「人間の舌って、こんな感じなんだね」
「さっきも、同じようなことを言ってましたね」
「だって、どれも初体験なんですもん」
「ここまでは、満足ですか」
「もちろん」
ボクは再び乳首に舌を這わせた。律子は、舐められていない右の乳房を自由になる右手で持ち上げて
「こっちも」
と言って催促をした。ボクは、持ち上げられて舐めやすくなった乳房を口全体で吸いついた。今まで舐められて唾液で濡れている乳首を、指先で転がして弄んだ。
「もっ、もう」
律子の呼吸は、早くなり肩を奮わせていた。
「大丈夫ですか」
「う、うん。大丈夫。気持ちよくって」
「ちょっと、休憩しましょうか」
「そうね」
ボクも、車椅子から身を乗り出す状態でいたので、休憩はありがたかった。後ろに立っていた節子が、ストローの刺さったペットボトルの水を黙って差し出した。
「ありがとう」
「ありがとうございます」
二人は、両手で差し出された各々のストローを口に咥えて乾いたカラダに潤いを吸い込んだ。
「これからは、どんなシチュエーションになるの」
「うーん。普通のカップルだったら、スカートの中に手を入れてパンツの上から大事なところを刺激して、感じてきたらスカートを脱がしてパンツを降ろして直接触るってところでしょうか」
「なるほど、スカートの中に手を入れて触ってもらうまではいけそうだけど、その先はわたしたち二人だけでは無理そうね」
「そうですね。お母さんにヘルプを頼むのもいいですけど、無理してそこまでしなくても、お風呂に行ってからの、二人で洗いっこのパターンでいいんじゃないんですか」
それを聞いていた律子は、なにかを考えているようだった。
「待って。それまでわたしは、自発的にあなたに触る場面はないわけ」
「あー、そういえば忘れてましたね。いや、この後は律子さんのターンにしてボクの触りところを触るということでもいいんじゃないですか」
「その前に、わたしだけ上半身だけでも裸って不公平じゃない」
「そうですか。ボクは楽しいですけど」
「今日は、わたしも楽しんでいいんでしょ」
「もちろんです。そのためにボクはやって来てるんですから。でも、ボクはTシャツを脱いでも律子さんは楽しくないんじゃないですか」
「そんなことはありませんよ。わたしだって、瑞樹さんの乳首を舐めてみたいですし。それに、上半身裸になれば、次はジーンズのファスナーを降ろしてっていうシチュエーションがやって来るじゃないですか」
律子からすれば、そういう場面を想像しても何の不思議でもない。
「じゃあ、それでいきましょう」
水分補給も終えて、呼吸も整ったところで行為を再開することにした。
「律子さん、ここを持って引っ張る感じにしてください」
ボクは、Tシャツの裾を背中から引っ張り上げて、律子の手に持たせた。
「瑞樹さんも、裸になりなさい」
少し芝居がかったセリフを発して、律子はTシャツを引っ張った。脱皮するようにスルスルと、Tシャツは脱がされてボクも上半身裸になった。
「こっちに来て」
律子が、ボクのカラダを引き寄せる。ボクの胸に口付けをしようと前屈みになる律子のカラダは不安定になる。ボクは、肩を手で支える格好になり、律子の顔はボクの胸の前で固定される。半開きになった口から舌を伸ばして、ボクの乳首にそっと触れる。くすぐったい感覚がボクのカラダを走る。律子はもっと顔を近づけると、ボクの胸に口づけをする。
「ねえ、どんな感じ」
「少しくすぐったいけど、悪い感覚じゃないです」
「気持ちいいって、言ってくれてもいいのに。初めてなんだから」
拗ねたように、すぐに唇を離して右手をボクのジーンズ越しにペニスの膨らみを触って言った。
「じゃあ、本命を攻めるわね」