・たくさんの幽霊とエッチなことをする話
→霊界と言う異世界に飛ばされてしまった赤髪の快活な少女。でもそこに住んでる幽霊達は生きている少女に興味津々のようで……?大量の手に愛撫されたりスケルトンたちとイチャラブえっちしたりするだけの話。
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私は大のホラー嫌いだ。アレは忘れもしない小学校5年生の時。近くの高校でやってたお化け屋敷に友人と一緒に入ったときの事。友人は本格的なのじゃないから大丈夫だよ〜なんておちゃらけてた横で……私は腰を抜かして失禁までしてしまったのだ。
あれはもう一生もののトラウマだね。人生の汚点と言っても良いくらいに恥ずかしい出来事だった。流石の友人も申し訳なさそうに謝ってたけど、もう私はギャン泣きの幼児退行状態。すぐに親に担がれて帰ることになったんだよね。
でもそんな私の都合とはうって変わって、私はホラーと定期的に付き合うことになっちゃう。例えばある日の夜にトイレに行ったら、台所に白い影が見えちゃったり。何とか克服しようと向かった遊園地のお化け屋敷でホンモノが出たり。
専門の人曰く、私は見える体質らしいんだって。ほんと無理なのに見えちゃうから毎回枕を涙で濡らしている。でもこれがある種の荒療治になって、最近は昔みたいに幼児退行するほど怖がることは無くなった……と、思う。多分、きっと、メイビー(謎に和製英語)
そんな私ももう大学1年生。未だにホラーは無理だけど、キャラ崩壊を防ぐために何とか頑張って耐えてる。ほら、みんな私の事を元気快活なスポーツ少女って思ってるらしいからさ。そんな私がお化け一つでお漏らししてたら二度とお天道様の下を歩けなくなっちゃうよ。
でも未だに夜道を一人で歩くのは怖い。みんなは知らないと思うけど、夜道って結構幽霊やお化けが居るんだよ?くたびれたサラリーマンの霊にポップな人魂みたいな霊、この世のものとは思えない異形の霊に動物霊。私の目にはいろんなものが見えちゃうから夜道ってできるだけ歩きたくないんだ。
「それだってのにもぅ〜…っ!」
でも今の私は夜道を歩かされていた。理由?サークルの飲み会だよちくしょうめ〜っ!私も一応メンバーだから出ないといけなかったの!ほんと旧式のサークル形態とか死んじゃえば良いのにって思うよねっ!?
「(ひっ……いる)」
そうして案の定見えてしまう幽霊達。今日は妙に数が多い気がする。でも見たらSAN値が削られそうなタイプの幽霊は居なくて助かるよ。過去酷いときは目が欠落して無駄に顔が大きくて、皮膚がドロドロになった赤ちゃんみたいな何かと言う特級呪物を見たことあるし。あれは流石に意識飛ぶかと思った。五○さ〜ん領域○開してくださ〜いっ!!(叶わぬ願い)
「……あれ?」
そんな夜道をガクガクしながら歩いていると、私の目に異様な光景が映り込んだ。そこは月極の駐車場のはずの場所。いつも車たくさん止まってるなぁくらいにしか思って無かった場所。
……それなのに、そこは明らかに異様な光景に様変わりしていた。紫がかった霧、木で取って付けられた程度にしかない柵、そして大量の墓石。
日本風じゃ無くて洋風の十字架が刻まれた墓石が大量にそこにはあった。私は内心やばいやばいっと焦りまくっていた。ついに見えちゃいけない空間まで見え始めたらヤバいよ〜っっっ!!!
「に、逃げろ〜〜っっ!!!」
私は一直線に謎の墓地から逃げるように走り出した。伊達に陸上部やってないって速度でとにかく走り続ける。もはや道なんて選んでる場合じゃ無いっ!人の多い道に出ないと……っ!!
「……あ、あれ……?」
そう思ったとき……ふと気づいた。さっきから誰ともすれ違っていないと言う事に。この道は住宅街とは言え夜でも多少の人が歩いてる道の筈なのに。今日に限って誰ともすれ違っていないんだ。
そしてふと立ち止まって周りを見ると……辺り一面に墓地が広がっているのが見えた。ぁ……これは、まずい、かも……?
