境界線の向こう側 〜配信中の銀色の聖女を、俺だけが穢す〜 作:与次郎
ひまりはみずきの細い指に自らの指を深く絡め合わせたまま、オレンジ色の瞳をキラキラと星のように輝かせて笑った。
「みずきちゃんっ!」
次の瞬間、ひまりは弾むような勢いでベッドの上に飛び込むようにして、みずきの身体に正面から激しく抱きついた。
「わっ……!? ひ、ひまりちゃん――っ!?」
みずきは突如として押し寄せた、小柄な少女のものとは思えないほど強烈な力強さに全身の肉体を硬直させた。
ドサリ、とベッドのマットレスが大きく沈み込む。と同時に、ひまりの身体から放たれる、ひまわりのような香り、そして濃厚な熱量が、みずきの肌へと一気に伝播してきた。
正面から隙間なく密着したことで、ふたりの柔らかい胸の膨らみが、薄い布地越しにグニュリと押し潰される。
「ちょっと……待って……っ! 離して……っ!」
みずきの声が、恐怖と圧迫感で情けなく上ずった。
必死に両手を伸ばし、ひまりの肩を力任せに押し返そうとした。しかし、ひまりの華奢な見た目からは想像もつかないほど、その身体はビクともしない。むしろ、みずきが抵抗すればするほど、ひまりのしなやかな腕は「うふふ、捕まえた!」と言わんばかりに、みずきの背中へとより強固に回されていく。
「えへへ、やっと抱きしめられた〜! みずきちゃん、すっごくいい匂いがする……。私、ずっとこの匂いを嗅ぎたかったんだよ?」
ひまりは無邪気で愛らしい笑い声を上げながら、みずきの首筋にその滑らかな顔を何度もすりすりと擦りつけてきた。ロングヘアの毛先が、まるで太陽そのもののようにみずきの鎖骨の辺りをチクチクと刺激する。
そのあまりにも天真爛漫な、動きが逆にみずきを根底から凍りつかせる。
「や……やめて……っ! 私……本当に怖いんだよ、頭がおかしくなりそうなんだよ……っ!」
涙目で必死に訴えた。だが、密着したひまりの胸の肉はどこまでも柔らかく、みずきの呼吸に合わせてその柔らかい質量が胸元を圧迫し、呼吸をすることすら困難なほどに密室の熱を伝播させる。
ひまりはみずきの首筋に顔を埋めたまま、少しだけ顔を傾け、濡れた唇をみずきの耳元へとぴったり寄せた。そして、これ以上ないほど甘く、とろけるような声音で囁いた。
「みずきちゃん、怖いって言ってるお顔も、すっごくすっごく可愛いよ……。でもね、全然大丈夫だよ? 私、みずきちゃんのことが大好きなんだもん。こうして、ぎゅーって、ひとつになりたかっただけなんだよ〜?」
ひまりはそう言いながら、みずきの腰を抱く腕にグッと力を込め、みずきの華奢な下半身を自分の身体へと強引に引き寄せた。ズボン越しに、お互いの太ももの内側の柔らかい肉がピタリと噛み合う。そして、ひまりの細い膝が、みずきの合わされた両脚の隙間へと、抗えない力でグイッと割り込んできた。
「っ……! そこ……膝……入れないで……っ! ひまりちゃん……本気で、やめてよ……っ!」
みずきは腰を捩り、ベッドの上で必死に身悶えして逃げようとした。しかし、ひまりの膝はみずきの太ももの最奥、最も敏感な秘部のすぐ近くまで完全に割り込み、彼女の下半身の自由を完璧に奪い去っていた。
ひまりはみずきの耳たぶを小さな舌でチロリと、無邪気に舐め上げながら囁いた。
「みずきちゃんの心臓、すっごく早く動いてる……。私、すっごく嬉しいな……。零さんが『みずきちゃんのところに行って、たくさん可愛がってきなさい』って言ってくれたから、こうして本物の身体で抱きしめ合えてるんだよ? まるで夢みたいだよね! ねえ、みずきちゃんも……嬉しいでしょ?」
「嬉しいわけ……ないでどうして……そんな男の言う通りにして、私を襲うのよ……っ!?」
みずきの声は次第に大きくなり、ボロボロと涙を流しながら掠れていった。
パニックで、言葉にならない叫びを漏らす。目の前にいるのは、自分が誰よりも愛し、魂を込めて育ててきたアバターなのだ。その自分の分身に組み敷かれているという現実が、みずきの精神を内側からズタズタに引き裂いていく。
ひまりはみずきの背中を掌で優しくトントンとあやすように撫でながら、囁き続けた。
「ふふ、そのお顔、本当に可愛いなぁ……。もっと近くで、私のあったかいところ、いっぱい感じて? 私、みずきちゃんのこと……本気で、蕩けさせちゃうくらい、大好きなんだからね」
ひまりの指が、みずきの腰からゆっくりと背中を這い上がり、布越しに肩甲骨の辺りを、まるで肉質を確かめるように執拗に撫で回した。
「……離して……お願い……私……もう、限界……っ」
涙に濡れたみずきの懇願に対して、ひまりはお互いの睫毛が触れ合うほどの至近距離に顔を寄せたまま、満面の太陽の笑顔で微笑んだ。
