避難の意味も含めダ・ヴィンチ工房から出たのは夜遅くだった。その間にも女性サーヴァントを含め部屋の出入りが頻繁にあったが、工房内にあった礼装などを使ってことなきを得ることができた。自動ドアが静かな駆動音と共に閉じ、白い光が遮断され通路には非常灯の青だけが残った。
カルデアの夜は静かだ。職員の往来も少なく、空調と機械音だけが遠くで脈打っている。
立香は安堵を感じ小さく息を吐いた。
「……急がないと」
誰にも聞かれない程度の声。女性含め男性サーヴァントとの共有も最低限。
“犯されるから気をつけて”
そう念押しされたばかりだった。
だから──
「……その顔、ろくでもないことが起きている時の顔ね」
すぐ近くから声が落ちた。立香は肩をわずかに反射的に動かし勢いよく振り向く。
通路脇──非常灯の薄青い光の中、壁にもたれるように一人のサーヴァントが立っていた。
長い脚に冷ややかな視線、紫の髪が暗がりに溶け込む。
──メルトリリス
「……メルト」
「こんばんは、愛しいアルブレヒト。こんな時間にダ・ヴィンチと密談?ふふ、怪しさ満点じゃない」
口元には笑みが浮かぶが目は笑っていない。
「『犯される』だったかしら?」
「ッ⁉︎」
細いヒールが床を鳴らす。
「五時間くらい前だったかしら、工房の前をたまたま通ったらダ・ヴィンチとあなたの話し声が聞こえてね」
また一歩。
「私たちが襲うのよね?」
立香は反射的に視線を逸らす。
その瞬間、メルトが小さく息をついた。呆れ半分、確信半分。
「下手な嘘。あなた、隠し事をしてる時だけ視線が泳ぐもの」
通路の空気が張り詰める。だがメルトリリスは笑った。
「安心しなさい私はあなたを無理矢理に犯さないわよ」
そう言いながらメルトはゆっくりと立香の正面へ回り込んだ。そして首筋に腕を巻きつけた──逃げ道を塞ぐように。
「………それで?」
紫の瞳が真っ直ぐ射抜く。
「今からあなたの部屋で犯してもいいかしら?」
立香は気がつけば部屋にいた。正確に言えば一糸纏わぬ姿でベットに座っていた。
そしてその前にはほとんどの服を既に脱ぎ捨てているメルトリリス。
「そういえば、あなた今まで経験はあるの?」
「………ない」
「あら、じゃあ私があなたのハジメテなのね?」
気恥ずかしそうに顔を赤らめる立香を見ながらメルトリリスは立香の隣に座る。
「だったら今から私はあなたを犯すけど、優しく筆下ろししてあげるわ」
そう言いながらメルトリリスはアームカバー越しに立香の肉棒を触り始めた。
「くっ!」
裏筋、亀頭をアームカバー越しに優しく愛撫され、僅かに感じる細い指先に立香は悶える。今まで経験したことのない初めての感覚に視界はバチバチと花火が弾けメルトリリスの顔をまともに直視することができない。
だが、犯されているとわかっているがハジメテであることを考慮して優しくしてくれているメルトリリスに申し訳がないように辿々しくではあるが目を細くしながらも視線を合わせようとする。
その視線に気づいたのかメルトリリスは少し嗜虐心を感じ暇を持て余しているもう片方の手で立香の乳首を弄り始めた。
「くうっ⁉︎………かはっ⁉︎」
「あら、あなたもうそろそろ限界かしら?」
メルトリリスの言う通り乳首を弄り始めた頃から立香は既に限界を感じ始めていた。もう何かきっかけがあれば射精してしまうくらいの限界具合だった。
「め、めると」
「いいわよアルブレヒト………イきなさい」
「………ぐうっ‼︎」
メルトリリスの言葉に触発され栓が抜かれたように立香は精を勢いよく吐き出す。それは不規則な軌道を描き床に落ちる。
「ふふっ///」
果てきり身体をベットに預けた立香の頬を撫でたメルトリリスは立香に馬乗りになった。
「め………めると?」
「さぁ愛しいアルブレヒト………あなたの『ハジメテ』いただくわね」
そう耳元で囁かれ次に行われることを自覚した立香の肉棒は再び元気を取り戻し戦闘態勢は整っていた。
「………挿れるわよ」
そう言いながらメルトリリスは肉棒を秘所にあてがいながら少しずつ挿れていく。
「………ッ………どうかしら私の膣は?」
「……とても………気持ちいいです」
「よかったわね………動くわよ」
メルトリリスはそう言うと同時に腰を上下に動かし始めた。動くごとに肉棒に絡みつくヒダに刺激を受け、立香の表情は二十面相のように変わっていく。
「め、めると………もう」
「あら?もう終わりかしら?」
もう限界だとメルトリリスに弱々しく伝えるが、立香がメルトリリスの顔をよく見ると何かを企てている表情が見えた。
「もう少し楽しみたかったけど、最初からハードだったらおかしくなるわね」
「め、めるとぉ」
「じゃあ………最後に」
「……?………ッ⁉︎」
突如メルトリリスに唇で口を塞がれた衝撃に耐えきれなくなり立香の肉棒はメルトリリスの膣内に精を吐き出すように勢いよく注ぎ込んだ。
メルトリリスが唇を離すと同時に肉棒も抜けて膣からは精が溢れてきた。
初めての衝撃ばかりで立香は既に放心状態で指先を動かすなどのこともできない状態だった。そんな立香を見てメルトリリスは──
「ダ・ヴィンチに言われたことから想像してこれからあなたはたくさんの女性に犯されるかもしれないけど………これは覚えておいて」
そう言いながら横たわる立香の頭を撫で────
「私があなたの『ハジメテの女』よ………愛しいアルブレヒト」