タイラズマ家 ~子宮妻 東と4人の娘たち~ 分割版 作:eronosuke
# 東紫乃 - 屈辱と歓喜の狭間で
「全部話せ」
冷たい命令が耳朶を打つ。平の瞳に宿る炎のような狂気が怖いのに美しいと思ってしまう。
「俺の知らないお前の過去……全部吐き出せ」
それは命令ではなく宣告だった。逃げ場などどこにもないことを悟る。
「最初の相手は……中一の先輩だった……」
言葉を紡ぐごとに喉が焼けるように痛む。こんな醜態を晒す日が来るなんて。
「どんな風に抱かれた?」
平の指が鎖骨を這う。言葉にするだけで当時の嫌悪感が蘇る。
「普段は優しかったけど……無理やり口に……」
言い淀む私を見て、彼は満足げに微笑んだ。
「やってみせろ」
理解するより早く顎を掴まれた。彼の欲望の塊が眼前に突きつけられる。かつて嫌悪した行為が、今は何故か神聖なものに思える。
「今はどう感じてる?」
問われるままに咥え込む。鼻腔を満たす雄の匂い。これが平の味だと思うと堪らない。
「あの時は……気持ち悪くて吐いちゃった……けど今は……美味しい……」
自分で言って信じられない。舌を這わせる度に喉が渇くような渇望が湧き上がる。
「次は?」
彼の声音が更に低くなる。まるで猛獣が獲物を選ぶかのように。
「中二の時……部活の先輩と……」
思い出したくない記憶を辿る。強引にバックから貫かれた痛みばかり覚えている夜。
「そいつと同じ体位で試すか」
四つん這いにさせられる。背中に注がれる平の視線が熱い。
「脚を開け」
従順に従う私。背後から突き刺さる鋭い痛み——いや、これは快感?
「やっぱり……入ってくる時は痛い……でもあの時よりずっと熱い……」
違う。何もかもが違う。あの日の自分はただ耐えていただけ。今の私は待ち望んでいる。
「動くぞ」
宣言と共に始まる律動。浅く深く入り混じる刺激に脳が蕩けていく。
「あ……ああ……っそこ……擦れてるぅ……」
思わず叫んだ言葉に我ながら驚く。こんな淫らな声が出るなんて。
「過去の奴らとは違うか?」
耳元で囁かれる問い。答えはもちろん明白だ。今までの男たちとの交わりで感じたことなど一度たりとてなかった。
「全然違うのぉ……平のは……わたしの弱いところ全部わかってるみたいに当たるのぉ……」
認めてしまった。身体が求めているのは他の誰でもない平だけだと。
「当然だろ?お前のことなら何でもわかる…」
自信に満ちた言葉と共に動きが激しくなる。打ち付けられる度に火花が散るような感覚。
「イクっ……イっちゃう……平のチンポでイカされちゃう……」
悲鳴のような喘ぎと共に絶頂を迎えた私を見て、平は満足げに笑みを深めた。
「まだまだこれからだぞ」
言葉通り解放される気配はない。逆に拘束は強まり、より執拗に弱点を攻め立てられる。
「全部塗り替えてやる……俺だけの東に……」
呟かれた言葉が楔のように胸に刺さる。恐怖なのか歓びなのか判別できない感情が渦巻く中で——
「好きぃ……平のことがずっと好きだったのぉ……」
交わりながら初めて口にした告白。新たな地獄(天国)への扉を開いた気がした。