「大丈夫だよ、みずきちゃん。ゆっくり、ゆっくりでいいからね? 私、みずきちゃんがこのエッチな気持ちよさに慣れるまで……ずっと、ずーっと、お部屋で一緒にいてあげるから」
「ひまりちゃん……もう、おねがい……本当に……やめてよ……っ!」
みずきは涙で視界をぐちゃぐちゃに滲ませながら、必死に声を絞り出したが、ひまりの身体はますます彼女を圧し潰すように密着してくる。ひまりはいつも満面笑みを浮かべたまま、みずきの細い腰を強く抱き込み、割り込ませていた自分の膝と脚で、太ももを完全に挟み込むようにしてベッドに押さえつけてきた。
「みずきちゃん……身体、すっごく熱くなってきてるよ? ほら、ここ……びくびく、びくびくって、震えてて可愛い……」
ひまりの細く滑らかな指先が、ズボンの上から、太ももの内側の柔らかい皮膚を優しく、確実に、獲物を追い詰めるようにして上へ、上へと撫ぜ上げてくる。触れられる指先はどんどん、最も敏感で秘められた部分へと正確に近づいていくのだ。
「っ……! そこ……触らないで……っ! ひまりちゃん、お願い……っ!こんなの……嫌……っ!」
恐怖と羞恥の中で、信じたくないことに、みずきの下半身はひまりの指が伝える快感の波に反応して、勝手に熱を持ち始めていた。光莉に無理やり開かされてしまった奥のほうが、ひまりの匂いを嗅いだだけで、じゅわりと卑しい蜜を溢れさせていくのが分かってしまう。
ひまりはまるで甘えるように、可愛らしく、溶けるように囁いた
「嫌、嫌だって言ってるのに……みずきちゃんの身体、すっごく正直だね〜。やっぱり可愛いなぁ……」
突然、ひまりの指先が、ズボンととショーツの合わせ目の真上――最も尖った秘部へと、容赦なくぴったり押し当てられた。コリ、と布地越しに円を描くようにゆっくりと、確実に快楽の芯を抉るような刺激が加えられ、みずきはあまりの衝撃に、ヒクッと腰を激しく跳ね上げた。
「あ……っ!? や……やだ……っ! そこ……触っちゃ……だめぇ……っ! やめっ……!」
みずきの声は、完全にトーンを変えて裏返ってしまった。頭が必死に叫ぶ拒絶の言葉とは裏腹に、身体の奥底から、脳を麻痺させるような痺れが、一気に背筋を駆け上がってくる。
奥歯を強く噛み締め、必死に耐えようとしたが、無邪気な指の動きは、私の都合なんて無視して、クチュクチュと音を立てるように動き続けた。
ひまりの指は、彼女自身の設定データそのものであるはずなのに、なぜかみずきの最も敏感な弱点を完璧に把握していて、的確に、容赦なく快楽だけを何度も何度も押し潰し、刺激し続けた。みずきはもう、自分の腰の震えを止めることすらできない。
「ん……っ! あ……は……っ、ひぅ……っ! やめて……本当、に……っ! ひまりちゃん、おねがい、ゆるして……っ!」
頭ではこんなの間違っていると拒絶しているのに、肉体はひまりの指の動きにどこまでも素直に、より強い刺激を求めて自分から腰を擦りつけてしまう――そんな自分が、たまらなく惨めで、汚らわしかった。
「みずきちゃんは、エッチでいい子……。ほら……ここ、こんなにぐしょぐしょに濡れてきてるよ……?」
目尻から次々と涙が溢れ、シーツを濡らしていく。
底知れない恐怖、ひまりに汚される屈辱、そして、どうしても抗うことができない圧倒的な快感の奔流が、胸の中で激しくぶつかり合ってめちゃくちゃにかき混ぜる。頭ではこんなの間違っていると拒絶しているのに、肉体は指の動きにどこまでも素直に、より強い刺激を求めて自分から腰を擦りつけてしまう――そんな自分が、たまらなく惨めで、汚らわしかった。
ひまりはみずきの涙で濡れた頬に、ちゅ、ちゅ、と軽いキスを何度も落としながら、快感に蕩けきった声で愛らしく囁いた。
「可愛い……みずきちゃん、本当に最高……。もっともっと、エッチな声、いっぱい出して? 私、みずきちゃんが気持ちよくて泣いちゃってるお顔……だーい好きなんだから」
指の速度がさらに一段と速くなり、布地の摩擦が直接、敏感な粘膜へと激しい熱となって伝わる。みずきはもう、言葉の形を成さない淫らな喘ぎ声を部屋中に漏らしながら、縋るようにひまりのドレスの肩を強く掴んだ。
「だめ……っ! あ……あんっ、うあぁっ……! いく……いっちゃう……っ! やだ……っ!」
身体が弓なりに大きく痙攣したその瞬間。みずきの頭のメーターを完全に振り切るほどの、暴力的なまでの強い快楽が一気に爆発した。視界がチカチカと真っ白に染まり、思考のすべてが消えていく。
(……もう……だめ……)
みずきはひまりの腕の中に崩れ落ちたまま、すとんと、深い闇の中へ意識を失っていった。