※この作品はR-18です。

ドラゴンクエストIV・V・VI:天空の覇拳〜導かれし乙女たちと失われた血脈〜   作:坂本太郎

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序章《V》:天空の落とし子 ~受け継がれし覇王の鼓動~

かつて、世界を白濁の快楽と黄金の覇気で包み込んだ伝説の格闘家レオン。彼の歩んだ道は、数多の魔を屠ると同時に、絶望に沈む乙女たちの肉体に消えない「熱」を刻みつけた。その伝説は天空の城へと届き、血脈は絶えることなく次世代へと引き継がれていった。

 

そして今、物語はレオンの孫にあたる青年、シオンの手に委ねられる。

 

シオンは、魔物たちと心を通わせる不思議な力を持ちながらも、その本質には祖父レオンから受け継いだ「覇王の因子」を誰よりも濃く宿していた。柔和で知的な面差しに、どこか憂いを帯びた紫の瞳。しかし、ひとたび戦いに身を投じれば、その瞳は鋭い黄金の光を放ち、磨き抜かれた肉体からは周囲を圧する圧倒的な熱気が溢れ出す。

 

「父上、僕は……自分の中にある、この衝動が怖いのです」

 

亡き父パパスと共に世界を放浪し、行方不明の母を探す過酷な旅路。その道中で、シオンは自分の中に眠る「支配」の本能に気づき始めていた。傷ついた魔物を従わせ、孤独に震える女性を抱きしめるたび、彼の指先からは相手の本能を強制的に再燃させる覇気が漏れ出す。それは救済でありながら、同時に相手を自分の愛なしでは生きられぬ身体へと変えてしまう、甘美で残酷な「王の力」であった。

 

旅の途上、シオンとパパスはラインハットの王子ヘンリーの誘拐事件に巻き込まれ、深い絶望の淵に立たされる。父との別れ、そして十年におよぶ奴隷生活という、肉体と精神を削る過酷な試練。しかし、その暗闇こそが、シオンの中に眠っていた覇王の血を真に覚醒させることとなった。

 

奴隷たちの悲鳴と絶望が渦巻く大神殿。そこでシオンが目にしたのは、神の名の下に虐げられ、尊厳を奪われた多くの乙女たちであった。

「救わなければならない。だが、それだけでは足りない……」

シオンの掌から溢れ出す紫煙のような覇気が、冷え切った奴隷たちの肌を内側から焼き、彼女たちの瞳に再び「生」の情熱を灯していく。

 

ついに神殿を脱出し、自由を手にしたシオンが辿り着いたのは、かつて幼少期を過ごしたサンチョの待つ村。そこで彼は、人間界とは異なる次元から届く、必死な助けを求める声を聞く。

 

「……助けて、覇王の血を引くお方。妖精の国が、冷たい氷に閉ざされようとしています」

 

それは、かつて幼いシオンに「春を告げる妖精」として出会ったベラからの、時空を越えた祈りであった。妖精の世界に異変が起き、春が来なくなったという。妖精たちはその繊細な生命力を奪われ、凍てつく闇の中で震えている。

 

シオンは、父の遺志である「天空の勇者」を探す旅を続ける決意を固めながらも、目の前で助けを求める乙女の声を無視することはできなかった。彼の内に眠るレオンの血が、絶望に震える妖精たちを、その強大で熱い抱擁で包み込みたいと咆哮している。

 

「ベラ……。君が求めているのは、春を呼ぶ魔法か? それとも、すべてを焼き尽くす俺の熱か」

 

シオンが虚空に向けて手を伸ばすと、その指先から放たれた覇気が空間を歪め、妖精の国へと通じる光の扉を無理やり抉じ開けた。

それは、かつて祖父がルイーダの酒場で乙女たちを選び出した時と同じ、宿命の鼓動。

 

妖精の国に足を踏み入れた瞬間、シオンを待ち受けていたのは、凍りついた花々と、冷気に当てられて肌を赤らめ、荒い呼吸を繰り返すベラの姿だった。

 

「シオン様……ああ、その熱さ……。私を、早く……」

 

シオンは無言で、震えるベラの肩を抱き寄せた。彼の逞しい腕から伝わる圧倒的な生命力が、妖精の華奢な肢体を瞬時に沸騰させていく。

これは、天空の勇者を見出すための長い旅路の、ほんの序章に過ぎない。しかし、シオンが通った後には、もはや冷たい雪は残らない。あるのは、覇王の熱によって開花した乙女たちの情熱と、白濁の雫で潤された新たな命の息吹だけだ。

 

伝説は今、アレフガルドから天空へ、そして妖精の国という幻想の舞台へと、さらにその濃度を増して加速していく。

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