※この作品はR-18です。

裏切られたSランク冒険者の俺は、愛する奴隷の彼女らと共に奴隷だけのハーレムギルドを作る   作:柊咲

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私のデビュー作となります。
元はR18だったモノをカクヨムにて全年齢版として投稿していた作品を、再びR18を追加して投稿した作品です。
この作品をまだ知らない方が少しでも興味を持ってくれたらと、ハーメルンでも投稿することにいたしました。
少しでもこのシリーズに興味を持ってくれた方は、是非ともコミカライズ版をよろしくお願いします。

https://www.shueisha.co.jp/books/search/search.html?seriesid=77375&order=1



1章 ~孤高の剣士と両手の花束
第1話


 友情、愛情、そして信頼。

 その言葉がどれほど脆く、どれほど陳腐なのか。

 この日、エギル・ヴォルツは嫌というほど思い知った。

 

 

「ごめんね」

 

 

 元は人間の城であり、現在は魔物の巣窟と化した、死地と呼ばれるデットスポット。

 そこから魔物の群れが待つ地面に、エギルはこの言葉と共に背中から突き落とされた。

 抵抗空しく落ちていく彼は、信頼し、幼き日から恋焦がれていたメイド服の彼女を見る。

 自分を突き落としたであろう右手首を抑え、悲しそうな視線は、どこか遠くに向けられていた。

 何があったのか、どうしてこんなことをしたのか。

 そんなことは、地面へと落ちていくエギルには理解できなかった。

 ただ思うのは、彼女の首を窮屈そうに絞める奴隷具、それを付けている彼女は誰かの奴隷ということ。

 そして、彼女が奴隷だということを、エギルはこの日、初めて知ったということ。

 

 そのまま背中から地面に叩き落とされたエギルは、手も、足も、体の至る所がボロボロになりながらも、なんとか立ち上がった。

 元城の一番上にいた彼女はもう見えない。

 そしてエギルを待つのは魔物の群れ。

 絶体絶命。そんな状況で、エギルは壊れたかのように笑った。

 

 

「奴隷か、奴隷に恋してたってのか」

 

 

 悲しみの雨はエギルの目蓋から流れていだが、そんな感情よりも、全身を包むほどのドス黒い憎しみの感情が溢れているのを実感した。

 もう、女も、奴隷も、誰も信用しない――この日、この場所から、Sランク冒険者という最強の称号を得たエギルは、変わってしまった。

 

 

 

 

 ♦

 

 

 

 

 

 

 魔物を退治することを職業にしている者を冒険者と呼ぶ。

 そして冒険者には、その実力によってランク付けされる。

 下はEから、上はSランクまであり、ランクによって受注できるクエストの難易度が異なる。

 

 Sランク冒険者が受注するクエストともなれば、その報酬は莫大なモノである。

 そんな世界に数名しかいないSランク冒険者であるエギル・ヴォルツは今日、知り合いに少し変わったお店に連れられてきた。

 

 

『では、今回一人目の奴隷です!』

 

 

 広い会場には多くの客で溢れかえり、その視線の先にはステージがある。

 眩しいほどの光で照らされているステージの中央には、首輪を付けられてる少女が座っていた。

 

 ここは奴隷オークション。

 奴隷商人が連れてきた奴隷を売り買いする場所で、客は好みの奴隷を金で買い、奴隷商人は高値で売りつける。

 そして――売られた奴隷は皆、悲しそうであり虚ろな瞳をしていた。

 

 

「どうですか、奴隷オークションは?」

 

 

 エギルの隣に座って、オシャレとは程遠い髭を撫でる男。Cランク冒険者であるゲッセンドルフは、媚びを売るようにニヤニヤとした笑みを浮かべながらエギルを見る。

 エギルは退屈そうにしながら、ゲッセンドルフの質問に答えた。

 

 

