魔境群馬・桐生ダンジョン特区〜底辺ランナーのハクスラ&ハーレム生活~ 作:Potoooooooo
▼桐生ダンジョン特区 メインエリア 中央広場
夕方の中央広場は、活気に満ちていた。
探索を早めに切り上げたクロウが足を踏み入れると、そこには管理局の出張所や蘇生施設から吐き出されてきたランナーたちがあちらこちらに溜まっていた。死の淵から戻ったばかりの者、あるいは幸運にも生還した者が、安堵と疲労が混ざり合った表情で時間を潰している。
あるグループは空腹を満たすべく大衆食堂ヤマダヤへ吸い込まれ、またある者は酒に逃げるように居酒屋義貞へと消えていく。一方で、鋭い眼光を崩さない連中は、夜の狩りに備えて装備を点検していた。
クロウは喧騒を避けながら、花壇の周辺で腰を下ろせる場所を探して歩いていた。ちょうど目の前で、ベンチに座っておしゃべりしていた女性ランナーたちが、待ち合わせていた男性たちと合流して、立ち去っていった。クロウが空白となったベンチに視線を移したとき、ふとその向こう側のベンチにちょこんと座り、深く項垂れている少女の姿が目に留まる。
幅広の魔女帽子が視界を遮るように深く被さっていたが、その小さな背中から漂う黄昏感は隠しようもない。
「あれ、スミレちゃん」
声をかけると、帽子のつばに隠れていた顔がゆっくりと持ち上がった。死んだような疲れ眼がクロウを捉える。もさっとした黒髪と、目の下にあるクマ。唇は自信なさげに閉じられ、上目遣いにジトッとクロウを見つめる。その姿は、記憶の中にある彼女そのままだった。彼女とは以前、よく一緒に行動していたものだが、クロウがアヤカと同棲するようになってからは、すっかり疎遠になっていた。
「あ、クロウさん……」
「ひとり?」
周囲を見回したが、彼女の知り合いらしき姿は見当たらない。スミレは力なく視線を落とし、だぼっとした魔法使いのローブの裾をぎゅっと握った。
「あ、はぁい……」
「どうしたの?」
「えへ……ちょっと落ち込むことがあってえ……」
弱々しい笑みを浮かべる彼女に、クロウはどう言葉をかければいいのか迷った。深く踏み込んで『どしたん? 話聞こか?』だなんて優しく寄り添えるほど、クロウは器用な男ではない。気まずさを抱えたまま、彼はただ隣のベンチに腰を下ろした。
沈黙が流れる。スミレは卑屈そうに肩をすくめ、重いため息をついた。
「クロウさんは元気そうですねぇ……」
「まあ、そこそこね」
その答えに、スミレはさらに深く項垂れた。あまりにも脆そうな様子に、クロウは不安を覚える。
「……本当に大丈夫?」
「えへえ、だいじょうぶですよぉ……」
力なく笑う彼女の表情には、まだ拭いきれない陰りがある。スミレは話題を変えるように、上目遣いに彼を見た。
「そんなことよりぃ、こんなところで油売ってていいんですか……アヤカさんが待ってるんじゃ……」
「いや、今日はこっちでご飯食べるから、暇つぶしをね」
最近のアヤカは管理局の仕事で、忙しく動き回っている。エリート管理官としての責務だろう。重要なタスクがいくつも舞い込んでいるらしく、その内容はクロウであっても軽々しく聞き出せない。出張も多く、家を留守にすることも多かった。出張前夜と帰宅後の夜はその分燃え上がるが、クロウとしては一緒に過ごす時間を増やしたい。だが、彼女のキャリアを邪魔することはできない。
ただ、溜まったストレスの捌け口が自分であることだけは分かっていた。夜、肌を重ねるたびに彼女が見せる激しい執着と解放感。その快楽があるからこそ、彼女は過酷な職務に耐えられるのだろう。
ふと、彼女を妊娠させれば強制的に一緒に過ごす時間が増えるのではないかという考えがよぎった。だがすぐに首を振って否定する。今の彼女にとってキャリアは優先事項であり、何より現在の生活水準は彼女の収入によって支えられている。身勝手な選択でそれを壊すわけにはいかない。
「忙しいんですねえ……」
「うん」
シズクも同様だ。クロウが注ぎ込んだ膨大な魔力をのじゃロリボディに宿し、今は研究に没頭している。その集中力を削ぐ勇気を持てないため、今夜も独りで寂しく過ごすことになりそうだった。
