昨夜は、ベッドに体を横たえるとすぐに睡魔に襲われて、あっという間に眠りについた。今朝も、目覚めたのは9時を回ったところだった。昨日は、多くのことがいっぺんにやってきた気がして、精神的にも負荷が大きい一日だった。まだ、疲れが完全に抜けたわけではない少し重い気がする体を起こして、車椅子に乗る。リビングは、まだ朝の静寂を守っているかのようにボクを独り占めにした。
新聞を広げて、冷たいカフェオレのマグカップを口に運んでいると、リビングのドアが開いた。
「はぁぁ、おはよう」
「おふぁようございます」
誰が見ても、寝起きですという顔をして二人が朝の挨拶をした。咲恵は薄いピンクのパジャマで、萌は黒のブラとショーツのセットアップの下着姿だった。
「二人とも、まだ眠そうだね。あれから、すぐに寝たんじゃないの」
「う、うん。ちょっと、お喋りとかしてたんだ」
「そうそう、恋バナをね」
「女の子同士って、お喋り好きだよなぁ」
「でもね、話をしてたらいつの間にか寝ちゃってて」
「気持ちよくなってさ」
「気持ちよく?」
「あー、お喋りしてたら気持ちがハイになっちゃって」
「それって、逆に目が冴えるパターンじゃないの?」
「うーんっとですね」
「瑞樹、お腹減ったよ」
二人の話がちぐはぐな気がしたのだけれど、あまり突っ込むといけない気がして、朝食の話に乗っかっておく。
「ブランチを食べに行きましょうよ。お姉さんのわたしが、ご馳走しますよ。ファーストフードで良ければ」
「咲恵ちゃん、ほんと。ハンバーガーとポテト、食べたかったんだ」
萌は、うれしそうに下着姿で咲恵に抱きついた。
「今日の予定は?」
「ハンバーガー食べた後、三人でホテル行くって言ったじゃん」
「それ、本当に行くんだ」
「昨日、決めたでしょ。ほら、ハンバーガー食べて力付けないと、このはち切れんばかりのおっぱいが揉めないぞ」
萌は、黒のブラジャーに収められた乳房を腕で挟み込んでボクに突きだした。
「そっかぁ。二人の女の子のおっぱいを揉むんだから、栄養付けないとだめですもんね。ダブルチーズバーガーを瑞樹さんにはご馳走しますね」
咲恵は、パジャマのボタンを外して胸の谷間が見えるようにして萌の横に並んで色っぽい表情で笑って見せた。
「咲恵さんまで、なんでノリノリなんですか」
「いいじゃないですか。なんか、三人でお出かけするって楽しそうで」
「だよねぇ」
「わかりましたよ、じゃあ、支度をしてくださいね。その格好じゃだめでしょ」
「はーい」
「瑞樹も、着替えてね」
二人は、そそくさとリビングを出て行った。咲恵が、きっと反対するだろうと思っていたのに、萌につられているとはいえ、結構前向きな姿を見せているのが不思議な感じがした。昨夜より、もう一段階段を上ったような親密度になった。
「じゃぁーん。どう、似合ってる?」
いつもとは違う雰囲気の萌が、ボクの前に立っていた。
「咲恵ちゃんが、貸してくれたんだ」
ボクの前で一回転して、ピンクのワンピースのスカートを翻して自慢そうにしている萌が言った。
「ほら、パンツもピンクでコーディネートしてみたよ」
そう言って、ボクの目の高さまで、スカートをめくって見せてくれた。
「こらっ、だめじゃないですか。そんなことしたら」
「えへへ。瑞樹の気持ちも盛り上げようと思って」
「わたしはどうですか。瑞樹さん」
咲恵は、水色の空に白い雲が描かれたワンピースを着ていた。
「ちなみに、パンツは白ですけど」
隣の萌が、咲恵のスカートをはらりとめくって魅せた。
「もう、萌ちゃんたら」
二人は、仲のよいネコのようにじゃれ合っている。
「二人とも、よく似合ってるよ。さあ、行こうか」