁ、むっ♡ おいひ、じゅるっ♡ んちゅっ♡ れ、ぇ……♡ はぁぷっ♡ んっ♡ んっ♡ んんっ♡」
ついには舐めとるなんて煩わしいと咥えこんだ。
キュリオの咥内に広がる肉棒の味が、更にキュリオの理性と現実感を溶かしていく。
まさしく夢中、夢心地。
現実的にあり得ない行為へと、快楽へと心を奪われていく。
「随分、上手ですね? 咥えた数これ、何本目です?」
「んぶっ!? んぐ、けほ、こほっ。そ、そんなの、きか、ないでよ……というか、はじめて、だし」
「そうだったんですか。俺はてっきり……」
「て、てっきり、なに?」
聞かないでと言った割に、キュリオの瞳は期待に濡れていた。
あり得ないということが背徳感のようなものを煽り、キュリオへと快楽を与えている。
何を言ってくれるのか、想像もつかないことで、自分のこの熱を、もっと昂らせてくれるのではないか。
「男のチンポに奉仕するの、めちゃくちゃ好きなんだと思ってましたよ……ドスケベキュリオさん?」
「~~~~っ♡♡♡」
ぷしゃあぁっ♡
何処か、蔑むかのようなカツオの目が言葉と共にキュリオへ降り注いだ瞬間に股座から潮が吹き出た。
床につけていた膝頭が震えた、腰に電気のようなものが奔った。
否定しなくてはならない、否定しなければ女ではなく、男に快楽を強請る浅ましく卑しいメスだと認めることになってしまう。
「ち、ちがっ――んぐぅっ!?」
だが、許されなかった、許してくれなかった。
「違う、なんて言わせませんよキュリオさん。スケベ面晒してむしゃぶりついてたじゃないですか。ええ、違うはずだ、違うに決まっている。だからもっとやってあげますね?」
「おごっ――んぶっ、んぐぐぐぐっ」
そう、カツオは許さなかった。
キュリオの頭を掴み、口へと再び肉棒を突っ込み、そのまま乱暴にピストンを始める。
お前はもうこの世界の女ではないのだと、男に媚びへつらい快楽を強請り無様な姿を晒す、メスなのだという事実から逃げることを許さなかった。
(あ、あ、あ――ありえ、ない、よぅ♡ あり得ない、のにぃ……あ、はぁ♡ め、めす♡ めす、って♡ きもち、いいっ♡ つかわれる、の♡ しゅご、いぃっ♡)
認めざるを得ない、認めるしかない。
だってそうだ、これはあり得ない事だから。
あり得ないことに弱くたって仕方がない、だって自分は使って良いって言ったのだし、と。
カツオの肉棒をかみ切ることだって容易にできただろうに、キュリオはしなかった。
それどころかより味わえるようにと口を窄めて吸い上げすらした。
「っ――ははっ! やっぱ、そうじゃないですか! 今の顔、ミーナさんでしたか? 見せてあげたいですよ!
