咲恵とカラダを交えてから、ほかの女性とは絶頂が望めないのかと思ったこともあった。しかし、萌と出会ってその異常とも言えそうな情熱で、何回も絶頂を味わっている。従属と支配という二面性を秘めた萌に、恐ろしいという感情が少しずつ湧き出してきているのも自覚している。咲恵の存在にも気がついていて、嫉妬の感情が余計に萌の行動を過激なモノにしているのかもしれない。
「ねえ、気持ちいいでしょ」
萌は、ボクの上で腹筋を使って腰を前後に振っていたのをやめてカラダを離した。カラダを反転させてお尻をこちらに向けた。
「今度は、バックでね」
萌の白濁した粘液を纏ったボクのペニスを後ろ手に持ち、躊躇なく自分の中に差し入れると、当たる粘膜が変わったのか、ペニスにも違う感触が現れた。愛液が滴ってピンクに輝くアナルを見せながら一心不乱にお尻をぶつけてきている。ボクは、次第に快感の階段を上ってゆく。
「もう・・・」
「えっ、出ちゃうの?じゃあ、わたしも瑞樹と一緒に逝っちゃうよ」
萌は、動きのスピードを一段とアップさせていった。
「う、うっ」
「あ、あああぁ」
二人同時に、風船が弾けたように弱々しく動きを止めた。
「気持ちよかった」
へなへなと崩れ落ちた萌の割れ目から抜かれたペニスを追いかけるように真っ白な精液が溢れ出した。
快感に伴う疲労感と戦いながら、ボク達は体を洗い、浴槽の中で温まりながらキスをした。ベッドに戻っても、萌はまだエッチをせがんだが横になると静かに寝息を立て始めた。ボクは横目で萌に注視しながらスマホの画面をタップした。通知バーナーをチェックしていると、咲恵のメールの着信通知が目に飛び込んできた。
『元気にしてますか?今日もお出かけですか。また、メールくださいね』
咲恵にまたウソをつけないといけない事に嫌悪しながら、架空の言い訳を考えている。
『ごめん。通知が鳴らなくて、今気がついた』
向こうが透けて見えそうな薄っぺらいウソを書いて返信を送った。送信ボタンをタップして、あまり間を開けずに、咲恵からのメールが来た。
『そうなんですね。良かったです。またメールしますね。おやすみなさい』
『おやすみ』
ウソの上塗りをしたくはないので、短い返信を送って済ませた。咲恵は、ボクの言葉を疑りもせずに信じてくれているのだろうか。
今のこの状況を知ったら、咲恵はどう思うのだろうか。傷つけたくはないし、失いたくないのはもちろんのことだ。しかし、どう取り繕うとも許せないウソをついているのは確かだ。いつまで、この保身しかないウソをつき続けるのだろう。
横で純粋な子供のような顔をして、穏やかな寝息を立てている萌を見ながら、ボクの眠れぬ夜は静かに更けていった。