※この作品はR-18です。

境界線の向こう側 〜配信中の銀色の聖女を、俺だけが穢す〜   作:与次郎

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24:淫らな日常の幕開け

 

 カーテンの隙間から差し込む朝の陽光は、驚くほど柔らかく、そして残酷だった。

 

 星野光莉は、微睡(まどろみ)の淵でゆっくりと意識を浮上させた。全身を包むのは、鉛のように重く、しかしどこか甘やかな倦怠感。

 まぶたを開けるよりも先に、鼻腔を突いたのは「夜の匂い」だった。

 

 零の野性的な体臭、自分とルミナから溢れ出した愛液の、少し青臭く熱を持った香り。それが高級な柔軟剤の匂いと混ざり合い、この部屋がもはや清純な聖女の私室ではなく、一人の男の「苗床」に変貌したことを告げている。

 

 光莉が横を向くと、そこには現実の光景とは思えない、しかし疑いようのない実存があった。

 銀髪の聖女、ルミナ・ステラ。

 彼女は零の逞しい腕に抱かれ、その胸板に愛おしそうに頬を寄せて眠っていた。

 

 昨夜の激しい蹂躙によって、純白のドレスは無惨に乱れ、はだけた胸元からは吸い付くような白い肌が覗いている。朝日に照らされた銀糸の髪は、まるで零との繋がりを誇示するように、彼の腕に幾重にも絡みついていた。

 

(……ああ、まただ。また、この朝が来てしまった……)

 

 光莉は息を呑み、自身の身体を見下ろした。

 昨夜、零に後ろから貫かれ、ルミナに正面から弄ばれた感覚が、今も皮膚の裏側に焼き付いている。シーツに残る乾いた染みは、自分がどれほど無様に腰を振り、聖女としての矜持をかなぐり捨てて絶頂したかの証拠だった。

 

 かつては、ルミナは画面の向こう側の「理想」に過ぎなかった。

 だが今、彼女は質量を持った肉体としてここにあり、自分と同じ男の種を胎内に宿し、同じ幸福感に浸って眠っている。

 

 その時、ルミナの長い睫毛が震え、青紫色の瞳がゆっくりと開かれた。

 

「光莉……おはよう。ふふ、まだ少し……お顔が赤い。昨夜の熱が、まだ引いていないのね……?」

 

 ルミナの声は、朝露のように澄んでいながら、どこか毒を含んだ蜜のように甘い。

 彼女は零の腕から滑り出るようにして光莉へと歩み寄り、冷たいはずの指先で光莉の火照った頬をなぞった。

 

「覚えている? 昨夜、自分から零さんのオチンポをねだって……もっと奥まで、壊れるほど突き上げてほしいって……あんなに可愛く鳴いていたこと」

 

「……っ、それは……っ」

 

 光莉は羞恥に顔を伏せた。だが、ルミナの指先が触れる場所から、昨夜の快楽がじわじわと再燃していくのを感じてしまう。

 拒絶したいはずなのに、ルミナの存在が――自分の一部であるはずの彼女が――自分を全肯定してくれることに、抗いがたい安らぎを覚えていた。

 

「いいのよ、光莉。零さんの前では、隠し事なんてできないわ。私とあなたは、もう二人で一つの『器』。零さんに愛され、満たされることが、私たちの新しい呼吸になるの……」

 

 ルミナの銀髪が光莉の肩に触れ、二人の境界が溶け合っていく。

 その時、背後から低い笑い声が響いた。

 

「朝から仲がいいな。二人とも、いい目をしてる」

 

 零が目を覚ましていた。

 彼は満足げに、自分の所有物である二人の聖女を交互に見つめる。

 

「おはよう、零さん……」

 

 ルミナが真っ先に零に縋り付き、その首筋に顔を埋める。

 光莉もまた、抗うことを忘れ、零の冷たくも支配的な瞳に見入っていた。

 かつての日常は遠ざかり、戻るべき場所などどこにもない。

 あるのは、この淫らで、残酷で、しかし満たされた「三人」の朝だけ。

 

(私は……もう、逃げない。ルミナと一緒に……この地獄のような幸福の中に、沈んでいく……)

 

 零が二人の腰を強く引き寄せた瞬間、光莉の胸の奥で、羞恥を塗りつぶすような甘い諦念が、静かに、しかし深く根を下ろした。

 

 

---

 

 

 夕刻、午後六時半。

 

 ルミナ・ステラのASMR配信の幕が上がる。

 

