裏切られたSランク冒険者の俺は、愛する奴隷の彼女らと共に奴隷だけのハーレムギルドを作る 作:柊咲
「わたくしは怒っております。昨夜からプンプンです」
次の日の朝。
今日もクエストに向かうため、朝早くからテント内で朝食を済ませていた三人。そしてエレノアは朝からずっと、頬を膨らませて明らかに不機嫌だった。
「……エレノアがセリナを愛してくださいって言ったんじゃなかったか?」
──昨夜の出来事はエギルもセリナも鮮明に覚えている。
二人はテント内──ではなく、近くにある誰もいない湖で愛し合った。
セリナの苦しくて悲惨な過去を快楽と温もりで消すように、何度も何度も。
そして行為を終えた頃には、最初は起きていたセリナの男性恐怖症の震えは消え、彼女は幸せそうな笑顔を浮かべた。
エレノアも素直におめでとうを言ってくれる、はずだったのだが……。
「そこではございません! いいですか、わたくしが怒っているのは、なぜ、この場でセックスをしなかったか、なのです!」
三角形に座り、味気ないパンを食べながら二人に挟まれたエギルは深いため息をつく。
右手に座るエレノアは朝からこんな感じで、左に座るセリナはお腹をさすり、
「……残念でした。私とエギルさんはロマンチックにエッチしてきました」
「……約束と違うではないですか」
「約束してないでしょ。私とエギルさんがどこでしようと、エレノアには関係ないでしょ」
「大ありです。昨夜わたくしがどれだけ寂しかったことか……エギル様!」
「な、なんだいきなり?」
唐突に攻撃相手を変えられ、エギルはビクッと背筋を伸ばす。
「昨日の夜、エギル様はわたくしの楽しみを奪いました」
「……楽しみとは?」
「お二人のセックスを見ながら、ばれないようにオ〇ニーするという、ドキドキした楽しみです」
それはさぞかし変態な楽しみ方だ。落ち着いてもらいたいが、このままだと機嫌が収まらない。
「それは悪かったな。それで、どうしたら許してくれるんだ?」
「セリナの体を縄で縛り動きを封じ、わたくしとのセックスを見せつけるのです!」
「はっ!? イヤよそんなの!」
すぐさま反抗するセリナ。昨日までなら、エレノアの言葉を聞き流す大人の余裕があった。だが一夜で少し心境の変化があったのだろう。不満気にそっぽを向く。
「今日もエギルさんとするから! 本当は、その……朝から、したかったの……。それを我慢したんだから……夜も我慢なんて、無理だもん」
恥ずかしがるように開いた手のひらの指先と指先を付けたり離したりするセリナ を、エレノアは、ぷいっと顔を外に向けて一蹴する。
「昨日の夜一人占めした罰です!」
そしてエギルの手を握って訴えてくる。
「それとも、エギル様はセリナとセックスしたら、わたくしのことは忘れてしまったのですか?」
「そんなわけないだろ」
「でしたら順番的に、今日はわたくしの番ですよね!?」
「ま、まあ……そうなるな」
「ほら!」
エレノアはセリナを見る。そして桃色の髪の彼女は、悲しそうな表情をする。
「いやです。したくなったら、いつでもいいって約束したもん……ですよね、エギルさん?」
「まあ、そうだが……」
「駄目です、順番は守ってください! さもなくば、三人でしますよ!」
「さ、三人はちょっと……」
「三人は俺もあまり……」
セリナは三人ですることに否定的だ。エギルは三人でとなると体力がもたない、そう思い否定的なのだ。すると、エレノアは勝ち誇った表情をする。
「では残念ですが、セリナは今日は我慢です!」
「でもエギルさん、これまでエレノアはずっとエギルさんを独占してたんですよ? だったら、今日も私でいいと思いませんか?」
「それは……」
「セリナ、そんな甘えた声を出しても駄目です! 順番は守ってください!」
それからも、二人はエギル抜きで言い争っていた。どうすれば二人は収まるのだろうか。そんなことを悩んでいると、テントの扉が開いた。
「……あの、エギルさん。そろそろ出発したいんですが」
おそらく、中の声が外まで聞こえていたのだろう。ハルトは少し顔を赤くさせ、そして申し訳なさそうに、目をキョロキョロさせて言った。
「ああ、行くか」
エギルは立ち上がりローブを纏う。
まだ決着がついていない二人は、お互いに文句を言いながら準備を始めた。
「とにかく、今日はセリナはお預けです。おすわりして待っていてください」
「私は犬じゃない! というより、エレノアはずっとしてたんだからいいじゃない! 一週間くらい我慢しなさいよ!」
「一週間!? 無理に決まってるじゃないですか! そんなに我慢したら、おマ〇コにカビが生えてしまいますよ!?」
「生えないわよ! 馬鹿じゃないの!」
エギルはため息をつき、そんな言い合いを無視してゴレイアス砦へと向かう。