ボクは、律子の言葉に少し驚いた顔をしたのを気づかれた。
「あっ、男性との関わりがなかったわけではないのよ。お客様として来てくれてた男性の人たちとはお話はしてたのよ。ただ、リアルで男性に触れたことはないのよ」
「映像では、見たことあるんですよね」
「もちろん、興味あったからね。でも、初めて男性のモノを見た時は、驚いたわ。わたしだって少女の頃はあったから。性行為の映像を見た時も、ドキドキしたのを覚えてる。みんな、こんなことをしてるんだって考えて、普段は上品な女性だって裏ではこんなに乱れたりするんだって思ったら、少し人間不信になったわね」
「でも、こういう行為を経て、ボク達が生まれてるんですからね」
「そうなのよね。お母さんも父親とセックスをして、わたしが生まれたんだって信じるしかないことだってわかったわ」
「そう割り切ってしまうと、次に来るのは興味しかないですよね」
律子は、長らく待ち望んでいたチャンスを逃したくはないだろう。律子にとって、突然転がり込んできた獲物だということを、ボクはわかっている。
「今は、探究心さえあれば、知りたい情報が得られる時代だからね。自分のパソコンで、いろいろな映像を漁って見てたら、それをお母さんに知られてしまったの。わたしだって、生理も始まってたし、お母さんも大人の女になったとわかっていたから、エッチな動画を見てたとわかってもなにも言わなかったわ」
「大人のおもちゃを買ったのは、いつ頃だったんですか?」
律子は、少し小首をかしげて考えていた。
「わたしも二十歳を過ぎた頃には、いくら成長が遅いとはいえ胸も大きくなってくるし、性器だって無修正のエッチ動画に出てくるような大人のモノになっていったの。オナニーだって、いろいろ勉強して試してみたわ。乳首を指でつまんだり、クリトリスを触ってると気持ちよくなって絶頂感を迎えることもわかったわ。自分のカラダは動かないところが多いけれど、ちゃんと女として気持ちよくなれることが、とてもうれしかったわね」
「それは、ボクも知らない人から勃つのかってよく言われてましたし、女性からもエッチする直前に勃起したところを見て、やっとエッチ出来るのだと信じてもらうこともありましたよ」
「男性は、勃起しないとだめだって言われますもんね。女性は、入れる穴さえあれば一応出来るだろうって思われますからね。だけど、本当に出来るのかなと思ってしまい、指とは違うちゃんとしたモノで確かめたくなって、おもちゃを買ってみようと思ったんですよ」
「で、どうやって手に入れたんですか。おもちゃは」
「買うのは、ネットで探せばすぐに見つかったのだけど、突然そんな荷物が届いたらお母さんが驚くじゃない。だから、お母さんに買うことを言ったの」
自分でも、おかしそうに笑いながら律子はボクに言った。
「そんなことを言ったら、お母さんはびっくりしたでしょう」
「それがね、なんのために買うのかって反対に聞かれてしまって。わたしが女であることを確かめたいから買いたいって言うと、使う時は自分ひとりで使わないって約束で買っていいことになったの。私の方が、使う時のことを想像して恥ずかしくなったくらいだったの」
「理解あるお母さんですね」
律子は、首を横に振りながら言った。
「結局は、わたしが普通の人間じゃなくて、お母さんもそれが負い目だったんじゃないかしら」
「でも、端から反対されるよりはよかったじゃないですか」
「それはそうなんだけど。頼んだ荷物が届いて、お母さんに箱から男性器の形のバイブレーターを出してもらった時には、さすがに恥ずかしかったわ」
「で、使ってみたんですよね」
「うん、わたしをお風呂に入れて、それからそのバイブをお母さんが綺麗に拭いてくれたの。そして、わたしの右手に持たせてくれて、わたしの足を広げてくれて入れる場所に位置を合わせてくれたわ」