 光莉は配信用の椅子に深く腰掛け、いつものように慈愛に満ちた「聖女」の微笑みを浮かべていた。

 銀糸のウィッグ、白と銀の清楚なドレス。超高性能のマイクが、彼女の吐息を細部まで拾い上げる。

 

『……こんばんは。今夜も訪れてくださって、ありがとうございます。ルミナ・ステラです。少しでも、皆さんの心の疲れを解きほぐせますように……』

 

 画面上のコメント欄は、たちまち熱狂的な感謝と称賛で埋め尽くされた。

「待ってた!」「ルミナ様の声、本当に浄化される」「今日も癒やしてください」

 

 画面の向こう側にいる数万人のリスナーは、自分たちの崇める聖女が、今この瞬間、どのような「状況」に置かれているかなど、知る由もない。

 

 光莉の背後には、零が亡霊のように立っていた。

 彼は大きな手を光莉の細い肩に置き、カメラに映らない角度で、彼女の耳元に唇を寄せる。

 

「いい声だ、光莉。だが……今日は少し、趣向を変えようか」

 

 零の力が発動した瞬間、光莉のすぐ隣に、銀髪の聖女――ルミナが実体化した。

 配信画面には映らない「死角」に跪くルミナは、妖艶な笑みを浮かべながら、光莉のドレスの裾から白い太ももへと、滑らかな指先を這わせた。

 

「ひ……っ!」

 

 光莉の肩が、びくりと跳ねる。

 

『……あ、ごめんなさい。少し、風が冷たくて……ふふ、驚かせてしまいましたね』

 

 咄嗟に「聖女」として取り繕うが、下半身ではルミナの指が、光莉のショーツの端を無造作に押し広げていた。

 さらには零の手が、ドレスの上から光莉の豊かな胸を包み込み、指先でその先端を執拗に弄り始める。

 

「んんっ……ふぅ……」

 

 光莉はマイクに向かって穏やかな笑みを保とうと必死だった。だが、鼻孔に届くのは零の支配的な匂い、そしてルミナが放つ甘い毒のような香り。

 

「光莉……ほら、皆さんに挨拶して? 清楚なルミナ・ステラが、今、私にこんなに熱い場所を弄られているなんて……誰も気づいていないわよ」

 

 ルミナの指が、すでに蜜で溢れそうになっているクリトリスを、円を描くように優しく、かつ正確に刺激し始めた。

 

(だめ……やめて……っ! 声が……漏れちゃう……っ!!)

 

 数万人のリスナーが耳を澄ませているマイクの前で、自分は今、二人に陵辱されている。

 

 零の手が胸を強く揉みしだくたびに、ルミナの指が敏感な一点を弾くたびに、光莉の理性が「聖女」の仮面の裏側で悲鳴を上げた。

 

『皆さんは、今日一日……どんなことが、ありましたか……? 辛いことがあったなら……私が、全部……っ、受け止めて、あげます……ね……』

 

 不自然な空白。わずかに掠れ、上ずった声。

 リスナーたちは「今日のルミナ様は、いつもより艶っぽい」「吐息が凄すぎて耳が幸せ」と、無邪気な興奮を寄せてくる。

 

 その「純粋な反応」こそが、光莉にとって最大の羞恥であり、皮肉にも最高のスパイスとなって彼女の膣内を熱く疼かせた。

 

「ほら……お前の信者たちが、お前の淫らな吐息を喜んでるぞ」

 

 零は背後から光莉の首筋に歯を立て、同時に、ルミナの指が光莉の最奥へと深々と突き入れられた。

 

「あぁっ……はっ、あ……ッ!!」

 

 咄嗟にミュートボタンに手を伸ばすが、ルミナがその手を押さえ込む。

 光莉はマウスを握る手を震わせ、画面を見つめたまま、白目を剥きそうになるのを必死にこらえた。

 

『ふぅ……ふぅ……。……皆さんの声を聞くと……私も、心が、熱くなって……しまいます……っ』

 

 滴る愛液が椅子を汚し、零の支配とルミナの誘惑が、配信という神聖な場を「公開調教」の場へと塗り替えていく。

 善意と称賛の嵐の中で、光莉は静かに、しかし決定的に、淫らな快楽の深淵へと沈み込んでいった。

 これは、もはや不可避の「日常」。

 全世界が注目する聖女の仮面の裏側で、彼女は一匹の雌として、至高の背徳に溺れ続けていた。

 

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