※この作品はR-18です。

裏切られたSランク冒険者の俺は、愛する奴隷の彼女らと共に奴隷だけのハーレムギルドを作る   作:柊咲

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第11話

「エギル様、二人はやっぱり訳ありなのでしょうか?」

 

 

 

 二人は腹一杯まで肉を食うと、そのままテントで寝てしまった。

 話を聞くと、二人は冒険者の野営地で泊まってはおらず、ひたすら色々な場所を転々として魔物を討伐していたらしい。

 

 

 

「夜に外で寝泊まりするなら、この冒険者の野営地を使うのが一般的だが、二人は使ってないって言ってたな。ゴールドの手持ちが無かったから、というよりは、早く強くなりたかったから。眠る時間も削って強さを求めていたんだろう」

 

 

 

 これはエギルがそう感じただけであって、決して二人から聞いたわけではない、というよりも聞けない。

 

 

 

「何が二人をそうさせてるのでしょうか?」

「さあ、何か目的があるんだろ。すぐに強くならなきゃいけない理由が、例えばエレノアのような幼馴染に復讐したい目的みたいなのがな」

「……もしそうなら、お二人はわたくしよりもずっと大人ですね」

 

 

 

 エギルとエレノアは現在、野営地のすぐ近くにある湖を眺めながら座っている。

 そして体育座りをして顔を自分の足にうずめたエレノア。

 

 

 

「わたくしは自分に力が無いから、嫌な役をエギル様にお願いしました。だけどもし、彼女二人も同じような境遇で、その目的を二人で遂行させようと頑張ってるのだとしたら、わたくしよりもずっと大人です」

「……どうだろうな。俺はむしろ、エレノアの取った行動の方が良かったと思えるな」

「えっ、それはどういう意味ですか?」

 

 

 

 キョトンとした顔のエレノア。

 エギルはそのまま手を伸ばして、後ろから倒れて空を見上げる。

 

 

 

「一人で叶えられる目的には限界がある。エレノアの目的は一人じゃ無理かもしれなかったが、俺が側に居たら叶えられるかもしれない。だがあの二人は……きっと、俺達と出会ったばかりだからかもしれないが、それでも内緒にしてたら一生、第三者は踏み込むことができない。困っていても、無言で助けてと願っても、俺達は二人を助けることができない。違うか?」

「そうですね」

 

 

 

 エレノアも隣で横になり悲しそうな表情をしたが、すぐに無理な笑顔を作った。

 

 

 

「わたくしは自分が助けを求めた行動が正解だったのかの判断はできません。結果的にエギル様を巻き込んでしまったのですからね。……ですが、エギル様がそう仰ってくれるのであれば、それはきっと間違いの道ではなかったのでしょう。エギル様の隣こそが、わたくしの歩く道ですからね」

「ああ、だから俺を頼れ。お前は必ず守ってやる」

「はい。わたくしも精一杯、エギル様の力になります」

 

 

 

 横向きでエギルを見るエレノアは、心の底から幸せそうだった。

 

 

 

「ここに人が来ることはあまりないんだ。戻ったら二人が寝てる、だからここで、ゆっくりするか?」

「ええ、ゆっくりしましょう。エギル様が満足するまで」

「エレノアは満足しなくていいのか?」

「ふふっ」

 

 

 

 肘を付いて上から覆い被さる体勢になると、エレノアはエギルの頬を撫でた。

 

 

 

「わたくしはずっと満足しておりますよ。これ以上わたくしが満足するのは難しいでしょうね」

「そうか。じゃあ俺が満足するのに、付き合ってもらうぞ?」

「はい、喜んで」

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 翌朝。

 

 

 

「うへぇ、あたしたち、ドラゴンの巣窟に来るの初めてだよ」

「すっごく、暗いですね」

 

 

 

 ドラゴンの巣窟内はいろんな方角に伸びる通路があり、最深部の大きな空洞地帯には巣窟の長であるレッドドラゴンが生息している。

 

 

 

「ここからは昨日みたいに簡単じゃないぞ。ドラゴンだってデカいくせに数もいる。一体相手ならいいが、二体、三体って囲まれたら最悪だ」

「うぅ、びびらせないでよエギルさん」

「そ、そうです!」

「びびらせるつもりはないんだが、それぐらい気をつけろよって事だ。それで、こっからは四人パーティーの陣形で進むからな」

 

 

 

 予め伝えてあった陣形。今回はあくまで三人の実力アップのため、エギルは先頭で攻撃はしないで守りに徹し、後ろに三人が構える。

 前衛が一人に後衛が三人というパーティーも珍しいが、絶対的な守りがいれば、三人も戦いやすいだろう。

 

 

 

「それと、サナは回復をメインでな。くれぐれも自分勝手に突進するなよ」

「うっ、わかってるよ」

「ルナは相手を見極めて使うスキルを変えてくれ。魔弓士はバリエーションのある戦い方をできる職業だからな」

「わ、わかりました」

「エレノアは感覚を取り戻せ。魔力の分配には気をつけろよ」

「はい、わかりました」

 

 

 

 全てを伝えてから、四人は暗い洞窟の中へ入っていく。

 土壁の通路に松明と蝋燭が設置されているわけではないので、手に蝋燭を持って、その灯りを頼りに進むしかない。

 

 

 

「足下には気をつけろよ。周りには大きな石とかもあるからな」

「あっ、うん。だけど不便だよね。魔物なんて気付いたら一杯出現してるんだから、ここへ来た冒険者が優しさで松明か蝋燭とか設置してくれればいいのに」

 

