「うっ、ううっん」
節子は、ボクの手首を握り指を出し入れしている。その動きを補完するように自身の腰も揺らして、あえぎ声を上げながら快感に浸っている。
「もっもう少しだから」
荒い呼吸の間に、快感の高まりをボクに知らせる。
「なにか、シートに敷いておかなくても大丈夫ですか」
ボクは、面接の時の激しい節子の潮吹きを思い出して、下半身周りが濡れることを懸念して言った。
「車のシートは、もし濡れることになっても大丈夫。だけど、瑞樹さんにかからないようにしなくっちゃね」
そう言うと、腰の向きを変えて、ボクからは直接指が出し入れさせている股間は見えなくなった。節子は安心したように、ボクの手を動かすスピードを上げていった。
「もう、行くかもぉ」
車の外にまで届くのでは無いかと、心配になるくらいの大きさで絶頂を迎える声を上げた。
「ああっっ」
腰が浮き上がり、カラダ全体が小刻みに震えて、ボクの手に生ぬるい液体で濡れるのがわかった。前回のように、周囲に液体が飛び散るようなことも無かったがシートには大きなシミが出来ていた。
「ごめんなさい」
節子は、肩で息をしながら起き上がって、車に置いてあったウエットティッシュを取り出してボクの手を綺麗に拭いた。そして自分の太ももから股間も拭いて、紙くずのように転がっていた紫のショーツをはいて、ボクを車椅子に戻した。
「遅くなっちゃたわね」
「それはいいのですが、律子さんは大丈夫ですか」
「渋滞に引っかかったと話を合わせてください」
「はい」
どこか勘のいい律子が、その話を素直に信じるかどうかは疑わしかった。しかし、これほど何度も母親が自分の欲求をボクにぶつけたとは想像さえもしないだろう。少しスピードを上げた車は程なく駅について、ボクは車から降ろされた。
「では、また来週にお迎えに来ます」
「はい。よろしくお願いします」
「わたしとの約束も忘れないでくださいね。時間を作れたら、連絡を入れますからね」
「わかりました」
節子は笑顔で、丁寧に頭を下げ挨拶をして車で帰っていった。
今日のことは、当然ながら咲恵と萌に伝えなければならない。律子のことは特別な事情もあり、『同じ女性とは二度会わない』という約束からは除外すると彼女達二人から了解は得ている。しかし、母親である節子は約束からの除外の範疇には入らないだろう。それにも増して、何度も節子と関係を持ったことも、これからも秘密で会う約束をしたことなど言えるはずも無かった。彼女達に、ウソをつかざるを得ない状況にしたのは自分の責任だ。そのことを考えると、家にたどり着きたくなった。
「会ってきたよ」
「どうだった」
「どんな感じの人でしたか」
そんなコメントで始まった、グループLINEは興味津々の彼女達二人のコメントで溢れた。
「お母さんの身体検査もあったんだよね」
「いろいろ触られたんですか」
「うん、まあ。お風呂にはお母さんに入れてもらったから」
「そうなんですね。洗ってもらったりしたんですか」
「あそことかも洗われたの」
「うん、まあ。律子さんも横で見学してたし」
「それで、合格だったんだよね」
「うん」
「律子さんとは、今度いつ会うことになったんですか」
「来週に。再来週以降には生理が来る予定だとかで」
「生理前に処女とさよならかぁ」
「生理前にやっちゃうんですね」
「なにかまずいことでもあるの」
「まあ、人それぞれなんだとは思うんですけど、排卵日付近は性欲が強くなる人もいるって聞いたので」
「ああ、律子さんもそんなことを言ってた」
「確信犯かぁ」
「今日は、律子さんは見学だけだったんですよね。男性の体を見たことないからって」
「見るだけで済んだの」
咲恵も萌も、鋭いコメントで質問してくるのでドキドキする。うっかり口を滑らさないように、考えながらコメントを打った。
「お風呂で、触ってみたいって言われた」
「それって、瑞樹さんのモノをってことですか」
「で、触らせたんだ」
「生まれて初めてだって言うものだから、慣れてもらうためにって思って」
「普通の状態でだったんですよね」
「うん、まあ」
「勃ってたんじゃないんでしょうね」
「い、いや、そんなことないよ」
「あやしいな」
「あやしいですね」
「ちょっとだけ、刺激に負けて大きくなりかけたかな」
対面での質問で無くて良かったと、ボクは冷や汗を掻きながらスマホに向かっていた。
「もし、三人目の彼女になるようだったら、わたしたちも律子さんに面会させてもらいますからね。そうでしょ、萌ちゃん」
「そうだね、それは大事だと思うね、咲恵ちゃん」