「俺にはわからないな。奴隷の売買なんて」

「エギル様は奴隷をあまりお好きではないのですか?」

「……まあな」

「自分に対して絶対服従の女というのは、男にとって魅力的だと思うのですがね」

 

 

 ゲッセンドルフの言葉を受け、エギルは再びステージを見やる。

 先程から行われているオークションを見ていたら、競り落とされる額は少額だ。売られている奴隷の質が悪いからなのかは、初めて奴隷オークションに訪れたエギルにはわからない。

 人一人の命をなんだと思ってるんだ。

 エギルはそう感じた。人一人の価値は安く一か月分の食事代、高くて一戸建ての家屋の半分にも満たない金額で取引されている。

 だが、それが奴隷の相場らしく、来場してる客は白熱した競りを続けていた。

 

 

「エギル様」

 

 

 退屈でため息をついていると、ゲッセンドルフは再びニヤニヤした顔をエギルに向けた。

 

 

「この辺の奴隷はまだ序の口でございますよ」

「序の口? まだなにかあるのか?」

「ここまでは比較的に質の悪い奴隷ばかりですが、これからは美しい奴隷が沢山出てきますから。それとたまにですが、処女もおりますので」

「処女か」

 

 

 その言葉にも、エギルはさほど反応を示さなかったが、処女がいるというのは内心では意外だった。

 というのも、ほとんどの奴隷は売られる前に、奴隷商人に犯されてると聞いたことがあったからだ。なのに処女がいる。そしてゲッセンドルフの言葉通り、奴隷オークションが進むにつれて美人が多くなっていった。

 

 

「ほら、エギル様もどうです? 気に入った女がいれば購入してみては」

「いや、俺はいい」

「なんでです? もしかして、女性には興味がないのですか?」

 

 

 ゲッセンドルフはなぜか自分の体を守ろうと胸を隠す。その反応に、エギルは苦笑いを浮かべた。

 

 

「男に興味はないから安心しろ」

「ですよね。ではなぜ?」

「まあ、な……」

 

 

 エギルは歯切れの悪い返事をして、ステージを見つめた。

 あの最悪な日から、エギルの周りには漢らしいエギルの姿に憧れる同性は集まるが、彼のいかつい容姿が邪魔してか、異性には無縁の人生を送ってきた。

 男として女性は好きだ。だが過去の記憶がエギルを邪魔し、25歳になった今でも、女性との交際関係は無い。

 

 ーーそれでも、そんな人生も悪くはなかった。

 

 そう、エギルは思っていた。この時までは。

 

 

『では、最後の奴隷の紹介です』

 

 

 ぼんやりと見ていたエギルの視界は、突如として鮮明に彩られた。

 

 

『最後の奴隷は二〇才と若いですが、大人の色気があり、誰もが羨む美貌を兼ね備えた女性でございます。そしてFカップの巨乳です!』

 

 

 会場は一際大きな歓声に包まれた。

 

 

『彼女は元々冒険者をしており、その実力は素晴らしく高いと評判でございます――そしてなんと、彼女は正真正銘の処女でございます!』

 

 

 エギルは紹介された女性から、目が離せずにいた。

 溢れんばかりの胸元に垂れる煌びやかな金色の髪。少し白寄りの肌に、元冒険者というのが見てわかるほど引き締まった肉体美は、胸があるのに決して太って見えない。

 目鼻立ちは良く、大きなブルーの瞳は引き込まれるほどに綺麗で、左目の下には、ポツリとホクロが付いていて色気を感じさせる。

 そんな彼女は寂しそうな表情をしながらも、どこか力強い眼差しをしていた。

 そしてエギルは、他の女性とは違う彼女を見て、あの日から止まっていた何かが、再び動き出した。

 

 

『それでは600万ゴールドから開始します!』

 

 

 司会者のアナウンスが流れると、会場全体からは驚きを含んだ声が漏れる。

 そして隣に座るゲッセンドルフもまた、同様の反応をしていた。

 