ほらっ! 引っこ抜こうとしても行かないでって唇引っ付いてきてますよ? あー! たまんねー!」
認めてしまえば何もかもが気持ち良かった。
喉奥を突かれるたびに、キュリオは甘イキしたし、ぴゅ♡ ぴゅっ♡ と膣から悦びの蜜が飛び出た。
(しゅごいっ♡ しゅごいよカッツォさんっ♡ どうしてっ♡ どうしてこんなことができちゃうのっ♡ 言えちゃうのっ♡ 素敵すぎる、よぉっ♡)
酸欠で薄まり始めたキュリオの脳内を占めるのはもうカツオへの願いだけ。
もっと気持ち良くなりたい、だからもっと気持ち良くなって、気持ち良くなるために自分を使ってというメスの願いだけ。
「あー上って来た、きたきたぁ……おい、キュリオッ!」
「っ!!」
「零すなよ? 全部飲め」
(~~~~っ♡♡♡ はいっ♡ 飲みますっ♡ 飲ませてくださいっ♡ たくさんっ♡ あたしでお射精してくださいっ♡)
必死に了承の意を伝えるべく頭を縦に何度も振ろうとするキュリオへ向けて、カツオは腰の動きを速め。
「――んぶっ♡♡♡」
(お、おいひ♡ しゅぎ、るぅ……♡)
キュリオの喉奥を擦り上げ、股座から広がっていくシミに愉悦を覚えながら射精した。
「そ、そんな、見ない、で……はずか、しい」
「魅力的なモノから目を離せなくなるのは仕方ないだろう?」
「はうぅ……」
「キレイだぞ、キュリオ」
羞恥に悶えベッド上で肢体を捩るキュリオは、ショートケーキに乗ったイチゴのようだった。
改めて、ではあるが。
ヒロイン化希望アンケート堂々一位は伊達ではないと言うべきだろう。
眠たげな半目から覗く茶色い瞳、整えられているとは言えない寝癖で緩くカールしている肩口までに広がる黒髪。
胸を見れば少し手に余るくらいの大きさでチンコを挟むには丁度良く、胸か尻か戦争が起きるくらいには大きく叩き甲斐があるだろう臀部。
ダウナー系にして自分がモテるなんて思っていない勘違い喪女と言った性格も相まって、彼女をわからせたいと願うプレイヤーは多かった。
「じゃあ、触るぞ」
「う、ん……や、やさしく、おねがい、します。んっ……」
ゆっくりとカツオの指がキュリオの髪を擽った。
特別、カツオは性経験が豊富なわけではない。最低限性行為を苦痛なく完遂できる程度には覚えがある程度だ。
更に言えば、カッツォのステータスにしてもこれが初めての性経験であり、性に関するスキルはまだ習得できていない。
故に、仕方ないと言うべきか。
(ん……心地、いい……けど)
キュリオの胸に沸き起こるのは物足りなさ。
(あ、首筋……ふ、ふふ、擽った、ぃ)
確かに気持ちは良い。
手順に則っているなどと言うべきか、緊張は解れ受け入れる準備が整えられる。
だが。
「あ、ふ……おっぱい、いい、よぉ」
先程ではない。
カツオのモノを咥えて、喉の奥で感じた熱が身体中に広がって爆発するような感覚は、ない。
胸を持ち上げるように揉まれながら時折勃起乳首を指でこねられる。
太ももで触れるか触れないかの加減でゆっくり指先が躍っている。
「きもち、いい、よぅ……」
優しい、優しい愛撫だった。それこそまさに。
(ミーナと、シてる、みたい、な……ん、んぅ)
激流に身を翻弄されるような快楽ではない、穏やかな水面に身を浮かべて揺蕩うような。
相手はミーナではない、似ても似つかないどころか性別すら違う。
手つきもそうだ、キュリオが好きな所を熟知し、好きなやり方で愛撫してくれるミーナに比べれば、むしろぎこちないし拙いと言える。
故に、何度目になるか、だからこそ。
「……これじゃ、やっぱダメか」
「え?」
近かった二人の距離が不意に遠ざかった。
どうしたのだろう、これでも十分気持ち良く心地いいのにとキュリオが首をかしげる。
「こうじゃ、ないよなキュリオ」
「こうじゃ、ない? え? すごく、きもちいい、よ?」
キュリオの返事を聞いてカツオが笑った。
(あ……♡)
その笑みを見て、さっきまでイヤというほどに味わった背筋に奔る感触をキュリオは思い出した。
「物足りなかったよな? 期待していたのは、こんな、ありきたりなヤツじゃ、ねぇよなぁ?」
「う、ぁ……」
物足りなかったのはカツオもだ。
こんなやり方、
「安心しろ、キュリオ。期待外れとまだ思わなくていい」
どくんどくんと、自分の心臓が期待に鳴る音がキュリオの耳に響く。
「けど、そうだな。やっぱり普通だけど普通じゃないやり方をする。だから聞かせてくれ、キュリオ」
「な、にを、かな?」
いつの間にか、呼び捨てにされることへ違和感を覚えなくなっていることにも気づかないまま。
「本当に、俺のやりたいようにやって、良いんだな?」
カツオの妖しい誘いに対して。
「……う、ん♡ し、して? シてぇ♡ カッツォさんの♡ やりたい、よう、にぃ♡」
「いい返事だ」
瞳を蕩けさせ、頷いた。