 

 

 サナが足下に散らばる石を蹴りながら言う。

 

 

 

「前は設置してたらしいぞ。だが爬虫類種の《ドレイク》は明るいのが苦手だからな、毎回毎回、設置してもすぐに破壊されるらしい」 

 

 

 

 ドレイクとは、このドラゴンの巣窟に出現する、ドラゴンよりも小さな魔物だ。だがゴブリンやモルフォルよりも強敵で、弱いと油断していれば簡単に殺される可能性がある。

 

 

 

「どうやら来たみたいだな」

 

 

 

 薄暗い通路の奥から足音が聞こえた。

 

 

 

「通路での戦闘は避けたいから、このまま進むぞ。もう少し行けば円形の場所に到着するはずだ」

 

 

 

 通路での戦闘は、数が増えれば増えるほど難しくなる。それにエレノアやサナのような魔力を消費するタイプは、広範囲で攻撃する魔術が多いため、広い場所で戦う方が適している。

 そして広い円形の場所まで進むと、天井には青空が広がっていて、通路よりも明るく、太陽の熱も感じた、

 

 

 

「ドレイクだ。三人とも、動きが速いから気をつけろよ」

 

 

 

 前方の通路から現れたのは、赤黒い肌をした二足歩行のトカゲに似た姿をしたドレイク。

 ドレイクは四人に気付いておらず、人間にはわからない鳴き声で会話をしている。

 

 

 

「光の仔狐よ、敵を惑わす光を放ち、現世に姿を表し力を示せ──称呼──ライトフェンリル!」

 

 

 

 三体のドレイクがこちらに気付く前に、真っ先に行動したのはエレノアだった。

 ライトフェンリルは光の聖獣で、狐のような小さい体から目映い光を放ち、周囲を走って敵の注意を引きつける。

 

 

 

「明るいのが苦手なのでしたら、ライトフェンリルちゃんがよろしいですよね」

「ああ。今はサナも攻撃を、二人とも頼んだぞ」

 

 

 

 四匹のライトフェンリルが三体のドレイクの注意を引きつけてる今なら、倒すのは容易いだろう。

 サナは詠唱を、ルナは弓矢を構えて。

 

 

 

「光の爆撃を──エンジェル・ノヴァ」

「敵を穿つ、一射」

 

 

 

 丸い光の玉は一体のドレイクに直撃すると大きく爆発し、ルナが放った矢はもう一体のドレイクの心臓を射抜く。

 狙った通りの一撃で息の根を止めると、すぐさま三人は残りのドレイクに狙いを定め、そして倒す。

 奇襲ということもあって簡単に倒せた。エレノアは勿論だが、サナもルナもこのレベル相手なら問題ないなと、エギルは安心した。

 

 

 

「よっし、ドレイク相手なら楽勝だね」

「えぇ、二人とも良かったと思います。お疲れ様です、サナさん、ルナさん」

「い、いえ! エレノアさんが、注意を引いてくれたから……楽に戦えたんです」

 

 

 

 三人はお互いに褒め称えていた。だが油断は禁物、喜んでる三人の気分を害さないように、エギルは優しく伝える。

 

 

 

「さて、盛り上がってるとこ悪いが、ギルドに提示するクエストの証拠を回収するぞ」

 

 

 

 クエストには、ドレイクの舌を回収する必要があった。サナは嫌そうにしながら、エレノアとルナは平気そうに、それぞれが回収を済ませ四人は先を急ぐ。

 レッドドラゴンと遭遇するまでにドレイクを何体か討伐してきた。だがそこまで苦戦することはなかった。

 だけど、レッドドラゴンがいるであろう場所へ到着すると、サナとルナは口をポカンと開けて、少しだけ確認できる赤く大きな正体に驚いていた。

 

 

 

「これは大きいなぁ」

「これが、ドラゴンですか」

 

 

 

 見るのは初めてらしい二人は怖がる様子はなく、楽しみな様子を感じられる。

 

 

 

「いいか、ドレイクは奇襲で簡単に倒せたが、レッドドラゴンは簡単じゃない。まず、見ての通り図体がデカいんだ」

「たしかに、なんだか威圧的だね」

「一撃でも攻撃をくらえば、当たりどころが悪かったら死ぬかもしれない。だがレッドドラゴンは、Aランクでも下の方の魔物だ」

「それは、なんでですか?」

 

 

 

 ルナに聞かれ、エギルは横になってくつろいでるレッドドラゴンを指差して伝える。

 

 

 

「図体がデカいから動きが鈍いんだ。それに攻撃パターンも一定で、手で殴ったり潰したりするか、尻尾でなぎ払うか、あとは炎を吹くかしかない」

「炎を吹く!? なんかかっこいい!」

「直撃したら丸焦げだがな」

「うげっ、やっぱ怖い」

「だから気を付けてくれ。だがファイアーブレスをする時、必ず頭を後ろに下げる動作をする。それさえわかってたら避けるのは簡単だ」

「動きがわかっていれば戦いやすいですね、エギル様」

「ああ、とりあえず、大きな魔物を相手にする時は、手足を狙うように心掛けたほうがいい。動きを封じて、そこから畳み掛けるように攻撃する。いいな?」

 

 

 

 三人が頷き理解すると、エギルは先頭を走った。

 

 

 

「行くぞ」

 

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