 

「うわっ、これはまた高額スタートですね……」

 

 

 ゲッセンドルフの言うとおり、他の奴隷とはスタートの金額が違う。

 先程までの奴隷は、皆が皆、何十万スタートで、落札額もそれぐらいだった。だが彼女だけは高額だと言える600万からスタートした。

 これでは誰も購入の名乗りを挙げないのではないか。だが、あちこちから驚きではなく主張するような大きな声が湧き上がる。

 

 

『610万!』

『650万!』

 

 

 そのコールは止まることはなく、あっという間に800万ゴールドまで値段は跳ね上がる。

 その金額に、エギルは顔には出さず驚いていた。

 Sランクのクエストの相場はまちまちだ。比較的に簡単なクエストになると報酬は500万ほどだが、かなり難しいクエストになると1000万ほどにもなる。

 それなりの家を街に一軒建てるのに800万ゴールドほど。だからつまり、Sランクのクエストはそれほどまで高額な報酬が貰える。

 だが、そのクエストは一日や二日で終わることはなく、一週間から一ヶ月、もっと長い期間を要するものまである。

 だからこそ、この金額を数ある奴隷の一人、たしかに綺麗だが、それでも他の奴隷とは全く違った値段で購入するのは普通ではない。いや、人一人の値段なら普通なのかもしれないが、先程までの奴隷とは比較にならないほど高額だった。

 

 ――が、エギルにとっては値段よりも、彼女という存在に目を奪われた。

 

 ライトに照らされたステージに立つ彼女もまた、エギルをジッと見つめていた。

 まるで他には誰もいない、エギルと彼女だけの空間のよう。そして気付けば、エギルは立ち上がっていた。 

 

 

「──1000万ゴールド!」

『『『えっ?』』』

 

 

 値段は跳ね上がり、エギルの提示した金額は飛び抜けていた。

 Sランククエスト一回分。それをエギルは、迷うことなく彼女に賭けたのだった。

 音が止まる会場、そして少しの沈黙が生まれた後に、司会者の声が響く。

 

 

『えっ、えっと……他にはいませんか?』

『じゃ、じゃあ、1100万』

「1200万!」

 

 

 エギルの低く野太い声が響くと、周囲はシーンと無音になる。

 

 

『……ほ、他にいらっしゃいませんか?』

 

 

 司会者のアナウンスが流れても、まだシーンとした会場。

 そして鐘が鳴らされた。

 

 

『過去最高金額での落札です! おめでとうございます!』

 

 

 エギルは無意識の内に、有り金すべてを使って彼女を落札していた。

 そして、エギルはすぐさまゲッセンドルフから裏口で引き取れると聞いて向かうと、奴隷商人と競り落とした、先程まで着ていたドレスとは違い、地味な灰色の奴隷服を着替えさせられた彼女がいた。

 

 

「奴隷オークションってのは初めてだが、ゴールドの引き渡しはどうすればいい? 1200万ゴールドなんて大金、今は持ってきてないぞ?」

 

 

 エギルの言葉に、奴隷商人は手をすりすりと合わせながら、ネチネチとした笑みを浮かべる。

 

 

「いえ、落札額に関してはお預けになっている銀行までご一緒に受け取りに行かせていただきますので……それと、二割は彼女の取り分ですので」

「二割?」

 

 

 奴隷が落札額を受け取るというのは、エギルの知識ではなかった。

 だがエギルが知らないだけで、それが普通なのかもしれない。エギルはそう思い、背の低い奴隷商人の隣に立つ彼女を見る。

 やはり綺麗だ。

 それが、エギルが近くで見て感じた彼女への印象だった。

 そして彼女は、エギルに近付いて頭を下げた。

 

 

「この度は落札していただきありがとうございます。わたくしはエレノアと申します」

 

 

