エマの肩を押して、ソファの背もたれに押し付ける。顔を近づけてキスを交わし、そのまま舌先を彼女の中へと侵入させた。
抵抗することなく受け入れてくれた彼女の口の中を、舌先でつついて舐めていく。特に八重歯を念入りになぞった後で、一度お互いの距離をとった。
「お酒……」
「ん?」
「お酒って、こんな感じなんだね」
先ほど飲んだばかりだから、まだ俺の口の中に残っていたのだろう。エマには飲ませないと言った直後でやってしまったが、微量だったら問題ないだろうと思いなおす。
「大丈夫か?きつかったりしない?」
「ほんの少しだけだったし。大丈夫だよ。ちょっと独特な匂いだっただけ」
「そうか……嫌じゃないならいいんだけど」
「嫌じゃないよ。むしろ先生からお酒の匂いがすると、こう……ダメな大人って感じがして、少し嬉しい」
エマにはそういうところがある。俺のダメな部分や情けないところを見て、とても楽しそうに笑う性癖が。普段だったら羞恥心で委縮してしまうところだけど、アルコールの入っている今の俺は無敵である。
「ダメな大人だって言うならそれでもいいよ。相応の行動をするだけだから」
「え……?」
欲求のまま、エマの胸へと手を伸ばし、揉みしだく。彼女を感じさせることを目的としない身勝手な動きに合わせて、エマのふくらみが形を変えた。
「も、もう。バニーさんへのお触りはダメなんだよ。えっと、そう言うお店じゃないんだから」
「酒を飲んでる男のそばでこんな服装したら、手を出されるに決まってるよ。分かってて着てきてるよね?」
「そ、そんなことないよ……」
エマの設定に沿った嘘を聞きつつ、指先で彼女の胸をへこませる。それだけでバニースーツの裏側へと簡単に侵入することができて、俺の指先が彼女の乳首へと届いた。
そのまま上下に何度も弾いてあげると、それだけで固くなり始めていく。
「あっ……んっ……もう、エッチ……セクハラじゃないかな、これ」
「セクハラねぇ……まあ、セクハラか……?」
「そうだよ……んぅ……ボクにセクハラして、楽しいの……?」
「それは楽しいね、うん。楽しくて仕方ない」
「うぅ……ダメな大人だ……」
まんざらでもない表情でこちらのことを批判してくる、その言葉を聞き流しつつエマの下半身へと手を伸ばす。プレイ用の衣類だからだろう、股の部分の布は少しめくれるようになっていて、その中に小さなファスナーが隠されていた。
ファスナーをゆっくりと下していくと、それだけでエマの小さな穴が外気へと晒された。下着をつけていたら脱がせるのが大変だったから楽にすんで助かったと思う。
きっと彼女も、それを分かっていて下着をつけてこなかったのだろう。
「あっ……そこ、触っちゃ、やっ……!」
「ふーん。どうしてダメなの?」
「え、えっと、それは……あんっ……」
割れ目の上の突起をいじると、それだけでエマは快楽に身をよじらせ、愛液を漏らし始めていた。それに思考を乱されながらも、どうにか設定に沿って嫌がったうえで理由を絞り出そうとしている。
「ダメな、理由……んっ、えっと……好きな人にしか、触らせちゃだめだから、とか……?」
「なら、俺は触ってもいいよね?」
エマの穴に指を入れて、奥の方をくすぐってやる。その刺激に、エマはびくりと体を跳ねさせながら返事をしてくれた。
「それっ……は、うん……。先生は好きな人だから……その、触って……いいよ」
「……ホントかわいいよ。君は」
そう言って彼女の肩を押し、ベッドへと横たえる。無抵抗のままこちらを見ている彼女の前でズボンを脱ぎすて、エマの上に覆いかぶさった。
「入れるよ」
ただ一言宣言する。それに対し、彼女が小さく一度頷いたのを見て、腰を前へと押し進める。
少女とのセックス。ペニスを包む快楽と心を満たす悦楽が、脳内麻薬を分泌させる。アルコールと興奮で理性がドロドロと溶けていって、自制心が取り払われる。
酒のおかげで少しぼやけたような、口当たりのいい性感を感じながらゆっくりと腰を振りつつ、エマに向かって問いかける。
「せっかくだから何かサービスしてほしいな。ほら、今の俺お客さんだし」
「さ、サービスって、ん、何すればいいの……?」
「それは……分からないけど、バニーっぽいやつ?」
「うぅ……無茶ぶり……」
体の中をこすられる快楽を感じて顔を赤くし、荒い息を吐きながらもエマはどうにか考えようとしていた。そして両手を開き手の平をこちらへ向けて、頭に乗せた状態で言った。
「え、えっと……ぴょんぴょん……?」
その瞬間、一際強く腰を振ってエマの体へと叩きつける。
「あん!な、なんで?ダメだった?」
「いや、むしろ逆に、凄く可愛かったからしたくなった」
「そ、そういうものなの……?」
