裏切られたSランク冒険者の俺は、愛する奴隷の彼女らと共に奴隷だけのハーレムギルドを作る 作:柊咲
雨が止み、太陽が昇り、空は微かに明るくなっていた。
エギルのいる王城の一室から外を眺めると、広場ではこの地を守った冒険者たちと、後から到着した湖の都の面々がお祭り騒ぎをしていて、窓を閉じても屋台の美味しい匂いがしてくる。
そんな中、エギルはハボリックとゲッセンドルフとこれからの話を始めた。
まずは、ここを襲った連中が誰なのかを探ること。だけど二人は、その話を聞くなり難しい表情を浮かべた。
「んー、それは難しいっすね」
「エギル様、わたしもそう思います」
「……そうか」
「連中がどこからの王国騎士の集りということはわかりますが、なにせ旗も、統一された鎧も、なーんもなかったっすから、どこの王国の連中かってのを特定するのは無理っぽいっすね」
「ええ、ハボリックの言う通り、特定するのは無理でしょう。生け捕りにした奴がいれば可能性はありましたが」
「……そうだな」
エギルの帰還によってこの地を占拠できないと悟った連中は、即座に撤退を始めた。
その者たちをゲッセンドルフは追ってみたものの、全て逃げるか自害するかいずれかに分かれ、結果、何も情報を得ることはできなかった。
「それよりも一度、南の住民区の家を一軒一軒探すのがいいかと」
「あるかもしれない神の湖か……そうだな、それが先だな」
エギルは頷く。
「んじゃ、俺たちはお祭りに参加してくるっすよ」
「だな、それじゃあエギル様、失礼しますね」
「おい、俺も一緒に行くぞ?」
話は終わった。ならここを守ってくれた仲間を労う意味でも、外の祭りに参加するのがいいだろう。
そう思ったエギルに、二人はニヤリと笑って部屋の扉を見る。
「待ち人が二人いるっすよ、旦那」
「なに?」
「だからわたしたちはこれで、それでは」
二人は逃げるように出て行く。彼らと交代するように入ってきたのは、エレノアとセリナだった。
「エギル様、お話は終わりましたか?」
「ん、ああ。二人でどうしたんだ?」
エレノアがニコニコと嬉しそうに微笑むエレノアが、顔を赤らめるセリナの背中を押す。
「セリナからお話があるそうですよ」
「えっ、あの……」
セリナは人差し指の先をちょこんと付けたり離したりさせていた。
セリナのこんなぎこちない態度は珍しい。そして意を決したように彼女が顔を上げると、
「シロエとクロエを見つけてくれて、あの……ありがとうございました」
「別に気にしないでくれ。それに、見つけられたのは偶然で、何より二人がセリナを捜していたから見つけられたんだから」
「二人も、すっごく喜んでました」
「そうか。それなら二人の側にいてやらなくていいのか?」
セリナにそう言うと、彼女は艶々したピンク色の髪を撫でる。
「二人は泣き疲れたみたいで、私の部屋で寝ちゃってます。それに今日はちょっと……エギルさんにお願いがあって……」
「お願い?」
「ふふふっ、エギル様は鈍いですね」
おっとりとした雰囲気で微笑んだエレノアは、エギルにぴったりと寄り添う。
エギルの左腕を包み込む久しぶりの柔らかい胸の感触。そしてセリナも、反対側の腕をギュッと掴む。
「感謝の意味も込めて、セリナから重大なお話があるそうですよ?」
「重大なお話……? なんだ?」
「あ、あの、その……えっと、ですね」
どんどん腕を掴む手に力がこもるセリナ。そして上目遣いで、彼女はエギルを見つめながら、
「……三人で、前にしたいって言ってたので……しても、いい、ですよ」
「三人?」
一瞬、何を言ってるのかわからなかった。
「え、ええっ、あの、エギルさんが前……」
だが、慌ててパタパタと手を振って顔を赤くするセリナを見て思い出した。
「三人でするってのは、そういうことか?」
「あ、あの……エギルさんがしたいなら……はい」
「もう、セリナは素直じゃありませんね。本当はすぐにでもしたかったくせに」
「う、うるさいわねっ! あんたじゃないんだから、別に、その……」
素直ではないセリナを微笑ましく見つめるエレノアに、セリナはもごもごした声を漏らす。
その反応が面白くて、エギルはセリナの腰を抱き寄せる。
顔が近づき、熱を帯びたセリナの顔は少し涙目にも見えた。
「したく、ないのか?」
「ち、ちがっ、私は、その……」
「したくないのか?」
更に上気するセリナの頬。
「も、もう!」
セリナはエギルの頬を両手で引き寄せると、
「したいに決まってるじゃないですかっ、エギルさんの意地悪っ!」
優しいキスをした。