ふと隣を見ると、まだ心ここにあらずといった様子で俯いているスミレがいる。クロウは最近の生活で、男としての自信がわずかに芽生えていた。彼は意を決して、彼女に提案した。
「……よかったら、どっか食べに行かない?」
それは彼なりの不器用な慰めであり、同時に自分の中にある小さな欲求に従った選択だった。
▼桐生ダンジョン特区 錆街
二人は錆街へと足を向けた。その一画、以前に二人が住んでいたエリアは、良くも悪くも変わっていなかった。
たいして前でもないのに、なんだか懐かしい気分になりながら並んで歩く。道は記憶よりもでこぼこで、コンクリートで塗り固められただけの舗装路はあちこちひび割れ、雑草が顔をのぞかせていた。
二人は、ある小さな建物の前で足を止めた。視線の先にあったのは、古びた木製の看板を掲げた小さな定食屋だ。彼らがよく一緒に通い、腹を満たしていた店だった。使い込まれた引き戸を開けると、出汁と油の混ざった香ばしい匂いが二人を包み込む。
「おやまあ」
厨房から顔を出した太めのおばさんが、入ってきた二人を見て目を瞬かせた。彼女は手にしたふきんでカウンターを拭く手を止め、眼鏡の奥の目を細めて二人を凝視する。
「お久しぶりです」
「どうもぉ……」
クロウが軽く会釈し、スミレは気まずそうに視線を泳がせながら小さく声を絞り出した。店主のおばさんは、しばらくの間、呆気に取られたように二人を交互に見ていたが、やがて口角を上げてニヤリと笑った。
「あんたたち、久しぶりに来たねえ。相変わらずセットなんだねえ」
その言葉に、スミレの肩がびくりと跳ねる。彼女は慌てて手を振り、何かを否定しようとしたが、同時に懐かしさが込み上げたのか、ふっと表情を緩めた。
「いいから座りなさい。二人ともあんま変わんないけど、食えてんのかい?」
「一応は」
「えへぇ……」
クロウが適当に答え、スミレは曖昧な笑みを浮かべて視線を逸らす。店の隅にある小さなテーブルに並んで座ると、スミレは恥ずかしそうに帽子を深く被り直したが、その動作よりも早くクロウの手が伸びる。
「ひょわ」
不意に頭が軽くなり、スミレが声を上げた。クロウは彼女の帽子をひょいと取り上げると、空いている隣の席に置いた。
「ここ置いとくね」
「あ、はい……ありがとうございますぅ……」
帽子を失ったことで露わになった彼女の顔は、赤らんでいてどこか幼い。
「何にする?」
クロウは壁に書かれたメニューを眺めながら言った。
「えっとぉ……」
アホ面を見られていないことに安心して、スミレもメニューを見上げた。
「わたしは……焼き鮭定食で……」
「じゃあ俺は餃子定食」
二人の注文を聞いたおばさんは、何が面白いのかクスクス笑いながら厨房へ戻った。待っている間、店内に流れる心地よい静寂に包まれる。
「いつぶり?」
「一年以上です……」
スミレはぽつりと答え、ゆっくりと店内を見回した。
(いつからあるんだろう)
水着の女性がビールジョッキを片手に微笑む、端の色が白く焼けた酒類メーカーのポスター。開催日が数年前で止まったままの夏祭りのイベント告知。壁際には、もう使われていない公衆電話の案内ステッカーが剥がれかけて残っていた。『冷やし中華始めました』の張り紙は、いつから『始めました』のままなのだろう……。
厨房の奥からは油の弾ける音と、換気扇の低いうなり声が聞こえる。
「クランはどう?」
「クランは…………そのぉ……」
「ん?」
「ほぼ毎回打ち上げがあってぇ……」
「ああ……」
隅で縮こまって時間がすぎるのをひたすら待つスミレを想像して、クロウは憐れみの表情を浮かべた。
「落ち込んでたのってそれが原因?」
「えへ、ちがいますよぉ。ちょっとミスしちゃってぇ……」
あは、あは、と乾いた笑いのあと、スミレはずっしりと重いため息をついた。
「ごめん、思い出させちゃったか」
「へへぇ……」
スミレは曖昧に笑ってテーブルに視線を落とした。気まずい。そこへ、食欲を激しく刺激する香ばしい匂いが運ばれてきた。
「はいよ! お待たせ!」
