※この作品はR-18です。

裏切られたSランク冒険者の俺は、愛する奴隷の彼女らと共に奴隷だけのハーレムギルドを作る   作:柊咲

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第17話

 集合場所であるテントに到着すると、《宝剣》の面々がテントから出てきた。その手には荷物を持っている。

 

 

 

「辞退するんですか?」

 

 

 

 ハルトは出てきた彼らにそう聞くと、代表して、ミカエラが苦笑いで答えた。

 

 

 

「まあ、自分たちはそこまで危険を冒してまで、このクエストを続行する必要はないですからね」

「そう、でしたか。ではどうしてこのクエストに?」

「自分たちの目的は、珍しい魔物がこの死地に現れるって噂があったから来たんですよ。その素材を手に入れたら、新しい武器が作れるかなって」

「珍しい魔物? それはなんですか?」

「オーガ種が生息してるって噂です」

「オーガ種、ですか……?」

 

 

 

 オーガ種――姿は人間に近いが、その縦幅も横幅も人間よりあり、強靭な肉体は鋼のように、凶暴で気性が荒く、人間に対しては好戦的な性格をしている。

 だが、前からこのクエストを受けていたハルトは首を傾げた。

 

 

 

「このゴレイアス砦にオーガ種が生息してるなんて聞いたことありませんし、見たこともないですね。そこまで魔物のレベルは高くなかったはずですから……?」

「え、そうなんですか? 目撃情報があったので。じゃあ、ガセネタかもですね」

 

 

 

 二人は首を傾げていたが、すぐに話は終わった。《宝剣》のメンバーはいるかいないか不明な獲物よりも、自分らの安全を選んだのだろう。

 そしてハルトは、少しの期間だが共にクエストを受けていた仲間たちと別れの握手をした。

 その男同士の友情をエギルは遠目から見つめる。そして、それは隣に立つエレノアもセリナもだった。

 

 

 

「……エギル様、よろしいのですか? ハルトさんに昨日聞いた話を伝えなくても」

「あいつから聞いた話を俺は、どこまでハルトに言えばいいと思う?」

 

 

 

 エレノアの問いかけに空を見上げながら聞き返すと、彼女は表情を暗くさせた。

 

 

 

「……そうですね。もしも彼女の言うことが正しければ、ハルトさんにどう伝えればいいかわからないですものね」

「ああ。それにフィーの言葉を伝えて、ハルトが無駄に動揺して、不審な行動を取って裏切り者に気付かれるのも避けたい」

「じゃあ、このまま内緒にするんですね?」

 

 

 

 セリナの言葉に無言で頷くと、エギルは、

 

 

 

「それじゃあ、そろそろ行くか」

 

 

 

 と、男同士の友情を終えたハルトと共に集合場所であるテントへと入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

「――多くの者が残ってくれたな」

 

 

 

 全員が集まると、全身を銀鎧で固めたエグヴェインが、ホッとした声を漏らす。

 ここにいない者たちが辞退した者だろう。ならば《宝剣》と《海竜の夢》の二ギルド。それと、

 

 

 

「《断頭の一閃》は、君だけか……?」

 

 

 

 エグヴェインが見てるのは、全身をローブに身を包むフィーだった。

 そして無表情の彼女は、コクリと頷き、

 

 

 

「みんな、ファビオラの側にいる」

 

 

 

 と答えた。

 

 

 

「君はいいのか?」

「いい」

「……そうか」

 

 

 

 フィーの素っ気ない言葉に、エグヴェインは頷いて正面を見た。

 各ギルドのリーダーが椅子に座り、その後ろにギルドメンバーたちが並び立つ。

 エギルは顔がばれないように頭を下げながら、目だけで各リーダーたちの表情を見ていく。脅えてる様子の者はいない。唯一、レリックがオドオドと、いつも通り不審な動きをしてるくらいだろう。

 エグヴェインは難しい表情をして、レヴィアはどこか楽しそうに笑って、ゲイルはどうでも良さそうにしていた。

 エギルは全員と会話したわけではないから、それぞれの目的は知らない。

 どうしてここに止まり続けるのか。それはわからない。ただ言えるのは、何の理由もなくここに止まっているのであれば、そいつはいかれた馬鹿野郎ということだろう。

 エギルだって、エレノアとハルトの件が終われば、すぐにでもここから立ち去りたいと思う。なにせここにいても、何も得られるモノがないからだ。もし得られるモノがあったとしても、それは大きなリスクを冒してまで求めるモノではない。必要としている危険に、得られるモノが比例していない。

 本当におかしなクエストだ。

 そうエギルが思ってると、エグヴェインが口を開いた。

 

 

 

「減ったギルドがいるから、昨日までのように、二ギルドずつペアを組むことが難しくなったな。これからは一つの門から攻めたいのだが──」

「え、えっと……その案はもう、止めませんか?」

 

 

 

 エグヴェインの言葉を遮ったのは、何かに脅えるようにキョロキョロと辺りに視線を向けるレリックだった。

 

 

 

「み、皆さんは、どうか知りませんが……その、僕たちの目的は別に、クエストをクリアすることじゃ、ないんです……。だからもう、一緒に行動するのは止めたいんです。それに……危険ですから。裏切り者はまだ、この中にいますよね? だから一緒に行動するのは、止めたいんです……」

 

 

 

 その言葉に、ニコニコとしていたレヴィアが反応する。

 

 

 

「その提案には我も賛成じゃ。目的は各々で違う。であれば、背後の者に脅えながら行動するのは遠慮したいのう」

 

 

 

 やはりレリックとレヴィアには、他に目的があるのだろう。クエストを受ける者が必ずしもクリアだけを目的としてるわけではない。《宝剣》がオーガ種を討伐するのが目的であったように。

 クエストをクリアしなければ依頼主は報酬を渡さなくていいのだから、決してそれは違反ではない。むしろ、クリアは”おまけ”であって”目的”ではないと考える者もいる。そしてレヴィアは言葉を続けた。

 

 

 

「それにじゃ。お主らのギルドの中に一人は、Aランク冒険者がいるのじゃろ? ならば、自分たちの身くらいは自分たちの力で守ってみよ――リスクを冒してでも何かを求める。それが、冒険者という存在ではないのかの?」

 

 

 

 そのレヴィアの発言が決め手となった。エグヴェインは反論することもできずに、その意見を聞き入れ、それぞれが別に行動することになった。

 

 

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