※この作品はR-18です。

ドラゴンクエストIV・V・VI:天空の覇拳〜導かれし乙女たちと失われた血脈〜   作:坂本太郎

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序章《VI》:幻視する覇道 ~二つの世界と失われた真実~

かつて、アリアハンの地で九人の乙女と命を混ぜ合わせ、ゾーマの闇を切り裂いた伝説の格闘家レオン。その苛烈なまでの「熱」は、数多の時を超え、天空の城を越え、ついに「夢」と「現実」が溶け合う未曾有の地平へと辿り着いた。

 

物語の舞台は、深い霧に包まれた山頂の村、ライフコッド。

そこで妹のターニアと共に平穏な日々を送る青年――レオン。彼は、先祖である伝説の英雄と同じ名を与えられ、その名に恥じぬ鋼の肉体と、すべてを見通すような鋭い眼光を持っていた。しかし、彼自身はその出自も、己の肉体に眠る「覇王の因子」の正体も知らずにいた。

 

「……また、あの夢か」

 

レオンは、夜明け前の冷気に打たれながら自身の拳を見つめていた。

夢の中で、彼は巨大な魔王の城へと乗り込み、絶望的な力を持つ魔王ムドーを前に立ち尽くす。傍らには、自分を信じて背中を預ける気高き女戦士や、可憐な魔法使いの姿がある。だが、あと一歩というところで、彼の身体は光に包まれ、すべてが霧のように霧散してしまうのだ。

 

その夢を見るたびに、レオンの肉体は、村の生活では決して使うことのない激しい「熱」を帯びる。

彼が深く呼吸をすれば、周囲の草花は季節外れの狂い咲きを見せ、村の女たちは彼とすれ違うだけで、理由の分からぬ火照りと動悸に襲われた。彼の中に眠る覇王の血は、本能的に「真実の肉体」と「救うべき乙女たち」を求めて咆哮していた。

 

村の祭り、精霊の使いとして山頂の儀式に臨んだその日、レオンはついに「世界の穴」を目の当たりにする。

大地を裂く巨大な闇の裂け目。そこから溢れ出す圧倒的な虚無の気配。しかし、レオンはその闇を前にしても、恐怖を感じることはなかった。むしろ、その深淵の向こう側に、自分を呼ぶ無数の女性たちの悲鳴と、まだ見ぬ強敵への渇望を感じ取っていた。

 

「行け、レオン。お前の探している答えは、この空の向こうにある」

 

精霊の啓示か、あるいは己の血が呼び寄せた幻聴か。

レオンは決意を固めた。自分は何者なのか。なぜ、自分の拳はこれほどまでに熱く、誰を抱きしめるためにこの腕はあるのか。その答えを見つけるために、彼は愛する妹ターニアを残し、幻の大地へと身を投じることを選んだ。

 

彼がライフコッドを旅立つ時、その背中には父から譲り受けた古びた道着があった。武器など必要ない。彼の肉体そのものが、夢と現実の境界を打ち砕く「覇道の楔」なのだから。

 

しかし、レオンはまだ知らなかった。

彼がこれから出会う女性たち――記憶を失ったミレーユ、勝ち気な令嬢バーバラ、そして自分を「兄」と呼び慕うターニア自身の内に秘められた「禁断の情熱」。彼女たちが抱える孤独とトラウマは、レオンの放つ圧倒的な生命力によってのみ浄化され、彼女たちは救済の果てに、レオンという一人の「覇王」に従属する喜びを知ることになる。

 

夢の世界は、人々の欲望と想念が形作る場所。

そこでは、レオンの覇気はより純粋に、より暴力的なまでの快楽を伴って乙女たちの本能を揺さぶる。

かつての先祖がアレフガルドで、そして天空で見せた「黄金の絆」は、この夢の世界でさらなる進化を遂げ、十人、二十人と連なる壮絶な「夜の伝説」へと昇華されていくのだ。

 

「待っていろ。俺がすべてを、この拳で暴いてやる」

 

レオンが空を飛び、未知の大地へと降り立った瞬間。

世界を支配する大魔王デスタムーアの宮殿が、かつてない強大な「熱源」の出現に激しく震えた。

伝説は、ついに最終章へと突入する。勇者でも王でもない、一人の「格闘家」がその肉体ひとつで、夢と現実のすべてを愛と白濁で塗り替えていく物語が、今ここに幕を開ける。

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