おばさんが盆に乗せた料理をテーブルに置いた。
クロウの前に出されたのは、黄金色に焼き上がった餃子の山だ。皮はパリッと香ばしく、中からは肉汁が今にも溢れ出しそうに凝縮されている。一方、スミレの前の皿には、皮目がこんがりと焼けた厚切りの鮭が鎮座していた。身をほぐせば、ふっくらとした白い身から湯気が立ち上り、塩気のある香りが鼻腔をくすぐる。それぞれ、白米と味噌汁もついていた。
「……食べようか」
「そうですねぇ……えへ」
箸で餃子を一つ掴み、口に放り込む。パリッという快い音と共に、濃厚な肉汁が口いっぱいに弾けた。スミレも鮭の身を大きく一口頬張った。喉を通るたびに胃袋に心地よい重量感が溜まっていく。二人の間にあった辛気臭い雰囲気は、やがて食事の満足感に塗りつぶされ、次第に遠のいていった。
▼桐生ダンジョン特区 メインエリア スミレのアパート
メインエリアにあるスミレのアパート。玄関先まで送ったクロウが、軽く手を挙げて別れを告げる。
「またね、スミレちゃん。いつでも連絡して。じゃ、おやすみ」
その背中が夜の闇に消えていくまでを見送り、スミレは逃げるように部屋の中へ飛び込んだ。ドアを閉めた瞬間、彼女は弾かれたようにベッドへとダイブし、枕に顔を埋めて絶叫した。
「うー!ばかばかばかばかぁ!」
食事に誘われた喜びよりも、自分から誘いかける勇気が持てなかった情けなさが勝る。ましてや、「もしかしてワンチャンあるかも」などと淡い期待を抱いた自分に、激しい嫌気が差していた。
「うー……」
彼女はもぞもぞとベッドの上で丸まり、芋虫のように身をよじった。落ち着かない心を満たすように携帯端末を取り出し、手慣れた指使いでポルノサイトへアクセスする。
そこには、ダンジョンの瘴気によって性欲を増幅させられたランナーたちが、頭のネジの弾け飛んだような情事を撮影した動画が溢れていた。純愛から強引なレイプ、乱交に至るまでジャンルは多岐にわたる。中には、危険なダンジョン内部で事に及ぶ猛者たちの記録さえあった。
潜って稼ぎ、昂った性欲をセックスで発散し、その過程を動画として収益化する。探索による収入が頭打ちになり、それでも刺激への渇望が止まらないランナーたちが足を踏み入れる、快楽と金に塗り潰された深淵だった。
だが、いつもなら心拍数を上げるはずの過激な映像にも、今の彼女は全く興奮できなかった。網膜に映っているのは画面の中の男女なのに、頭の中に居座っているのはクロウのことだけだ。スミレは溜息をついてサイトを閉じると、端末の深い階層に保存されていたフォルダを開いた。
そこには、彼との断片的な記憶が閉じ込められている。
カメラを向けたとき、照れくさそうに控えめにピースしてくれたクロウ。頬を膨らませておにぎりを食べているクロウ。そして、隙を突いて隠し撮りした、無防備な寝顔のクロウ。
「……」
画面の中の彼を見つめるうちに、下腹部がじわりと熱くなる。スミレはもぞもぞと身をよじらせながら、片手をそっと自分の胸へと伸ばし、柔らかな膨らみを弄り始めた。
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部屋の中は、嘘のように静まり返り、スミレの小さな息遣いだけが微かに響いていた。
薄暗い照明の下、スミレはベッドの上で小さく丸まっている。端末に映し出されたクロウの寝顔を眺めているが、視線は次第にぼやけ、意識は現実から離れて心地よい妄想の海へと沈んでいった。
彼女が求めているのは、単なる優しさではない。
先ほどまで一緒にいた時の、あの不器用で淡白なクロウ。けれど、もし彼が自分を女として完全に支配しようとしたら。そんな妄想が、彼女の心に火をつける。
スミレはゆっくりと目を閉じ、暗闇の中に彼の声を再現した。それは、普段の彼よりも少し低く、冷徹さを孕んだ声だ。
『……おい、スミレ。いつまでそうやって、情けない顔して見てるんだ?』
脳内で再生されるクロウの声に、心臓が跳ねる。
(……クロウさんはこんなこと言わない。もっとこう……)