「ぁ……ぁっ……きゅぅ〜……っ」
私が現実を認識した瞬間、遂に脳が許容量オーバーを起こし……何か古のアニメみたいな効果音を出しながら意識を飛ばしてしまったのだった。
「んん……っ」
意識が朦朧としている。あれ……?私なにしてたんだっけ……?確か家の帰りで……
「んん〜……っ」
て言うか、誰かに頭を撫でられてる……?え、もしかして痴漢かなぁ。だったらちょっと嫌だなぁ………………はっ!?!?
「っっっっ!?!?!?」
私は急に意識が目覚めばっと跳ね飛ぶ様に起き上がった。そうだ。変な墓地みたいなのが見えてそれから逃げようとしたんだった。そうしたらなんか変な場所に出ちゃって、そこで限界で意識を無くしちゃったんだ。
「……え、じゃあさっき頭を撫でてたのって……きゃあぁぁぁ〜〜〜っっっっ!!!」
嫌な予感がしてふと後ろを振り返ると……そこには青く光る手の群れだった。手首から先しかない腕が……見えるだけで20個。私は猫みたいに毛を逆立てて後ろの墓石前まで後退してしまった。
「(き、きっとこの手のどれかが私の頭を撫でてたんだ……っっっ!?ひ、ひえぇぇ〜〜〜〜っ!!!!!)」
ほ、本格的にヤバい場所に来ちゃったよ〜〜っっっっ!!!!これあれでしょっ!?霊界とかあの世とか言う奴でしょっ!?え、でも私死んでないし……生きたまま死人の世界に来ちゃったってことっ!?!?!?
「ひぃっ来ないでぇっ!?」
青い手がドンドンと私にふよふよと近づいてくる。私の後ろには墓石があってこれ以上後退出来ないし、それよりも腰が抜けちゃったからもう動けない。ぁ……終わった。私の人生ここで終わるんだぁ。そうしてそのままここの住人たちの仲間にされちゃうんだぁ……
「……ふぇっ?」
来るべき時に備えて目をぐっとつぶっていると、突然青い手の一つがまるで私をなだめるかの様に頭を撫でてきた。私は逃げようにも腰が抜けて動けなくて、そのまま自慢の赤髪を青い手に撫でられ続ける。
「ふわっ……」
そしてもう一つの青い手が私の頬にそっと手を添えると、やさしくやさしく撫で始めた。ぅ、なんで幽霊のくせに撫で方が優しいのよぉ……っ。私はひたすら青い手に撫でられ続け、その優しい手つきに無意識的に安心するような感覚を覚えてしまった。
「(……いやいやっ!相手はどう見ても幽霊の類いだしっ!?私が最も苦手なものの一つだからっ!?)」
なでなで……なでなで……
「はぇ、ふぅ、はぁんっはふぅ……」
な、なんでこんな優しいのよぉっ。幽霊に対して抱いていた恐怖の感情が、ナデナデによって少しずつ解かされている。い、今まで幽霊にこんなことされたことないからわかんないよぉっ。
「あふっ……ふへへ……っ」
青い手に頬と頭を撫でられて5分。私はすっかり青い手への恐怖心を失せていた。だ、だってこいつら妙に優しいんだもん。いくらホラー嫌いでもこんな物理的接触されたら変わっちゃうって。
「ね、ねぇ……あ、あんたらはいったい、何なのよ……っ」
私は思わず青い手にそう訪ねていた。当然こいつらは喋れる訳じゃ無い。でも反応の代わりに指で肯定のジェスチャーをして来た。も、もしかして私の言葉が分かるの……?
「ぅ……そ、それじゃあ……私に、ヒドイ事、しない……?」
青い手が肯定のジェスチャーをする。
「そ、それじゃあ……わ、私を元の世界に帰して……っ」
青い手が否定……と言うより無理というジェスチャーをする。え、無理……?無理ってどういうことなの……?
……多分、私は本当に入り込んじゃいけない領域に入り込んでしまったらしい。さっきも言った霊界や冥界の類いじゃないだろうか。そ、そうすると……私はもう、ここから出られない……?
「うぅ〜……慰めんなよぉ……っ」
私は現実の非常さに涙を流した。その間ずっと青い手たちは私を慰めるように頭や頬を撫で続けていた。