裏切られたSランク冒険者の俺は、愛する奴隷の彼女らと共に奴隷だけのハーレムギルドを作る 作:柊咲
初めての緊縛プレイと目隠しプレイ、それに待ち望んでいたドSのエギルに責められ、満足そうにベッドで横になるエレノア。
「エレノア……我慢しなかったな、声」
「あっ、そうでしたね……ですが」
荒くさせた息を整えながら、クローゼットに視線を送る。
「大丈夫ですよ」
そこでセリナは見ているのだから。
「気まずいのは嫌だぞ?」
「わたくしに任せてください。それより一緒にお風呂に入りませんか? 体中、汗でべっとりです」
体を擦り付けると、エギルは抱き寄せて、
「風呂場で、またするつもりだろ?」
「あら、よくわかりましたね」
「いつものことだからな。だがその前に……」
エギルは優しくキスをしてくれた。
いつもそう。全て終わると、濃厚なキスをしてくれる。
それが優しくて、気持ちよくて――だからエレノアは、もっと欲しくなってしまう。
「さて、行くか」
「はい。では、先に行っていてください」
エギルは「どうした?」と心配していたが、エレノアは「何でもありません」と伝えて、エギルに先に向かってもらう。
そしてクローゼットに向かい扉を開いたら、エレノアは笑顔になってしまった。
「……あらあら。やっぱり匂いフェチは直ってませんでしたね」
狭いクローゼットの中。
服を噛んで声を我慢し、脚を開いて自慰行為をするセリナは、目に涙を浮かべながらエレノアを弱々しく睨んでいた。
「う……うるさい……我慢なんて、できないもん。匂いが……このムラムラする匂いが、悪いんだから」
「えぇ、そうですね」
匂いフェチだということをあっさり認めるセリナを見て、にっこりと微笑む
そしてセリナは涙目のまま、甘美な声を漏らした。
「み、見ないで……んっ、んあっ……」
「……わたくしはエギル様とお風呂に向かいますので……それでは」
「ちょ、ちょっと待って、一人にしないでっ──あっ……エレノアに付いてる汗臭い匂い、なんか……いい。……あっ、ダメっ、ダメだって私……んあっ!」
エレノアが通った匂いを嗅いで、まだオナニーを続けるセリナ。
いつか一人ではなく、エギルに抱かれて幸せになってもらいたい――そう思ったエレノアは、まだ続けているセリナを置いて、エギルの待つお風呂場へと向かった。
♦
次の日の朝。
エギル達は、ゲッセンドルフに会いに来ていた。
「お待ちしておりましたよ、エギル様」
朝早い時間ということもあって、冒険者が朝食を済ませる軽食屋には大勢の冒険者がいるが、ゲッセンドルフの周りには人がいない。
おそらく遠ざけたのだろう。エギルの持ってきた話題が人に聞かれて良い話ではないと察してくれて。
「昨日は助かった。ありがとうな」
「いえいえ。ささっ、三人共どうぞ、こちらに座ってください」
テーブル席へと案内され、エギル達は座った。
「それで、居場所はわかったのか?」
ここに来た理由は、一週間前にゲッセンドルフに頼んでいた『エレノアを奴隷にした幼なじみを探してくれ』という依頼の結果を聞くため。
そして話題を出すと、ゲッセンドルフは周りを見渡す。
「その話の説明をしたいんですが……もうちょっと待ってくださいね」
「ん、どうかしたのか?」
「いえ……あっ、来ましたね」
ゲッセンドルフが待っていたのは、ハボリックだった。
朝早い時間だというのに、ハボリックはいつも爽やかな雰囲気がある。
だがなぜハボリックがいる?