『ねえスミレちゃん。情けない顔だね。どうして欲しいのか言ってみなよ』
これこれ。
妄想の中の彼は、彼女をベッドに押し付け、逃げ場を奪って見下ろしていた。冷ややかな瞳で、まるで価値のないゴミを見るかのように、けれど声音は優しげに彼女の反応を観察している。
『こうしてほしかったんだ? 自分では言えないけど、心の中でずっと期待してたんだね。スケベ。淫乱』
「っ……」
スミレは小さく吐息を漏らした。
妄想の中のクロウは、妙に手慣れていた。しばらく見ない内に垢抜けてモテ始めた幼馴染みたいだ。私が先に好きだったのに、他の女の人とセックスしてレベルアップしたんだ。悔しい。でも、今の彼女にとってそのスパイスは最高の刺激だった。
妄想の中の彼は、さらに追い打ちをかけるようにイジめてくる。
『ほら、身体は正直だね。もうこんなになってさ。完全に俺に都合のいい女じゃん』
その言葉に呼応するように、スミレの手が衣服の上から自身の胸へと到達した。
指先が触れたのは、薄い布越しに硬く突き立っている乳首だ。彼女はゆっくりと、そこを指先でつまみ上げた。
「あ……んっ」
背筋がゾクりと震える。硬くシコリ勃った乳首を、指の間でコリコリ。布越しの乳首弄りは慣れたもので、自分が気持ちよくなれるような力加減で、こりこり♡かりかり♡と乳首オナニーに没頭する。
クロウは、彼女の反応を見て鼻で笑った。
『あーあ。乳首勃起しちゃったね。いつも自分で弄ってるのかな? すっごいエロ乳首、見られて嬉しいんだ? じゃあ見ててあげるからさ。イってごらんよ。上手にイけたら褒めてあげる』
その命令に従うように、スミレは指に力を込めた。
「ぉ゛っ……♡」
乳首をコリコリと転がし、時には強く弾く。鋭い刺激が脳を突き抜け、下腹部へと熱い奔流となって流れ込んでいく。想像の中の彼は、彼女の胸元を乱暴に剥き出しにし、繊細な指先でそこを弄っている。
『欲求不満な淫乱魔女。イけ。イけ、イけ。乳首弄られてイけ。淫乱エロ乳首女が』
ぴんっ♡ぴんっ♡
こしゅこしゅこしゅこしゅ♡♡♡♡
すりすりすりっ♡♡♡♡♡
「お゛ほっ……♡」
スミレの喉から、嬌声が漏れた。頭の中にクロウの声が反響し、言葉責めの快楽が理性を削り取っていく。自分という存在が彼の所有物になったかのような錯覚に陥る。至福の隷属感が脳裏を支配した。
乳首オナニーは次第に激しくなった。端末を投げ出し、仰向けになったスミレは、両手で乳首をかりかりかりかりっ♡と激しく弄る。
「ぉっ♡ぉっ♡」
甘イキ。じわっ♡とおまんこから透明の汁が溢れ、股を濡らす。甘い快楽が乳首から昇り、脳が蕩けた。脳内では、クロウが彼女の耳元で、言葉を囁き続けていた。
『情けない声だねスミレちゃん。ざぁこ。雑魚メス。雑魚乳首。そんな簡単にアクメして恥ずかしくないの?』
「んぉぉぉ……っ♡♡♡」
甘イキが積み重なり、さらに深いアクメが近づいていた。腰が浮き、へこっ♡へこっ♡と宙に向かって浅ましく腰が振られる。指先で乳首を強く弾くたびに、視界に白い火花が散る。
『イきたい? でもダメ。勝手にイく権利なんてスミレちゃんには無いんだから』
妄想の中の彼は、絶頂の間際まで彼女を弄び、最後の一押しをあえて焦らしていた。もどかしさと快楽が混ざり合い、スミレはベッドの上で激しく身悶える。
『イけ、イけ。”スミレ”』
「お゛ッ♡♡♡♡」
その冷酷な宣告が、最後の一押し。限界まで張り詰めた快楽の弦がぷつりと切れ、スミレはベッドの上で仰け反りアクメをキメた。
「んおぉぉぉぉっ♡♡♡♡」
がくがく♡♡びくびくっ♡びくんっ♡♡♡
激しい痙攣と共に、身体から力が抜けていく。指先から伝わる熱い拍動がゆっくりと収まり、部屋には彼女の荒い呼吸音だけが響いていた。
スミレはぐったりとしたまま、天井を仰いだ。頬は紅潮し、瞳は潤んでいる。妄想の中のクロウは、満足げに鼻で笑って、そのまま彼女を置いて去っていった。その突き放された感覚さえも、今の彼女には心地よかった。
「……ばかぁ」
小さく呟いた言葉は、彼への恨みではなくて、彼をおかずにしたことへのどうしようもない罪悪感だった。