※この作品はR-18です。

異種と女の子が仲良くなるだけの短編集   作:正体不明の筆者A

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「は……え?」

 

 おかしな事が起きている。あーしは今何をされてんの?

 いやされてること自体は理解も出来る。でもその理由が一切合切分からない。なんで、あーしは異形の宇宙人に抱きしめられてんの?しかも……こんな……恋人みたいに優しいハグを。

 

「え、な、どういうこと……?」

 

 あーしが混乱していると、別の頭足類型の宇宙人が身振り手振りで事情を伝え始めた。あーしの翻訳が正しいかはわかんないけど……一通りそいつは今回の事情を洗いざらい吐いてくれたと思う。

 まずなんであーしを攫ったか。これはただの偶然みたい。地球人間の女を無作為に選んだだけって話。次に何でこんなことをしてるか。拘束してるのは万が一暴れられたら困るため。宇宙船を破壊されたら乗り組員全員の命に関わるから……だと思う。

 そして……なんで私は今抱きしめられているか。こ、これは正確かは分からないんだけど……あーしの事が好きになったからじゃないかって。え、いや……そんなことある?いやいやおかしいでしょ。だって最初は無作為だって……

 

「んぶっ……あぁ〜もう分かった分かった。あーしを落ち着けるためにやったんでしょ。そっちにも事情ってもんがありそうだし、話くらいは聞いてやるから」

 

 

 

「はぁ……なるほどね」

 

 さらに詳しい事を色々と聞いてみた。こいつらは所謂多国籍の旅行者と言う事になっているらしい。そして案の定全員がオス個体とのこと。

 そしてこの旅行の目的は、地球人の伴侶を見つけるための言ってしまえば合コンツアーみたいなもんらしい。やり方が攫うって言う非人道的なもので無ければ普通に地球でもやってそうな取り組みだったのはちょっと意外かも。

 だけど地表に降りようとしたときになんか見つかっちゃいけない何かに見つかったみたいで、仕方なく私だけを攫って衛星軌道上に戻ってきたって事らしい。まぁそれって多分エリア50なんとかって奴でしょ?よく陰謀論とかで出てくる。

 

「つまり……もう1回地上に降りたらあーしたち諸共命はない……って事?」

 

 肯定のジェスチャー。ん〜……やっぱりそうなんだ。流石に現代の人類ならここまで来れば逃げ切れるとは思うけど、間違い無く困ったことになった。だってこれあーし帰れないって事になるじゃん。

 しかもこの宇宙船に乗ってる宇宙人は全部オス。人数も20人くらいいるらしいし……え、もしかして全員あーしと結婚したいとか言い出すんじゃないでしょうねっ!?

 

「ちょっと、まさかあーしに結婚しろって言ってるわよね!?さすがにあーし宇宙人とは結婚しな……え、急いで考えなくて良い?」

 

 あーしが宇宙人達に怒鳴ろうとすると、グレイ型の奴がそんなジェスチャーをしてきた。急がなくて良いって、どういうこと?どっちにしろあーしはもう地球に帰れないんだし、今後どうするかはここで暮らして決めろって事よね……?

 

「いやいや、そもそもあんたらが頑張って地球に戻してくれれば……あぁ分かった分かった無理なのは分かったからくっ付くなっ!!」

 

 どんだけ軍が怖いんだよ。過去に同族が奴隷にでもなったのか?いやあーしにはそんなの関係ないんだけどさ。とにかくもう彼らは地上に戻る気力は残ってないらしい。見た目の割にヘタレなのかもしれない。

 

「はぁ……分かった分かった。どうせあーしに選択権はないってことっしょ?じゃあ潔く諦めるしかない」

 

 宇宙人たちは心なしか嬉しそうにしてる。仲間内で少し興奮しているような話し方で話してるようにも見える。はぁ、そんなにあーしがここに残るのが嬉しいわけ?まったく意味がわかんないんだけど。

 あーしが内心呆れてると爬虫類型の宇宙人があーしに寄って来てとある紙を差し出してきた。なにやら日本語らしき言葉で何か書いてあるみたいだけど……

 