そのあたりの男心は、まだまだ彼女の理解の外なのだろう。不思議そうに首をかしげて、試すかのように何度も繰り返す。
「ぴょ、ぴょんぴょっ……あっ!ぴょん……んっ、もう、ボクが頑張って、るのにぃ!」
「でも明らかに誘ってるじゃん。して欲しくて言ったんだよね?」
「違うよっ……先生が、可愛いって言ってくれたからだもん、ふふっふふふっ……」
「えー、本当?」
「本当っ……ん、だもん。ふふっ」
自分でも無理がある嘘を冗談として言いつつ、体を揺らされながらクスクスと笑っている。犯しながら問い詰めても、彼女はもっと嬉しそうにするだけだ。
今日のエッチは、普段とはどこか違うものだった。いつもの薄暗く淫靡なものと違い、なんだか明るくて楽しく感じる。
恋人どうして語り合い、笑いあいながら、互いの体を求めあう。一人でするのとも風俗でするのとも違う、愛あるセックスと言うものなのかもしれない。
二人でイチャイチャしながら気持ちよくなっていくその空間は、幸福だけで満たされていた。好きな人の存在を全身で感じて、互いの好きを伝え合う。ずっとこうしていたくもなるが、限界を迎える射精欲求がそれを許してくれなかった。
「あー……エマ。そろそろでそう」
「そうなの?んっ……バニーさんの中に出すなんて、ダメなんだよ?ダメな大人だよ?」
「でも君はそのダメな大人におちんちん入れられて喜んでるよね。ダメ男が好きなの?」
「ち、違うもんっ。立派な人がボクでダメになっていくのが好きなだけで、初めからダメな人が好きなんじゃないよ!」
「それはそれでろくでもない性癖だな……」
普段なら恥ずかしがって言わないようなことを暴露してしまうあたり、エマもこの空気に酔っているのだろう。今ならいつも聞けないようなことにも答えてくれるかもしれないが、それよりも早く射精したくて、腰の動きを激しくする。
「イクよ、エマ。そんなに言うなら、ダメな大人の精液出すからね……!」
「あんっ!んん!ダメ!ダメだよ!?ボク、まだ15歳なのに!」
「出す……よ……うっ……!」
エマの言葉だけの拒絶を聞きながら、彼女の中に精液を注ぐ。小さな性器の中で何度も収縮を繰り返しつつ、その奥の方を染め上げる快楽を味わう。
「あ……出さ、れてる……。先生が、ボクの中でダメになっちゃった……」
いけない快楽に浸る俺と共に、エマもまた何度も体を震わせて、小さな絶頂を迎えていた。
■
翌朝。最悪の気分で目が覚めた。久しぶりのお酒で加減もわからないままに飲みすぎたのだろう。軽度の頭痛と吐き気と共に、全身がだるさに襲われている。
だが、それ以上に俺を責め立てるのは昨晩の自分の言動だった。
(お、俺はなんてことを……)
思い返しても自分らしくないことばかり言っていた気がする。まるでエロ親父。AV男優。あるいはヤリチンか。いずれにせよ性と言うものを軽く扱ったプレイだった。
(セックスを大切で崇高なものだと思うこと自体が、童貞臭い考えなのかもしれないが……いや、俺はもう童貞ではないのだが……しかしエマ相手にあんなことを……)
さらに嫌になるのがこの状況。ベッドの中から一人で起床したことだ。窓の外の太陽はいつもより明るく輝いていて、俺が完全に寝過ごしたことを伝えている。
エマはおそらく先に起きて活動を始めているのだろう。散々お酒を飲んで寝過ごし、女の子に仕事を任せるなんて、自身が最低のクズ野郎になった気分だった。
ともかく、それが嫌ならすぐ動かなければならない。アルコールの残る体に鞭打って、無理やりベッドの外に出る。階下に降りて水の入ったペットボトルを確保し共用スペースに入ると、やはりエマは先に起きていた。
「あ。おはよう先生」
「おはよう……その、ごめんな。寝過ごしてしまって」
「ううん、大丈夫だよ。先生はいつも頑張ってるんだから、たまにはゆっくり休んでて」
そう言ってくれるエマに申し訳なさを感じつつも確かに少しだけしんどくはあって、俺は椅子に座って水を飲んだ。
エマは辛そうな俺をする俺を楽し気に見つめた後、自分の手元に目を戻した。彼女は一冊の本を持っていた。俺が起きる前から読んでいたのであろうそれは、中盤あたりまで読み進められている。
本のタイトルは、「お酒はどのように作られるか」であった。
「…………エマ?その本だけど」
「え、えっとほら!先生にも気晴らしは必要だから!けれどお酒だっていつかは飲めなくなっちゃうんだから、準備は必要だよね!先生がいつもやってることだよ!!」
慌てて取り繕うかのようなエマの言葉。それに対して、疑念が顔に出てたのだろう。気まずそうにした後、彼女は小さな声で口にした。
「これは先生のためであって……下心があるわけじゃ、ないよ……?」
その言い訳が無かったら、信じてあげてもよかった。