エギルは呼んだ憶えのないハボリックが来たことを不思議に思ったが、すぐに誰が呼んだのかを理解した。
「ゲッセンドルフが呼んだのか?」
「ええ、今回の件を伝えるなら、ハボリックも一緒がいいかと思いましてね」
「ハボリックも……?」
「昨日ぶりっすね、旦那。それにエレノアさん、セリナさんも」
手を上げて挨拶するハボリックはゲッセンドルフの隣に座り、その向かえにエギル達三人が並んで座る。
そして話をゲッセンドルフから始めた。
「それでは──結論から言いますね」
勿体ぶらずに、ゲッセンドルフは結論を述べる。
「その三人が現在いる場所の情報は入手しました」
「もうわかったのか……さすがだな」
だが、ゲッセンドルフの表情は目的を完遂した喜びの表情とは違い、少し言いにくそうな表情を浮かべていた。
そしてそんな表情は、隣に座るハボリックも同様だ。
「旦那に『ゴレイアス砦侵攻戦』のクエストの話をしたの覚えてるっすか?」
「ああ、あのAランクの合同クエストか。覚えてるが、それがどうしたんだ?」
「そのクエストに、エギル様が調べてくれって言った三人が参加してるんです」
「……その三人が?」
ゲッセンドルフの話を聞いて、エギルは隣に座るエレノアを見る。
「そいつらのランクはCなんだろ?」
「ええ、わたくしと同じギルドに通っていた頃はそうでしたね……もう一ヶ月は経ちますが」
「一ヶ月か……」
冒険者ランクも、ギルドランクも、どちらもクエストをクリアする事によって上がる。
だが、たったの一ヶ月でCランクからAランクに上げるなんてのは、かなり効率よくクエストをこなさないと不可能。
そして、ランクによって受けられるクエストが決められている。
だからCランクの冒険者が、Aランクのクエストを受けることはできない。
だが──Cランク冒険者でも、Aランクのクエストを受けることができる方法は一つだけある。
「……ギルドリーダーを、Aランク冒険者に代えたか」
「ええ、その三人とは別に、ギルドリーダーがおります」
エギルとエレノアはギルドを組んでいないが、エレノアは一緒にいることによって、自分のランクでは受注できないランクのクエストも受けることができる。それはエギルのランクが、そのクエストの参加条件に達しているからだ。そしてギルドもこの方法が適用される。
リーダーが高ランクの冒険者なら、そのギルドメンバー全員は、ギルドリーダーのランクに合わせることができる。なのでAランクのリーダーと組めば、CランクでもAランクのクエストを受けられるということだ。
「なので」
ゲッセンドルフは真剣な表情でエギルを見る。
「私が言いたいのは、この三人と接触するには、このクエスト中でお会いする方法が良いということです」
「……なるほどな」
ゴレイアス砦侵攻戦は長期クエストだとエギルは聞いている。
であれば、そのクエストに参加する者達が泊まっている冒険者の野営地に潜り込むのが、一番手っ取り早く接触する方法ということだろう。
セリナは冒険者じゃないと言っていたから、エギルとエレノアの二人で参加すれば問題はない。
「ゲッセンドルフの言うとおりだな。じゃあ──」
「ですが旦那、このクエストは数日前に参加ルールが大きく変わったっす」
「参加ルール?」
「まず、このクエストの参加制限がギルド限定になったんすよ」
「ギルドのみか……」
合同クエストは各地から強い者が集まるため、エギルとエレノアのようなギルドに参加していない者も多く参加している場合が多い。
だからギルド限定というクエストは珍しく、そういう縛りにする意図は不明だが、ギルドを作るには一つ条件がある。
「つまり、俺とエレノアの二人だったら参加できないってことだな?」
「ギルドっすから、難しいっすね」
ギルドを作れるのは四人からなので、二人ではそのクエストに参加することも、ギルドを作ることもできない。
「クエストランクはAのままっすけど、ギルド限定になったから参加人数が増えたのと、報酬は倍近く上がって、難易度はSランククエストと同等の難しさになったっすよ」
「なるほどな。じゃあ、そのクエストに参加するには、どっかのギルドに加入するか、誰かを仲間にしてギルドを作るしか方法はないってことか?」
「ええ、そうっす。……だけど」
と、ハボリックは言いにくそうにしていた。
エギルが「どうした?」と聞くと、ハボリックは「いえ」と少し間を開けてから答えた。
「このクエストはフェリスティナ王国の国王さんが、新たに領土を増やしたいらしくて依頼したクエストなんすよね」
フェリスティナ王国はゴレイアス砦のすぐ近くにある王国だ。国としての大きさも領土も、他の国々に引けを取らない。
無人と化した魔物の砦を自分の領土にしようと考える王国は数多くある。だが、それならSランククエストにして、もっと強い冒険者を集めればいい。国王ということは、Sランク冒険者を雇えるだけの報酬は支払えるはずなのだから。
「──そして、このクエストを開始してからもう、二週間も経ってるんすよ」
「二週間……? 二週間もクリアできてないのに、まだクエストとして成立してるのか?」
「期間が延びれば延びるほど、依頼主である国王さんは報酬を上乗せしてくれるっすからね。なんか、人気クエストになってるみたいっすよ」
報酬を上乗せしてくれるといっても、さすがに二週間は長すぎる。その間、そのクエストに参加してる者は無収入、なのに受ける理由、ましてや拘束されている期間とクリア報酬が見合っているかどうかは疑問なとこだ。
エギルの抱いた感想としては、奇妙なクエストだった。
「ただ、問題なのはこっからっすよ」
「なんだ?」
ハボリックは真剣な表情で前のめりに座る。
「このクエストには──裏切り者がいるんすよ」
「裏切り者?」