 透き通った女性らしい声、それでいて強い意志を感じさせる声。

 そんな彼女を見て、エギルがずっと抱いていた『奴隷』への嫌悪感がなかったのを、この時はまだ気づいていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人口千人ほどのクリシュナの街。

 この人口は王国に比べれば決して多くはない。それでも賑わってるのは、この街に訪れる外部の者が多いからだ。

 冒険者がお金を稼ぐためにクエストを受注する『クエスト受注所』があり、街中には様々な装備をした冒険者が歩いている。

 そして、ここで暮らしてる住民の他には、高貴な衣服に身を包んだ者たちも散見される。

 

 そんな街中を、エギルと、奴隷であるエレノアは少し距離を開けて歩いていた。

 

 

「本当に返してもらって良かったのか?」

 

 

 奴隷商人にエレノアを競り落とした額の八割を渡して別れると、エレノアは奴隷商人と決めた取り分をエギルに返した。

 その金額は240万ゴールドほど。二割であるその大金を、その街に暮らす者の資産を預かってくれる銀行に預け、エギルとエレノアは家へと向かった。

 

 

「わたくしはあなた様の奴隷ですよ? なのでこのゴールドも、あなた様の所有物でございます」

「じゃあ、なんで奴隷商人から取り分の二割を受け取るなんて契約をしたんだ?」

 

 

 エレノアは奴隷商人に『自分が競り落とされた金額の二割を頂く。もし競り落とされてから貰えなければ自殺する』という謎の契約をしていた。

 だから奴隷商人はその謎の契約に従い、エギルが落札額を渡した時、エギルの目の前で奴隷商人から受け取っていた。

 だが、240万という大金を何ら躊躇なくエギルに返したのだから、最初からそのような契約はしなくてもよかったのでは、とエギルは不思議に思っていた。

 

 

「ふふっ」

 

 

 だがエレノアは桜色の唇を三日月形にして笑い、

「もしわたくしが気に入らない主人でしたら──逃げて自分の取り分で生活する予定でした。ですが、あなた様は強そうですし、わたくしのタイプでもありましたから良かったです」

「タイプ? 俺がか?」

「ええ、そうです」

 

 

 エギルは嘘ではないかと怪しんだが、エレノアの表情から本当か嘘かの判断できなかった。

 エギルは生まれてこの方、異性からタイプだと言われたことがなかった。

 吊り上がった目は相手を威嚇し、スッと伸びた鼻に大きな口。一八〇ほどの背丈は高圧的で、その身長を鍛えた体が増長させる。

 爽やかな風貌よりも、良く言えば男らしい逞しい風貌であった。

 エギルは乱雑に伸ばされた黒髪を触る。

 

 

「まあ、お世辞でもそう言ってもらえると嬉しいよ」

「いえ、お世辞ではありませんよ」

 

 

 ニッコリとした笑顔で即答。

 それに対し、エギルは柄にもなく動揺していた。

 

 

「そうか……希望に応えられて良かったよ」

「なので、あなた様にお願いがあるのです」

「俺にお願い? それはなんだ?」

 

 

 隣を歩いていたエレノアは、急に足を止めると、真剣な眼差しでエギルを見つめる。

 

 

「わたくしを奴隷商人に売り飛ばした幼なじみを見つけて──殺してほしいのです」

「幼なじみを、殺す?」

 

 

 物騒な物言いに、エギルも真剣な表情へと変わっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず座ってくれ」

「ありがとうございます」

 

 

 二人はクリュシュナの街にある、エギルの借り家に到着した。

 そして、リビングの中にあるソファーに座るなり、エレノアは辺りを見渡して驚いていた。

 

 

「とても広いお家ですね」

「というよりも、無駄に広いだけだな」

 

 

 Sランク冒険者という身分から紹介された家は、決して一人で暮らすには広すぎる家だった。

 一階と二階があり、部屋は全部で五部屋はあるだろう。クエストをこなし寝るだけの家であるここは、あまり生活環のない空間と表現して良い。

 

