裏切られたSランク冒険者の俺は、愛する奴隷の彼女らと共に奴隷だけのハーレムギルドを作る 作:柊咲
第1話 プロローグ
~あらすじ
人間同士の争いを起こすための闇ギルド《終焉のパンドラ》のレヴィアから"先導者の器"と認められ『無名の王国』の主となったエギル。しかし、元々死地であった場所に人が集まるわけもなく、王国とはいえない状態が続いていた。
そんな時、フィーから人が溢れて困っている故郷の人たちを移住させてはどうかと提案される。エギルは王国のため、またエレノアたちのために、フィーと共にシュピュリール大陸へと向かうことに。新大陸で出会ったのは、九尾の力を身体に秘めた"湖の都"の長、紗霧華耶。長い間、終の国と争い続け疲弊した民を抱える彼女にエギルは手を差し伸べられるのか――。
一方、『無名の王国』の留守を任されたエレノアたち。ルディアナと名乗る謎の男の提案で、王女の肩書きを利用し自分たちの王国を認めてもらうため、フェリスティナ王国へ。それぞれが”誰か”のために動き出す――!!
新王・エギルは愛する者たちを救い、王国を守ることができるのか。
♦
──子供はいつか大人になる。
成長する生き物なのだから当たり前だ。けれど、どういう大人になるのかは神のみぞ知るというもの。
貧しく生きるのか、裕福な生活を得て最愛の者と家族を作るのか。
孤独な死を迎えるのか、幸せな人生を送り最愛の者たちに囲まれ生涯を終えるのか。
それぞれの人生があり、その良し悪しは本人にしかわからない。
けれど、一生懸命に生きようとした者には、恵まれた人生が待っているはずだ。
だからエギル・ヴォルツも、必死に生きようとした。
自分の未来が明るいものでありますようにと。
大切な者と、幸せな未来を築けますようにと。
しかし、彼は愛した女に裏切られた。そして、後に彼女が奴隷だと知った。
幸せな未来を一緒に築こうと思っていた初恋の相手だった。
何も悪いことはしてなかった。誰が見ても、誇れる人生のはずだった。
なのに。なのにどうして。
エギルはそう、何度も自分に問いかけた。
しかし、打ちひしがれる彼に手を差し伸べてくる人はいた。
終わったはずのエギルの人生は、終わるはずだった人生に変わった。
もう一度チャンスを与えられたのかもしれない。
彼はもう一度立ち上がり、進むことを決めた。
それからというもの、エギルの新しい人生は再び鮮やかな色を取り戻した。そして、その人生で、エレノアやセリナたちのような最愛の者たちと出会うことができた。
一度終わった人生なら、この人生は彼女たちに捧げ、共に歩もうと思う。
そしてもし、二人のように苦しんでいる者がいるのならば、その重荷を共に背負おう。背負えるものなら、いくらでも背負いたい。
そうして生きることが、エギルの糧となった。
偽善者だと笑う者もいるかもしれない。けれどこの生き方が、この人生が──新しい一歩を踏み出した、エギル・ヴォルツ、そのものだ。
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