 <外宇宙連合本部覚え書き>

 前書き:まずこの文章は特殊な技術を使用し視認した人物に応じた言語に変化する性質を有している。地球圏の人類におかれては言語の壁は相変わらず撤廃されていない事に留意して欲しい。

 概要:本覚え書きは外宇宙連合本部主催婚活ツアーに関する内容や規則、その他特記事項について記述されている。担当者は対象となった女性に必ずこれを提示することが義務づけられている。

 今イベントの趣旨:昨今外宇宙連合で深刻化している少子化および結婚人口の減少や世論の変化を基に、外宇宙連合外の宇宙圏の女性との交流・婚約を推進するための催し。必ずしも一夫一妻のこだわる必要は無く、その女性と伴侶となる男性により外宇宙連合のさらなる発展に寄与できる人材育成の礎を築く助けとなることが期待される。

 規則:まず大前提として、女性側が拒否すれば一部例外を除きその女性を元の惑星に帰さなければならない。一部例外については下記に記す。

 第2にツアー参加者は相手となる女性の意見を優先的に叶える事が求められる。こちらは半強制的に女性をこちら側に取り込んでいる以上、彼女達の意思は外宇宙連合憲法によって尊重されなければならない。

 第3にツアー参加者は他の参加者と女性の取り合いをしてはならない。外宇宙連合の一員として恥ずかしくない態度を取ることを最優先しなければならない。

 特記事項:もし下記に記すイレギュラーが発生した場合、上記の規則の一部を改変する権利が生じる。

 1:外宇宙連合以外の軍隊に発見される。

 2:女性参加者が見つからない、もしくは極限まで少ない場合。

 3:参加者および女性の意見の完全一致が確認された場合。

 

 

「ほ〜ぅ……なるほどね」

 

 全自動翻訳される誓約書って凄いけど、そもそもそんな連合があるってこと自体知らなかった。そしてここに居る参加者が所謂売れ残り物件って事も分かった。

 まぁこの資料を読む感じ地球よりもその傾向は深刻そうだけどね。まさか連合外から女性を拉致しないといけないくらいに疲弊してるなんてね。んで、今回の場合特記事項の1と2が同時に起こっちゃったからあーしの権利が若干制限されてるって訳だ。

 こうやって書いてあるあたり普段ならもっと沢山の女性を見つけてこられるんだろう。でも軍に見つかって挙げ句の果てに女もあーししか見つけられなかった。なんて言うか、運が悪かったとしか言いようがない。

 

「まぁそう言うことなら……仕方ないのか」

 

 軍に見つかっちゃいけない理由は……多分連合以外に外宇宙連合の存在を知られたくないからってのが有力かな。無駄な戦争の火種を生むのは避けたいだろうし、政府としても最重要事項なんだと思う。

 

「はぁ……で、あーしはこれを承諾すれば良いんでしょ?」

 

 爬虫類型の宇宙人が首を縦に振る。まぁ承諾するって言っても何か書類を書いたりとかそう言うのは無いんだけどね。承諾の証明はこの誓約書の最後に詳細が書いてある。

 

 <承諾証明の方法>

 1:女性の身体検査結果を取得する。これは女性の健康状態を良好に保つための初期資料として活用されるためである。

 2:録音装置を用い女性に承諾の意思を話させる。あくまで女性の本位で行われるべき宣誓であり、本部が不正だと判断したものは却下される。強引に言わせるようなことがあってはならない。

 3:女性の体内に体調調整用のナノマシンを投与する。外宇宙連合では他国の女性の臨床結果が不足する事態に直面している。それ故にナノマシンによる女性の体調変化をモニタリングし、今後の臨床研究の加速をするためである。

 

 とのことらしい。まぁ要は健康で無理矢理じゃ無くて臨床研究材料を提供してくれればよしって感じだね。はぁ……なんかもうここまで来たら素直に腹括らないとかもね。あーしが相手にしてるのはこの乗客だけでなく、宇宙にある未知の文明って言っても過言じゃ無いんだから。

 

「はぁ……分かったわよ。あんたらも苦労してんでしょ。旅は道連れ世は情け、一度乗りかかった船だから最後までお供するわよ」

 

 あーしがそう言うと周りに居た参加者から意味不明な言語で歓声が聞こえた気がした。さてと、じゃあ早速身体検査をやりに行かないとね。

 

 

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