ボクは、今日の最大ミッションを終えて、少しの腕の痛さを感じながら、律子の独り言を聞いていた。処女でなくなったくらいで、人間としてなにが変わるというわけではないのだ。ボクも童貞を捨てた時、なにも変わらなかった。見えない一つのタグが、外れたくらいのモノだった。捨て去ったタグを、拾い上げてみたとしても本人にとっては一つの通過点に過ぎないと思った。
「瑞樹さん、大丈夫。がんばってくれて、本当にありがとう」
「律子さんにとっての、目標は達成出来ましたか」
「もちろんよ。瑞樹さんの、初体験は正常位でっていうポリシーにも感動してるのよ。あんな感じで、相手と真剣に向き合ってすることが大切なんだってわかったわ。このポリシーの達成者は、わたしで何人目なの」
「今日で二人目ですよ」
「最初の一人は、彼女さん?」
「そうですね」
「わたしと彼女さんは、どこか違ってた」
「それは人それぞれですから。でも、二人とも汗だくになるのは、ボクの方だってことでしょうか」
「それは、そうだわね。おつかれさま」
二人とも、視線を合わすことなく天井を見上げて笑った。
「これどうぞ」
節子は、ボク達にペットボトルのミネラルウォーターを手渡した。気を利かせてすでに蓋が開けられているペットボトルでのどを潤す。
「これで終わりって訳じゃないわよね。瑞樹さんも逝ってはないんだし」
「そうですね。まだ、ボク自身も元気はありますからね。今度は、お互いリラックス出来る体位、えーっと背面側位ってわかります?」
「わかるわよ。大人の女性ですもん。でも、わたしはやってみたい体位があるの」
「なんです」
「騎乗位」
「それは、ボク達だと難しいですよ」
「わかってるわ。だから、お母さんにヘルプを頼むのよ」
「いいですけどぉ」
ボクは、ベットの脇に座って、律子の背中を支えている節子を見た。
「ねぇ、いいでしょ、お母さん」
「わたしはいいですけど、瑞樹さんさえ良ければ」
「ボクはいいですよ」
「じゃあ、いいわよね」
律子はうれしそうに手に持ったペットボトルを上に差し上げた。
「今度も、がんばってね」
律子は、ペットボトルを節子に委ねて、ボクのペニスを握った。
「もう、休憩は終わりですか」
律子は笑顔で頷き、ボクのゴム付きのペニスをしごき始めた。
「このコンドーム、鉄臭いですよ」
「血がついてたからじゃないですか」
「交換しましょ」
といい、ペニスからゴムを抜きにかかる。無理矢理引っ張って、伸びたコンドームがパチンと音がして生身のペニスが現れる。
「わたしが着けたいから、瑞樹さんも手伝って」
新しいコンドームを、節子から受け取りボクにはペニスを立たせるようにボクに指示を出す。律子は口にコンドームを咥えてペニスに向かってかがみ込む。亀頭にゴムを被せると、口でゴムを覆っていく。
「瑞樹さんは、仰向けに寝てちょうだい。今度は、わたしが上でがんばるからね」