 

「エレノアはコーヒーでいいか?」

「あっ、そのようなことは奴隷であるわたくしが」

「別にいいさ。コーヒーを淹れるのが好きなんだよ」

 

 

 頼むのが苦手だからそう言った。すると、ソファーに座るエレノアから、

 

 

「お優しいのですね。ところで、お名前は何て呼んだらよろしいでしょうか?」

「名前か、そうだな」

 

 

 エギルはその問いかけに、少し考えた。

 これから先、おそらくずっと決めた呼び名だろう。であれば慎重に選ぶべきだ。

「あの、どうかなさいましたか?」

 エギルは一人の世界に入りこんでいた。

「どうなされたのですか?」

「うっ!」

 だが、突如として隣に立つエレノアに現実に引き戻された。

 そして感じたのは同性とは違う、女性特有の甘い香り。綺麗な花を連想させる匂いに、女性慣れしてないエギルは鼓動を荒くしていた。

 

 

「すまん。何て呼んでもらおうか考えてたんだ」

 

 

 そう答えると、エレノアは手を口元に当てて笑った。

 

 

「ふふっ、変わったお方ですね。何でもいいのですよ」

「何でもいいってのが一番、困るんだが?」

「やっぱり変わっております。こんなに鍛えられた体で、少し恐い印象を与える顔付きなのに、とてもお優しい」

 

 

 その言葉に、エギルは苦笑いを浮かべた。

 

 

「やっぱり、俺の見た目は恐いか?」

 

 

 鍛え抜いた筋肉は冒険者として自慢する部分だと思っているが、初対面の女性にはいつも恐れられてしまう。

 女性との接点を求めていたわけではないのだからいいが、エギルだって男だ、少なからず異性には良くみられたい。

 

 

「……正直に申し上げれば、見た目は少し恐いかもしれませんね」

 

 

 だからこの言葉に、エギルは内心では落ち込んでいた。だが彼女は、自分の胸元に手を置き、

「ですが、奴隷は主人に対して悪い事は言いません。なので普通なら、奴隷であるわたくしはあなた様の見た目を『恐くない』と嘘を言うのが当然なのでしょう。だけどあなた様には嘘を付かなくてもいいと、そう思えたのです。わたくしの本心を許してくれるほどの大きな器と、優しさを持っている方だと思いました。だから見た目以上に、わたくしはあなた様が優しい心をお持ちなのだと思いました」

 

 

 そして「まだ会って間もないですが女の勘です」と付け足し「恐い見た目からは想像できない優しい性格が、逆にギャップとして良いと思いますよ」と言って締めた。

 その笑顔を見て、エギルもまた、心からの笑顔を彼女に向けていた。

 

 

「俺の名前はエギルだ。だからエレノアの好きなように呼んでくれ」

 

 

 ずるいかもしれないが、自分では呼び名を決められなかった。

 エギルはエレノアに背を向けてコーヒーの準備をする。

 すると、背後に立つエレノアは、少し間を空けて、

 

 

「かしこまりました。ではエギル様と呼ばせていただきますね」

「ああ、それで構わない。さて、コーヒーの準備ができたから向こうに移動しようか」

 

 

 エギルは優しい笑みをエレノアへと送り、二人分のコーヒーを持ってソファーに座る。

 

 

「それで、さっきの幼なじみへ復讐するって話しを聞いてもいいか?」

 

 

 コの字に置かれたソファー。エギルは中央の位置に座り、左手のソファーでコーヒーを飲む彼女に問いかける。

 

 

「はい。まずは奴隷商人の前では言えなかった、わたくしの本名をお伝えします。わたくしの本名はエレノア・カーフォン・ルンデ・コーネリアと申します」

「コーネリア? ……コーネリアって」

「はい。わたくしはコーネリア王国の三女でした」

 

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