裏切られたSランク冒険者の俺は、愛する奴隷の彼女らと共に奴隷だけのハーレムギルドを作る 作:柊咲
「それでは、わたくしたちはみなさんを連れてきますね」
「だからエギルさんは、ここで待っててください」
「すまないな、二人とも。フィーは……」
エギルはフィーに視線を向けるが、彼女は現在進行形で愛でられてる。
その視線に気づいたフィーは、ソフィアの膝から立ち上がり、
「わたしも行く。だからソフィア、放して」
そう言われたソフィアは、悲しそうな表情をしながらため息をつくと、
「はいはい。それじゃあ、こっちの【のじゃっ娘】を……」
と、ソフィアがレヴィアに標的を変更するも、
「我も一緒に行こうかのう。身の危険を感じる」
レヴィアはさっさと、エレノアのもとへと走っていく。
「なによ、じゃあ私はこの男と二人っきりなわけ?」
「……そう、二人。じゃあ、行ってくるね」
はいはい、行ってらっしゃいとソフィアはどこか投げやりだ。エギルは四人にすまないなと伝えると、エレノアが耳元で、
「……ソフィアさん、可愛い顔してますけど、変なことをしてはいけませんよ?」
そう言ってクスクスと笑った。その表情は、どこか何かしろと言わんばかりの期待に満ちた笑顔だった。
「するわけないだろ。みんなに動いてもらってるというのに」
「あらあら、残念ですね。では行ってきます」
喜んでるのか、残念なのか、結局のところわからないまま、エレノアは頭を下げて、他のみんなと共に屋敷を外へ出て行く。
突然、屋敷は静寂に包まれる。
「ねえ」
すると、ソフィアに声をかけられた。
「なんだ?」
「あんたらって、どういう関係なの? 男一人に美少女と胸の大きい女たち。羨ま……じゃなくて、おかしいわよね?」
「……羨ましいって言おうとしたよな?」
「……そんなわけないじゃない。それで、どうなのよ?」
「どうと聞かれてもな。まあ」
「好きなの?」
そう問われて、エギルは即答する。
「ああ」
「あの、のじゃっ娘も?」
「いや、レヴィアはちょっと違うな」
「やっぱり。なんか、あの子だけ他の子と雰囲気が違っていたものね」
「……それは、他の彼女たちみたいに俺を見ていない、仲間ではないと思ったからか?」
「そんなところかしらね」
エレノアやセリナ、それにフィーがエギルを見る目は、大切な存在を見る目。
けれど、レヴィアがエギルに向ける目は彼女たちとは違う。それはエギルも理解している。
「あの子は、なにかしらね?」
すると、ソフィアに不思議な質問をされた。
「わかってるから聞いたんじゃないのか?」
「別に、わかってるわけじゃないわ。ただ、不思議な感じ……少し裏が読めない、そんな感じよ。ごめん、変なことを聞いたわね。忘れて」
そう告げたソフィアは、近くに置いてあった書物を手に取り視線を落とす。
彼女の言葉が頭から離れないが、ただ一つ言えることがある。
「今のレヴィアは仲間だ……それは間違いない」
エギルの声が届いていないのか、ソフィアから返事が来ることはなかった。
エギルは、ここにはいない彼女たちのことを考えながら、その帰りを待つことにした。