「大丈夫?」
バスタオルを巻いて、ベッドの脇に座っている咲恵に言葉をかけた。
「ほら、お水飲みなさい」
膝の上に載せて持ってきたミネラルウォーターのボトルを差し出す。
「開けてあげるね」
反応が薄い咲恵が心配になり、近づいて垂れ下がった髪を耳にかけてやりながら顔をのぞき込む。
「ありがとうございます」
顔を上げた咲恵は、ボトルを受け取ってノドに流し込んだ。
「大丈夫です。もう、落ち着きました。カラダが急に熱くなっちゃって」
「よかった。少し横になったら」
「じゃあ、瑞樹さんも一緒に」
「ボクも?」
「はい」
「わかった」
ボクは、その言葉に従ってベッド脇に車椅子をつけて、お尻をベッドに移した。ラブホの大きなベッドの割と端の方に横になる。咲恵も横になったみたいだけれども、大きな枕の地平線に邪魔されて顔は見えていない。真っ直ぐ仰向けになり、目を閉じる。先ほどの咲恵の反応は、絶頂感の手前だったんだろうか。咲恵は、そのことについて気がついていないのだろう。あれこれ考えていると、シーツのすれる音と共に、もう熱いと形容してもいいくらいの手が、ボクの胸の上に乗った。
「寝ちゃいましたか?」
ボクは目を開けて言う。
「いや、起きてるよ」
「よかった。わたしひとり残されるのかと思っちゃいましたよ」
シャンプーの香りと共に、咲恵の顔がボクの胸に乗った。
「もう、大丈夫なの」
「はい。こんな広いベットでさみしくて」
「だね」
ボクは、咲恵を引き上げてキスをする。薄暗い照明の中、咲恵の瞳は潤んで光っている。抱きしめていた手を前に移動させて咲恵の胸に触れる。
「いい?」
と聞くと、咲恵は頷いて応えた。ボクはカラダの位置を変えて、咲恵を見下ろす形になった。咲恵に唇にキスをして、そして首筋へと舌を這わす。咲恵の握っている手に力が入る。徐々に位置を変えて、咲恵の白く透き通るような小高い乳房にたどり着く。急な刺激を避けて、乳房も周りから攻める。小刻みに動く咲恵の反応を見ながら、小さく隆起しているきれいな桜色をした乳首に到達する。唇で挟み込むように乳首を口に含む。
「あぁ」
吐息のような細い、しかし艶めかしい声が耳に届く。舌で乳首を転がすように刺激すると、咲恵はボクからすり抜けようとするようにカラダをくねらせた。
「いやぁ」
咲恵は切なそうに声を漏らす。
「いやなの?」
「そうじゃないの。でも、苦しいの」
「じゃあ、やめようか?」
「また、瑞樹さんは意地悪を言う」
「続けていいんだよね?」
「うん」
咲恵は、強くボクを抱きしめて言った。